ソ連 RankV 中戦車 T-34-85
概要
T-34-85の本格的な生産型。
基本性能はT-34-85(D-5T)から変化はないが、乗員が1人増えリロード時間が短縮されている他、APCRも追加されている。
地味に砲塔形状も(D-5T)から変化している。
今日「T-34」と言えば一般的に殆どの場合はこちらを指す。
車両情報(v2.25.0)
必要経費
必要小隊レベル | 10 |
---|
報酬
SL倍率 | 2.0 |
---|
車両性能
項目 | 数値 |
---|---|
砲塔旋回速度(°/s) | 25.0 |
俯角/仰角(°) | -5/22 |
リロード速度(秒) | 7.4 |
スタビライザー/維持速度(km/h) | 無し / - |
車体装甲厚 (前/側/後)(mm) | 45 / 45 / 45 |
砲塔装甲厚 (前/側/後)(mm) | 90 / 75 / 52 |
重量(t) | 32.0 |
エンジン出力(hp) | 954 |
1,800rpm | |
最高速度(km/h) | 61 |
実測前進~後退速度(km/h) | *** ~ -*** |
視界(%) | 100 |
乗員数(人) | 5 |
武装
名称 | 搭載数 | 弾薬数 | |
---|---|---|---|
主砲 | 85 mm ZIS-S-53 cannon | 1 | 60 |
機銃 | 7.62 mm DT machine gun | 1 | 1890 |
弾薬*1
名称 | 砲弾名 | 弾種 | 弾頭 重量 (kg) | 爆薬量 (g) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | ||||||
85 mm ZIS-S-53 | BR-365K | APHE | 9.2 | 81.6 | 792 | 145 | 142 | 125 | 107 | 92 | 78 |
BR-365A | APHEBC | 9.2 | 164 | 792 | 142 | 139 | 123 | 105 | 91 | 81 | |
BR-365P | APCR | 5.4 | - | 1030 | 180 | 175 | 136 | 100 | 73 | 54 | |
O-365K | HE | 9.2 | 646 | 780 | 9 |
小隊ツリー
解説
特徴
前車T-34-85(D-5T)の砲を85mm ZIS-S-53に載せ替えた戦車である。ただし、WTMでは85mm D-5T砲と全く性能に差が無い。
【火力】
史実では搭乗員の質の悪さが目立ち発射速度を維持することが困難であった85mm砲だが、ゲーム上の装填速度はパンターD型と同じ7.4秒となっている。
基本的にスペックはT-34-85(D-5T)とほぼ同じで、追加の砲弾がある程度の差しかない。
その追加された砲弾のBR-365P(APCR)は、対戦する重戦車・駆逐戦車に対して貫通力不足であり、能力的には前車となにも変わっていないと思ってよい。
【防御】
T-34-85(D-5T)と比べ、全く差が無い...と言いたいのだが、実際は砲塔の装甲が微妙に異なる。砲身付け根の形状が変わったため、微妙に200mmの部分が減ってしまっている(そもそもここに当たること自体稀だが)。
【機動性】
従来のT-34系列同様、高い機動力を持っている。
【総評】
このランク帯では流石に性能不足が否めず、正面切っての戦闘は不利である。T-34シリーズご自慢の機動力を活かして相手の側面に回り込むかが活躍する肝になってくる。
史実
第92工場における85mm戦車砲S-53の生産は1944年3月1日から開始され、UTZでは早くも3月15日からT-34-85中戦車1944年型の生産を開始した。
T-34-85中戦車1944年型の砲塔は1943年型の砲塔に準拠した形状であったが、搭載する主砲が異なるため新規に設計し直されていた。
前述のように防盾部は1943年型ではSU-85駆逐戦車のものと良く似た主砲基部を円形に取り巻くような独特の砲身スリーブを持っていたが、1944年型では主砲の駐退機構がコンパクト化されたため、砲身スリーブは円筒形のすっきりした形状に洗練された。
主砲の俯仰角も1943年型より増大し、-5~+25°となった。
また、1943年型では車体側にあった無線送受信機が1944年型では車長席の左横に移設され、砲塔左側面前部の外側に無線機配置部の膨らみが見られるようになった。
これに伴い車長用キューポラの左前部にアンテナが設置され、砲塔上面後部のヴェンチレイターは排気能力を向上させるため、2基が端を重ね合うように設置された。
面白いのは、85mm戦車砲S-53を装備する1944年型として完成するはずだったものの、砲が間に合わなかったために85mm戦車砲D-5Tを搭載して完成したT-34-85中戦車が存在したことである。
その場合は、砲塔自体はS-53を装備する1944年型の特徴を備えていたものの、主砲基部はD-5T用の短い円盤形の砲身スリーブを備えていた。
T-34-85中戦車1943年型と1944年型の初期生産車では、砲塔吊り上げ用のフックはU字型のものが取り付けられていたが、1944年春以降の生産車では三角形の小片を溶接した吊り上げ用フックに変更されている。
