グリー2010NEWS

Last-modified: 2010-11-03 (水) 13:01:25

SNS大手「グリー」もプラットフォームを開放へ・・・mixi、モバゲーに続いて

http://www.inside-games.jp/article/2010/01/12/39800.html
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)大手のグリーは、外部デベロッパーへのプラットフォーム開放を進めていく方針を明らかにしました。

SNSを巡ってはユーザー数の増加が頭打ちになる一方、サイト上で動作するアプリケーションやゲームの開発を外部のデベロッパーに開放することでの再度活性化が世界的な流れとなっています。国内で先行するmixiは昨秋からmixiアプリをスタート。関係者によれば「予想以上の反響」で、SNS上の友人を巻き込むソーシャルゲームなどによって大きくPVを伸ばしています。またモバゲータウンも今年前半には同様の試みをスタートすると表明しています。

グリーはこれまで自社開発のソーシャルゲームを中心にユーザー数を伸ばしてきたことからプラットフォームの開放については方針を明確にしていませんでした。

グリーでは、外部のサイトでグリーのデータを活用した付加サービスを開発可能にする「GREE Connect(仮称)」を2010年春から開放するとともに、外部デベロッパーがグリー上でもサービス構築を可能にする検討も含めてプラットフォーム戦略を推進していくとしています。

グリーもプラットフォームを開放へ「GREE Platform」を提供決定

http://www.inside-games.jp/article/2010/02/22/40570.html
グリーは、同社の運営するSNS「GREE」上にて外部の開発者がアプリケーションを提供できるようにする「GREE Platform」を公開することを発表しました。また、「GREE」でのユーザーの情報などを外部のアプリケーションで利用するための「GREE Connect」を2月22日から提供開始することも明らかにしました。

「GREE Platform」の詳細は明らかにされていませんが、mixiアプリやモバゲーAPIのように外部の開発者が、「GREE」のユーザー向けに独自のアプリケーションを提供するためのプラットフォームとなります。概要は3月上旬に公開される予定。

「GREE Connect」は「GREE」ユーザーのソーシャルグラフ情報や更新情報などを「GREE」以外のWebサービス・アプリケーション・インターネット端末などで利用するための仕組みです。こちらは2月22日から先行して提供されます。

本日より両機能を利用する開発者向けにデベロッパーセンターを開設。利用登録が開始されています。

http://developer.gree.co.jp/

SNS向けゲーム開発者、グリー支援ファンド設立・・朝刊チェック(3/2)

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/02/40736.html
日経産業新聞4面「Wii国内販売1000万台突破」
エンターブレインは1日、任天堂の据え置きゲーム機「Wii」の国内販売台数が累計で1000万台を突破したと発表しました。2006年12月の発売以降、約3年で達成しました。2月末日の集計では、Wiiが1000万9736台、プレイステーション3が476万台、Xbox360が123万台となっています。

日経産業新聞4面「SNS向けゲーム開発者、グリー支援ファンド設立」
グリーは1日、交流サイト向けゲーム開発者を資金面で支援するファンドを設立しました。SNS上で6月以降、外部事業者が開発したゲームを公開することに伴い、企画力はあっても資金力に乏しいゲーム開発ベンチャー企業などを支援します。SNS活性化に繋げて会員数の増加を狙います。設立したのは「GREE Fund」。

グリー、「GREE Platform」提供開始・・・各メーカーのソーシャルゲームが集う

http://www.inside-games.jp/article/2010/06/29/42922.html
グリーは、同社の運営するSNS「GREE」にて、外部パートナーへ解放する「GREE Platform」を利用した計30社によるソーシャルゲームの提供を開始しました。

「GREE Platform」は標準規格OpenSocialに準拠した規格で、People API(ソーシャルグラフ)、Activity API(アクティビティ)、Payment API(決済機能)、Inspection API(コンテンツ監視)などのAPIが提供。パートナーはGREEの1843万人というユーザーに対してゲームやアプリケーションを提供。広告や課金収入を得る事が出来ます。

先行するミクシィやモバゲータウンとの差別化としてパートナー支援の拡充を掲げていて、スティングサービス、「GREE Fund」、プロモーション、ユーザーサポートセンターの提供(予定)などが提供されます。

現在は第一弾パートナー30社のゲームが提供開始されていて、今後も第二弾、第三弾と続く予定です。

提供開始された主なゲーム
・おみせやさんforGREE
・戦国バスター
・サンシャイン深海
・ラブシチュ for GREE
・スイーツコレクション2
・チョコボとクリスタルの塔
・天魔大戦
・恋人はキャプテン for GREE
・パイレーツレジェンド
・極プロレス
・戦国ヒーロー大戦
・ともだち市場ザッカニア
・ハッピーアクアリウム
・サカつくG
・キミカレ
・リッジレーサー
・凸凹宇宙トレジャーズbyGMO
・エドニワ
・恋愛革命
・監獄脱出少女Lie
・伝説の鍛冶屋
・刑事ハードボイルド
・偉人伝心〜大集合!歴史バトル
・キャバウォーズplus
・恋してキャバ嬢
・ぼくのレストラン2
・原始人クロマニョン
・ゲームスタジオ物語
・ナイスちょっと!ゴルフ
・スパイウォーズ
・サンシャイン牧場
・海賊クロニクル
・英雄になりたい
・国盗ニンジャ
・しろつく
・ミラクルくえすと〜どこでもダンジョン
・モンプラ
・シティハンター100万人のスイーパー
・君とナイショの・・・今日から彼氏

GREEがiPhone/iPod Touchに対応 ― β版提供開始

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/09/43649.html
グリーは、ソーシャルサイト「GREE」がiPhone/iPod Touchに対応したことを発表しました。

iPhone版GREEは、タッチパネルのモバイル端末に最適化したデザイン・画面構成となっています。今回はβリリースということで、既存ユーザー向けのWebブラウザでのサービスとなりますが、正式版リリースの際には、新規ユーザー登録やアバター、ゲーム機能の追加やiPhone/Androidアプリ版の提供も予定されているとのことです。

多くの人が利用しているソーシャルサイトを既存の携帯電話端末と同じように、急速に普及しているスマートフォンで気軽に利用できるのはうれしい話ですね。

(C)GREE, Inc.

