M4 Sherman

Last-modified: 2022-01-28 (金) 11:56:04

usa.m4.png

Tier 5 アメリカ 中戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP400
車体装甲厚(mm)51/38/38
最高速度(km/h)48
重量/最大積載量(t)29.6/30.0
本体価格(シルバー)350,500
修理費(シルバー)

戦車パッケージ

パッケージ名
(必要経験値/購入シルバー)
M4A1(76)Sherman
(10,900/84,030)
M4A3E8
(30,500/930,500)
M4A3E2
(32,750/975,000)
M4
(14,055/350,500)
M4E5 Sherman
(4,500/59,600)
M4A1(105)
(7,800/74,000)

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
M4Wright Continental R-975EC275 mm Gun M3 L/37T41D51066400395
350AP
APCR
HE
92
127
38
110
110
175
9056
7G
56
15.79
2.09
0.46
3576/50/5039330
M4E5 ShermanWright Continental R-975C1105 mm SPH M4 L/23T42D51066400395
400HE
HEAT
53
101.59
410
350
46166
10G
6.67
2.29
0.55
3776/50/5039330
M4A1(76)ShermanWright Continental R-975C476 mm Gun M1A1T42D51072460615
460AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
9096
7G
68
14.29
2.29
0.43
3763/63/6337370
M4A1(105)Wright Continental R-975C4105 mm SPH M4 L/23T42D51072460615
460HE
HEAT
53
101.59
410
350
46166
10G
6.67
2.29
0.55
3763/63/6337370

解説

回らない砲塔のM3リーから、全周囲回転できる主砲を得て、さらに強力は105mm榴弾砲まで撃てるようになったアメリカ中戦車の雄。
基本的にバランスが取れているものの、車体の大きさと、戦場にはTeir4~6に大口径榴弾のライバルがひしめいているため、被弾しないよう注意が必要となる。

 
Pz.Kpfw IV Ausf. Hとの性能比較(長いので折り畳み)

性能比較

・Pz.Kpfw IV Ausf. Hとの比較(主砲)

戦車名 / 主砲貫通力(mm)ダメージ発射
速度
DPM
(AP)
照準
時間
精度俯角/仰角
AP金弾HEAP金弾HE
M4 Sherman / 105 mm SPH M4 L/23-10253-3504106.67-2.290.55-12°/+25°
Pz.Kpfw IV Ausf. H? / 10.5 cm KwK 42 L/2864104533503504107.526252.290.55-10°/+20°

(俯角/仰角の数値はPC版wikiより引用)

Pz.IV Hの方が装填が早く、攻撃力ではPz.IV Hに軍配が上がる。
その他に大きな差異は無いが、M4の俯角-12°は地味ながら有利な点。

・Pz.IV Hとの比較(装甲)

戦車名耐久力車体装甲(mm)砲塔装甲(mm)
前面側面背面前面側面背面
M4 Sherman460513838636363
Pz.Kpfw IV Ausf. H?480803020503030

防御力では甲乙つけがたい。
Pz.IV Hはスペック上の装甲に加え追加装甲(シュルツェン)があり、HEの貫通を防ぎやすい。が、砲塔正面は50mmしかなく追加装甲もほとんどカバーしていないので、足を止めて撃ち合う時にはどうしても10榴貫通の危険にさらされてしまう。
M4の車体は前面でも10榴貫通の危険があるが、これを隠し砲塔だけを覗かせるようにすればその心配はほぼなくなる。

・Pz.IV Hとの比較(機動性・偵察性能)

戦車名エンジン出力
(hp)
最高速度
(km/h)
旋回速度(°/s)重量
(t)
実用出力重量比
(hp/t)
視認範囲
(m)
通信範囲
(m)
隠蔽率
車体砲塔静止時移動時発砲補正
M4 Sherman46048373731.0014.843706150.25720.19280.2597
Pz.Kpfw IV Ausf. H?44040324425.5317.233507100.29420.22070.2087

(隠蔽率の数値はPC版wikiより、重量の数値は公式戦車辞典より引用)

Pz.IV Hは加速で優れており、M4は最高速と車体旋回速度で優れる。
視界はM4の方が広いが隠蔽率はPz.IV Hの方が良好なため、偵察力に大きな差は無いだろう。

主砲選択アンケート

どの主砲を良く使ってますか?

