プロマシアの呪縛/第5章~第8章/暁

Last-modified: 2012-06-17 (日) 18:42:10

■  第4節<暁>

 真実の目覚めは、男神プロマシアの
 目覚めでもあった。
 世界と人に訪れる、黄昏の時。
 暁の女神アルタナよ。
 我らに勝利を。


■神都アル・タユ
(フゾイの王宮から駆け出してきたプリッシュが、
 近くのQuasilumin2体に詰め寄る)

Prishe:おい、おまえたち!
 男神はどこへ行った!?

Quasilumin:ああ皆、ひとつになったのですね……

Quasilumin:我が主人も、奥方も、
 隣人も、その隣人もみな……

Quasilumin:ひとつの神に……

(チェブキー3兄弟も王宮から駆け出してくる)

Makki-Chebukki:あっ!
 あすこにいるぞ!
(見上げると王宮の上空、赤い光の真下にプロマシアがいる)

Promathia:聞こえるか 女神よ
 我が命を守りしもの よ

Promathia:我は「復活」する
 そしておまえの望まぬ「死」へ と
 虚ろなる闇の果てへ と

Promathia:永遠の沈黙を伴い
 落ちるべく

Promathia:今度こそが
 永劫の別れだ 女神よ

Prishe:女神が……
 泣いている……?

Promathia:終わりをもたらすべく……
(プロマシアの身体がまばゆく輝き、
光の奔流となって王宮の中央エレベータを駆け降りていく)

Kukki-Chebukki:待っておくれー!
 どうかおいらも連れていっておくれよー!

Cherukiki:ヴァナ・ディールに
 連れていっておくれよー!

Prishe:なんだって!?
 もしかしてあいつ、自力で
 ヴァナ・ディールに降りてくつもりなのか!?

Cherukiki:そうだよ~!

Kukki-Chebukki:プロマシア様は、
 子供たちみんなが、なんで迎えに来ないか、
 やっとわかったんだよ~!

Makki-Chebukki:5つ目の母なるクリスタルを
 割って、この都ごとスピーディーに
 ヴァナ・ディールに降りるつもりなんだ~!

Cherukiki:呼んでるよ~!
 みんな、戻ってこいって、呼んでるよ~!
(3兄弟、王宮に駆け戻っていく)

Prishe:……チクショウ。
 そうか、ナグモラーダだな?

Prishe:あいつが取り込まれちまったから、
 男神にあいつの知識が、余計なことが
 伝わっちまったんだ。

Prishe:Your name、
 それを返してくれ。
(アミュレットをプリッシュに返すPC)

Prishe:行かなきゃ!
 城んなかのエレベータで地下に下りるんだ!

Prishe:Your name、ついてこい!
 男神をとめなきゃなんねぇ!
 
 
■ ル・メトの庭 地階「天象の鎖」

(母なるクリスタルを囲む虚空に踏み入れたプリッシュ、
 足下の様子に気づいて尻餅をつく)

Prishe:なんじゃこりゃー!?

Prishe:いったい、どーなってやがんだ!?

(眼下遠くに、シュ・メーヨ海とクフィムが見えている)

Prishe:あれは……、
 クフィム島か?

Prishe:俺たちの
 ヴァナ・ディールがすぐそこに!

(上空から赤い羽が舞い散るのに気づいたプリッシュが見上げると、
 プロマシアとセルテウスが対峙している)
(力場を発生させプロマシアの力を中和したセルテウス、
光の投槍を作り出し、男神に投げ刺す)
 
(天象の鎖へ現れたチェブキー3兄弟、魔法詠唱)

Makki-Chebukki:め~!
Kukki-Chebukki:て~!
Cherukiki:お~☆
(3兄弟のメテオに撃たれたセルテウス、墜落する)

(PCも虚空に突入する)
(墜落し肩で息をするセルテウスに、駆け寄るプリッシュ)

Prishe:セルテウス!!!

Selh'teus:……ッ、大丈夫だ。

Selh'teus:それよりも
 あれは、時間稼ぎに過ぎない。

Selh'teus:わが身を贄とすれば、
 ここから引き離せるかと思ったが……

Selh'teus:私に封じられた「虚ろなる闇」は、
 ヴァナ・ディールのすべての人を取り込んだ
 その「終わり」まで取っておくつもりらしい。

Prishe:「終わり」か。
 それは、男神が「死ぬ」ときのことだよな?

