大陸西部にある最大級の領土を持つエルフの国。大陸で一番歴史がある国で、二万年前の遺跡も多く残る。特産物はダンジョンです。と言うほどに、大小多くのダンジョンが存在する。
他人種に対する差別があるわけではないが、国民の多くがエルフであるため、ナチュラルに他種族に対する配慮がなかったりする。
帝都チャーミュギュ
ヴァイス帝国の首都。
巨大な結界に覆われて発展した大陸最大の都市。数万人の人間が暮らしていると言われている。
皇帝が暮らす王宮が存在する。中心部に貴族街が存在する。他種族や平民に対する差別はさほど強くはないが、区別は存在する。
リリア、ヤコフの屋敷は貴族街に存在する。
ヤコフ・リリア邸
貴族街にある二人が住む屋敷。
貴族の屋敷としては小さい。ヴィクトルやユリオも一緒に暮らしていた。
ヤコフ・フェレツマン
帝国貴族の一人で、元宮廷魔術師筆頭。ヴィクトルとユーリの師でもある。魔術の才能のある子供を引き取って手元で育てている。
リリア・バラノフスカヤ
元宮廷治癒師筆頭。ヤコフの妻でもある。ユーリの才能をいち早く気が付き、世界一の治癒師にするために修行をつけていた。
ミナコとも知り合いの模様。
ウラディミル・ルィジョフ(ウーリャ)
リリアの屋敷の菓子職人。
とんでもねー希少素材を持ち込まれてお菓子作って! って言われてめちゃめちゃ冷や汗かいた人。ちなみに師匠にも泣きついた。師匠も困った。頑張ってパイを作ったよ!
ヴィクトルのドラゴン退治時のパーティーメンバー
ギオルギー・ポポーヴィッチ
貴族出身。魔術師兼、錬金術師。武器へのエンチャントが得意であった。
ドラゴン退治の褒賞により、宮廷錬金術師となる。現在は第二研究所の所長に昇進した。
ミラ・バビチェヴァ
本職は薬師兼治癒師なのだが、格闘も得意であり、素手での攻撃を得意としている。
現在はドラゴン退治の褒賞により、騎士候の爵位とエリクサー研究の予算を貰い、宮廷薬師として王宮に勤めている。
エリクサーの素材を知って発狂しかけたが、何とか材料を手に入れようと画策している。
セルゲイ
タンクを務めていた熊の獣人。現時点ではすでに故人である。
ギルド関係者
アナスタシヤ・ポルヤノヴァ
帝都の薬師ギルドのギルドマスター。年代はリリアとミラの間ぐらいなので、ミナコとは直接面識はない。
勇利が持ち込んだ薬草や希少な素材の山を前に、「お空、綺麗」と薄汚れた天井を見上げながら呟いたため、ユリオのトラウマになる。
ニコフ
ヤコフの友人で、帝都の建築ギルドの長。
「持ち運べる家」と言うコンセプトでヴィクトルの依頼を受けて家を作った。
勇利曰く、ヴィクトルが壊した箸を三日で直した逸話を持つとか。
王宮関係者
ヴァレリ・パシチェンコ
王宮の筆頭菓子職人。ウラディミル・ルィジョフの師匠。
独り立ちした弟子に緊急で呼び出されて、なんだ。と思ったらテーンと厨房に置かれた希少食材に泡拭いて倒れそうになった。
その他
ユルク・ドナート
赤毛のエルフの魔術師。
恋人を失い、生きる気力を失っていた。そんな彼が見つけたのは死者の魂を再度引き寄せる「反魂術」だった。
彼は恋人の存在を取り戻すため、超えてはならない一線を越えてしまった。死者を生き返らせる「魔法」などないのに。
帝国の結界の魔石を使った「反魂術」を使用するものの失敗。彼はより強力な魔石を手に入れるために帝国を飛び出す。
そしてその果てに、より深い知識を持つ存在のことを知る。その存在ならば、彼女を生き返らせる方法を知っているのと思った彼は、よりその大いなる存在について調査を開始。
そしてユルク・ドナートはその存在を「強大な魔力を持って呼び出すもの」だと理解した。果たしてこの時のユルク・ドナートにすでに正気はなかったのかもしれない。彼はこの時より、より大きな魔力を、魔石を手に入れるための行動へと変化していく。
帝国の宮廷錬金術師であり、第一研究所の所長にも上り詰めたほどの傑物である。専門は工学系ではあるが、薬学にも精通している天才であった。
彼は呪われた魔石を生み出す方法をなぜ知っていたのか、どこで「強大な存在」を知ったのかはすでに理解していない。ただ、「誰か」に教えてもらった事だけは覚えている。
いや、そもそもなぜ己は「反魂術」などを知っていたのか……?