GREE向けソーシャルゲームへの参入手続きが簡便化 ― 「GREE Platform」を全デベロッパーへ開放

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/24/43907.html
グリーは、ソーシャルサイト「GREE」および「モバイル版 GREE」向けソーシャルアプリケーションの受付および審査運用方法を簡略化し、ソーシャルアプリの開発会社が従来よりも参入しやすい体制を整備したことを発表しました。

「GREE」および「モバイル版 GREE」向けソーシャルアプリは、同社の「GREE Platform」を利用しており、6月29日にソーシャルアプリを提供開始して以来、約60タイトルが配信中となっています。

今回の発表では、GREEユーザーにより多くのアプリを提供できるよう、サンドボックス(隔離された環境でアプリを動かし、問題が起こった場合でも他のシステムに影響が出ないようにする仕組み)の利用申請手続きおよびアプリの企画審査内容の簡略化が行われます。

「GREE Platform」サンドボックスの利用するには・・・

1.GREE Developer Centerの「ホーム>アカウント管理>デベロッパー情報」から、必要事項を記入
2.同ページ内の「申請する」ボタンより申請

上記の2ステップの手続きで、1営業日中に手続き完了の連絡がグリーから届きます。

アプリ公開審査の申請手順は、本リリース前のガイドラインへの適合に関する審査のみとなり、その詳細は近日中に公開される予定です。

なお、この体制変更によりこれまで行われていた第4次パートナー募集が中止されています。

体制変更で、より多くのできたてアプリを楽しめるようになりそうですね。

快進撃を続けるグリー田中社長に聞く、ソーシャルゲームとプラットフォームの未来 【CEDEC事前インタビュー】

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/30/44016.html
この夏本社を移転し、Google、ゴールドマンサックスと共に「六本木ヒルズの3つの『G』」の一角を担うようになったグリー株式会社。同社のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」は現在、日本最大のユーザー数を誇っています。

また「GREE」内で提供されるソーシャルゲームは、ゲームの新しい分野としてゲーム業界の内外から注目を集めています。そんなグリー株式会社を率いる田中良和代表取締役社長に、ソーシャルゲームの未来についてお話をうかがいました。

―――GREEのユーザー数が2100万人を越えましたね

良いサービスを、より多くの人に使ってもらいたいと常々思っていますので、たくさんの方に使われているのは素直にうれしいですね。ユーザー数の伸びた理由としては、「GREE Platform」を提供することで、単純にラインナップ数が増えたことと、我々では考えつかなかったり、作れなかったりしたゲームが加わったことが大きいと思います。我々だけでは成し遂げられませんでした。

―――パートナータイトルの力は大きいということでしょうか

そうですね。パートナー様のタイトルによって多様性が生まれましたね。

―――各プラットフォームによる、そうしたソーシャルゲームデベロッパーの囲い込みが話題になっています

我々は各ゲームデベロッパーが収益を上げ、より良いゲームを作っていただける環境になるというのが大事だと思っています。

コンソールのゲーム機でも「『A』というタイトルをこのプラットフォームで、『B』というタイトルは別のプラットフォームで」という話は当然あると思いますが、「このプラットフォームで1つソーシャルゲームを出したから、他とはもう付き合えない」という話は、かつてなかったと思います。ですが、実際にパートナーさんからそういう話を聞くことがあります。

囲い込みをすると当然、収益機会が少なくなるわけで、次のタイトルに投資できる額も減ってしまうわけですから、ゲームデベロッパーの成長ということを考えると、良いことではないですよね。

―――グリーさんとしては開発会社に出資や提携といった方法は考えてらっしゃるのでしょうか?

考えてはいますが、「一緒にやるとお互いにメリットがありますよ」という前提でお話しさせてもらっているだけで、「うちと付き合うなら、他社さんと付き合うのはやめてね」というわけではありません。それは各会社さんの選択に任せるべきだし、弊社が弊社の利益のためだけに「やめてくれ」と言うことはできません。

ただ新しいタイプのゲームですから、開発会社さんにはいろんな負担があると思います。それについては、金銭的に援助したり開発費を負担したりする場合があり得ると思います。サーバーが足りないというのであれば、こちらでご紹介するという方法もありますし。

また、グリーとしても多くのタイトルでソーシャルゲームのノウハウを蓄積しつつあります。個別にそうしたノウハウを共有しながらゲームを開発することも当然あり得ると思います。

―――今回、CEDECでパネルディスカッションに参加しようと思われた理由を教えてください

ゲーム開発者の皆さんに、ソーシャルゲームの可能性を伝えたいからです。

また、ソーシャルゲームにとどまらず「自分たちでも『GREE』のようなサービスを展開できるかも知れない」というところまで感じてほしいというのもあります。

コンソールのゲーム開発も面白いとは思いますが、いまこれだけたくさんの人が、これだけ多くのお金を費やしてでも「ソーシャルゲームのようなタイプのゲームをやりたい」と思っている事実を知ってもらう。その上で一緒に新しいところを目指していきたいですね。

―――もっといろんなゲームメーカーにソーシャルゲームを作ってもらいたい、と

そうです。やはりそれだけの可能性を秘めた分野だと思いますので。大手ゲームメーカーさんが続々とソーシャルゲームに進出されていますが、ゲーム開発という意味では我々より歴史も経験もあるメーカーさんがほとんどですから、そういうところを活かしてこれまでなかったものを作っていただきたいですね。

―――大手メーカーのソーシャルゲームへの進出が遅かったと感じることはありますか?

それはありません。特に大手のメーカーさんですと、市場が成熟しないことには会社の事業として成り立たないはずですから。逆に言えば、ソーシャルゲームがようやくそれだけの規模になったということですね。

―――コンソール機のユーザーは20歳代後半~30歳代前半がメインだと言われます。ソーシャルゲームのユーザーとは年齢層が異なると思いますが、その点で心配は?

「GREE」の会員も現時点で30歳代以上が44%を占めているんです。もうすぐ過半数を超え、30代以上メディアになっていくでしょうし、ユーザーが3000万人4000万人と増えていけば、年齢層がどうのこうのと意識する必要はなくなると考えています。お客様に受け入れられるサービスを提供しなければならないことは確かですが、そこが障壁になるとは感じてはいません。

常時接続が前提のネットワークゲームを作れることがソーシャルゲームの特徴ですから、コンソールでは作れないゲームを作っていただけると信じています。

―――プラットフォームホルダーとして、自社開発のタイトルとサードパーティのタイトルとの数のバランスを取ることはありますか?

