スクエニNEWS2008

Last-modified: 2010-09-14 (火) 20:03:29

『ファイナルファンタジーIV』に2点の不具合が確認

http://www.inside-games.jp/article/2008/01/12/26317.html
スクウェア・エニックスは12月20日に発売したニンテンドーDS向け『ファイナルファンタジーIV』に、2点の不具合を確認したと発表しました。内容と回避方法が公開されています。

「未来へのプロローグ」を閲覧するとエンディングで画面が停止する
でぶチョコボに話しかけると表示される「イベントシアター」メニュー内の「未来へのプロローグ」を閲覧した状態でエンディングを迎えると、本来キャラクターが操作できないシーンで、操作が可能になり、画面が停止するというものです。対処法としては「未来へのプロローグ」は閲覧しない、もしくは閲覧後はセーブせずにゲームを終了する、ということが挙げられています(「未来へのプロローグ」は2週目以降で登場します)。

飛空艇が使えなくなる
(1)飛空艇を地底に配置する (2)その状態でDSの電源を切らず、メニューから「タイトルへ」を選択する、もしくは、バトルで全滅してタイトル画面に戻りニューゲームを開始する、以上を満たす場合、バロン城での飛空艇入手イベント後に飛空艇のグラフィックが表示されなくなります。また、現象発生後に陸地など飛空艇が直地可能な場所でBボタンを押すと、それ以降飛空艇が使用できなくなります。

『ファイナルファンタジーIV』はスーパーファミコンで発売された同名の名作RPGを3Dでフルリメイクした作品で、発売から3週間でハーフミリオンを突破するなど好調な売れ行きとなっています。これらの不具合について心当たりがある方はリンク先をご確認の上、インフォーメーションセンターに問い合わせて下さい。

スクウェア・エニックス、自社株買いを決定―四半期業績も発表

http://www.inside-games.jp/article/2008/01/25/26605.html
スクウェア・エニックスは平成20年3月期の4-12月の業績を発表しました。それによれば、売上高1142億9300万円(前年同期比-7.1%)、営業利益179億0900万円(-8.9%)、経常利益173億5400万円(-14.2%)、純利益90億9500万円(同)となりました。

ゲーム事業ではDS向け『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』が109万本、『ファイナルファンタジーIV』が53万本、『いただきストリートDS』が42万本、『ファイナルファンタジークリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』が38万本、『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』が49万本、『クライシス コア ファイナルファンタジーVII-』が77万本などがありましたが売上高は-14.3%となりました(数字は全て国内、12月末現在)。

オンラインゲーム事業では『ファイナルファンタジー XI アルタナの神兵』が新たにありましたが、売上高は-10.2%となりました。

ゲーム関連は低調でしたが、モバイルコンテンツ事業が売上高で15%伸び、営業利益は50%増でした。出版事業も数字を伸ばし、タイトーなどのAM事業では売上高は下がったものの、黒字転換しています。また、ライセンスなどのその他の事業も売上高が前年同期の倍になるなど成長を見せています。

また、スクウェア・エニックスでは本日の取締役会で自社株買いを実施することを決議したと発表しています。取得上限は500万株、150億円で、期間は1月28日〜7月31日となります。全て取得した場合、自己株式を除く発行済み株式の4.35%に相当することになります。

スクウェア・エニックス、FFの剣の模造品を販売した業者を提訴

http://www.inside-games.jp/article/2008/02/13/27054.html
スクウェア・エニックスは、「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する剣の模造品を無断で販売していた米国の卸売業者4社とその代表者をカリフォルニア州連邦地方裁判所に著作権侵害等で提訴したと発表しました。業者らは、ゲーム4作品と映像作品1作品に登場する剣の模造品を販売していたということです。

同社では、模造品を欧州した米国税関・国境警備局の協力を得ながら、調査を行い、同様の商品を取り扱っていた多数の小売業者に対して警告状を発し、多額の損害賠償の支払い等を得ているということです。また、今回の4業者はこれらの警告等を無視した業者だということです。

今後もゲーム、音楽、映像、画像などの権利侵害には積極的に対処していくとしています。

「スクウェア・エニックス モバイルスタジオ」が設立へ

http://www.inside-games.jp/article/2008/02/18/27138.html
スクウェア・エニックスは、携帯電話向けのコンテンツ・サービスの運営を専門的に行う100%子会社として、札幌市に株式会社スクウェア・エニックス モバイルスタジオ(SQUARE ENIX MobileStudio, CO., LTD.)を4月に設立すると発表しました。社長はモバイル事業部長の原口洋一氏、資本金は2000万円で、初年度に従業員20名を予定しているということです。

スクウェア・エニックスではこれまでも『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったゲームの提供に留まらず、「ドラゴンクエスト モバイル」や「ガンガンモバイル」というようなポータルサイト、「スクウェア・エニックス メロディ」「ロックの魂」などの着メロサイト、「スクウェア・エニックス ギャラリー」などの待ち受け画像サイトなど携帯電話向けに積極的に展開してきました。

今後もコンテンツ・サービスの幅を広げると共に、多様な人材を確保していきたいとしています。

【GDC08】スクエニ土田氏と白石氏がWiiウェアでの『クリスタルクロニクル』の開発について語る

http://www.inside-games.jp/article/2008/02/22/27303.html
米サンフランシスコで開催中のテレビゲーム開発者向け技術会議「GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)」で21日(現地時間)、スクウェア・エニックスの土田俊郎氏と白石史明氏が「Wiiウェアのライフサイクル『小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』研究事例」と題した講演を行い、Wiiウェアでゲームを開発する意義や企画の成り立ち、開発で得た経験などを語りました。

本ゲームは『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズの最新作で、瘴気によって国を失った幼い国王レオが、クリスタルによって建築術を授かり、国を復興していくという内容です。ただしプレイヤーは自らダンジョン探索などができず、冒険者のNPCに依頼して「精霊石」を収集し、これを消費して民家や商店などを建造していくことになります。本年3月のWiiウェアスタートと同時にリリースが予定されています。

