ダイイングメッセージに関わるパターンを列挙。
はじめに 脆弱なロジックと非リアリティによる時代遅れなもの?
ダイイングメッセージというトリック(ギミック)は、根本的にいくつかの問題を抱えている。
・死の間際には、生存本能が優先され助けを呼ぼうとして、犯人指摘する余裕はない。仮に書いたとしても、余裕の無さから、複雑なメッセージを作る事は難しく、問題になるようなものにはならない。
・被害者が本当は何を意図していたのかは、被害者のみぞ知る話であり、個人私的解釈では、犯人指摘の厳密なロジックとはなりえない。
・殺害現場には犯人が居合わせる可能性が高く、犯人がメッセージに気づかずそのまま残した理由、あるいは、犯人の完全な偽装や一部手を加えた可能性の排除など、犯人の動きにも合理性をもたせないといけない。
と成立条件が非常に難しい類のものである。限定的状況、特別な理由でそれらを乗り越えたとしても、
暗号解読の問題であるため、万人受けし誰もがその解読解釈に感動する作品とはなりがたいものなのも厄介である。一応特別な状況とは、
遅かれ早かれ死ぬ事は確定しているが、まだ時間的余裕はあり、その時が訪れるまで脅威はないが救命の望みは絶たれている状況。
かつ、犯人は現場に常時いないか死角によって、作業の場所・時間が確保されており、死体発見時、伝言に犯人の細工がない事が自明の場合、
あるいは犯人の手によるものか被害者のてによるものなのかの区別が可能な痕跡が残っている場合。
例)監禁されて餓死する。内出血で死にそうだが電話の無い密室に逃げ込めた。墜落する飛行機の中。
というわけで、ダイイングメッセージの探求は難しいところがあるだろうが、今後まとめていこうと思う。
ダイイングメッセージ まとめ
- 被害者の手によるもの 細工もなく完成しているもの(しかし、捻りすぎたのかその伝言がうまく伝わらないもの。)
- 被害者の手によるもので、細工はないが途中でいきたえあるいは意識混濁により未完成なもの(未完成ゆえに伝わらない。)
- サトウのサの字を書こうとしたが、犯人に引きずられていたため、3つの線が離れてしまった。
- 一部やまたはすべてが犯人、第三者、自然現象などの事由でできあがったもの(誤読、または破損により伝わらない)
- 即死の為、メッセージなどかけない被害者が伝言を残していた。(偽者だった)
- ダイイングメッセージでもなんでもない勘違いパターン。
※トリックでもなんでもありませんでしたというオチなので、これを主題にしたミステリはおそらくないと思われる。