エルザ
ユルク・ドナートの恋人。
死亡した後、ユルク・ドナートが結界の魔石を使った反魂術によってバンジーの姿となった。
その後、暴走するユルク・ドナートを止めようとするものの、彼女の姿はユルク・ドナート二は見えず(もしくは認識できず)、彼女自身の生前の記憶や意識も時間とともに失われていった。
彼女にはもはやわからない。なぜ自分はこんなに悲しいのか。ただわかるのは「彼を止めなければ」それだけである。
ミハイル老
帝都に暮らす錬金術師。王宮に招致されたこともある腕のいい薬師系錬金術師だったが、エリクサーの材料を知って心が折れた。現在は酒浸りの生活をしている。
ウルーラ山脈
帝国北部にある山脈。大変険しい山として有名。Aランク魔獣が存在しており、Aランク冒険者チームでも踏破は難しいと言われている。
通常は六人パーティで一か月ほどかかると言われているが、ヴィクトルがマッカチンと一週間で踏破したことがあり、それがヴィクトルの伝説の一つである。
ラカイックの町
帝国最北部のダンジョン。宝石、鉱石系のダンジョンである。脱出方法が自力オンリーのため、採算性はいいのだが攻略が難しいダンジョンとして有名。
最下層にはユドグラシルと言う大樹が生えており、その実や葉は貴重な錬金術の素材である。
スモアの町
帝国北部にある小さな町の一つ。ユリオの故郷である。
町の北部に薬草畑とストロベリーの畑が広がっており、夏には帝都から多くの観光客がやって来る。
子豚のピロシキ亭
勇利たちが泊まった宿屋。ピロシキが名物な模様。
関連人物
コーリャ・プリセツキー
町で薬師をしているユリオの祖父。
孫の活躍を楽しみにしながらも、心配している。あと娘の恋も心配している。
ユリオの母である娘は恋多き人物であり、いろいろな男性と結婚しては別れるを繰り返している。
現在は三人の孫と一緒に暮らしている。
ユリオの弟妹
今のところ弟二人、妹一人の三人である。
テオドール・グルィズノフ
冒険者ギルドの副マスター。勇利にジャイアント・キラー・ベスパの巣のあった場所を案内してもらうついでに、森のキノコについていろいろと教えた。
アリベルト
ユリオより(人間感覚で)一、二歳ほど年上の少年。
町の悪ガキでありユリオの他、年少の子供たちのリーダーを気取っていた。ユリオに突っかかっていたのは、当時からユリオの魔術の才能がとびぬけていたことと、ユリオの性格によるところである。
ユリオがリリアとヤコフに引き取られるのに前後し、彼らも帝都に向かっていた。
ルスタン
アリベルトの腰巾着の一人。
フョードル
アリベルトの腰巾着の一人。
スモアの毒ダンジョン
毒ばかりドロップするやべぇダンジョン。
主要人物
バルカイ湖
帝都近くにある大きな湖。ヌシと呼ばれる巨大なヘビが棲んでいると言われているが、その正体は『エンペラー・バルカイ・オーリム』と呼ばれる巨大なオーリムである。
ファロ村
ユクォーゼリア近くにある村。ユクォーゼリアから仕入れたオーリムを使った料理が美味しい宿、『浮かぶ子豚亭(inn Floating Piglet)』がある。
ユクォーゼリア
バルカイ湖にほとりにある町。湖で獲れる海産物が特産品。『凍えた子豚亭(inn Frozen Piglet)』がある。
ニコライ・ルビンシテイン
ユクォーゼリアの漁師ギルドの会員。嫁さんは常に募集中の三百五十歳。勇利たちと巨大シール退治に出た後、食事を持ってきてくれた同僚の妹と半年後にゴールインする。
アントン・アレンスキー
ユクォーゼリアの冒険者ギルドの職員。
ドミトリー・ボロノフ
ユクォーゼリア漁師ギルドのギルド長。大量の巨大シールを解体していた。しばらく夢の中でも解体していたという。
ナホ村
ユクォーゼリアとテピールの間の街道沿いにある村の一つ。人口一〇〇人未満の小さな村。
この度村の井戸がサールモンに汚染されたためバイオハザードが発生した。原因については諸事情により村人たちには伏せられている。ただ、その後一人の若者が村を出て行った。だが、若者が村を出ていくのはよくあることのため、不思議に思うものはいなかったという。