講演者の土田氏は『重装機兵ヴァルケン』『フロントミッション』などのタイトルを手がけたベテランとして、古参ゲーマーにはおなじみのゲーム開発者です。現在は『ファイナルファンタジーXIII』戦闘パートのゲームデザインを行いつつ、本作のプロデューサーも務めています。白石氏はスクウェア・エニックスに入社して約7年になり、間サーバープログラマーとして『ファイナルファンタジーXI』などの運営に従事。本作で初めてメインプログラマーとして、ゲーム作りをゼロから体験することになります。今回の講演は、この新旧2名の開発者が、それぞれの立場で交互に講演するという、本作の開発体制を彷彿とさせるユニークなものとなりました。

はじめに土田氏はスクウェア・エニックスの開発工程について紹介しました。土田氏の言葉を借りると同社は「独自の世界観をハイクオリティなCGで表現する」点が強みで、開発工程もそれに適した物になっています。プロジェクトが立ち上がると、まずストーリープロット・キャラクター・コンセプトアート設定を行い、続いて戦闘システム・フィールドマップ・イベントムービーなどの設計を行います。その後、必要なツール制作などの技術要素を検討し、実際の開発パイプラインを構築。あわせて制作する映像クオリティの基準を定めます。こうして下準備を整えてから、実開発を開始するという手順です。開発期間は通常2年から4年、開発人員は進捗によって異なりますが、約100名が1年間の開発に従事し、ピーク時のスタッフは約200名を数えます。

これらは『ファイナルファンタジーVII』以降、徐々に整備されてきたシステムで、現在もアップデートが繰り返されています。このように大規模開発に適した、無駄のない開発手順が同社の強みですが、土田氏はゲーム内容が開発体制に規定される不安も感じていたといいます。これに対して手軽にダウンロードでき、容量も開発コストも少なく、Wiiのバーチャルコンソールやカジュアルゲームがライバルとなる「Wiiウェア」での開発は、逆に良い機会に映りました。あえて小規模開発に挑戦することで、それに適した開発体制を社内に構築し、案件に応じて選択可能にすることが重要と考えたのです。

【OGC2008】日本唯一のシリアスゲーム専業メーカー「SGラボ」の取り組み

http://www.inside-games.jp/article/2008/03/17/27822.html
ブロードバンド推進協議会が主催する「オンラインゲーム&コミュニティサービスカンファレンス2008」(OGC2008)で、シリアスゲーム開発で知られるSGラボの前田徹哉氏が「新しい学びの形をゲームから=「シリアスゲーム専業メーカー『SGラボ』の戦略」=」と題した講演を行い、同社のビジョンと取り組みについて紹介しました。

SGラボは学習研究社とスクウェア・エニックスの合弁で2006年に設立された、日本で唯一のシリアスゲーム専業メーカーです。前田氏はシリアスゲームを「ある特定の目的を持ったゲーム」と定義し、テレビゲームの開発ノウハウを活用することで、より効率的な学習効果が得られると説明しました。主なシリアスゲームとしては、米国陸軍の新兵徴募用ソフト「American's Army」や、DSの知育ゲームなどが知られています。

前田氏はSGラボのビジョンとして「『学ぶ力』=知力を向上し、豊かな生活を想像するためのソリューションを提供する」点をあげ、精神面・肉体面・経済面の3種類の知力向上を支援すると説明しました。さらに「学び」は生活の中核に位置づけられるもので、人生の幅と奥行きを広げ、生活を豊かにする大きな要素であると示しました。

コンテンツ開発のポイントとして上げられたのは、「全体像を構造的に理解する」「物事を関係性で捉える」「当事者の立場になって理解する」の3点です。これをゲーム形式で提供することで「全てをクリアするという目標を持つことで、全体像が理解できる」「クリアのためには小さな目標達成の連鎖が必要で、物事を関係性で捉えられる」「RPG形式をとることで、当事者の立場になって考えられる」としています。またゲームの持つ感情を動かす力が、記憶にも有効であると指摘しました。

同社は受託開発ベースで活動しており、主なクライアントは官公庁や企業で、B2B(教育・訓練)、B2B2C(広報・宣伝)、B2C(エンドユーザー向けの知力向上)といったソリューションを提供できるとしています。具体的には企業や商品の宣伝を目的としたアドバゲーム、教育や訓練を目的としたゲームラーニング、実務支援を目的としたGオペレーションなどです。プラットフォームはPCベースとなっています。しかし、今後はDS向けや携帯電話向けにも取り組んでいくとしました。

最後に同社はこれまでの実績として、さまざまなシリアスゲームを紹介しました。東京都の「見つけて防ごう!子供にとっての身近な危険〜乳幼児期の事故防止学習ソフト」では、乳幼児の4段階の発達段階にあわせて、よく見られる事故のケーススタディと対策を学ぶことができます。サントリーの「ウーロン茶物語〜美味しいお茶を求めて〜」では、脱出ゲームの文法で、ウーロン茶の製法や入れ方などを体験し、総合的な知識が得られます。

スクエニとニフティがカジュアルエンターテイメントポータル分野で業務提携―今夏にサービスイン

http://www.inside-games.jp/article/2008/03/17/27843.html
スクウェア・エニックスとニフティは本日午後から記者会見を開き、カジュアルエンターテイメントの分野で業務提携することを発表しました。

カジュアルエンターテイメントはPC、家庭用ゲーム機、携帯電話などの普及やインターネットの一般化で従来の男性や若年層のみならず、女性やシニア層にまで浸透してきています。このような状況下で両社は、スクウェア。エニックスの持つコンテンツや開発力と、ニフティの持つ有力なポータルサイトやネットワーク技術力を生かしてカジュアルエンターテイメントポータルを共同で構築、運用していくことで合意しました。

まずスクウェア。エニックスは2月29日に株式会社スマイルラボを全額出資で設立し、コンテンツ・サービスの開発及び事業展開の両面で支援していきます。ニフティはスマイルラボに対してサーバー等の設備や課金・決済システム、コミュニティ運営ノウハウなどをインフラを提供する共に、@niftyとの連携で集客を支援します。

スマイルラボの代表にはUSEN、NHN Japan(ハンゲーム)、リアルネットワークスなどで要職を歴任してきた伊藤隆博氏が就任し、2008年夏のサービス開始を予定します。