また同じT-34-85中戦車1944年型でも、第112工場製のものとUTZ製のものでは砲塔部に微妙な違いが見られた。
砲塔の形状自体は両工場とも基本的に同じであったが、鋳造のパーティングラインが微妙に異なっていたので、それを確認すれば生産工場を特定することができる。
第112工場製の砲塔は、後ろから前までほぼ水平なパーティングラインになっており、最前部だけが前面のカーブに合うように持ち上がっていた。
そして前面は、パーティングラインがほぼ中心を通っていた。
これに対してUTZ製の砲塔は、後ろから前までほぼ水平なパーティングラインのまま前面まで繋がっていた。
そしてこのラインと別に、砲塔の最前部だけがもう一段四角く囲ったようなラインがあり、これは前面はほぼ中心を通っていた。
1944年6月からは、第174オムスク・レーニン工場(OLZ)でもT-34-85中戦車1944年型の生産が開始された。
OLZ製のT-34-85中戦車の砲塔も、鋳造のパーティングラインが第112工場やUTZのものとは微妙に異なっていたので、それを確認すれば生産工場を特定することが可能である。
OLZ製の砲塔のパーティングラインは後ろから前までほぼ水平に続くが、前面までは繋がらず最前部だけがもう少し高い位置まで四角く囲ったようなラインになっていた。
またT-34-85中戦車はT-34中戦車と同じく、生産工場や生産時期によって転輪の形状にバリエーションが見られた。
T-34-85中戦車の転輪はゴム縁付きプレス製のディッシュ型転輪が基本であったが、放射状に6本のリブが走った、いわゆる「蜘蛛の巣型」と呼ばれるゴム縁付き鋳造製転輪がUTZ製の生産車を中心に用いられた。
またOLZ製のT-34-85中戦車はディッシュ型転輪でもゴム縁に特徴があり、他工場製の車両のようにゴム縁の側面に冷却用の小穴が設けられていなかった。
T-34-85中戦車の生産は1944年夏頃から軌道に乗り、各工場で大量生産が続けられた。
この生産の過程で、本車は様々な変化が生じている。
まず第112工場製のT-34-85中戦車であるが、1944年夏頃に作られた異形にいわゆる「8分割砲塔」と呼ばれるタイプが生産されている。
これは砲塔側面および後面に、独特の十字型のパーティングラインが浮き出ているのが特徴である。
ちなみにこの砲塔そのものは第75工場で作られたもので、OLZ製の車両とする説もある。
一方UTZ製のT-34-85中戦車も、1944年夏に大きな変化が起こった。
それは砲塔内部に搭載された電動砲塔旋回装置の関係で、砲塔左側面中央部前寄りに四角い膨らみが設けられるようになったのである。
また、T-34-85中戦車1943年型と1944年型の初期生産車はT-34中戦車と同じく、前部フェンダーは丸みを帯びたタイプが用いられていたが、1944年秋頃の生産車から角張ったタイプの前部フェンダーが用いられるようになり、車体前面に補助装甲を兼ねた予備履帯が5枚装着されるようになった。
また同時期から、砲塔後部に装具を取り付けるための6個のフックが追加され、車体後部には煙幕展張装置が装備されるようになった。
一方、TsAKBでは85mm戦車砲S-53のさらなる改良が進められ、1944年秋までに防盾内に収められた駐退機構がさらにスリム化されて、主砲基部の砲身スリーブの両側面にあった膨らみが無くなったため、外見が一層シンプルになった。
この改良型戦車砲は、第92工場の顕彰呼称である「スターリン記念工場」(Zavod imeni Stalina)の頭文字”ZIS”を追加して「85mm戦車砲ZIS-S-53」と呼称され、1944年10月28日にソ連軍に制式採用された。
また副武装の7.62mmデグチャレフ空冷機関銃についても、1920年代から使用されてきた従来のDTに代えて、構造が簡素化された改良型のDTMが装備されるようになった。
外見上の違いは、DTにあった銃身の放熱リブがDTMでは無くなったことぐらいである。
T-34-85中戦車は独ソ戦末期の1945年に入っても生産が続けられ、同年中に幾つかの改良が施された。
まず1945年初め頃から採り入れられたのが車長用キューポラの改良で、装甲の厚さを増してハッチを1枚開き式に変更したタイプが装備されるようになった。
もう1つは換気用のヴェンチレイターの改良で、従来は砲塔後部に2基のヴェンチレイターが左右に並べられていたのが、砲塔の前後に1基ずつ配置するように変更された。
これも1945年初めの生産車から採り入れられたといわれるが、全てのT-34-85中戦車に適用されたわけではないようである。
T-34-85中戦車は1945年5月9日のドイツ降伏までに18,480両が生産され、戦後の1946年までにその総生産数は25,899両に達した。
そして、より強力な56口径100mm戦車砲D-10Tを装備する後継のT-54中戦車が戦力化されるまで、T-34-85中戦車はソ連軍機甲部隊の主力戦車の座を担ったのである。
またT-34-85中戦車は旧ワルシャワ条約機構加盟国を始め第3世界諸国へも広く供与され、朝鮮戦争、中東戦争等で活躍し、最近ではユーゴスラヴィア内戦でもその勇姿を見せている。
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