実はそこまでは考えていなくて、単純に面白いものができればと思っています。

というのも、我々はこうした業態がない頃からソーシャルゲームを作っていますから、我々の出すものを見ていただいて、「それじゃ自分たちもやってみよう」と思っていただければと思っています。

当然、「GREE」というプラットフォーム上で我々のタイトルとパートナー様のタイトルが競合することも考えられますが、ソーシャルゲームという市場全体が伸びていますので、今はそこまで意識する必要もないんじゃないでしょうか。むしろ、切磋琢磨してお互いに伸びているという状況がオープン化後、作れていると感じています。

また、ソーシャルゲームにはまだまだ可能性があるはずですから、「まだまだいける」、「ここまで規模を大きくできるんだ」というのを証明することも我々の仕事だと考えていますし、そうしたことで広がっていく分野だと思うのです。「GREE」のプラットフォームの上手い使い方、思いもしないような提案をしていくのはプラットフォームホルダーとしての役割だと思っています。

―――御社がエンジニアを募集されているのには、どのような背景があるのですか。

単純な人材不足というよりは、あらゆる人間が関わればさらに大きくなる市場だと思っているので、いろんなタイプの人を集めたいのです。我々が考えていることを実現するには、まだまだ人が足りないというのが実情です。

―――先日、入社が決定したエンジニアに200万円の入社支度金を支給すると発表されましたが、反応はいかがですか?

あの件にとどまらず応募は常にいっぱいあります。月ごとに応募数が増えています。ただ、我々と考え方を共有できるのかという点について、ちゃんとお話しなければなりません。

インターネット、特にソーシャルメディアを通じて、これまでなかったことを世の中に生み出すことに参加したいという人に来てもらいたいと思っています。新しいサービス、産業を作り出していくには絶好のチャンスですから。

―――今後「GREE」というプラットフォームはどうなっていくのでしょうか。

国内ではさらにユーザー数を増やしたいですね。3000万、4000万人を目指します。あとはグローバルに日本のゲームを広めていきたいと考えています。

SNSとしては、ソーシャルゲーム以外の可能性ももちろんあると思っていますし、模索していくつもりです。ただ、その中でもゲームはやはりユーザーが望んでいるものでありますし、メインであり続けることは間違いないでしょう。こうしたプラットフォームの展望については、今度の「CEDEC 2010」でもお話しするつもりです。

―――国内でナンバーワンになりましたがユーザー数はどこまで伸びるんでしょうか

それは分からないですね(笑)。ただ、僕らが努力すれば大きく伸びていくし、良い提案ができなければ現状で頭打ちになるかもしれない。そういう立場になったと思っています。

―――スマートフォン版やPC版の強化は考えていますか?

考えてはいます。いろんなゲームメーカーさんとお話しするなかで、そうした話題が出ることがありますしね。

ただ、国内ではスマートフォンより日本独自のモバイルのほうが圧倒的に普及していますし、収益力があるというのはまぎれもない事実です。スマートフォンも普及しつつあるんですが、収益モデルという意味ではまだ発達しきってないという印象です。

PCのマーケットはありますが、PC自体の普及が緩やかになっていますよね。日本はモバイル先進国ですが、世界的にももうすぐモバイルのトラフィックがPCのトラフィックを追い抜くはずです。かつて日本で起きたように。となると、その成長にも限界があるのかなと。

もちろんそれぞれ特色がありますから、モバイル・スマートフォン・PCと3つともやれればいいなぁとは思っています。

―――次は当然世界も視野に入ってきますよね

その点について、私はそれほど難しいことではないと思っています。

自分たちは世界で通用するものを作ってきたと自負しています。来年6月末までにアメリカと中国に現地法人を設立します。いろいろな展開を検討していますが、できればGREEというプラットフォームを展開していきたいと考えています。

当然、その上でソーシャルゲームを提供していきます。まだまだモバイルでソーシャルゲームのノウハウを蓄積しているのは日本だけだと思いますので、パートナーの皆さんと一緒に世界中に向けて展開していくつもりです。

―――ありがとうございました

【CEDEC 2010】GREEによる大規模ソーシャルゲームのつくりかた

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/06/44201.html
急成長を遂げているソーシャルゲーム企業の1つ、グリー株式会社のセッションです。

「大規模ソーシャルゲームのつくりかた ~60分でわかるサーバサイド技術~」では、グリー株式会社 藤本真樹氏、グリー株式会社 増山和幸氏が登壇し、オンラインゲームと違うソーシャルゲームのサーバー構成などを語られていました。

GREEは2010年6月時において、会員数は2059万人、ページビューは月間357億、デイリーで11億、サーバーの構成は数千台、そのほとんどがx86系サーバーを利用しているとのことです。おおよその最大同時接続数は1万、サーバーからのレスポンスタイムが0.2秒となります。サーバートラフィックの波は、オンラインゲームの波が夜から深夜に対して、携帯がメインとなるGREEでは、夜から深夜に加え、朝8時前後、昼12時前後に増加する傾向があると語られていました。

プレイヤー層はコアゲーマーではなく、カジュアルゲーマーや、ゲームをプレイしたことがない人が遊ばれているそうです。

オンラインゲームとソーシャルゲームでのサ-バー構成の違いとしては、専用クライアントを要するオンラインに対し、ソーシャルではWebブラウザがあれば良いといった違いをはじめ、Proxyに対しLVS(Linux Virtual Server)+Proxy、FrontendサーバーがWebサーバー、BackendがDataBaseサーバーといった構成になります。結論としてはそれほどの違いはないそうです。

増山氏によると、たとえば「釣り☆スタ」オンラインゲームの構成で設営した場合、ゲーム中の釣り場がいわゆるワールドサーバーとして働くため、サーバーのリソースによって釣り場の人数の限界があるといった問題や、そのためにBackendサーバーをスケーリング必要であると語られています。

では、グリー上で構成されているのはどうなっているのかという部分では、前述のブラウザーをクライアントとし、LVS+Proxyで一番負荷の低いWebサーバーに処理を割り当て、リクエストの度にユーザーデータをデータベースサーバーに格納するといった流れになるそうです。