グレープ・バクシン
異世界転生した元日本人。生前はごく普通のサラリーマン。たまにライトノベルやアニメ、ゲームをたしなむ程度のごく普通の男性。あえて言うなら極度のマヨラー。
中途半端な知識でマヨネーズを作ろうとしてバイオハザードを発生させた。借金返済後は極東の島国へと移りマヨネーズを伝えつつ多くの調味料開発に尽力したという。ちなみに寿命の違いゆえに、奥さんは複数いたらしい。
エニア村
ユクォーゼリアとテピールの間の街道沿いにある村の一つ。周辺の中では規模が大きい部類にある。最近付近にコッコが大量発生するダンジョンが生まれた。
いろいろ面倒な制約のあるダンジョンなので、テピールの冒険者ギルドの派出所が作られることになる。
数十年後には町規模になっているのだが、まだ少し未来の話だ。
テピール
芸術の街、もしくは職人の街と言われる、帝国第二の都市。街の中を大きな川が流れる美しい街である。
料理の美味い宿に、『麗しき子豚亭(inn Beauty Piglet)』がある。
フォロン・カタナンドフ
テピールに本店があるカタナンドフ商会の主。元冒険者で店を持った後もユクォーゼリアとテピールの間を行商をしながら自ら仕入れを行っている。
若手冒険者を積極的に護衛に雇ったり、人助けを積極的に行う善性の人物。
マヨネーズに魅入られた一人。三年にわたる開発期間を経て大体的に売り出し、一財産を築くことになる。
【幸福な獅子】
Bランクの冒険者チーム。現在はユクォーゼリアとテピールの間をカタナンドフ商会の護衛をしながら行き来している。
そのついでに各村での依頼を受けたり、魔獣の討伐をしており、Aランク昇級も近いと言われているチームである。
ラズ
【幸福な獅子】の剣士。チームリーダー。
魔力はさほど高くはない。
マクシーム
【幸福な獅子】の弓士。実はラズとは双子の兄弟。
グリゴリー・グラツキー
【幸福な獅子】の魔術師。兼業治癒師。スキルとして、ダンジョンのサイズ把握と階段位置がわかる能力を持つ。
グルナラ
【幸福な獅子】の魔術師。兼業薬師。
パーシャ
【幸福な獅子】のシーフ。兼業サモナーで、相棒は大きな鳥である。
マルコス
テピールの薬師ギルドの専属錬金術師だった老人。物語の時点で既に故人である。
リーナ
猫科の獣人の女性。二十代。
帝都のミハイル老に弟子入りしていた。既に資格は取得しており、独立資金を貯めている最中だったのだが、師が心が折れてしまったため、師の兄弟子のところで世話になることになった。
師の兄弟子のあまりの生活能力の低さに、遠慮は二日で消し飛んだらしい。彼女が真っ先にしたのは部屋の掃除と自らの居場所の確保である。
ロドリゲス・ルベンチェンコ
テピールに住む錬金術師。工学系錬金術師で、付与魔術では帝国でトップの腕前を持つが、本人はあくまでも本業は細工師である。
腕はいいが変人を地でいくような性格で、本人も自分が人間性が底辺であることは自覚しているらしい。それでも一応姪弟子となるリーナの面倒は見ようとは思っている。
彼の作る細工は一つ白金貨十枚からと言われており、順番待ちで数十年後まで予約で埋まっているとか。
クリスタ
Bランクのソロ冒険者。リーナの兄弟子がテピールまでの護衛として依頼をした女性冒険者。
なかなか過保護な性格をしている模様。テピールでリーナの生活が落ち着いたのを見届けると、帝都に戻っていった。
ベルナルト・ジルコフ
冒険者ギルド長。愛称はベルーチャ。
ヴィクトルがSランクになった後に就任している。勇利たちがテピールに滞在していた時は大変胃が痛い思いをしていた。
フョードル・ウシャコフ
テピール前領主。愛称はフェーヂャ。
現在は息子が領主をしている。ノリは軽いがヤコフとほぼ同世代で、そのつながりでヴィクトルと面識があった。
孫娘がヴィクトルと同世代。ミナコが帝都に滞在中はテピールの現奥さんの所にいたため、直接的な面識はない。
今回は政治的なものではないというアピールのため、テピールに戻ってきたヴィクトルを最初にパーティーに招待した。