ニフティは最大手のインターネットプロバイダーとして知られますが、「Y or N - これからは、Yahoo!がライバルです。(社長談)」と掲げ、インターネットを楽しむ新しいコンテンツを積極的に展開しています。

スクウェア・エニックス、持株会社体制に移行―名称はスクウェア・エニックス・ホールディングスを予定

http://www.inside-games.jp/article/2008/04/25/28709.html
スクウェア・エニックスは、4月25日に開催した取締役会にて、10月1日を目処に新設分割による会社分割を行い、新設する100%子会社に現在の主要事業を継承し持株会社体制に移行する方針を決議したと発表しました。現在の会社は商号を株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(予定)に変更し、持株会社として上場を維持します。本件については6月に開催予定の株主総会で承認を得て決定される予定です。

株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(予定)は傘下に、スクウェア・エニックス、北米持株会社、欧州子会社、中国子会社、タイトー、その他子会社・関連会社を並列に置く形になります。持株会社への移行の理由に関しては、各事業の採算性や責任体制の明確化を図ると共に、他社との提携などにも機動的に対応し得る体制を作るためとしています。

会社分割後の上場会社の状況
(1)商号 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(予定)
〔英文名:SQUARE ENIX HOLDINGS CO., LTD.(予定)〕
(2)事業内容 純粋持株会社としてのグループ企業の経営管理
(3)本店所在地 東京都渋谷区代々木三丁目22 番7 号
(4)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 和田 洋一
(5)資本金 9,290 百万円
(6)純資産 未定
(7)総資産 未定
(8)決算期 3 月31 日
(9)会計処理の概要 共通支配下の取引として会計処理を行います。従って、のれんの発生は見込まれておりません。

『ドラゴンクエストソード』欧州でも発売

http://www.inside-games.jp/article/2008/05/08/28887.html
スクウェア・エニックスの欧州法人は、Wii向け『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔 』(Dragon Quest Swords: The Masked Queen and the Tower of Mirrors)を欧州及びその他のPAL地域で、5月9日に一斉に販売開始します。

Square Enix Ltd.のジョン・ヤマモト社長兼CEOは、「本作をPAL地域でリリースできることをとてもうれしく思っています。ドラゴンクエストシリーズはこれまでに4300万本以上を販売している世界的な人気シリーズですが、欧州ではまだまだ新しい存在です。本作が多くの人の中に居場所を見つけることを期待しています」とコメントしています。

ちなみに北米では2008年2月19日に発売済みです。

『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔 』は、Wiiのために制作されたDQシリーズ最新作で、Wiiリモコンを剣や盾に見立てて遊ぶ体感型の新しいゲームとなっています。

ゲーム事業軟調、AM黒字化、スクウェア・エニックス業績発表

http://www.inside-games.jp/article/2008/05/23/29199.html
スクウェア・エニックスは、平成20年3月期業績を発表しました。売上高1475億1600万円(前年同期比-9.8%)、営業利益215億2000万円(同-17.0%)、経常利益188億6400万円(同-28.1%)、純利益91億9600万円(同-20.9%)と、減収減益となりました。ライセンス事業が大幅に伸び、AM事業は黒字化しましたが、その他の事業は軟調でした。

ゲーム事業における主要タイトルの販売本数は以下の通りです。売上は415億8800万円(-19.0%)、営業利益は88億8200万円(-45.7%)となりました。

・DS ドラゴンクエスト? (日本:115万本)
・DS ファイナルファンタジー? (日本:59万本)
・DS ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング (日本:54万本、北米:22万本、欧州:28万本)、
・DS いただきストリートDS(日本:43万本)
・DS ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト (日本:38万本、北米:16万本、欧州:15万本)
・DS FINALFANTASY III(欧州:48万本)
・PSP クライシス コア –ファイナルファンタジーVII- (日本:80万本、北米:45万本)、
・Wii ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔 (日本:49万本、北米:11万本)

いずれも3月末現在の数字です。

オンラインゲーム事業では日米欧で50万人の会員を抱える『ファイナルファンタジーXI』を中心に引き続き推移し、拡張ディスク「アルタナの神兵」も各地域で発売されました。売上は120億9800万円(-11.4%)、営業利益は58億8800万円(-13.1%)となりました。

タイトーグループが該当するAM事業では、様々な収益改善策を行った結果、既存店売上が増加に転じ、大幅に利益が改善、黒字転換を果たしています。売上高は691億0400万円(-8.7%)、営業利益31億2900万円(前年同期は3億5100万円の営業損失)でした。

今期は、ブロードバンドの普及やゲーム機の多様化などを睨み、安定した収益基盤のあるネットワーク関連事業の推進などを行い、連結売上高1600億円、営業利益210億円、純利益120億円を目指すとしています。

ドラクエの発売時期は? スクウェア・エニックスの今後の方針

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/10/29534.html
スクウェア・エニックスは、5月23日に開催した2008年3月期決算説明会の資料をウェブで公開しています。和田洋一社長から今後の方針や、タイトーの買収以降の推移、そして気になるDS『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の発売時期について、色々と語られていますので簡単に紹介します。

まずドラクエシリーズ最新作『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』については、

「『ドラゴンクエストIX』が出るかどうかという話について、実は、1年前のこの時期には、2008年3月期に数字に織り込んでいるという話をしています。しかしながら、残念ながら出しませんでしたが、全社的に何とかカバーし、計画数字を達成しております。販売の時期その他は、詳細が決まってから申し上げますけども、一応2009年3月期こそは出そうと考えております」

という風にコメント。2009年3月期(2008年4月〜2009年3月)には発売する意向のようです。

和田氏はスクウェア・エニックスの今後の取り組みについて、ゲーム産業の発展段階に対応して述べています。一極集中、垂直統合の第一段階(1975年〜2000年)、多極化、ネットワークがキーワードとなる第二段階(2000年〜2010年)、そしてメディア・コンテンツ市場が一体となる第三段階(2010年〜)です。

