■ 第3節 第3小節 みっつの道-結び目
ヒナリー夫人の話では、サンドリア
大聖堂の高僧シャザルヴィージュが
プリッシュの情報を持っているようだ。
ウルミアに報せるために、いつも彼女
が歌っているというサンドリア港へ向かおう。
■ サンドリア港
(港で歌うウルミアの歌を人々が聞いている)
Answald:綺麗なお嬢さんだが、
毎日毎日、誰を待っているのかねぇ。
Altiret:おまえ、ちょっと声をかけてこいよ。
名前をきくくらいなら、おまえにもできるだろ?
Eaugouint:冗談言うな、勤務中だ。
だが明日なら、自分は休みだから……
Felippe:何時聞いても、いい曲だねぇ。
懐かしい気分になるよ。
Bellue:この年になってもう一度、
あの曲をきけるとは思わなかったよ。
思い出の曲をありがとうね。
Bonarpant:あんたの捜してる
女の子は、まだ見つからないのか?
Ulmia:ええ、まだ……。
Prietta:大丈夫よ。
あなたの歌に惹かれて、いつか必ず
ここに現われるわ。あなたの歌には
それだけの力があるもの。
(一人のミスラが歩み寄って来る)
Shikaree X:ねぇねぇ、そこの歌うたい、
ここで誰かを捜してるの?
Ulmia:え……、は、はい!
Ulmia:私、小さな女の子を捜しているんです。
青い髪で、神学生の格好をした女の子を……。
Shikaree X:フーン。
青い髪で、神学生の?
Shikaree X:その特徴って、
ジュノから手配されてるコに似てるね。
Ulmia:……え、ええ……
Ulmia:旅の方、ジュノが手配している子のこと、
よくご存知なのですか?
Shikaree X:うん、まあね。
実はボクも、ちょっとヤボ用があって、
その女の子を捜してるんだ。
Shikaree X:まあ、ボクが捜してる女のコが
キミの捜してるコといっしょかどうかは
知らないけれど?
Ulmia:……。
Ulmia:失礼ですけれど、
あなたはその少女を捜すように
ジュノに雇われた方ですか?
Shikaree X:そう見える?
そう見えるなら、それでもいいよ。
エルヴァーンってヤツは、見たい
モノしか見ないモノだしね。
Ulmia:……。
Shikaree X:ねぇ、キミは知ってるかな?
ボクが捜してる女のコと、もうひとり、
ジュノで手配されてる男のコがいるでしょ?
Shikaree X:あのコたちは、いっしょなのかな?
ふたりで仲良く逃避行とシャレこんでるのかな?
Ulmia:わかりません。
……ただ、もしあなたが捜している少女と、
私が捜している少女が同じ人物なら……
彼女は、決して逃げるようなことはしません。
Shikaree X:ふーん。
逃げるネズミを追うのが、ミスラの使命
なんだけど、今回はちょっと違うみたい。
Shikaree X:ああ、しょうがない。
あんまり時間もないし、男のコの方、
追いかけてみようかなぁ。
Ulmia:ちょっと待ってください!
その少年のこと、あなたはなにかご存知なのですか?
Shikaree X:……。
歌うたい。人を食った質問は、
自分が食われてもいいときだけに
しておいたほうがいいよ。
Ulmia:……。
Shikaree X:キミの捜してる女のコと
ボクの捜してる女のコがいっしょなら、
キミとはまた会えるはず。
Shikaree X:気が向いたら
そのときにでも教えてあげるね。じゃ。
(立ち去るスカリーX、代わりに近づいて来るPC)
Ulmia:[Your name]さん!
・大丈夫?
・今の誰?
(今の誰?を選択)
Ulmia:今の方が誰なのかはわかりませんが、
プリッシュを捜していたようです。
Ulmia:でも、あの目……。
まるで、獲物を追うような目……。
いったいどうして……?
Ulmia:[Your name]さん、
プリッシュは、大丈夫でしょうか?
大丈夫ですよね? 無事ですよね?
あのプリッシュですもの、きっと……!
・プリッシュは無事だと思うか?
・はい
・いいえ
(はいを選択)
Ulmia:ありがとうございます。
[Your name]さんにそう言って
いただけると、なんだか安心できます。
Ulmia:[Your name]さんが
側にいてくだされば、どんなことが起きても
きっと大丈夫。そんな気がするんです。
Ulmia:……あっ、ごめんなさい。
よくわからないことを言ってしまって。
Ulmia:カッファル伯爵夫人のご紹介を受けて、
幾人かの方々を訪ねてまわったのですが、
プリッシュのことを誰も知らなくて……
Ulmia:プリッシュは本当に無事でいるのか
不安になっていたのです。
Ulmia:……え!?
カッファル伯爵夫人から伝言が?
Ulmia:サンドリア大聖堂にお勤めの
高僧シャザルヴィージュさんを訪ねるようにと?
Ulmia:[Your name]さん!
ほんとうにありがとうございます!
Ulmia:わかりました!
すぐにサンドリア大聖堂に向かいます!
■ 北サンドリア大聖堂・高僧の間
Chasalvige:ああ、[Your name]さん。
あれから気になってミスタル家のことを
調べてみたのですが……
Ulmia:お久しぶりです。
あなたが高僧シャザルヴィージュ様でしたのね。
先日は、名乗りもせずに失礼しました。
Ulmia:私は、ウルミアと申します。
カッファウ伯爵夫人よりお心添えを
いただきまして参りました。
Chasalvige:……やはり、あなたがそうでしたか。
Chasalvige:楽園について、男神の呪いについて
興味をお持ちでしたのも、それを知ればすべて
納得がいきます。
(地階の聖遺物堂に移動する3人)
Chasalvige:ウルミア様、
そして、[Your name]様。
Chasalvige:この場所ならば、人に聞かれる
心配はございません。互いに胸底を明かし、
有り体に語り合いましょう。
Chasalvige:タブナジア大聖堂の聖歌隊が
完成を目指していた5つの歌のことを。
Ulmia:あなたは、知っているのですか?
