■ 第2節<闇に炎>
テンゼンの姿が見えないようだ。
彼を探し出し、エシャンタールに
会うためにもう一度、ジュノを
目指すことにしよう。
■ ミザレオ海岸・リヴェーヌ海岸
(岬にTenzenが立っている。背後にはヒュム♀忍者が跪いている)
Tenzen:……そうか。
白帝江も「虚ろなる闇」に飲まれたか。
???(ヒュム♀忍者):白帝江が干上がり、
蛮族どもが国境を越えること容易に。
国の守りが揺らいでおります。
???:テンゼン様の剣さえあれば
すべてが変わりましょう。
一刻も早く合流なさって下さい。
Tenzen:しかしな、
我が炎は、すでにない……。
???:存じております。
けれども、帝はお許しになるそうでございます。
???:今は集まりし蛮族を倒し、
その血肉にて再び、鳳凰丸を鍛えればよいと。
Tenzen:それでも
足りなければどうする?
???:そのときは、
ようやく我らの悲願果たされしとき。
あなた様の情報に基づいて、中の国の
ジュノへと攻め入ることになりましょう。
???:虚ろなる闇を滅するためには、
母なるクリスタルを開放する他
ないのでござりましょう。
Tenzen:……いかにもそうだ。
しかし我輩はいまだ、帰るわけにはいかぬ。
霊獣フェニックスより授かった最後の使命を
果たすまでは。
???:それは……?
Tenzen:鳳凰丸が我らが命を救うために
その力を解き放ったとき、我輩には、
皆の声が聞こえたのだ。
Tenzen:我輩の弱さのために
助けることかなわなかった子らの声がな。
Tenzen:ここで彼らを裏切っては
信義にもとる。彼らに託されたこの命、
燃やし尽くさねばならん。
Tenzen:ヴァナ・ディールの存亡をかけて
母なるクリスタルを救うがために……。
???:承知いたしました。
そう、お伝えしましょう。
(煙と共に消えるヒュム♀忍者)
(背後から現れる[Your name])
Tenzen:……
[Your name]殿で、ござるか。
おひとりでござるな?
Tenzen:我輩も
ひとりになってしまったでござる。
Tenzen:まこと、別れとはにわかに訪れ、
ことのほか寂しいものでござるな。
Tenzen:霊獣フェニックスは
我輩に、第5の母なるクリスタルに
そなたを連れていけと命じたのでござる。
Tenzen:そして……
Tenzen:……霊獣フェニックスが
その身を投じて作り出してくれた時、
あまり残されてはいないでござる。
Tenzen:さぁ、飛空挺にて
いまいちどジュノを目指そうでござる。
■ 海獅子の巣窟
Sueleen:一足遅かったな!
先ほど、ジュノから飛空挺が到着してな。
プリッシュたちを乗せていったよ。
Sueleen:ウルミアは
おまえを待とうと言っていたが、あのプリッシュは
おまえはひとりでも来れるはずだと言い張ってな。
Sueleen:次の飛空挺でも
すぐによこすつもりなのだろうか。
Sueleen:もしもそうならば、
マッキーたち3人もしばらくここで待っていれば
良かったものを。密航者まがいな真似をして、
タルにつまって飛空挺に乗っていったよ。
■ ル・ルデの庭・大公宮前
(後ろから走ってくるWolfgangと親衛隊)
Wolfgang:[Your name]!
ジュノ戦闘艇隊に追いついたそうだな?
Wolfgang:話は聞いたぞ。
バハムートへの奇襲は失敗したが、
ヤツに大きな打撃を与えることができたとな。
Wolfgang:エシャンタール様はこれより
ジュノ戦闘艇本隊へ乗り込み、真龍どもへ
総攻撃を与えるために再度、出発する予定だ。
Wolfgang:その前におまえたちに
一度会いたいとおっしゃっていた。
内密の話ゆえに、上層の酒場に来てほしいと。
Wolfgang:お待たせするな。急いで行け。
おまえたちにも健闘を祈る。
※ ル・ルデの庭親衛隊の台詞
Crooked Arrow:あのアルマター機関でも
完全に撃退できなかった真龍……。いまさらながら
我々が相手にしている敵の大きさを
思い知らされるな。
Petva:私もジュノ戦闘艇への乗り込みを
志願したが、あえなく却下されてしまった……。
確かに私が乗り込んだところで、お荷物になって
しまうだけなんだろうが……。
Petva:それでもここで見張りをしなければ
ならない自分の境遇に、ふがいなさを感じる。
あぁ、力がほしい!!
Chapi Galepitai:指名手配中であった
怪しい少年少女だが、少女の方の手配書は
取り下げられた。
Chapi Galepitai:どうやら既に
どこかで死亡していたようだ。まったく
咎人とは、ろくな死に方をしないものだな。
Anchefort:真龍への奇襲はかなりの効果が
あったようだ。戦闘艇の補給と修理をすませれば
再び攻撃に向かうとか……。
作戦の成功と無事を祈るばかりだ。
Colti:エシャンタール様の奇襲作戦で
真龍はかなりのダメージを受けているらしい。
次の出航で、完全に壊滅できるだろう。そうすれば
また平和なヴァナ・ディールに戻るというわけだ。
Pherimociel:……近頃、
ナグモラーダ様も、ちょこまか煩わしい
3人のタルタルたちも姿を見せないな。
Pherimociel:いや、タルタルたちならば、
バストゥーク行きの飛空挺で見かけたという
兵士がいたな。バストゥークで問題を起こさ
ねばいいが……。
Neraf-Najiruf:結局、ジュノ戦闘艇に
積み込まれた秘密兵器とはいったい
何だったんだろうな?