選択肢 得票数 得票率 投票
76 mm Gun M1A1 28 50.9%
105 mm SPH M4 L/23 27 49.1%
その他
投票総数 55
 

史実

ヨーロッパで聞こえてくるドイツ軍の破竹の勢いに対し、取り急ぎ中戦車を要したアメリカ軍は、M2中戦車などから得た既存技術だけで開発できるよう、車体に主砲75mm砲を装備し、旋回砲塔に副砲37mm砲を搭載したM3中戦車リーの設計終了後、直ちに旋回砲塔に75mm砲を搭載する中戦車の設計に着手、T6と付けられたプロトタイプは1941年9月に完成しました。
M3中戦車のシャーシやエンジン、足回りなどを流用して開発期間を短縮できたので、翌10月にはすでにM4中戦車として正式化されるという、驚くべきスピードで開発されました。
しかし、実際の生産には大増産に追随できる工場が足りず、軍上層部から要求された生産台数確保が難しくなり、フォードを初めとする多数の自動車や、機械工業の製造工場で製造することになったために、その工場の持つ製造ラインにあわせて、ある程度の互換性を持たせたパーツを組み合わせる方式を取ることになりました。
その中の一部の工場では、鋳造車体の生産が出来ないため、新たにM4A1として鋳造車体を、M4として溶接車体を区別することになりましたが、工場や生産時期によりエンジンや車体の一部が鋳造と溶接のハイブリッドなど、規格が合えばM4として生産されました、この為、同時期のロットでもいくつものバージョンが存在していて、型式の判別が難しい個体もあるそうです。
M4は1943年末までで生産を終了して作られたのは約7,000両、M4A1は更に76mmM1砲に換装した大型砲塔と、新型鋳造車体を与えられ1945年5月までに総生産1万両を超えるとも言われています。
米軍機甲部上層部はドイツ戦車に遭遇するのは少ないだろうと、楽観的な考えから歩兵支援を想定していたために、初期のM4シャーマンは75mm砲を使用していました、敵が籠もる建物や陣地攻撃には都合が良かったのですが、ドイツ戦車相手の対戦車用途には不利でした、米軍もこれは承知の上で新たに対戦車砲として76mmM1を搭載、1943年4月には完成してテストも済ませていました、しかし、機甲軍試験部は76mmM1砲搭載型M4に失敗作の烙印を押してしまいます。
なぜかというと、試験部では徹甲弾の貫徹力より榴弾砲の威力低下を問題視していて、砲尾の巨大化による作業効率の低下と併せて、75mm砲より劣るという結論を下したためでした。 しかも、76mm弾は対戦車用として用意されたにもかかわらず、歩兵支援が先決として榴弾を優先する保守的な運用を求める試験部は、頑としてこの主張を最後まで下げることはありませんでした。
口径1mmの差で威力が落ちるのは不思議かと思いますが、76mmより75mmの榴弾の方が弾頭重量、炸薬量で勝っており(75mm:弾頭6.7kg・炸薬660g / 76mm:弾頭5.7kg・炸薬390g)、75mmの方が威力が高かったのはそのためで、76mmの砲そのものの問題ではなく、榴弾に問題があり、なぜ、試験部や軍部で威力を増した76mm砲弾を用意しなかったのかが、いまだに謎とされています。 ただし、徹甲弾の貫徹力など諸々はチキンと76mm弾はその要求を満たしていました。
その為、米軍では75mmと76mmの使い分けをすることになりました。
対戦車戦闘に76mm砲搭載中隊と支援の75mm砲搭載小隊+大隊付の105mm榴弾砲搭載1両が組まれると言うような編成もありました。
また、歩兵支援主体の海兵隊は75mm砲搭載を掻き集めた、と言う記録もあります。
76mmM1砲の復権に掛けて、鋳造車体の前部と溶接した後部を合わせたコンポジットタイプ車体に、試作に終わったT20中戦車の砲塔を小改良して搭載したM4E6(A1の試作モデル)を、殆ど意地で開発して僅か20両ほど生産しています。
何故かM3中戦車の車体をベースとしたカナダ軍のラムII中戦車が、アメリカ軍によってM4A5の識別ナンバーを与えられていたりします。
M4A6は日本における履帯の代名詞キャタピラーの商標元である、キャタピラー・トラック社製の空冷星型9気筒エンジン(450馬力)を搭載したもので、クライスラー・デトロイト工廠で製作されましたが、僅か75両が作られただけにとどまりました。
その他、クライスラー製のバスに使われていたA-57液冷ガソリンエンジンをいくつも連結して、マルチバンク化したM4A4などがあります。