第三段階で、映画・テレビ・音楽・本・ライブエンタテイメントなどのメディアコンテンツ市場が一つになり、ゲーム業界の会社以外も仮想敵国になってくると和田氏は指摘。初めてゲーム業界が大きな業界外戦争を経験することとなり、それを勝ち抜く為には、(1)強力なコンテンツ想像能力 (2)グローバル展開力 (3)強靭な企業体力 (4)最低限の規模(経常利益500億円 +/-100億円)が必要だと挙げています。

(1)のため前期ではゲーム事業やモバイルコンテンツ事業でかなりのタイトルを中止にして費用を計上しています。(2)のグローバル展開力については現在50%前後の国内売上を20%程度にまで持っていく構想を述べています。(3)に関しては、タイトーの買収は家庭用ゲーム機を中心としてきた会社に大きなものをもたらしたとしています。

「ゲーム事業、オンラインゲーム事業は現在改革中、リフォーム中というところです。成功しているところをそのままやってしまうとまずい。カルチャーを変えることが、重要なわけです。能力のエッセンスが何かというところの整理は、本人たちも私もなかなかやりきれなかったというのが昨年までです。今は、ここが見えてきましたが、結果はまだ出ておりませんので慎重を要するというところです。第三段階に向かって歩を進めるため、ゲーム事業について変わりきれていないところを、一気に処理して乗り切る方針としたことが、今回の決算のポイントになります」

モバゲーにスクエニ参入! 第一弾は無料オンラインRPG『エルアーク』

http://www.inside-games.jp/article/2008/07/10/30155.html
スクウェア・エニックスは2008年7月8日(火)、ディー・エヌ・エーが運営するゲケータイ総合ポータルサイト「モバゲータウン」において、同日よりオンラインRPG『エルアーク』の配信を開始したと発表した。対応キャリアはドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアで、課金体系は基本プレイ料金無料のアイテム課金制を採用する。

『エルアーク』は、プレイヤーの行動をメールで選択し、送信することで物語を進めていく「メールプレイングゲーム」。メール送信から一定時間が経つと、冒険の結果がメールで通知され、それを受けてまた新たな指示を出す――といった流れを繰り返しながら、徐々にゲームは進行していく形となる。舞台となる世界は、いくつもの「本」によって形成されており、プレイヤーはこの「本」の中を冒険しながら、物語を読み進めていくことになるようだ。

またプレイヤーはモバコイン(モバゲー内で使用可能な仮想通貨)を使って装備品やアイテムを購入することができるほか、バザー機能を使ってユーザー間でアイテムの取引を行うことも可能。さらに「モバゲータウン」のミニメールやサークル昨日とも連動し、他のユーザーとパーティを組んだり、情報交換をしたりといったコミュニティ機能も用意されているとのこと。

また併せて同日より、モバゲータウンとの連動を記念し、『ナナシ ノ ゲエム』『ファイナルファンタジーIV ジ・アフター』といった、同社の人気タイトルのアバターがもらえるキャンペーンも開催中となっているので、こちらもお見逃しなく。

(C)2008 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.

【E3 2008】マイクロソフトがプレスカンファレンスを開催―『FFXIII』がXbox360で発売決定(速報)

http://www.inside-games.jp/article/2008/07/15/30223.html
E3 Media& Business Summit 2008開催の前日である7月14日(月)10時30分よりLA CONVENTION WEST HALLにてMicrosoft E32008 Press Briefingが開催されました。詳細は、後のリポートにて報告することにしてここでは、Briefingにて明かされた興味深い情報をフィーチャーします。

まず、『バイオハザード5』ですが、2009年3月12日(米国、欧州は2009年3月13日)にリリースされることが明らかになりました。

また、『ファイナルファンタジー』シリーズの最新作である『ファイナルファンタジー13』のXbox360版が北米及びヨーロッパにて発売されることも発表されました。

この他に、Xbx Liveのインターフェイスが今秋、一新されアバターを用いたコミュニケーションが多用されること、テレビ、映画などの豊富なダウンロードコンテンツ、そして『Guitar Heroes』シリーズや『Rock Band』シリーズの最新作などが公開され会場は興奮につつまれました。

スクウェア・エニックス、第1四半期業績を発表―ストックオプションも発行

http://www.inside-games.jp/article/2008/07/31/30528.html
スクウェア・エニックスは、2008年度第1四半期の業績を発表しました。それによれば、売上高は297億7000万円(前年同期337億円)、営業利益34億6300万円(43億円)、経常利益45億0350万円(53億円)、純利益28億8300万円(27億円)と、昨年度を僅かに下回る結果でした。

セグメント別ではモバイルコンテンツ事業の利益率が大幅に改善したほか、出版事業も大きく伸びましたが、PSP『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』の欧州版以外に目立ったタイトルのなかったゲーム事業や、事業環境の厳しいAM事業等の落ち込みを補うことはできませんでした。オンラインゲーム事業は堅調に推移しています。

また、スクウェア・エニックスでは5名の取締役に対してストックオプションを発行することを決定したと発表しています。対象となるのは和田洋一社長、本多圭司副社長、松田洋祐経理財務部長、千田幸信取締役、成毛眞取締役(社外)の5名で、行使できるのは退任後1年以内で、全て行使された場合は2万2000株、31日終値に換算すると7400万円相当となります。

スクエニ、女性・子ども向け新ブランド「Pure Dreams」を立ち上げ、DS向けに2作品

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/01/30541.html
スクウェア・エニックスは、"子ども時代のトモダチに出会える・・・"をコンセプトに、ゲームに親しみのない女性や家族層に向けた新ブランド「Pure Dreams」(ピュア・ドリームス)をスタートすると発表しました。第一弾として10月9日に『スヌーピーDS〜スヌーピーと仲間たちに会いにいこう!』を、11月6日には『ピングーのワクワクカーニバル』(いずれもDS)が発売されます。

『スヌーピーDS〜スヌーピーと仲間たちに会いにいこう!』は、1950年からアメリカの新聞に連載された「ピーナッツ」の人気キャラクターであるスヌーピーの世界を忠実に再現したコミュニケーションソフトです。スヌーピー、チャーリーブラウン、ライナス、ルーシーなどお馴染みの仲間達との会話やミニゲームを楽しめます。

