プロマシアの呪縛/第5章~第8章/呪縛ほどけるとき

Last-modified: 2012-06-17 (日) 18:50:58

■  第4節 第2小節 呪縛ほどけるとき

 後日談


■ ジュノ大公宮入り口
(駆け出てくる親衛隊とはち合わせる)

Wolfgang:おお、Your nameか!
 エシャンタール様の船が戻られた!

Wolfgang:ちょうどよい。
 エシャンタール様は、おまえを捜し、
 ジュノ上層の酒場に来るように伝えよと
 おっしゃられた。

Wolfgang:では、伝えたぞ。
 俺たちはこれから、各国に報せを出しに行く。
 真龍の王バハムートのことはもう心配する
 必要はないとな。

Wolfgang:Your name、
 これもすべて、おまえたちの働きが
 あってのことなんだろう?
 心から礼を言う。ありがとう。
 
 
■ ジュノ上層酒場マーブルブリッジ

Mildaurion:お待ちしていました、
 Your name。
 いったい、なにがあったのです?

Mildaurion:真龍の軍は、
 我々と何度か手をあわせた後、
 還るべき空の彼方へと消えていきました。

Mildaurion:戦意喪失した彼らを
 追い滅ぼすべきだという意見もありますが、
 ともかくは、戦局の検討、補充のために
 我々は戻ってきたのです。

Mildaurion:そして今、
 あなたの顔を目にし、確信することができました。

Mildaurion:その表情……
 あなたがたはとうとう、「世界の終わりに
 来る者」を討ち取ることができたのですね?
 
・はい
・いいえ
 
(・はいを選択)

Mildaurion:やはりそうでしたか!
 真龍の王バハムートは、「世界の終わりに
 来る者」が倒されたことを感じ取り、
 きびすを返した……

Mildaurion:聞かせてください。
 あなたがたが、神都アル・タユで
 体験したことを?

Mildaurion:……タブナジアの岬で、
 セルテウスに触れたとき、私の身の内に
 流れ込んできた映像……

Mildaurion:やはりあれは、
 楽園となりかけた神都アル・タユ
 だったのですか……

Mildaurion:そして、1万年の昔、
 神都アル・タユに在りし人々は、
 神に戻った……。男神プロマシアに……。

Mildaurion:「楽園の扉を開く」
 ということは、5つに分かたれた
 母なるクリスタルを元に戻すということ。
 つまり、世界を在りし姿に戻すということです。