少数ではありますが(とはいえ、各モデル合わせて3,039両も造っている)、105mm榴弾砲を搭載する火力支援型が各型に存在しています、のちのちの火力増強に備えて、砲塔と砲架に余裕を持たせていた事が吉と出た結果でした。
弾薬庫がよく引火しやすく、すぐ炎上するので被害が無視できないと、前線から特にイギリス軍側からクレームがつき、湿式弾庫に改められました。 砲塔と車体上部にあった砲弾ラックを砲塔床下の湿式弾薬庫に移動するなど、現地の意見もフィードバックされ、即座にM4A1として採用されました。(弾薬庫に水を張った湿式弾薬庫は前出のE6で採用)
対ドイツ戦車戦には、単体火力を補うために囮を必ず使って側面や背後から攻撃するよう指示されていて、一方的な被害も多かったのですが、駆逐戦車との共同でハルダウン戦術や航空隊との連携を取るなどして西部戦線を戦い抜きました。
ただし、味方戦闘爆撃機からの誤射も実は多く、野営していた1個中隊が味方の米戦闘爆撃機P47たった1機に壊滅に追い込まれた、ということもあったとか。

車体の下部脱出ハッチは、歩兵にとって格好の弾除けとして重宝されたため、駐車している夜中などによく盗まれたそうです。
また、装甲が足りないとして現地では、民家などから持って来た板を張り付けたり、コンクリートブロックや予備履帯、予備転輪はもとより、機銃の弾薬箱まで括り付けた車両の写真が残されています。

イギリスに送られたM4中戦車試作型であるT6こと、「マイケル(米マイケル購資使節団長に由来)」はRAC戦車博物館に展示されていて、砲塔など制式採用版との僅かな違いが見て取れる、貴重な資料となっています。

また、弾薬庫の処置をしていない頃、被弾してすぐ即応弾の炎上や爆発の頻度が高い、燃料タンクのガソリンに引火し易いことから「ライター」と揶揄されていました、また、ドイツ兵からは「ストーブ」と面白がって呼ばれていたそうです。 装甲も薄く1km先からでも貫通される事が多く、ほとんどあてにならないので「池のアヒルのように(簡単に)やられる」とも言われました。
奇しくも後の太平洋戦線で、旧日本陸軍戦車が同じM4によって同じ目に遭わされていた事は、ヨーロッパ戦線にいた彼等には想像し得なかったでしょう。

コメント

  • 最終砲として105mm榴弾砲を使うのか、76mmを使うのか。まぁ、普通は105mmを使うんでしょう。ティア5に榴弾砲が飛びまくる原因となる戦車の1つですw -- 2014-08-12 (火) 17:43:12
    • 支援目的なら10榴弾だろうけど、下位車輌しか直撃弾で死なないから76mmAP弾で貫通狙いつつ、76mm榴弾を使って下位TD(オープントップの)を葬ったり、課金APCR弾で上位車輌を貫通したりと76mm砲の砲が楽しめるね。 -- 2015-02-20 (金) 17:08:33
      • 現環境なら間違いなく榴弾一択。 -- 2022-01-28 (金) 11:56:04
  • 数字だけ見ると、上位砲塔の装甲はKV-1・122mm榴弾砲のHE貫通をぎりぎり防げる。車体も正面なら10榴HEを非貫通で耐える。かと言ってHEATだとハルダウン+俯角めいっぱいの砲塔には弾かれる。こいつを榴弾砲でどうにかしようとするのはあんまり得策じゃないかも -- 2015-03-17 (火) 21:13:23
    • 頭カチカチのアメ車は弱点である側面・背面を撃ち抜くのが基本だからw。 -- 2015-03-18 (水) 00:03:39
  • その基本を実行させてくれる相手なら与しやすいんですが、使う側もそこはわきまえてると思うので、結果的に真っ向勝負止むなしとなることも多いと思うのです。そういう時にこいつは大口径榴弾砲組には比較的荷が重い相手だぞ、と思い出して判断材料にしてもらえればなと -- 2015-03-18 (水) 01:35:55
    • 3月のコンペ第2弾のMTはM4シャーマンのようですから頑張って下さい。 -- 2015-03-18 (水) 17:13:25