『ピングーのワクワクカーニバル』は、オットマー・グッドマン氏のクレイアニメーションに登場するピングーとその家族が活躍するミニゲームを多数収録したゲームです。家のお片づけやお菓子作りなど、さまざまな「ごっこ遊び」が体験でき、家族でそれぞれのキャラクターを操作することで、コミュニケーションを図れるようになっています。

スクウェア・エニックスでは新ブランドの立ち上げで商品ラインナップを拡充し、拡大・多様化するゲーム市場に上質なエンターテイメント体験を提供していくとしています。

PS3版『ファイナルファンタジー XIII』日本での発売は2009年に決定

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/02/30562.html
スクウェア・エニックスが2008年8月2日(土)と8月3日(日)に開催している完全招待制・新作発表イベント「DKΣ3713(ディー・ケイ・シグマ・3・7・13)」において、日本国内におけるプレイステーション3版『ファイナルファンタジーXIII』の発売日が2009年と発表された。

『ファイナルファンタジーXIII』は、ひとつの"神話"をテーマに、様々な視点から世界を描くプロジェクト「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII」の一環として制作されているRPG作品。アメリカで7月14日(月)に開催されたマイクロソフトのメディアブリーフィングでは、Xbox 360版でも発売されることが決定している。

イベント会場では、本作は映像出展のみとなっていた。映像では、新たな召喚獣や、森を探索する主人公・「ライトニング」の姿、ピンク色の髪をツインテールに結んだ「謎の少女」が物語のカギを握る存在として紹介されていた。

(C) SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN : TETSUYA NOMURA

「DKΣ3713」で紹介された新作タイトル―『FFXIII』『キングダムハーツ』など

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/04/30576.html
スクウェア・エニックスは週末にプライベートイベント「DKΣ3713」を開催し、『ファイナルファンタジー』『キングダムハーツ』シリーズなど注目タイトルについて新情報を明らかにしました。ここではそこで発表された新情報について紹介します。

『FINAL FANTASY XIII』
異なる主人公、異なる世界観、異なるストーリーで複数展開される壮大なプロジェクト「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII」。その一つが『ファイナルファンタジーXIII』で、日本では2009年にPS3で発売される事が決定しました(海外ではXbox360もあり)。

『FINAL FANTASY Agito XIII』
新たに発売が決定したPSP版。たくさんのキャラクターが魔道院に集い、戦いに身を投じます。発売時期は未定。

『FINAL FANTASY Versus XIII』
「FINAL FANTASY XIII」と対になり、プロジェクトの中核となる作品。メインキャラクターの衣装はファッションブランド「Roen」のクリエイティブディレクター高原啓による新デザイン。作中に使用される一部衣装デザインも「Roen」の製品から提供されることが決定。

「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLATE」
DVDとUMDで発売された「FFVII ADVENT CHILDREN」がブルーレイになって登場。約30分のシーンを追加したほか、改変・再編集によってリニューアルされたものになりました。新規特典映像や複数言語ボイスが収録、そしてもちろんHD画質になりました。加えて初回版に付属する特典Discには『FFXIII』(PS3版)の体験版が収録されます。発売は2009年3月。

『KINGDOM HEARTS Birth by Sleep』
PSPのグラフィックと容量を活かしたKH最新作。新たな3人の主人公によって綴られる3つのシナリオを楽しむことができます、2009年発売。

『KINGDOM HEARTS 358/2』
各ディズニーワールドを巡る従来のシングルプレイに加えて、DSならではのマルチプレイが特徴。今冬発売。

『KINGDIM HEARTS coded』
ゲーム機に遜色ないグラフィックとサウンドで配信される携帯電話向けのキングダムハーツ。専用ポータルサイト「KINGDOM HEARTS MOBILE」もオープン予定。今冬発売予定です。

『DISSIDIA FINAL FANTASY』
歴代FFシリーズのキャラクターが登場する対戦アクションゲーム。2008年12月の発売が決定、通常版だけでなく、PSP同梱版も登場します。また、「POTION」の新プロジェクトとして、DISSIDIA FINAL FANTASY "POTION"の発売が決定しています。

『The 3rd Birthday』
美麗なCGムービーや斬新な舞台設定で人気を集めた『パラサイト・イヴ』の主人公アヤの全く新しい物語が登場。PSPです。発売日は未定。

スクウェア・エニックス、テクモに買収提案

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/29/30934.html
スクウェア・エニックスは、テクモを公開買付けで友好的に買収する提案を同社の取締役会に対して提出したと発表しました。これは、9月4日までにテクモの取締役会から賛同の意見表明が得られることを前提としたもので、回答がない、もしくは賛同が得られない場合はTOBは行わない予定だとのことです。

案ではテクモ株式を1株につき920円(28日の終値に対して約30%のプレミアム)で過半数(上限なし)を取得するとしています。

買収提案の理由についてスクウェア・エニックスでは、日本のゲーム業界は世界の中核でいられるかどうかの岐路に立たされていて、テクモも実績ある優れたクリエーター集団ながら、昨今の諸事情は、今後について危惧せざるを得ない状況であるが、スクウェア・エニックスグループに加わることで更なる飛躍を遂げることができるとしています。統合方法については、テクモの組織やブランドを維持したまま、スクウェア・エニックス・ホールディングスの傘下に置くとしています。

続報が入りましたらまたお伝えします。

テクモ「対応を検討中」、スクエニからの買収提案について

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/29/30944.html
本日、スクウェア・エニックスはテクモの取締役会に対して、友好的な株式公開買付けで過半数を取得し、買収することを打診したと発表しましたが、本件に関して、テクモはプレスリリースを発表し、「現在対応を検討中で、現時点で決定している事実はない」と明らかにしました。

スクウェア・エニックスの提案は、テクモの1株につき28日の終値に約30%のプレミアムをつけて920円で上限無しに取得するというもので、買収が成立した場合、テクモは組織やブランドを維持したまま、スクウェア・エニック・ホールディングスの傘下で、スクウェア・エニックスやタイトーと並ぶ形になるというものです。