ただ、記録媒体であるディスク上に記録するWrite部分を分散したり、なるべくディスクに書かないようにする工夫が必要と語られていました。

具体的には、ディスクへの負担を減らすためのMySQLであればレプリケーション機能を使って、データベースサーバーのSlaveを増やし、読み出しアクセスの負荷を分散するといった方法から、メモリ上に作成するファイルシステム(tmpfs)でデータを運用。またmemcached互換の分散Key Value Store(KVS)を作成/利用し、データ保存に対するディスクアクセス回数を減らしたそうです。

また、コミュニティのお知らせ機能など、メンバーにメールを一斉配信するような機能では、一斉送信を行わず、Queue(キュー)サーバーを設置し、非同期処理を行いながら、順次メール送信をしていく方法を取っているといったことが語られました。そのほかにも課金アイテムの処理では、サイバーマネーであるポイントの引き出しの前にアイテムを渡すといった処理や、高負荷によってデータがロストした場合などを踏まえ、ロストした場合はログを参照し、後日補完するといった極力ユーザーの不利益にならないようにしているそうです。

そのほかにも、データベースサーバーで何らかの障害が発生した場合や、サーバーOSなどのバージョンアップを行う時は、Master側を停止して、Slaveをマスターに格上げするという手法を取ることで、サービスを停止することなく移行するできるといった内容が語られています。

GREE、iPhone/iPod Touch向けに有料サービス第一弾「アバター」を開始

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/09/44277.html
グリーは、ソーシャルサイト「GREE」において、iPhone/iPod Touch向けに有料サービスを開始しました。

有料サービスの第一弾となるのは「アバター」です。PCおよびモバイル版では既にサービス中の「アバター」の購入が、iPhone/iPod Touchでも可能になるので、端末を問わずにアバターを楽しめるようになりました。

なお、決済手段はWebMoneyとクレジットカードの2種類が用意されています。

今後もiPhone/iPod Touch向けGREEの正式サービス開始に向けて、さまざまな機能の登場が期待できそうです。

【CEDEC 2010】グリー田中社長が語るソーシャルゲームの未来展望

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/10/44293.html
昨年のCEDECで業界の注目を集め、以後も勢いを増す一方のソーシャルゲーム。その現状と展望を、グリー株式会社代表取締役の田中良和氏らが語りました

司会を務めるのは株式会社エンターブレイン浜村弘一氏。SNS「GREE」にゲームを提供するサード・パーティとして、芸者東京エンターテインメントの田中泰生氏と株式会社スクウェア・エニックスの原口洋一氏が登壇しました。

■人気の要因は3つ!

「ソーシャルゲームという言葉を聞くようになったとはいえ、家庭用ハードのゲームを開発してきた人たちにとっては、わからないことが多いのでは」と浜村氏。まずはソーシャルゲームの現状について話が進められました。

国内のソーシャルゲームプラットフォームでは「GREE」が最大規模で、2125万人の会員数を誇ります。これは2007年ごろ同社がモバイルのソーシャルゲームに注力し始めてから加速化したもので、「当初はソーシャルゲームという言葉すらない時代だった」といいます。
これまでは内部製作のゲームが中心でしたが、今年、サードパーティからのゲーム提供を受け、さらなる伸びを見せているとのことです。

ユーザー層は30歳代がメインとなりつつあり、家庭用ハードのユーザー層に重なりつつあります。ただし「GREE」ユーザーの男女比はほぼ1:1。「る年齢性別に偏ると、一番大きなパイが取れないことがあるので、あらゆる年代の人に使ってもらえるサービスを考えている」とグリーの田中氏はいいます。

モバイルでのソーシャルゲームが好調な理由について、グリー田中氏は次のように分析しています。「要因は3つ。まず、『モバイルサービスであること』。これによりゲームをできる時間が絶対的に増えます。次に『ソーシャルであること』。どこでも大人数で楽しめます。そして『アイテム課金』というビジネスモデル」。この「3段コンボ」でイノベーションが起きたということです。
また、基本的にオンライン以外のプレイヤーが存在しないことが大きく、「たまにしかオンラインにならないハードと、常にオンライン状態であるハードではゲーム作りが違ってくる」とし、ソーシャルゲームは誰もがオンラインであるという前提で作り始められるといいます。ソーシャルゲームとパッケージゲームは、TVと映画の違いに似ており、パッと見はよく似ているものの、別モノだというのです。

■サードパーティのゲームも無問題

「プラットフォーマーのゲームだけが売れているのかと思ったら、サードパーティ製のものも売れている」と浜村氏。「GREE」にソーシャルゲームを提供する芸者東京エンターテインメントの田中泰生氏を紹介します。

田中氏は「クリエイターと名乗ると数字に弱いと思われるのがイヤ」と、自ら「ファンタジスタ」を名乗っています。

同社は『おみせやさんforGREE』を展開。これは材料を仕入れ、こねて作った商品をプレイヤー間で売買するといった内容。プレイヤーは週ごとに出される「パフェを10個集めましょう」といった指令に従い、友達の店に品物を購入する遊びです。「携帯でままごと遊びをやってもらおうというゲームです」とファンタジスタ田中氏。開始1ヶ月間でユーザー数が100万人突破し、「僕らすげーな! グリーすげーな!」と驚いているといいます。

『おみせやさんforGREE』では、レアな材料やキャラクターの服を購入する際にアイテム課金が生じます。たとえば、店に人気商品のウェディングケーキを置きたい場合、ゲーム内で出る確率は低いため、課金して材料をそろえることになります。「レアなものを売りたい」、「『○○ちゃんのところでウェディングケーキを見たよ』と言われるとうれしい」といった思いが、プレイヤーの課金のモチベーションになっているといいます。

ファンタジスタ田中氏はもともと、株式会社テクモ(現コーエーテクモゲームス)でゲーム開発をしていた経験があります。そのころとの発想の違いについて問われると、「ぶっちゃけこれはゲームじゃないんです」とファンタジスタ田中氏。ソーシャルゲームにはゲーム的なルールがなく、「twitterを使うのと似ていて、プレイヤーは他人のレスポンスに喜びを見出している」といいます。

一方、スクウェア・エニックスは現在、『チョコボとクリスタルの塔』など3タイトルを「GREE」で展開中。すでに3年前からアイテム課金型のソーシャル的なゲームをリリースしているものの、「数字を見て効果的に運営するのに出遅れていた」と株式会社スクウェア・エニックス原口洋一氏はいいます。

