機密保持のためのものから、子供遊びのものまで様々な面で隠された意味や秘密のメッセージを伝える機会があり、暗号という限られた人物同士でしか知りえないやりとりが用いられる。
ミステリにおいては、ダイイングメッセージに始まり、現場のおかしな点、宝(物)探し、謎の遺書の解読などに登場する。
暗号の形態
言葉・文章
- それ自体を隠し他人の眼にふれぬようにやり取り
- 文意は分かるが限られた人物にしか答えはわからない文
- 共通する記憶をもつ人向け(去年の一月一日は?等)
- ある知識を持つ人向け(なぞなぞ)
- 見られても(聞かれても)意味が分からないよう細工
- 単語を置き換える(赤という一言で、夜明け前に攻めるを示す等)
- 位置を置き換える
- アナグラム
- アナグラム
- 文字を置き換える
- 単換字式
- 多換字式
- 意味のない文字の中に紛れさせる
- 不要な文字を消すと浮かび上がる(たぬき文章など)
- たて読み、斜め読み、限られた部分を抜き出す
- 単語を置き換える(赤という一言で、夜明け前に攻めるを示す等)
物
- 物単体や、物同士を結び付けて考え意味を見出す
- 登場人物の名前の数字の大小を、果物のサイズで表す
- 格子柄の敷物と四角い置物で、将棋を示す
- 2つのはさみでかに座を示す
- 物と場所を結びつけて意味を見出す。
- 玄関におかれた丸々など
体勢、行動、ふるまい
- ハンドサイン
- 指で方向や物や身体の一部を指し示す
- 普段しない行動をとり、異常事態を伝える。
- 体で文字を作る
- 事前に決めた符丁に従い、決められたポーズや姿勢をとる。
暗号解読の方法
- どういうタイプの暗号か(上述のどれか)
- どういうルールで暗号化されたのか
暗号解読は突き詰めればこの2つのプロセスの模索である。出来る限り効率的に解読するには、製作者に関する推測と予想される答からの推測を踏まえ、有効活用する必要がある。
製作者に関する推測とは、製作者の趣味嗜好やクセ、考え方やもっといえば暗号制作にまつわるこぼれ話を調べ、
どういう暗号を作りそうなのかと考える事。有効な情報があれば、暗号の方向や内容の絞込みが出来る。
予想される答からの推測とは、例えば、家の敷地のある場所に隠したものの暗号だとすれば、答えは物置や寝室、絵の裏などと答えの文字数に検討をつけることであったり、
それを生かして暗号文を数分割ごとに一文字を現しているのではと暗号の構造を仮定し考えていくことである。
もし複雑な内容を示す答えになると予測できるならば、単純な内容しか示せない物や行動より、
文意は分かるが、意味のわからないなぞなぞよりのものや文字の置き換え方式に近づいていくとわかる。
なお、この文字の置き換えは歴史的にはカエサルの時代からもすでに用いられ、過去2回の世界大戦においても活発な情報戦略が繰り広げられていた領域である。
頻度分析や文字の並びや構成から、仮定していく言語学的アプローチ、数学的アプローチとさまざまな方法論とこれまでの暗号例があるが、ミステリにおいては踊る人形等を除き、あまり出題がないと思われるので、あまり触れない。