スクウェア・エニックスは株式公開買付けはテクモの賛同を前提のものとしていることから、テクモの判断が注目されます。返答期限は来週金曜日の5日に設定されています。

テクモ株は29日はストップ高で+100円の806円となっています。時価総額は29日の終値で195億円で、半数を取得した場合、約100億円となります。

コーエーとテクモが統合協議を開始

http://www.inside-games.jp/article/2008/09/04/31025.html
コーエーとテクモの2社は、本日開催したそれぞれの取締役会において経営統合に向けた協議を開始することを決定、「経営統合委員会」(仮称)を設置することを決議したと発表しました。

コーエーは『信長の野望』『三国志』「ネオロマンス」など多数の有力ブランドを抱え、アジアを中心に強いブランド力を誇ります。一方でテクモは『DEAD OR ALIVE』『NINJA GAIDEN』など欧米市場で人気のあるブランドを抱えているほか、アドベンチャー、パチンコ・パチスロ、業務用などにも強みがあります。

しかしながらゲーム業界は、ハードの高性能化や携帯ゲーム機の普及、オンライン・モバイル市場の急成長など事業環境は急速に変化していて、マルチプラットフォームやグローバル化への対応は喫緊の課題となっています。コーエーとテクモの両社は経営統合を行うことで、両社の優れた財務体質や異なる強みを生かして世界的に発展を期することができるとしています。

また、テクモはスクウェア・エニックスからの買収提案については、企業価値の向上により貢献する案があることから、賛成しない方針を決定したと発表しています。スクエニ側は賛同が得られなければTOBなどの実施はしないとしていますが、提案価格の引き上げなど対応が注目されます。

スクエニ、テクモとコーエーの経営統合の合意に対してコメント

http://www.inside-games.jp/article/2008/09/04/31030.html
スクウェア・エニックスは先月末にテクモ経営陣の賛同を前提に、テクモに対して株式公開買い付けを実施し、グループ会社化する方針を明らかにしました。本日、テクモはそれに対して賛同しないことを決定、同時にコーエーとの経営統合に合意したと発表しました。この決定についてスクウェア・エニックスの反応が明らかになりましたので紹介します。

スクウェア・エニックスによれば本日、テクモの取締役会から「弊社といたしましては、役員、従業員一丸となって、今後ともこれまで培ってまいりましたテクモの企業文化を堅持し、『遊び』を世界に発信し続けることで、当業界のさらなる発展に貢献してまいる所存」という旨の書面が寄せられたということです。

しかし直後にコーエーとの経営統合が発表され、スクウェア・エニックスとしてはテクモに対して以下の照会したということです。

・テクモの取締役会が本案への賛同をしなかった理由は、コーエーとの経営統合に向けた協議を決定したためかどうか、ご教示いただきたい。

・もし、そうだとした場合、コーエーとの経営統合の条件(統合の態様、統合の前提となる株価、統合比率等)が翻案よりもテクモ株主にとって有利であることを具体的にご教示いただきたい。

・もし、そうでない場合、本案よりもテクモ株主にとって有利である代替案を具体的にご教示いただきたい。

スクウェア・エニックス、テクモの買収提案を撤回

http://www.inside-games.jp/article/2008/09/05/31042.html
スクウェア・エニックスは、29日にテクモの取締役会に対して提案した友好的な買収提案について、撤回することを発表しました。

テクモ取締役会から4日付けで賛同しない旨の返答および、テクモからはコーエーと経営統合で合意したとの発表がなされ、スクウェア・エニックスではその理由などについて3項目の照会を行いましたが、回答は得られず、買収価格など修正提案を提示できず、当初の案に基づく交渉を継続することが困難になったとしています。

これにより当面はテクモとコーエーの経営統合に向けての動きが進むと考えられますが、スクウェア・エニックスの提案に対抗する形で浮上してきた感も拭えず、紆余曲折があることも予想されます。

【CEDEC 2008】『FF XI』の中身を探る。ゲームを作る4つのブロック

http://www.inside-games.jp/article/2008/09/12/31134.html
人気MMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF XI)の中身はどのような構造になっているのでしょうか。3日目14:50〜はサーバー担当プログラマーのチーフで『FF XI』にはスタート当時より関わっている株式会社スクウェア・エニックスの田中 啓介氏が「MMORPG FINAL FANTASY XIの運営を支える技術〜データベースとデータストレージを中心として」と題した講義で普段はプレイヤーの目に見えない部分を解説しました。

『FF XI』は同社を代表するMMORPGで、PS2・Windows PC・Xbox360版が存在。日・米・欧をターゲットとしており、どこの国からプレイしても日本のデータセンターに接続されます。

同社のオンラインゲームサービスである「Play Online」、課金情報を管理する「課金システム」、「ゲーム本体」、プレイヤー同士のWEBベースコミュニティである「リンクシェル」(Link Shell、LS)の4ブロックより構成されており、各ブロックは関連しつつ独立した構造となっています。もしも「ゲーム本体」がダウンしても「Play Online」や「リンクシェル」が生きていればプレイヤー同士がコンタクトを取ることができるため、ゲームコミュニティの継続性が高いというメリットがあります。

ブロックごとの独立性が高いため、バージョンアップも個別に行うことが可能。「Play Online」のシステムは早い段階で確立し、大きなトラブルを出すことなく運営を続けることができたという実績があります。

『FF XI』のデータは一つではなく、各ブロックでそれぞれ個別にデータが記録されています。「Play Online」では基本情報を「課金システム」では個人情報・課金情報を保持。「ゲーム本体」にはキャラクター情報があり、「リンクシェル」はキャラクター同士の関係の情報を持っています。これらの情報は完全に独立している訳ではなく、「リンクシェル」でWEB上に表示するためのキャラクター情報を「ゲーム本体」から手に入れるなど、ゆるやかな関係性を保っています。独立性が高いということはサービスのためのコストがかさむということでもありますが、同社ではこれを必要経費として認識しているとのこと。

MMORPGの多くは、キャラクターデータを保管するのにデータベース(DB)を使用しています。これは「アイテムを手に入れる」「アイテムを誰かに渡す」といったMMORPGのやり取りがデータベース的であるということも理由の一つなのですが、『FF XI』ではファイルにキャラクターデータを保存するという家庭用ゲームと同じ手法をとっています。