……あの歌のことを……?
Chasalvige:大戦前、あなたは
ミルドリオン枢機卿様とそのご友人と共に
カッファル伯爵邸を訪問なさいましたでしょう?
Chasalvige:私もまたムシャヴァット枢機卿様に
ご同行を許され、その場にいたのでございます。
Chasalvige:おそらくその頃のあなたは、
あの集いがどのようなものか、ご存知なかった
ことでしょう。
Chasalvige:あれは、サンドリア大聖堂と
タブナジア大聖堂の解決しがたい反目関係を
改善させるがためのもの。
Chasalvige:特に、あの頃のタブナジア大聖堂は、
内乱の頃より続く徹底した秘密主義のために、
良からぬ噂が絶えませんでした。
Chasalvige:そこでムシャヴァット枢機卿様は、
その噂の真偽を確かめるために、使いを出した
のでございます。
Chasalvige:しかし、ミルドリオン枢機卿様が
お連れになられたのは、年端もいかぬふたりの
少女でございました。
Chasalvige:そして、そのおひとり……
あなたは、ある歌を歌われた……。
Ulmia:ええ、けれども私、
まだうまく歌えませんでした。私の歌を聞いて、
ムシャヴァット枢機卿様はお怒りになりました。
Chasalvige:いいえ、そうではございません。
あのときムシャヴァット枢機卿様が声を荒げたは、
あなたが歌った歌の完成を恐れるがため……
Chasalvige:あの歌がもつ恐ろしい力を、
止めようとしたがためなのです。
Ulmia:恐ろしい力!?
Chasalvige:これは、ご存知でないままのほうが
よいことなのかもしれません。
Chasalvige:すべての始まりは、
今より約500年前……。私たちエルヴァーンに
とって屈辱の時代と呼ばれる頃にまで遡ります。
Chasalvige:その頃、ここクォン大陸は、
ミンダルシア大陸より侵攻したウィンダス連邦の
軍によって支配されておりました。
Chasalvige:その頃の私たち
エルヴァーンには、まだ国を作る意志はなく、
いくつかの部族がそれぞれの森にて暮らして
いたそうでございます。
Chasalvige:しかしもちろん、エルヴァーンの
誇り高き血には変わりなく、剣に勝利を誓って
立ち上がった勇士がランフォル・ドラギーユ様
でした。
Chasalvige:後にタブナジア公となられる
勇将アルフォロン・タブナジア様とともに、
2つの秘宝を使い手、興国を成し遂げたので
ございます。
Chasalvige:しかし、その戦いが終わりしとき、
ふたつの秘宝はどちらも失われておりました。
Chasalvige:そして、その代わりに2枚の謎めいた
石版が、サンドリア大聖堂とタブナジア大聖堂に
残されていたのです。
Chasalvige:私たちは永い間、その謎を
解くべく努め、とうとうランペール王の時代に
秘宝のひとつ「聖なる剣」を取り戻すことが
できました。
Chasalvige:しかし、タブナジア大聖堂は
どうしても、もう1枚の石版の内容を
教えようとはしませんでした。
Chasalvige:そこで、サンドリア大聖堂が
内偵に探らせました結果、そちらにはある「歌」が
書かれていることがわかったのでございます。
Chasalvige:そう、それこそがあの歌……
あなたが歌われた「神の歌」……。
Chasalvige:「すべてを歌い終わるとき
神が降臨する」歌だったのでございます。
Ulmia:神を降臨させる、歌!?
まさかそんな!?
Chasalvige:その歌詞は読みとかれども、
その旋律を知るものがなく、タブナジア
大聖堂は永い間、その歌い手を探していた
ようでございました。
Chasalvige:けれどもついに
その始まりを歌うあなたが現れ、
その力を示す足がかりをお作りになった。
Ulmia:でも、私は……!
あの歌は、プリッシュが忌むべき子ではないと、
そう証明するための歌だと言われて……!
Chasalvige:存じております。ですから私は
あなたさまをここへ、お呼びしたのでございます。
Chasalvige:そちらの冒険者さまより
サンドリア大聖堂の命を受け、ミルドリオン
枢機卿様を捜し求める騎士がいるという話も
聞きました。
Chasalvige:その騎士のことを調べるに、
どうやらその者は「忌むべき男神」のことを
調査するため、北方を旅していたということ。
Ulmia:!
Chasalvige:その目的はわかりませんが、
ミルドリオン枢機卿様もまた、男神のことを
追い求めていたそうでございます。
Ulmia:ミルドリオン枢機卿様が!?
Chasalvige:お気をつけになってください。
あの歌の意味、そしてあの歌を知るあなたの価値。
ミルドリオン枢機卿様があなたが生きている
ということを知ったら……。
Ulmia:……!?
Chasalvige:ウルミアさん、
どうかあなたのご友人を連れて
タブナジアへお戻りください。
Chasalvige:先の騎士の話を調べるに、
ボスディン氷河にいる魔道士たちが
教えてくれたことによれば……
Chasalvige:あなたのご友人は
おそらくウィンダス連邦「鼻の院」に
いらっしゃいます。
Ulmia:ウィンダス連邦に!?
ありがとうございます、シャザルヴィージュ様!
私、行ってみます!
End