また、長年家庭用ハードでゲームを作ってきた立場として、家庭用ハードのゲームはある程度の時間と資金をかけ作り込むのに対し、ソーシャルゲームはあらゆる企画をそぎ落とし、なるべく単純なものをリリースする点があるといいました。
「チュートリアルがなくてもすぐ入れるようにしておいて、ユーザーがどの部分に介在するのかを見ながらシステムを作り直していく」と原口氏。ファンタジスタ田中氏も同意見で、「達成度を味わいたいという声に応え、パラメータを追加しました。逆に不要なものはどこかでカットしようかなというのも考えます」と、リリースしてから開発が始まるという意識を持つことの重要性に触れました。

これについてグリー田中氏は「パチンコはレバーを右にひねるだけですが、それと同じでボタンを押すだけで面白いものを目指さなければならない」といいます。

原口氏によれば、ソーシャルゲームではユーザーの嗜好がどこにあるのか見極めることと、課金ユーザー無料で楽しむユーザーのバランスが難しいとのこと。「無料のユーザーがいなくなると、課金ユーザーもつまらなくなって、いなくなる。だから無料のユーザーがいるところがにぎわう」と原口氏。「入ってくるお客さんも多いですが、出ていくお客さんも多い。約60%は翌月には出ていきます」と、運営の難しさを語りました。

こうしたサードパーティに対し、グリーはアドバイスや情報を提供することで、人気を支えています。「我々は日々、ユーザーのデータを細かく分析しています」とグリー田中氏はいいます。パッケージ型おゲームではプラットフォームメーカーがどんなゲームが遊ばれているか把握することはできませんが、「GREE」ではグラフィカルに分析できるツールを用意しているといいます。

実際、『おみせやさん』では、ゲーム内でのアイテムの値段について分析やアドバイスがあったほか、サイト上のバナーについてもこと細かくデザインや色づかいに関する提案があったとのことです。ファンタジスタ田中氏は「それまで気を遣ったことのないところにまでアドバイスがあって、びっくりした」といいます。
グリー田中氏は「ゲームを作りたい、新しいチャンスに賭けたいと思っている人を応援できるのがうれしい」と、こうした協力体制について話しました。

■連合を組み海の向こうへ

浜村氏が「ファミコン初期のころのような活気がある」というソーシャルゲームですが、次には当然、海外市場への進出が考えられます。

原口氏がスクウェア・エニックスでは海外に開発会社を置き、国ごとに作っていこう売っていこうとしていることに触れ、「ワールドワイドの戦略がなければ明日はない。『虎穴に入らずんば崖っぷち』というスタンスで挑む」と意気込みを語ると、対照的にファンタジスタ田中氏は、まったく気負うところはないといいます。「インターネット業界には、海外で流行ったものが2年後に日本に来るという考え方の人が多い。一方、ゲーム業界では自分たちのものが海外で遊ばれるというリアリティがある」とファンタジスタ田中氏
グリーが海外進出する際は、「ぜひ連れていってほしい」といいます。

当のグリー田中氏も海外市場に対する意欲は強いものの、facebookやtwitterなど最近まで日本に事務所がなかったようなサービスが急速に伸びている現状をかんがみ、「ゲームは海外進出に成功した数少ない産業のひとつなので、日本の連合軍を組んで一気に乗り込もうと考えている」と、その熱意を語りました。

【CEDEC 2010】2000万人を魅了するソーシャルゲームの作り方

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/11/44328.html
開始2ケ月で登録会員100万人を突破するゲームもあるというグリーのゲームデザインセッションでは、売れるソーシャルゲームの作り方として、グリー株式会社 吉田大成氏、冨田洋輔氏より語られました。

まず、コンシューマゲームとの違いとして、スタッフ構成になります。コンシューマでは一般的にゲームデザイナー、グラフィックアーティスト、サウンドエンジニアなど水平分業型を採用していることろが多く、対してソーシャルでは少数精鋭型だと語られました。

対してグリーでの制作スタッフは、オールラウンドにこなせるスキル+αが必要で、エンジニアかつプロデュースができといったジェネラリストに近いスペシャリストの構成になるそうです。また、すべてのコミュニケーションコストを最小化に抑えるために、仕様書などはなく、意思決定は各プロダクトごとに持つといった流れで、責任の意識やスピード感など、各イノベーションがおこるようになるといったことが語られていました。

制作方針としては、データマイニング、インフラエンジニアが基本的なフレームワーク、やライブラリを準備し、クローンタイトルを生産しない体制でゲームを作成しているそうです。また、ゲームデザインやバナーデザインなどは、デザイナーなど個人のセンスよりも、数千万人のアンケートなど、数値化されたデータを指標に作成されています。

たとえばデザイン1つにもロジカルシンキングを盛り込み、「かわいい」、「かっこいい」といった抽象的なものではなく、アンケートなどによって数値で解析、プランナーや個人の「面白い」と思うのはマイノリティという思想で、ゲーム開発者は自分がマイノリティだということを自覚すべきといったことが語られていました。

そして、上記のようなPDCAサイクル(Plan Do Check Act)を、徹底して行うことによる生産管理や品質管理、来てもらう人を増やすのか、お金を使う人を増やすのかなど、重要業績評価指標のKPI(Key Performance Indicator)を作成し、企画を行ったことにより何%の変化が起こるのかを示し、実際にリリースしたときに何%変化したのかを記録、自分の規格制度をその都度修正し、ゲームの精度、企画やロジックを高めていくとのことです。

グリーのサーバーには、細かいデータマイニングツール「GREE Analytics」が設置されており、これにより会員登録日、登録を登録した経路、ユーザーの利用状況、課金利用率などから、各イベントの参加率、プレイ率、消費率、アイテム別売上、ゲーム進捗状況、継続率などを集計。このデータを参照し、それぞれのバランスを調整しているそうです。

グリーにおけるゲームでは、企画3大モデルと称され、「集客」、「活性化」、「収益化」を目標に制作されています。具体的には、ユーザーが「集まり」、「使い」、そして「収益」が上がり続ける仕組みというのを作っていく。このユーザーが○○し続ける仕組みが必要と語られていました。

また環境管理型アーキテクチャやインターフェース迷わない導線や環境をつくることで、ユーザーをコントロールすることが大事と語られていました。たとえばゲーム部分では文字を読むという行為が減るため、グラフィカルで表現していく。リストを表示させて、友人を巡回しやすくする導線を張るといった工夫がされているそうです。