この手法はキャラクターデータの保全と不正の取り締まりに強いという側面があります。バックアップさえ残っていれば「一年前のデータを参照したい」「二ヶ月前の状態にキャラクターを戻したい」ということが簡単に行えます。DB全体をいじるのではなく、キャラクターデータを個別に操作できることもポイントです。

但し、「Play Online」「課金システム」「ゲーム本体」「リンクシェル」の間で同期を取る必要があり、ここで遅延が発生する可能性が存在。ファイルにキャラクターデータを保存するという手法は同社が家庭用ゲームをメインに開発してきたという状況から自然発生したものであり、「最善の方法であるかは疑問」であるとのこと。次世代のオンラインゲームには「WEBベースのコミュニティや携帯電話との連携」「サービスを止めない工夫」が必要で、こうした課題に関しては今後も研究対象であるとしています。

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は年明けに―和田社長

http://www.inside-games.jp/article/2008/09/18/31244.html
時事通信によれば、スクウェア・エニックスの和田社長は、ニンテンドーDSで期待される『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の発売時期について、年明けになるという見方を示したということです。

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は、国民的RPGとなっているドラゴンクエストシリーズの最新作。本編作品として初めて携帯ゲーム機で登場し、ネットワークプレイにも対応するなど新たな要素を盛り込んでいます。

スクウェア・エニックスではこれまで発売時期について、2009年3月期(2008年4月〜2009年3月)ということを明らかにしていました。大ヒットが確実なタイトルの発売が年明けということになれば、他社の年末戦略にも大きな影響を与えそうです。

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の発売は2009年3月に

http://www.inside-games.jp/article/2008/10/01/31440.html
スクウェア・エニックスは、2009年初頭としていたニンテンドーDS向け『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の発売日を2009年3月に決定したと発表しました。

これまでにシリーズ累計で4600万本以上のセールスを記録している国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズ最新作です。本作では「自分自身が主人公となって壮大な世界を冒険する」というテーマはそのままに、DSならではのワイヤレス通信機能を生かして、仲間と一緒に冒険する醍醐味を実現しています。

価格は未定です。

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【TGS2008】「次世代機はこれからが本番」CESA和田会長―オープニングイベント

http://www.inside-games.jp/article/2008/10/09/31568.html
9日の東京ゲームショウの開幕を告げるオープニングセレモニーが、会場正面のホールにて9時半より開催されました。

まず登壇した主催者であるCESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の和田洋一会長(スクウェア・エニックス)は、「次世代機の登場から2〜3年が経過し、技術的にもこなれてきて、触って欲しいタイトルが増えてきた」とコメントしました。

年々規模を拡大している東京ゲームショウのありかたについては、「日本のTGSから、世界へ発信するTGS」へと進化を遂げる必要があるとコメント。イベントとしての発展は道半ばながら、ようやく「できる」ようになってきた、これからも様々な課題を克服していきたいと意気込みを語りました。

次いで登壇した日経BP社 代表取締役の平田保雄氏は、世界的に景気後退の懸念が広がっていることに触れ、「幸いながらゲーム業界は良いソフトに恵まれ、ハードも売れて利益が出来るという、好循環を作ることができている」と話し、TGSの発展については「世界からの来場者が増えることを期待したい」と述べました。

最後に経産大臣政務官の谷合正明氏は、インベーダーから25年が経過、ゲームの主軸はゲームセンターから家庭に移り、その家庭も変化し、今ではノーベル賞を受賞する先生もゲームをする時代になったとコメント。今年から日本ゲーム大賞の一つとして経済産業大臣賞を創設することにも触れました(本日午後の発表で宮本茂氏が受賞しています)。

【TGS2008】世界のリーダーに返り咲く為に産業構造の転換を―CESA和田会長 基調講演

http://www.inside-games.jp/article/2008/10/10/31586.html
■日本は世界のリーダーではなくなった

東京ゲームショウ初日の9日、社団法人コンピュータエンターテインメント協会会長の和田洋一氏は「日本ゲーム産業新世代 世界は日本のゲームメーカーに何を求めるのか」と題した基調講演を行い、「日本は世界のリーダーではなくなった」と指摘。競争力回復には自社ですべてをまかなう垂直統合型から、広くネットワークを構築して分業を行う水平分散型へと、産業構造を転換することが不可欠だと論じました。

はじめに和田氏は「ゲーム業界が本質的な問題を抱えていることは事実だが、今までそれをストレートに言ってこなかった」と反省の弁を述べました。その上で「日本が世界を(再び)リードするためには、産業をネットワーク型にしなければならない」と展開し、これはゲーム業界だけでなく、日本の産業界全体にも言えることだと補足。それだけに根元的な問題だが、一刻も早く取り組む必要性があると強調しました。

本論に入る前に歴史を補足しておきましょう。テレビゲームは70年代にアメリカで生まれ、80年代に日本に輸入されると、「スペースインベーダー」の大ヒットやファミコンの登場など、爆発的な進化を遂げました。そして80年代後半から欧米に輸出され、まず北米、ついで欧州で大ブームとなり、90年代後半まで国産ゲームが世界市場を席巻します。しかしXboxの登場前後から次第に海外ゲームが台頭し、今ではEAやアクティビジョン・ブリザードといったメガパブリッシャーの影で、(任天堂以外の)国際的な影響力が低下しています。和田氏の弁を借りると「リーダーではなくなった」わけです。

和田氏は原因の分析に入る前に、一般的に囁かれている「日本衰退論」の諸説を切り捨てました。▽「趣味嗜好の違い」→「日本でも世界でも売れるものは売れるし、売れないものは売れない」▽「開発コストの増加」→「海外メーカーも同じ」▽「財務体質が弱い」→「日本のパブリッシャーの財務体質は強固」などです。その上で原因を「モノ作りの能力で世界を下回った」からだと分析しました。ゲーム開発力で下回るようになったから、世界で売れなくなった、というわけです。非常に平易で、かつ根元的な問題です。