Adolie:うむ……。確かにその正体は
今でも極秘になっているが、あの真龍に多大なる
ダメージを与えたということだ。
Neraf-Najiruf:それだけの兵器ならば、
取り扱いに十分、注意しなければならない
だろうな。もちろん使わぬにこしたことはないが……。
■ ジュノ上層・限定酒場
(酒場で待つ一同と[Your name])
(鎧姿のEsha’ntarlと、Prishe、Ulmiaが入ってくる)
Mildaurion:皆さん、
ご無事でなによりのことでした。
Shikaree Z:ミルドリオン!
Jabbos:そのお姿……、……司祭様……!
Mildaurion:お二人ともお久しぶりです。
Mildaurion:スカリーZ、あなたは20年ぶり。
ジャボス、あなたは100年ぶりになりますね。
Mildaurion:そして、あなたも。
驚くほど悪運の強いお方。
Louverance:……ミルドリオン様に
再びお目にかかれたこと、心より嬉しく思います。
Mildaurion:再会を祝して
乾杯したいところですが、
そう言ってはいられません。
Mildaurion:霊獣バハムートが私たちに告げた真実。
「世界の終わりに来る者」は神都アル・タユにある
という話……。
Mildaurion:これまでアルマター機関は、
神都アル・タユは、1万年前に滅びた
との判断を下していました。
Mildaurion:しかし、霊獣たちの話、
そしてセルテウスの記憶から考えても、
神都アル・タユは存在しているようです。
Mildaurion:アルマター機関は、より詳細な
情報を得るために、このたびの作戦の最終目的を
霊獣バハムートの捕殺から拿捕へと切り替えました。
Mildaurion:これよりエシャンタールは、
ジュノ戦闘艇隊の本隊に乗り込み、再び、
雲海の果てを目指します。
Mildaurion:……しかし、それとは別に
私たちは、5つ目の母なるクリスタルに
関して重大な問題に直面しています。
Mildaurion:何者かがそれを
クリスタルラインより分断したようなのです。
Louverance:クリスタルラインというのは、
あのセルテウスという少年が現れたとき、
霊獣バハムートと共に通ってきたという……?
Prishe:ちょっと待てよ!?
ってことは、そいつを通って、5つ目の母なる
クリスタルへは行けなくなっちまったってことか!?
Prishe:神都アル・タユに、
「世界の終わりに来る者」を倒しに
いけなくなっちまったってことじゃねぇか!?
Tenzen:そうでござるな。
しかし、霊獣フェニックスが去ってしまった今、
どちらにしろ、我らは別の方法を探さねば
ならんでござるが……。
Shikaree Z:待て。
ミルドリオン、第5の母なるクリスタルを
「何者かが文壇した」と言ったな?
Shikaree Z:それは、
いったい誰の仕業だ?
Mildaurion:わかりません。
けれども、そのようなことができるのは、
セルテウスかナグモラーダ……。
Mildaurion:現在、ジュノの兵士を
ムバルポロスにやる準備をさせています。
Jabbos:ム……ムバルポロス……!?
Jabbos:モブリンたち、
酷い目……あう……!?
俺……、すぐ行く……!
(走り出すJabbos)
Louverance:まずいですね。
彼は100年もの間、ムバルポロスに住み、
モブリンたちを救うために暮らしてきました。
Louverance:心配です。私が追いましょう。
Shikaree Z:私も行こう!
(追いかけるLouveranceとShikaree Z)
Mildaurion:そうですか。
ジャボスはあれからずっとモブリンたちを
男神の子ではないと説こうとしていたのですね。
Mildaurion:けれども、
第5の母なるクリスタルを守るためには
彼らを調べないわけにはいきません。
Mildaurion:彼らを説得できなかったと
いうことは、彼らが第5の母なるクリスタルを
破壊するという可能性もありますから。
Tenzen:クリスタルを破壊!?
Mildaurion:人は、母なるクリスタルより
生まれ出で、死してクリスタルへ還るもの。
Mildaurion:彼らは、ジャボスよりそれを聞いて
知っている。ですから、クリスタルを壊せば、
人を殺めるに同じだと思っているのです。
Ulmia:……そんな!
なぜ、そんな大事なことを知っていて
ジャボスは放っておいたのでしょう!
Prishe:仕方ネェよ。
それを言ったらムバルポロスは
全滅させられる。モブリンたちも皆殺しだ。
Ulmia:!
Prishe:ミルドリオン様、
俺には偉そうなことは言えネェけど……、
このこと、忘れないでくれ。
Prishe:全部、殺しちまえば、
問題はキレイサッパリ片づくだろうけど、
そんな方法は、解決っていうもんじゃねぇ。
Prishe:俺たちは、
霊獣バハムートと同じことをしちゃいけねぇんだ。
Tenzen:……。
Mildaurion:そうですね……
確かにそれでは、なにも始まらない……
Mildaurion:わかりました。
できる限り、穏便に済ますことができないか、
アルマター機関を説得してみましょう。
Prishe:ありがとよ、ミルドリオン様!
Mildaurion:けれども私は、これから先も
アルマター機関に属し、彼らを監視し続け
なければなりません。
Mildaurion:目立って動く事はできませんが、
あなたがたの働きを陰ながら見守っています。
さぁ全力で、世界と人をお救いなさい。
Prishe:よっしゃー!
ウルミア、テンゼン、[Your name]!
ムバルポロスへ行っくぜーーー!
Prishe:「世界の終わり」を
ぶっつぶしてぇヤツはついてきなっ!!
End