集客部分では、ゲームデザイン部分はプロモーションが大事、ソーシャルデザインはバイラルといったことが語られたほか、ゲームがわからなくても興味を持ってもらえるようにするため、釣り、ガーデニングといった一般層にも親しみやすいものをモチーフとしたジャンルを採用するといったこと。運営者からのお知らせからよりも、友達からのお知らせのほうが会員登録や、プレイする率が高いため、ユーザー間でのコミュニケーションに重きを置いて活性化を行うことが大事といったことが語られました。

そのほかに短期・中期・長期のゲームサイクルに要求や達成感を配置したりといったことを踏まえ、友達招待のスパイラルが回り始めることが大事、スパイラル効果を可視化するといった工夫のほか、サービスタイトルのほとんどはコレクションの要素を満たすようにしているそうです。

グリーではこれらを数値をマイニングツールを用いて記録し、収益化へとつなげているとのことです。なお、課金部分では、細かいゲームバランスよりも課金機会の演出・効果の演出が重要で、課金アイテムは目で見てわかるような効果を持ったアイテムが大事。効果がなければ2度と購入されないといったことが語られていました。

最後にソーシャルゲームの未来として、ソーシャル化は、普段の生活に隠れていおり、新しいゲームデザインが生まれてくるのではなくて、ソーシャルゲームやアプリには普段の生活にヒットするようなものが隠れているんじゃないか・・・それをGREEプラットフォームで実現できればいいなと思っていると語られていました。

今後はスマートフォンおよびPCへの対応も強化していくとのことです。

【TGS 2010】ミクシィとグリーが大激論~TGSフォーラム「ソーシャルゲームセッション」

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/21/44536.html
2時間という長丁場で専門性の高いセッションが行われる、東京ゲームショウのTGSフォーラム。2日目に開催された「ソーシャルゲームセッション」では、大ブレイクをはたしたソーシャルゲーム市場の現状と見通しについて、熱い議論が繰り広げられました。

登壇者はミクシィの安部聡氏、グリーの青柳直樹氏、芸者東京エンターテイメントの田中泰生氏で、モデレータは日経ビジネスオンライン副編集長の戸田顕司氏。ミクシィとグリーはSNS事業者で、芸者東京は『おみせやさん』などで人気のSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)です。

あえて説明の必要もないと思いますが、ミクシィ、グリー、そしてモバゲータウンは、昨年から今年にかけて相次いでオープン化戦略をとり、SAPの参入を促しました。現在ではさまざまなソーシャルゲームが提供されており、ほとんどが基本プレイ無料のアイテム課金モデルで運営されています。

これに伴い市場も急速に拡大。今年度中に一千億円市場になるという予測もあります。これはPCオンラインゲーム市場や、来のモバイルゲーム市場とほぼ同額。一方で一過性のブームという声も囁かれています。こうした背景もあり、会場はぎっしり満員。熱心な議論にみな耳を傾けていました。

■ソーシャルグラフプロバイダーへの進化~ミクシィ~

はじめにミクシィの安部氏はさまざまなデータを元に、ミクシィアプリのこれまで分析。さまざまなAPIの取り組みを紹介しました。その上でスマートフォン対応や、多用なアプリケーションとの連動の取り組みを紹介。今後ミクシィは「ソーシャルグラフ・プロバイダー」になるとの姿勢を示しました。

ミクシィアプリは「ソーシャル/ネットワーキングサービスの1つ」で「友人・知人とのコミュニケーションを媒介するもの」・・・安部氏はこのように整理します。アプリランキングでトップ10のうち9アプリが、友人とのコミュニケーションを重点においたもの。ソーシャル性の高いアプリは低いアプリに比べて月間アクティブ率も2倍近く高い・・・これらが裏付けています。

成長の鍵は、いかにバイラル(口コミ)を喚起するための多彩なAPI(OSやプラットフォームにある機能をアプリ側で呼び出す仕組み)を整備し、SAPに活用してもらうか。これまでにも「ボイス連携」「フォト連携」などのAPIを公開してきました。今後も9月末に「ソーシャルギフトを活用するためのリクエストAPI」を予定しています。

またトップページからアプリへの導線の強化や、プロモーション強化、マネタイズ支援、スマートフォン対応の強化などを行うことが示されました。iPhone向けには9月10日より『まちつく!』など9タイトルがスタート。さらにネイティブアプリでの配信についても、iPhone・Android向けに環境が整備中とのことです。

さらに「今後はオープン化第2弾として、外部サイトやデバイス、サービスとの連携を図っていく」と表明。「mixiチェック」の提供や、スマートフォン向けのソーシャル電話帳機能などを展開していくとのことです。その上で単なるSNS事業者から、ソーシャルグラフを軸にさまざまなサービスを提供する、ソーシャルグラフ・プロバイダーに進化するとまとめました。

■市場の成長で「産業化」を達成~グリー~

続いてグリーの青柳氏は、会員数2125万人と国内ナンバー1のSNSを達成したことを紹介。新たな目標として「3000万人以上が利用するプラットフォームになる」ことを示しました。ちなみにこの数はニンテンドーDSの国内出荷台数に相当します。

そのためにはゲームラインアップの拡充が不可欠。これまでグリーでは「釣りスタ!」をはじめ、良質な内製コンテンツと全方位ユーザーを対象としたテレビCMなどで会員数を伸ばしてきましたが、さらなる成長のためオープン化に踏み切りました。青柳氏は2011~12年に本格ソーシャルゲーム時代が到来し、市場規模は数千億円に拡大。「産業」になると予測します。

「信頼される、オープンなプラットフォームをめざし、過度な囲い込みは行わない」「集客・利用・収益化の底上げめざし、サイトの使用・機能追加・改善を繰り返す」「パートナー(SAP)向けデータ提供を充実させ、コンサルティング専門のチームを立ち上げて、情報共有を図る」・・・これがグリーのオープン化に伴うスタンスです。

その上でマーケティング面でのサポートも拡充。年末までに『しろつく』など30本のパートナータイトルで、テレビCMを実施することを明らかにしました。またモバイル広告出稿も拡大。KDDIからパートナー向け特別枠の提供も予定されています。

またスマートフォン対応について、現在はiPhone向けに機能を限定したβ版が公開されていますが、正式版についても2010年中に順次公表していくとのこと。こちらではアバターやゲームなどの機能追加や、Androidでのサポートも予定されています。アジア・北米での事業展開も計画中で、パートナー向け海外展開支援策もあわせて検討中だと語られました。