Prishe:俺はバカ野郎だったぜ。
 男神の意志である「虚ろなる闇」とは、
 再生なき完全なる「死」のこと。

Prishe:そんなものを集めたら、
 いくら男神だって死んじまうんだ。

Prishe:だから、
 「虚ろなる闇」を分けるため、
 バラバラの器が必要とされた。

Prishe:そう、「人間」という器がよ。

Selh'teus:そうだ。
 男神を生かすため、人間を生むため、
 女神は母なるクリスタルから力を奪った。

Selh'teus:母なるクリスタルは
 5つに砕け散り、世界は神の世界……
 はるか高みからヴァナ・ディールへと
 変質したのだ。
(雲海の遥か下にジュノの三つの大橋と海が見えている)

Selh'teus:再び神の世界へ至るため、
 アル・タユの人々はクリスタルをひとつにした。
 そして、人々はすべてを思い出し、元の姿……
 あの男神の姿へと戻った。

Selh'teus:そして彼らは知ったのだ。
 「虚ろなる闇」に満たされて
 一度死んだ私には、それがよくわかる。

Selh'teus:「終わり」という切望。

Selh'teus:驕慢、嫉妬、怯懦、無知、憎悪。
 そんな闇だけを抱えて生きる……ということを
 終わらせたい、と。

(プロマシア、みじろぎして槍を引き抜き、衝撃波を放つ)

Prishe:おもしれぇ。
 死にたがりの神様か。

Prishe:おい、男神さまよ!
 わりぃが、俺もセルテウスも、もう人間じゃねぇ!
 おまえの希望を、叶えてやるわけにはいかねぇ!

Prishe:でも、Your name。
 おまえは人間だ。

Prishe:だから、おまえは
 自分できめろ。人間として、神として、
 「終わり」を迎えたいのかどうか!?

Prishe:おっしゃー!
 いッくぜぇえーーーー!?
 
 
(戦闘開始)

   戦闘中の各NPCのセリフ

プリッシュ戦闘開始
 Prishe:俺たちが思い出させてやるぜ!
   生きようとしているものが、どれくらい強いか!
崑崙八象脚
 Prishe:爆っぜろぉお!!
  人の想いは留まりゃしねぇ!!!
羅刹七星拳
 Prishe:ひっらめけぇえ!!
  馬鹿げた夢から目を覚まさせてやるっ!!!
 
(プロマシアが光輪を背負い2段階目戦闘に突入)
プリッシュ戦闘開始
 Prishe:笑っちまうぜ!
  さあ! 笑いながら勝とうぜ、Your name!

百烈拳
 Prishe:5000万倍返しだ!!
  生きることから逃げ出させはしねぇぜ!!!

女神の祝福
 Prishe:暁の女神アルタナさま!
  俺のすべてを差し上げますから、どうか、光を……!

戦闘不能
 Prishe:ちくしょおぉ!
  負けたくねえ……負けたくねえよ……!
 
プロマシア「あめのおきて」
 Promathia:逆る 逆らえ 逆しまな お前 自身に
「まぼろしのわ」「たそがれのまほら」
 Promathia:留め 留めよ 留まらん 我が身躯 よ
 
セルテウス 「ルミナスランス」
 Selh'teus:母なるクリスタルの光よ!
  我が手の平にて聖なる楔となりて死を砕け!
「リジュヴァネーション」
 Selh'teus:フェニックスよ!
  人の子らに、生きる意義を与えてくれ!

(戦闘終了 PCたちの前に膝をつく男神)
 
 
Makki-Chebukki:男神さまがー!

Kukki-Chebukki:プロマシアさまがー!

Cherukiki:やられちゃうよー!

Prishe:とどめだ!
(プロマシアに駆け寄るプリッシュ)

Selh'teus:まだだ!
 行くなッ! プリッシュ!?

Prishe:!?
(プリッシュの虚ろなる闇を取り込もうとする男神)

Promathia:望め

Promathia:望もう

Promathia:望むらくは

Promathia:現身の終わり を

Makki-Chebukki:男神さまにスケダッチじゃー!

Makki-Chebukki:メー!
Kukki-Chebukki:テー!
Cherukiki:にょぉぉぉー★
(3兄弟のメテオ、何故か男神に直撃)

Cherukiki:……リキんじゃった……

Selh'teus:プリッシュ!!!
(プリッシュの胸が輝いている)

Prishe:……ゥグッ……!

Prishe:終わりなどない……!

Prishe:終わりなど、望むことはない……!

Prishe:俺たちは生きるために
 生まれたんだッ!
(己の魔晶石を引き剥がし男神に投げ付けるプリッシュ、
 同時にセルテウスも光鎗を投げ付ける)
(楔形の魔晶石と光槍が男神の顔部に吸い込まれ、
 そこから新たに魔晶石が生まれる)

Selh'teus:魔晶石が生まれていく……!?