Mildaurion:世界は楽園となり、
 人は神となる。そのときの記憶を持つ
 明星の巫女イブノイルは、女神アルタナの姿を
 見たことがありました。

Mildaurion:しかし、私と別れるとき、
 明星の巫女は確かにこう言っていました。

Mildaurion:「女神アルタナを
 見ている自分は、女神アルタナでは
 ありえない。ではいったい誰なのか」と。

Mildaurion:そこで明星の巫女は、
 人間を調べようと考え……

Mildaurion:奇しくも現れ始めた
 クリュー人という存在に目をつけ、そして
 人間の内に封じ込められた闇を知ったのです。

Mildaurion:その後、明星の巫女は、
 王と王子を裏切り、楽園の扉を
 開くことを頑なに拒むようになりました。

Mildaurion:あのとき明星の巫女は
 「私たちは男神の子である」という確信に
 至ったのでしょう……。

Mildaurion:しかしもちろん、
 すべてが終わったわけではありません。

Mildaurion:母なるクリスタルを
 包み込んでいる「虚ろなる闇」は
 いまだに晴れてはおりません。

Mildaurion:そして
 ジラートの生き残りたちは、それしか
 すがるものがないかのごとく、楽園へ
 続く道を開こうと暗躍し続けています。

Mildaurion:およそ30年前……
 私がタブナジアを捨てたは、
 目覚めたジラートの生き残りたちに近づき、
 いち早くその身の内に忍び入るため。

Mildaurion:しかし、私ひとりの力では、
 強大な力持つ彼らを一息に打ち砕くことは
 できませんでした。ですが……

Mildaurion:今や「虚ろなる闇」という
 共通の敵が現れてしまった。しばらくは、
 あなたがた現世人にも古代の力が必要でしょう。

Mildaurion:それはもちろん、
 古代の人々にとってもそうです。

Mildaurion:ナグモラーダが失われ、
 真龍との戦いに光明が見えた今、彼らには
 本来の役目を思い出してもらわねばなりません。

Mildaurion:母なるクリスタルを
 守るものとして、虚ろなる闇と戦おうと。

Mildaurion:そして私は、
 今までのように彼らを監視しながら、
 あなたがたが救ってくれた世界と人を
 見守っていきましょう。

Mildaurion:最後に、Your name。
 忘れないでください。

Mildaurion:あなたは
 どんな犠牲も出さずに、
 世界も人も救うことができたということを。

Mildaurion:そして
 思い違いをしないように。

Mildaurion:そんな道は、
 いつでもあるわけではないのです。

Mildaurion:あなたが、
 多くの人の力を借りたから、多くの人が信じたから
 そんな道を拓くことができたのだということを。

Mildaurion:この店の主人に、
 これからのあなたの旅に役立ちそうなものを
 3種類、預けておきました。どれかひとつを
 お選びなさい。

Mildaurion:またお会いしましょうね。

Mildaurion:さようなら、
 ありがとう、Your name。
 
 
■ タブナジア地下壕・プリッシュの部屋

Prishe:よぉ~!
 Your name、元気そ~だな!

Ulmia:Your nameさん、
 聞きました? タブナジアの上を
 飛び回っていた真龍たちの姿が
 消えたそうです。

Prishe:これで一件落着。
 タブナジアもやぁ~っと、
 平和な町になったってこった。

Prishe:ミルドリオン枢機卿様には
 あれからずっと会ってねぇけど、さっき
 使いのもんがやってきてな。これからも
 ジュノ政府が援助してくれるってよ。

Prishe:ナグモラーダが
 交わした約束よりもずっと、俺たち
 タブナジアの人間が自治できるような
 形でもってな。

Ulmia:デスパシエールおじいさまは、
 これ以上ないほど、はりきっていますわ。
 冒険者を雇って、魔物たちを一掃し、
 ルフェーゼ野やミザレオ海岸に畑を作りたいと。

Ulmia:リヴェーヌ岬は
 いまもあのような姿ですけれど、昔、
 あそこにあったような羊飼いの村も
 復興させたいって……

Ulmia:そして私たち
 タブナジアの人々が強く逞しくなった頃、
 タブナジア侯国の跡地に、あの美しい日々を
 蘇らせるのです。

Ulmia:あの地に巣食う
 魔物たちを討ち滅ぼして、家に帰ろうと
 いうのです。

Prishe:平和になったと思ったら、
 こりゃまた、何倍も忙しくなりそうだなぁ。

Prishe:おっと、ヒトゴトって
 顔してるんじゃねぇぞ。おまえたち冒険者も
 これから何倍も忙しくしてやるってこった!

Ulmia:駄目よ、プリッシュ。
 プリッシュは、戦っている場合じゃありません。

Ulmia:ちゃんと勉強して、
 タブナジア大聖堂の司祭となって、
 いろんな仕事を司ってもらわないと。

Prishe:ッゲゲ!
 俺はいつもの修行に行ってくるぜ!

Prishe:じゃあな!
(プリッシュ、部屋から駆け出ていく)

Ulmia:もう、プリッシュったら!

Ulmia:Your nameさん、
 思えばずっと、あなたにはご迷惑ばかりかけて
 しまいましたね。

Ulmia:それでもいつもあなたは、
 私たちを助けてくださいました。

Ulmia:もしもあなたさえ
 良ければ、あなたのお力を私たちのため、
 タブナジアのために使っていただけたらと
 思います。

Ulmia:けれど……
 冒険者であるあなたには、まだまだ
 あなたご自分の目で見なければならない
 世界が広がっているのでしょうね。

Ulmia:いつか、あなたが
 その翼を休めたいと思われたとき
 ぜひタブナジアにお寄りください。
 私たちはずっと待っています。

Ulmia:じゃあ、また
 会いましょう。Your nameさん。
 
 
■ ルフェーゼ野・タブナジア侯都を見下ろす丘

Prishe:おっと、見つかっちまったようだな!?

Prishe:Your name。
 ここに来たことはあるか?
 ほら、こっからだとよーく見えるだろ。

Prishe:俺が生まれた街、
 「世界の終わり」が生まれた街……
 タブナジアがよ?