■ソーシャルゲームは死語になる!?~芸者東京~

東京ゲームショウ2008でバーチャルフィギュア『電脳フィギュアARis』を出展し、来場者を驚かせた芸者東京エンターテイメント。社長の田中泰生氏は戦略コンサルティング会社を経てテクモに入社、2006年に独立しました。2009年に『おみせやさん』をmixiアプリ向けに配信開始、今年はグリー版も配信を行い、トップ10に入る人気タイトルになっています。

その田中氏はソーシャルゲームのヒットについて「敷居が高い」「初期投資が必要」「飽きたら終わり」というコンソールゲームの問題点が解決された、極めて革新的なサービス形態であるとコメント。ヒットアプリとなった『おみせやさん』についても、ベースとなったのはtwitterでのつぶやきで、古典的な「ゲーム」ではないと解説します。

こうしたアプリ開発を実現するため、同社ではホワイトボード上でプロトタイプを作成し、仕様書などを書かずに一気に開発。開発過程のバージョンを「お茶会」と称して社内外のスタッフに触ってもらい、開発にフィードバックさせるという社内体制を紹介しました。現在は新仕様の追加を行う一方で、ようやくログ解析を行うゆとりも生まれてきたとのことです。

またソーシャルゲームの見通しについては、「かつても『今年こそファミコンブームは終わる』と言われていた」とコメントし、悲観論を一蹴しました。そして「ケータイによる少額決済実現」「ソーシャルメディアの台頭」「可処分所得の減少」という構造的背景を示し、すき間時間を有効活用できるソーシャルエンタテインメント時代の到来を指摘。ヒットアプリの形態は変化していくが、広義の意味での市場拡大は止まらないと分析しました。

ちなみに田中氏は昨今ウェブ上で普及が始まった「コネクト」によって、あらゆるゲーム機やコミュニケーションサービス、IPTVなどが繋がっていくとコメント。それによって「ソーシャルゲーム」は近い将来、死語になると予測しました。また『おみせやさん』の経験を元に開発した新作アプリ『ABATAR2(仮)』『TRAVELLER(仮)』を近く公開すると語りました。

■β版の是非が分かれたディスカッション

その後モデレータの戸田氏による司会でパネルディスカッションを実施。ミクシィ安部氏とグリー青柳氏で、ソーシャルゲームのローンチに関して、興味深い議論が行われる一幕もありました。

安部氏はいわゆる「小さく産んで大きく育てる」やり方には疑問があると言います。ソーシャルアプリで一番露出が高いのはローンチ時で、そこでユーザーに失敗体験を感じさせると、尻つぼみで終わる恐れがあるからです。「ソーシャルゲームは100%の状態を長く続けるサービス。ローンチを遅らせてもいいから100%のアプリを持ってきて欲しい」と語ります。

一方で青柳氏は「βリリースは行った方が良い場合もある」とコメント。そもそもソーシャルアプリは一定以上のユーザーが存在しなければ、おもしろさがわかりにくいと語りました。同社の内製プロダクトでもβリリースの反応で、中身をがらっと変えたこともあるとのことです。「ちょっとした改良で大きく成長する」とも指摘。青柳氏が指摘するとおり、ソーシャルゲームが成長途中で、SNSの特性もあるということなのでしょう。

また昨今、問題になりつつある「クローンゲーム」について、安部氏は「ミクシィアプリは友達からの招待が中心で、クローンゲームはバイラルが回りにくい。オリジナルが総取りする傾向もある」と釘を刺しました。青柳氏も「『怪盗ロワイヤル』のクローンが失敗するのは、一定規模のユーザーが必要だから。ユーザーの濃さが必要なのがコミュニケーションゲームの宿命」と安易な開発姿勢を牽制しました。

田中氏はSAPとして、いかに早くアプリを作る態勢を構築できるか努力しているとコメント。社内でもJavaやFlashでゲームが作れる企画者やデザイナー、グラフィックが描けるプログラマーというように、マルチタレントな人材を育成していると明かしました。その上で「世界中のユーザーに自分の考えた悪戯を遊んでもらいたい。それができる時代に生まれた幸運に感謝している」と抱負を語りました。

iPhoneでもグリー・・朝刊チェック(10/5)

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/05/44841.html
日経産業新聞4面「人気キャラも総動員、3DSソフトの陣 ― バンナムやセガ開発急ぐ」
国内ゲーム会社は、任天堂が来年2月に発売予定の新型ゲーム機「ニンテンドー3DS」に対応したソフトを発売します。バンダイナムコゲームス、セガなどは複数タイトルを開発中で、人気シリーズを中心に発売します。立体視の3時現映像を裸眼で楽しめるゲーム機は3DSが初めてとなるため、各社はゲーム領域の拡大を見込み開発を急ぎます。バンダイナムコゲームスは現在5タイトル開発中、セガは6タイトルを2011年末までに発売します。カプコンは4タイトル。価格は未定ですが、「通常のDSソフトよりも少し高くなるかもしれない」との見方が多いとのこと。

日経産業新聞4面「iPhoneでもグリー」
交流型ゲームサイト大手のグリーは、運営するサイト「GREE」が米アップルの高機能携帯電話「iPhone」に対応できる登録受付を開始しました。iPhoneのメールアドレスがあれば、同サイトのサービスが利用できます。グリーは8月からiPhone版「GREE」を試験的に始めており、新機能はソフトバンクの3G回線を契約している利用者が対象。今後は米グーグルのアンドロイドを搭載した携帯端末にも対応していく予定。

グリー、「GREE Platform」でゲーム以外の分野のソーシャルアプリを募集・公開

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/08/44924.html
 グリーは7日、外部デベロッパーによるアプリ提供基盤「GREE Platform」にて、従来のゲーム分野に加えて、あらゆる分野のソーシャルアプリケーションを公開・募集することを発表した。

 これによりアプリデベロッパーは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「GREE」にて、エンターテインメント、ライフスタイル、コマース、コミュニケーションなど、あらゆる分野のソーシャルアプリケーションが提供可能となる見込み。グリーでは、2010年6月29日より、「GREE Platform」において、開発パートナー(GREEパートナー)によるソーシャルゲームの公開を開始していた。