Prishe:クリスタルの光が
 あいつの虚ろなる闇に届いたんだ!!!
(もがくプロマシア)

Promathia:誰が…… 誰から……
 誰がために…… 我を呼ぶ か……!?
(プリッシュを振り払い、両手の間に巨大な力を漲らせる)

Promathia:要は 要らざる
 要害の あくたなる魂 め……!!!

(倒れたプリッシュの前に立ちはだかるPCの胸が輝き、
 光が上空に立ち上る。倒れこむPC)

Your nameの
ホラの輝き、デムの輝き
メアの輝き、ヴァズの輝き
アル・タユの輝きが放たれた!

(攻撃をとどめ、上空を見上げるプロマシア)
(上空から光の雫がこぼれ落ち、プロマシアを優しくうつ)

???:……私の声が……
 ……聞こえる……?
 ……プロマシア……

Promathia:……ああ……
 ……アル タナ…… よ……

(男神の躯がまばやく輝き崩れ、無数の光が
 流星のように大クリスタルに向かって行く)

Selh'teus:命が……
 母なるクリスタルに……還っていく……

Prishe:アル・タユの人々……。
 そして……ナグモラーダも……、
 これでやっと平穏に眠れるだろ……。
(輝く雫がプリッシュとPCの上にもこぼれおちてくる)

Prishe:……へへへ、キレイだな
 女神の涙だ……

Prishe:……ずっと高いところで、
 女神は泣いてんだ。男神のことを想ってな……。

Prishe:女神アルタナの想い……。
 信頼、慈悲、正義、勇気、希望……。

Prishe:そして最後に
 生まれたのが、「これ」……。
(少し照れくさそうに)

Prishe:「これ」さえ知っていれば、
 人は生きていけるよ。
 わかるだろ、Your name?

(テンゼン、ウルミアら5人が天象の鎖に現れる)

Ulmia:プリッシュ!!!

Prishe:みんなぁっ!!!

Tenzen:Your name殿、
 プリッシュ殿、セルテウス殿!
 遂に、遂に、やり遂げたのでござるな!

Prishe:えっへん。

Prishe:みんなも、元のみんなに
 戻ってくれてよかったぜ!

Prishe:ヴァナ・ディールも、
 ヴァナ・ディールで暮らす人も、
 これでもう大丈夫だ。

Prishe:それに、みんなも。
 人が男神の子だと知ってしまっても、
 絶望する必要はないさ。

Prishe:ほら、耳をすませてみろよ。
 今まで聞こえなかった声が、女神アルタナの声が
 聞こえるだろ?
(女神の涙が一行の上にこぼれ落ちる)

Prishe:それは、人の中に
 女神の一部があるってことなのさ。

Prishe:人が生まれるときに
 女神が流した涙が、人には流れてるんだ!
(目もとを拭うウルミア)

Selh'teus:そして、
 5つ目の母なるクリスタルも、もう大丈夫だ。
 アル・タユの落下も止まった。

Selh'teus:アル・タユの人々の命が
 母なるクリスタルを救ったのだ。
 光となって還ることで。

Selh'teus:ありがとう。
 Your name、プリッシュ、
 そして試練を乗り越えた人々よ。

Selh'teus:私はここアル・タユの
 守り人となり、君たち「人」の世界
 ヴァナ・ディールをずっと見守っていこう。
(上空へと消えていくセルテウス)

Prishe:さぁ、俺たちも帰ろうぜ。
 「世界の終わり」はこれで終わりだ。

???:終わりじゃないぞ~!!!

Makki-Chebukki:おいらたちの~
Kukki-Chebukki:おいらたちによる~
Cherukiki:おいらたちのための~
(クラッカーを鳴らし黒魔法を詠唱しはじめる3人)

旅の☆始まりだ~!
(3兄弟の放ったデジョンガII?が皆をそれぞれどこかへ飛ばし、
 残された母なるクリスタルだけが静かに輝いている)

 遠い遠いむかし、
 おおきな美しき生ける石は
 七色の輝きにて闇をはらい、世界を生命でみたし、
 偉大なる神々を生んだ。

 だがそこに、完全なる「死」が訪れ、
 男神は死を迎え入れた。
 完全なる「愛」に目覚めていた女神は、
 死んだ神の復活を望んだ。

 女神は真のクリスタルの「輝き」を、
 死んだ神に与えた。

 死んだ神は、バラバラに分かたれ、
 無数の「人」として生を得た。

 そのためにクリスタルは5つに砕け散り、
 世界の中心の輝きは消え、
 神の楽園は「ヴァナ・ディール」になったのだ。

   称号:世界の終わりを繰る者

End