Prishe:俺はずっと、
 世界の終わりってもんがどんなもんか
 それだけを考えて生きてきた。

Prishe:このままずっと
 永遠の命を生きていたら、必ず
 世界の終わりを見れるはずだ。

Prishe:男神プロマシアの復活でも、
 眠れる神々の目覚めでも、獣人どもの勝利でも、
 人間たちの自滅でもいい。

Prishe:世界が終わる。
 そのときになれば、いくらなんでも
 俺の命も終わる。

Prishe:あんときさ、
 あの扉の前で、男神プロマシアは、
 それを俺に見せてくれるって言ってたんだ。

Prishe:そんとき、俺は気づいた。
 世界の終わりを見たがっているのは、
 世界の終わりを誰よりも待ち望んでいるのは、
 ほかでもない。

Prishe:この俺だってことをな。

Prishe:……だから俺は、
 あの黒い魔晶石を、男神プロマシアに
 ぶっこんじまった。

Prishe:あれが母なるクリスタルに戻り、
 再び「世界の終わりに来る者」がいつか
 生まれ出てしまうことを望んじまったんだ。

Prishe:ミルドリオン様は、
 こんな俺に、なにも言わなかったよ。

Prishe:ただ微笑んで、
 おまえに会えって言ってくれた。

Prishe:なんでだろうな?
 おまえに嫌われちまうことが、
 俺への罰だとおもったのかな?
 
そう思うか?
 ・頷く
 ・首を振る
 
(・首を振るを選択)

Prishe:違うさ。
 だって、ほら、胸がいてぇんだ。

Prishe:おかしいだろ?
 今までいろんな人にいろいろ言われても、
 人じゃねぇやつらに責めなじられても、
 こんなことなんなかったんだ。

Prishe:けど、
 なんにも言わねぇおまえは、そうやって
 そこにいるだけで、胸がいてぇんだ。

Prishe:殴られたり、
 蹴飛ばされたり、傷つけられたり、
 刺されたり、そういった痛みじゃねぇ。

Prishe:わかんねぇんだ。
 怖いんだ、不安なんだ。
 なんだかすげぇ、気持ちわりぃんだ。

Prishe:もうおまえは
 ただの人間なんだろ?

Prishe:なのになんで、
 俺に心を閉ざすんだ?

Prishe:それが悲しいのか?
 俺は悲しいのか?

Prishe:それが辛いのか?
 俺は辛いのか?
(プリッシュの瞳から涙がこぼれはじめる)

Prishe:それが嫌なのか?
 俺が嫌なのか?

Prishe:なんなんだろう。
 これは、なんなんだろう……。

Prishe:……おまえと俺は、
 同じ気持ちなんだ。心と心が一緒で、
 だから俺は、おまえの心が読めない。

(PCの胸元が光っている)

Prishe:いや、読めないんじゃなくて、
 俺もおまえと同じに、同じになった……?

Prishe:俺のここにあった、
 胸にあった魔晶石が、なくなってる……?

Prishe:俺の魔晶石……
 溶けて消えちまったのか……?

Prishe:そうか、俺は
 取り戻したんだな……。

Prishe:人が人である証、
 虚ろなる闇を……。

Prishe:そして俺も、
 おまえと同じ、人間に戻ったんだ。
 だから、こんな苦しくなったんだ。

Prishe:……畜生。
 人間って、おもしれぇな。

Prishe:苦しいけど、
 嬉しいんだな。

Prishe:辛いけど、
 幸せなんだな。

Prishe:だから言えるんだ。
 心から、身体の真ん中から。

Prishe:ありがとう、Your name。

Prishe:俺、生きていけるよ。
(PC、頷く。)

Prishe:終わりなんか待たずに、
 みんなと同じ気持ちで……

Prishe:生きていける。
 
 

  • ムービー---
    ウルミアの歌に合わせて群島の景色と旅の仲間が写し出される

・天華崎で歌うウルミア、あぐらをかいて聞き入るプリッシュ
・曇天の下、橋上ですれ違う2人のルーヴランス
・ミザレオのエデレーネ瀑布の前、己の手を見つめるスカリーZ
・座してルフェーゼの海を見つめるジャボスとモブリン
・虚ろの渦からルフェーゼに降り立ち、天を仰ぐテンゼン
・再び天華崎、プリッシュが振り向くと、旅の仲間たちが歩いてくる

・ひとけのなくなった岬を独り訪れるミルドリオン
・故郷リヴェーヌを訪れるチェブキー父子

・侯都を見下ろす丘に、紅い羽がひとひら舞いおちる

   称号:虚ろなる闇に涙する者

Fin