 今回、新たにゲーム以外のソーシャルアプリケーションとして、芸能人が企画デザインしたオリジナルコンテンツ「芸能アプリ」を公開するほか、10月末には占いやデコメなどのアプリケーションを公開し、その後もあら
ゆる分野のアプリケーションを順次公開していくとしている。第一弾アプリとしては「ベッキーアプリ」「小森純アプリ」「アイされ☆マネージャー(加護亜依アプリ)」「コウケンテツの簡単レシピ」のほか、AKB48の「前田敦子アプリ」「大島優子アプリ」、映画タイアップの「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」が公開されている。

 なお同日よりグリーは、「Developer Center」にて、「GREE Platform」を利用したソーシャルアプリケーションの募集を、ゲーム以外の分野でも開始した。新たな分野でGREEパートナーとソーシャルアプリケーションの事業化に取り組み、プロモーション、サービス運営などのコンサルティング、マネタイズ、ユーザーサポート、パトロールなどで支援する。

gumi、GREEから数億円を調達~120人体制まで強化10/14

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2256
TechCrunchは、gumiがGREEに対して第三者割当増資を実施し、数億円を調達すると報じています。現在約80名の体制ですが、これを年内に120名まで引き上げるということです。

gumiは『幕末英雄伝』『キャバウォーズ』『刑事ハードボイルド』といったタイトルをmixi、モバゲータウン、グリーに提供するデベロッパー。現在の月間アクティブユーザーは500万人程度だとのこと。自社のモバイルSNSとして「gumi」も展開し、そのプラットフォームも「gumi platform」として開放しています。

同社代表の国光宏尚氏は、「ここからさらに成長するためにプラットフォームと協力関係を作ることにした。特にGREEは内製ゲームのクオリティが高かった。ここと様々な場面で協力することは自分達のレベルアップにつながる」とコメントしています。

また、先日よりmixi touch(スマートフォン版)にも『キャバウォーズ』の提供を初めていますが、そうした多プラットフォームへの対応も進めていくとのこと。

RockYouに続いてZyngaもウノウを買収し日本市場に本腰を入れつつあります。更にはPlayfishの参入も噂されます。gumiでは圧倒的な資金力や経験を持つ海外勢が本格進出する前に手を打ちたいとしています。

先月初めのポケラボに続くこの分野での大型調達ですが、今後も続くようです。また明日!

グリー、「@cosme」のアイスタイルに資本参加 10/30

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2352
グリーは、化粧品口コミサイト「@cosme」を運営するアイスタイルに出資すると発表しました。

株式取得の理由についてグリーでは、良質なコンテンツの拡充を図る一環とし、「@cosme」との連携で20代、30代女性の会員増や利便性向上を目指したいとしています。

「@cosme」は1999年運営開始の化粧品の口コミサイトで、ユーザーからの口コミレビューを中心に化粧品情報を取り扱っています。現在では月間2億PVのウェブサイトのみならず、サイトと連携した実店舗「@cosme store」を複数展開し、大きな影響力を持ちます。

グリーでは既存株主から普通株式2390株(発行済株式に占める割合 4.2%)を取得するとのこと。金額は開示されていません。

新興国で急成長するSNS「mig33」、グリーの出資を受ける 11/1

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2359
グリーは、新興国で携帯電話向けSNS「mig33」を展開する米国のProject Gothに出資すると発表しました。同社の第三者割当増資を引き受けるもの。金額や出資比率などは明らかにされていません。

Project Gothは2003年の設立。2005年12月に携帯電話向けのSNS「mig33」を立ち上げ、現在では200カ国から4000万ユーザーが参加し急成長中です。新興国向けに非常に安価なコミュニケーション手段を提供することを創業の目的とし、ノキア、ソニーエリクソン、ブラックベリーなどの大部分の機種に対応します。AOL/MSN/Yahoo/Googleなどの各メッセンジャーとの接続もサポートされています。

直近ではソーシャルゲームやアバターなどのバーチャルグッズの販売に注力しており、インドネシア、南アフリカ、インドではユーザーの平均課金額が1ドルを超えているということです。また、香港、台湾、サウジアラビア、エジプト、タンザニア、モザンビークで顕著な伸びが見られるとしています。

同社ではグリー、ディー・エヌ・エー、mixi、そして中国のテンセントなど東アジアで成功しているSNSのビジネスをモデルとしてバーチャルエコノミーの強化を謳ってきましたが、その中の一社から出資を受けることとなりました。

Project GothにはシリコンバレーのAccel Partners、Redpoint Ventures、DCMなどが出資しています。

ディー・エヌ・エーとグリーの四半期決算を比較 11/2

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2363
国内ソーシャルゲームプラットフォーム大手のディー・エヌ・エーとグリーは揃って1日に四半期業績を発表しました。

ディー・エヌ・エーは売上高270億8500万円(前年同期比+216%)、営業利益136億2400万円(+342%)、経常利益134億1000万円(+329%)、純利益76億3800万円(+345%)。

一方のグリーは売上高124億1000万円(前年同期比+82%)、営業利益62億2100万円(+58%)、経常利益62億2700万円(+58%)、純利益36億9500万円(+74%)。

期初が異なるためディー・エヌ・エーは第2四半期、グリーは第1四半期となりますが対応する期間は同じです。

両社とも大きな伸びを見せていますが、比較するとグリーは多少見劣りし、株式市場でも本日はディー・エヌ・エーが大きく伸びる一方、グリーは落ち込んでいるようです。

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直近の9四半期分の売上高と営業利益をグラフにまとめてみました。2008年まではディー・エヌ・エーのリードが大きく、2009年には内製ソーシャルゲームでグリーが急成長。2009年の7-9月期では営業利益で逆転しました。しかしそれも束の間、年末にモバゲータウンのオープン化が始まり、2010年初頭からはディー・エヌ・エーが急成長しました。6月のグリーのオープン化後も流れは変わっていません。

両社ともにテレビCMを中心に積極的な出稿を行っていますが、直近の四半期での販促費・広告宣伝費はディー・エヌ・エーが50億7700万円、グリーが33億2100万円となっています。

また、人材の獲得競争を行っている両社は人件費も大きく伸びていて、ディー・エヌ・エーは71%増、グリーは96%増となっています(前年同期との比較)。

興味深い点では、両社ともにオープン化時点と現在のコイン(仮想通貨)消費額を開示していて、オープン化時点を1とした場合、ディー・エヌ・エーが18.76、グリーが約16となっています。売上高の伸びはさほど大きくありませんがグリーでも課金額は伸びているようです。