セルリアン/黒セーバル

Last-modified: 2018-07-12 (木) 21:33:26
名前
黒セーバル
分類
フレンズ型セルリアン
黒セーバル.jpg

概要

フレンズになる前のセルリアンであったセーバルに似た姿をしたセルリアン。
ただし、赤い瞳を除く全身が黒い薄灰色へと染まっている。
 
緑のセーバルと違い、カタコト言葉で喋ることはなく難しい言葉も扱う。
彼女が発する言葉の節々にはどこか諦めにも似た雰囲気を持つ。
いつもムスッとしていたり困り眉だったりするところも加えて自己評価の低さが伺える。
しかし褒められると照れ隠しのようにピョンピョン小さく跳ねたり、カタコト喋りに戻ったりする可愛らしい一面も存在する。
 
好きなものは「ハッピーエンドの映画」
嫌いなものは「目の前で友達が消える光景」
 
けものフレンズ1x.5話「むこうがわ」』及び『けものフレンズ1x.5話「むこうがわ」エピローグ 郷愁の彼方』に登場。
(作者はbool氏。同氏によるセーバル改変版のMMDモデルも存在。)

作中での活躍

ロッジから港に着いたかばんは一人で船に乗り、海のむこうがわに出発する。
到着した陸地では旧ネクソンアプリ版のサーバル、カラカル、ミライ、カコ、そしてフレンズのセーバルらと出会う。
皆で仲良く過ごしている中、突如かばんの前に謎の黒い人物が出現する。
自らを「セルリアンのセーバル」と名乗るが……?
その正体は……(以降、登場作品の核心部分のネタバレ注意)

その正体は、セーバルが‘特別’を用いてフレンズ化する直前、既にセルリアン女王の中に取り込まれていた側の‘特別’。セルリアンのままのセーバル。
フレンズになれなかったセーバル、故にセルリアンのセーバル。
セルリアン女王が無力化され小さなセルリアンに戻った時、黒セーバルは意識だけが弾き出されてしまったらしい。
黒セーバルの自己評価の低さは、あと一歩のところで友達の元へ駆け寄れなかった後悔が根底にある。

 

説明が遅れたが、かばんが黒セーバルに出会った場所は海を渡って辿り着いたゴコクエリアなどではなく、
アニメ版11話で我々を絶望のどん底に叩き落としたあの超巨大黒セルリアンの体内である。

 

セルリアンに食べられたフレンズは皆、セルリアンの中でサンドスターが消滅するまでのあいだ、
本人の願望と星の記憶によって構成された「映画」と呼ばれる理想の世界を観させられる。
黒セーバルはサンドスターとセルリウムの狭間の空間に精神だけのような状態で留まり続け、
沢山の「映画」をフレンズたちが消えていく様子と共に観てきたそうだ。
かばんがそうであったように本人は「映画」に登場している自覚はなく、
「映画」が終わる頃には自我も記憶もサンドスターもセルリアンに奪われていき、文字通りの意味で結末を迎える。

 

フレンズの願望から作られた「映画」は、どれもハッピーエンドを迎える。
黒セーバルは、自分が得られなかった幸せをおすそ分けしてもらえるこの「映画」が好きだった。

 

ただしこの「映画」を作っている張本人は、過去に無力化されたはずのセルリアン女王であった。
ネクソン版の最終決戦で敗北を悟った女王は、自らにセルハーモニーを放ち進化しようと試みる。
だが進化の限界に肉体が耐え切れず弾けてしまい、黒セーバルと同じく意識だけがこの空間に辿り着く。
それ以来、不完全ながら進化で手にした力で「映画」を作り続けている。

 

「映画」に登場する本人が作り物の違和感に気付いた時、
黒セーバルは「映画」の中から本人の意識の塊を引っぱり出すことができる。
引っぱり出されたとしても消滅する事自体は変わらない、
それを理解しながらも黒セーバルのために出来ることはないかと考え続けるかばんの姿は、
黒セーバルにとってかつて自分のことをたくさんたくさん考えてくれたトモダチの姿と重なるものだった。

 
物語終盤では……

物語終盤では、消えゆくかばんの記憶を復活させる鍵を握るセルリアン女王に会うため走る二人だが、
無情にもかばんのサンドスターは限界を迎え、記憶を、自我を失ってしまう。
この時、この空間の外は今まさにアニメ12話
黒セーバルは空間に響く音から、かばんがセルリアンの中から救出されようとしていることを察する。
だが、記憶が伴わない状態で肉体が救出されたとしても、そこには全てを忘れたヒトのフレンズがいるだけだ。

 

昔、黒セーバルはたくさん考えていた。
フレンズみたいに喋れるようになれば、自分もフレンズになれるかもしれない。
フレンズを近くで見続けていれば、自分もフレンズになれるかもしれない。
フレンズの友達がまた出来れば、自分もフレンズになれるかもしれない。

 

今、黒セーバルはたくさん考えていた。
セルリアンは、記憶をサンドスターに戻す。
女王は、記憶とサンドスターから「映画」の世界を再現する。
それならセルリアンである自分は、サンドスターから記憶を再現できるかもしれない。

 

境遇以外のすべてがフレンズになれていた黒セーバルは、友達を救うためにセルリアンとして全力を尽くすことを決意する。
たとえそれが、自分との出会いが記憶されたサンドスターと引き換えであったとしても。

 

こうして無事にかばんは記憶を保ったままセルリアンの体内から救出され、物語はハッピーエンドを迎えた──と思われた
すべてが終わった後、黒セーバルの前にセルリアン女王が姿を現す。
その虹色の瞳は野望に輝いていた。

 

物語はエピローグ「郷愁の彼方」へと続く

余談

同作者による舞台版けものフレンズの劇中歌「まくがあがる」のMMD動画も存在する。
黒セーバルの表情が非常に可愛いので見てみよう。

リンク

「むこうがわ」シリーズのリンク
http://www.nicovideo.jp/mylist/58777028
【MMDけもフレ】黒セーバルで『まくがあがる』 & 郷愁の彼方#0.5
http://www.nicovideo.jp/watch/sm33056980