討伐戦/鹿のお願い2

鹿のお願いのステータスを上げて頭数を増やしたような戦闘。その数なんと31体。
戦術としては前回と同じ敵傷への集中砲火だが攻撃の数が倍以上になっている。
狼は戦力外として考えても、銀狼+大狼10体の大人数が弱った味方を狙い撃ちしてくる。
　
敵数の大幅増量に対し散開の効果は10回のまま。
1列目の敵がかなり多くなるため、列攻撃で一気に蹴散らしてしまいたい。自傷と反撃には注意。
全体攻撃は敵数が多すぎて威力がかなり減衰するが、パッシブの起点として猛威をふるうだろう。
　
また、この戦闘では赤ずきんとおばあちゃん2名が味方として参戦する。
戦闘開始時のタングルフレイムは長期に渡って敵の物理攻撃性能・魔法防御性能を下げるため
魔撃アタッカーは便乗して攻め込むと良いだろう。

大樹から少し離れたところにある、森の中。

赤ずきん
「鹿さん？ちょっといいかしら。」
鹿
「何の用だ……？」
赤ずきん
「赤ずきん。貴方の困りごとを解消しに来たのよ。」

鹿
「――なるほど、狼退治の専門家というわけか。」
赤ずきん
「専門家ってわけじゃないけどね、狼にだけは負けない努力をしてきたわ。
　狼に好き勝手されるのは無性に腹が立つのよっ！」
鹿
「火術を身につけたのもそのためか。」
赤ずきん
「獣用の特別な火もあるわ。きっと貴方もとても嫌がるはずよ。」
鹿
「それは心強い。……では、お願いしようか赤ずきん殿。」
赤ずきん
「……とは言っても私自身はか弱い乙女だからね。そちらにも手伝ってもらうわよ？」

　※頼まれた※

―― 森の奥。

　　　―― ワオオォォォンッ！！

森がざわめき、足音が集まる……

赤ずきん
「……来たわね。すごい数よ。」

狼
「グルルルルル……」
次々と狼が現れる。

　　　―― ズゥンッ

銀と呼ばれる巨大な狼も現れた。

銀狼
「……踏み込むなと、老いぼれには伝えたはずなのだがな。」

ギラリとこちらを睨みつける。

赤ずきん
「貴方が元凶？ まったく、どこの世界でも勝手な連中ねぇ。」
銀狼
「生意気なことを言う子供だな。……実に不味そうだ。」

赤ずきん
「食べられるのはもう懲り懲りよっ！」

ボゥッと手から炎を創り出す。

同時に、木の陰からゆらりと現れる――

逞しいおばあちゃん
「……こういうのをぶっ飛ばしかったんだよ。」
優しいおばあちゃん
「赤ずきんや、こっちにも力を分けられるかい？」
赤ずきん
「大丈夫っ！ここに来てからすこぶる調子いいからっ！！」

銀狼
「子供やら、老いぼれやら……… 嘗められたものだな。」
銀狼
「こちらの数は、把握できているか……？」

　　　―― ズゥンッ

奥から巨大な狼がさらに現れる……

赤ずきん
「どぉんなもんですかぁっ！！」

銀狼
「……なるほど、我々のことをよく識っているようだな。見事だ。」
銀狼
「しばし後退するとしよう。」

狼たちは森の奥へと消えていった。

鹿
「……なんと、本当か？」
赤ずきん
「えぇコテンパンよ！ざまぁみろって感じっ！！」
鹿
「あの銀を退けるとは、驚いた。感謝する。」

　※感謝された※

鹿
「しかしお前達はいつか元の世界に戻る身、我々からの交渉もせねばなるまい。」
赤ずきん
「狼と交渉ねぇ。そんなの出来るのかしら。」
赤ずきん
「ま、私のいるうちは追い払ってあげるわよ。
　たまに美味しいものでもちょうだいねっ！」
鹿
「うむ、森で採れる美味しい食材を紹介しよう。」

鹿
「さて、他に私に何かできることはないかと考えたのだが……」
鹿
「この地に長く居ることで、世界の力の一片が私にも宿っている。その力を譲ろうと思う。」

鹿の身体から黄金色の発光体が浮かび上がる。

発光体はふわふわとこちらに寄ってきて、
接触すると同時に全身が仄かな光に包まれ……

　MHPが 1200 増加した！

……光が収まる。

鹿
「現状、私が持っていても役に立たぬものだ。
　頑健になろうが、大した能力が無ければ意味がない。」
鹿
「フォリウムのために動いてくれる者が持っていたほうが良いだろう。」

鹿
「世界ともども、今後ともよろしくお願いする。」

カエダ
「…………」
榊
「おや、少々力量を見誤りましたかな？
　しかしながら挑戦するその姿勢、貴方を選んだことは正解だったようですねぇ。」