■ 第4節 第1小節 メーガスの名は永遠に
後日談 スカリー3姉妹編
■ マウラ入り口
(スカリーXとスカリーYに呼び止められる)
Shikaree X:おーい!
ちょっと待ってよー!
Shikaree X:……あれぇっ?
姉さんは一緒じゃないの!?
Shikaree X:ってことは、もしかして、
本国へ帰るために、姉さんが
ここから船に乗るって話を聞きつけてきたの?
Shikaree Y:馬鹿ネエ。
そんな一介の冒険者に、罪狩りの
極秘情報が流されるわけないでしょう?
Shikaree Y:姉貴なら、
ここの鍛冶屋に住み込んで働いている
コゥ・レンバララコに会ってるところよ。
Shikaree X:えっ!?
あの人は確か、母さんの……
Shikaree X:……あっ! 姉さん!
Shikaree Z:久しぶりだな、
スカリーY、スカリーX。
Shikaree Z:それに、Your name。
参ったな、ここに来るとは良い勘だ。
おまえは狩人に向いている。
Shikaree Z:彼女たちから既に
聞いたかもしれんが、私は本国に一度
戻らねばならなくなった。
Shikaree Z:ここから途中の港まで行き、
本国行きの大型船に乗り換える予定だ。
これがおまえとの最後の別れとなるかも
しれない。
Shikaree Z:……ふふ、不思議だな。
自ら言葉にすると、二度と会えぬかもしれぬ
この別れが辛くなるとは。
Shikaree Z:しかしおまえにとっては
この別れは、喜ばしいはずだ。罪狩りとの別れは、
獲物にとっての狩人との別れ。そうだろう?
別れが嬉しいか?
・はい
・いいえ
(・いいえを選択)
Shikaree Z:変わった男(女)だ。
しかし別れは美しくありたい。
Shikaree Z:だから今、
私が言うべきことは、美しく簡潔に語ろう。
Shikaree Z:これから私は本国へと帰り、
男神プロマシア、女神アルタナ、人の罪を
包み隠さず女王に報告する。
Shikaree Z:そして、その罪を知りながら
足掻こうとした人々の戦いを示し、ミルドリオン、
プリッシュ、真龍の罪を否定する。
Shikaree Z:そして……、
私は罪狩りの名を捨てるつもりだ。
Shikaree X:ええっ!?
Shikaree Y:なんだって!?
Shikaree Z:私はずっと考えていた。
30年前、我らをたぶらかしたミルドリオン、
そしてプリッシュの罪を狩るべきか。
Shikaree Z:彼女らの側に身を置いた私に
しかし、彼女らはそうせねばならなかった
理由を示した。
Shikaree Z:彼女らが、罪を狩る我らを
邪魔としたは、罪が生まれる前に
片をつけるつもりだったからだ。
Shikaree Z:……
「罪狩り」とは罪を狩ること。罪を探し出し、
代償によって裁くことが己が任務……。
Shikaree Z:しかし、
私が狩るべき罪とは、誰に対する罪だ?
私が与えるべき罰とは、誰のための罰だ?
Shikaree Z:そうして惑い悩み、
いつしかあの女が残した言葉が、耳元で
繰り返されるようになってしまったのだ。
Shikaree Z:……
「罪狩り」こそが罪を生む……。
罪を「狩らぬ」選択肢もあると。
Shikaree Y:それは……
Shikaree X:……母さん、の……。
Shikaree Z:これは罪狩りとしては、
決して辿り着いてはならぬ呪わしい結論だ。
Shikaree Z:男神プロマシアに
戦いを挑んだのは、この迷いを断ち切る
ためでもあった。そして……
Shikaree Z:私は知った。
自らの中に眠る正義を。
Shikaree Z:罪狩りの名を失っても、
いや失うからこそ、行える正義を行おうと。
Shikaree Z:言葉でいくら語ろうとも
意味はない。これは人が生きていくうちに
知りえる自分の本分のことだ。
Shikaree Z:おまえたちには
まだわからぬことだと嘆く必要はない。
ただ、それが私が知った私の生きる道だと
それだけを知ってほしい。
Shikaree Y:……。
Shikaree X:……。
Shikaree Z:おまえとの旅は、
私に多くの経験と時間をくれた。
礼の言葉も意味はないが、言っておこう。
ありがとう、Your name。
Shikaree Z:おまえが「虚ろなる闇」を
狩るものになれば、また会うこともあるかもしれん。
今度、会うときは、私を名で呼んでくれよ。
(立ち去るZ。Y、呆然としているXの頭を小突いて)
Shikaree Y:……なに、ぼーっとしてるのさ。
いくよ、姉貴を見送りに。
Shikaree X:……うん。
姉さんは、ボクらの姉さんだもんね。
それだけは永遠に変わらない。
Shikaree Y:そうさ。
アタシたちはただの罪狩りじゃない。
憎むべき敵を狩り、愛する者を守る
守人なのさ。
(イベント終了後マウラ鍛冶ギルドでの会話)
Koh Lenbalalako:お懐かしいことです。
20年前の、あのとき出会った罪狩り。
彼女の娘さんたちもまた、罪狩りの
道を歩んだのですね。
Koh Lenbalalako:願わくば、
彼女たちも正義の道を歩みますように。
End