マリア・スヴォロヴァ
ヴィクトルの別荘の管理人の女性。
リリアの友人で元貴族夫人。夫に先立たれたあとなんやかんやあって当時のリリアの家であった現ヴィクトルの別荘の管理を任された。
焼き菓子づくりが得意。
ゴラン・マルチヤノフ
ヴィクトルの別荘の料理人。
現在は引退しているが、元は貴族に仕えたり、有名な店で腕を振るっていた。テピール出身で、ヤコフとは旧知の仲。
キール・マルチヤノフ
ゴランの息子。テピールで繁盛している飲食店を開いている。嫁さんはまだいない。父親からの無茶振りに応えているうちにいろいろと開眼した。
テピールで完成したマヨネーズをいち早く取り入れ、マヨネーズの布教に大きく貢献を果たす。
ダニーラ
テピール近郊にある農村の青年。父親が巨大ヴォーパル・ラビットに食い殺された。仇を取るために他の村の青年二人とともに森に出ていたところを勇利たちに遭遇した。
勇利に仇の頭を譲ってもらい、村に帰還している。
ウラジーミル・ニルギル
愛称はヴォーヴァ。ちなみにウラジーミルの名前はエルフではよくある名前。
テピールに住む貴人の一人。ヴィクトルよりは少し年上程度。
この度『人形』によって屋敷の者たちともども惨殺された。屋敷の地下からは干からびた死体が多数見つかっているが何があったかは調査中である。
イーゴリ・タミル
テピールに住む貴人の一人。ウラジーミルよりは若干年下。なお、タミル家とニルギル家の確執は、何代か前に女性の取り合いをしたとかしないとかそういう話である。さらに言うならばどちらも振られたとかなんとか。
触手の瘴気に当てられ、いがみ合っていたとはいえなんだかんだ付き合いのあった知人の凄惨な死を目撃したため、しばらく寝込んでいた。
ニフリート
突然ニルギル家に現れた不思議な『人形』。
二十代後半ぐらいの美しい青年の姿をしている。『ヴォーヴァ』に愛を囁き、愛を乞っていた。
帝国=スワラ国境砦
スワラとの間にある国境砦。元は双子砦を帝国とスワラでお互いに利用している。古い壁と門があるが、壁は国境をすべてカバーしているわけではない。
関連事項
サスナ
アカマツのこと。帝国北部の他、ドーン北部に多く生えている。
初出は短編集5巻「冬ごもり準備」
実が食用可能で、子供たちのおやつにもなっている。
実は貧血とかに効くほか、ヘヤケアアイテムにも使っているとのこと。
枝葉を煮込んで採取したオイルは風呂に入れると、血行促進、保温効果抜群。
登場人物
クプリヤン・スヴォロフ
国境警備隊隊長。愛称はクーリャ。
突然現れた『フロスト・シャーク』に足を引きちぎられたが、勇利のおかげでくっつくことができた。
その際、何度か勇利に『浄化』を受けたことで何らかの暗示のようなデバフが解除されたようだ。
エミーリヤ
クプリヤンの相棒である屈強な女性。クプリヤン同様に勇利の『浄化』を受けたことで暗示のようなものが解除されたらしい。
ニキータ
国境砦に努める老医師。正確に言えば治癒師。この度勇利のおかげで外科的知識の重要性を理解する。何歳になっても日々勉強だなと受け入れる程度の柔軟性を持っている。
エゴール
通称、赤毛のエゴール。国境警備委員の一人。勇利をクプリヤンのところに案内した。
ザファー
国境砦を拠点にしている冒険者で、勇利に絡んで一発で沈められた男。なお、勇利たちが立ち去るまで床に放置されていたらしい。
ただ、翌日にウォトカをもらってヴィクトルの活躍を話していた程度にはちゃっかりした性格。
イリーダル
国境砦のスワラ側の責任者。だがここ数年姿を見せていない。そのことを誰も不審に思わなったなど謎がある。
スワラの王権交代の発表に前後して死亡が確認されているが、その死にはいろいろと謎が多い。また、彼の他にも数体の『人形』が発見されている。
パヴロフ
国境砦の帝国側職員。元はウルーラ山脈の向こう側出身……ということになっている。
スワラサイドのスパイのようなことをしているが、実際はスワラ北部のラトーニア出身で、彼には彼の思惑があった。王権交代後もそのまま帝国側に勤めている。