それではなぜ、これまではうまくいっていたのでしょうか? 和田氏は90年代まで、ほとんどのゲーム機が国産で、ハードメーカーを中心にサードパーティ、クリエイター、アマチュア開発者、ゲームファンなどの重層的なコミュニティが存在していた点を上げました。これらは自然発生的に生まれたもので、それらが幾つかのハブを経由してつながり、極めてアクティブに機能していた点が特徴です。ホビーパソコンの文化が、黎明期のコンシューマ市場に受け継がれた点などは、その好例だといえます。

しかし、コンソールゲームの複雑化に反比例して、日本ではPCゲームとアマチュアクリエイターのコミュニティが弱体化していきます。また業界を覆う閉鎖的な体質から、他業界や教育機関との連携も進みませんでした。その一方でマイクロソフトの参入と共に、Xboxが欧米のPCゲームコミュニティを母胎に勢力を拡大。GDCをはじめ、インテルなどのチップベンダー、ハリウッドのCG映像技術、さらにはMODコミュニティやアカデミズムなどとも結びつき、海外で新たなコミュニティとハブが形成されていきます。こうして相対的に日本のゲーム開発力が低下していった、というわけです。

「日本はゲーム業界で閉じていたのに対して、海外はオープン指向で英語圏を中心に拡大した。重層化したハブがいくつもあり、ネットワークが緊密に結びついている。その結果として、モノを作る情報量の厚みに相当の差が生まれている」(和田氏)

■ネットワーク化を阻む要因とは?

続いて和田氏は、ゲーム業界をネットワーク構造に転換するための課題として「概念の混乱」「心理的抵抗」「制度上の不整合」「実務的困難さ」の4点を上げました。

まず「概念の混乱」については、「ネットワーク構造」を一元的に捉えるのではなく、さまざまなレイヤーごとに分けて考える必要性を指摘しました。こと水平分散と言うと、企業や団体が網の目のように結ばれる一枚図を連想しがちですが、実際にはさまざまな層が存在するので、これを分けて考えなければ、議論がかみ合わないというわけです。ここでは大きく「知識基盤」「ゲーム開発」「ビジネス展開」の3レイヤーの分類が紹介されました。そして社内では商用ゲームクリエイターだが、趣味でゲームを作るなど、層をまたがる場合も少なくないとしました。

続いて「心理的抵抗」については、日本のゲーム開発者はプライドが高く、独創的なゲーム開発を好む傾向にあるが、これがコラボレーションや共有を拒む原因になっていると指摘し、一律に外部を排除していくだけでは、孤立してしまうと警鐘を鳴らしました。また、ゲーム開発者を「クリエイター」と「エンジニア」に分けて呼称することを提案し、クリエイターの分野では独創性が必要だが、エンジニアは技術の継承と蓄積が必要で、効率化も進めやすいとコメント。すべてをゼロから作り上げるだけが「クリエイティブなエンジニア」ではない、と指摘しました。

「制度上の不整合」については、法律などの諸制度がデジタルフォーマットとネットワーク時代からずれてしまった点を指摘。著作権問題が上げられましたが、ここでもレイヤーごとの切り分けが不可欠だとしました。同人活動などの「知識基盤」層で著作権を振りかざしすぎるのは問題だが、「ビジネス展開」層では著作権の厳守が必須で、必要な対策が層ごとに異なるというわけです。また下請法の問題点についても触れ、本来対等な関係であるはずのパートナー企業が、現在の法体系では元請け・下請けという関係に縛られてしまい、自由な連携が取りづらい点について苦言を呈示しました。

最後に「実務的な困難さ」については、頭では理解できていても、なかなか過去の因習から抜けられないが、「早く苦しんでノウハウを貯めたところが勝つ」と語りました。和田氏は「インターフェースの標準化の問題」と表現しましたが、オープン戦略によって自社の強みが失われる危険性もあり、過去の成功体験が大きいほど、舵が切りにくいのも事実です。しかし「中身(コンテンツ)の標準化を進めるのではなく、中身を豊かにするために共同作業が必要で、そのための(手続きの)標準化だ」と説明しました。

この後、議論は「どこからはじめるか」へと展開します。もちろん、そこで必要なのは「危機の本質を自覚する」ことで、「できるところから、すべてに着手する」ことが必要と言うわけです。「物を作る日本の土壌が痩せはじめており、相当の決意で望む覚悟が必要」と和田氏は強く指摘。CESAでもCEDECなどの取り組みを行っており、さらなる努力が必要だと述べました。また経済産業省の旗振りで昨年から実施されている「コフェスタ」(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)についても触れ、他業界との人材交流という側面を強調。「スクウェア・エニックスの社長としては問題だが」と前置きしつつ、人材の流動性が計らなければ産業が活性化しない。そのための施策も必要という見解を述べました。

最後に和田氏は表題に戻り、世界が求めていることは「日本のゲーム業界が世界のコミュニティに積極的に関わり、かつ、自らハブとなり、すばらしいコンテンツを供給すること」だとコメントします。「時間が迫っており、あと数年後に決定的な差が開くかもしれない」とする口振りからは、近い将来に到来するであろうメニーコア時代を見据えたゲーム開発、さらには次世代ゲーム機の影も感じさせるものでした。世界の潮流から日本のゲームメーカーが取り残されないために何が必要か。過去のゲームショウで、ここまで業界トップから厳しい提言が語られたことはなく、その意味で大変意義深い内容の講演だったといえます。

スクエニQ2業績予想を上方修正、売上減ながら『DQ5』貢献で利益増

http://www.inside-games.jp/article/2008/11/04/32012.html
スクウェア・エニックスは、5月23日に公表した平成21年3月期第2四半期の業績予想を修正すると発表しました。

それによれば、売上高は680億円(修正前: 700億円)と下方修正されましたが、営業利益94億円(40億円)、経常利益97億円(40億円)、純利益60億円(40億円)と利益面では大幅に改善されました。

同社によれば、DSで発売した『ドラゴンクエストV』が好調だったほか、テレビアニメ化のあった「ソウルイーター」「隠の王」「セキレイ」などのコミックスなどが好調だったそうです。一方でタイトーのAM事業は依然として事業環境が厳しく、売上高、利益ともに計画を下回る見通しになったとのこと。

スクウェア・エニックスは7日に第2四半期の決算発表を予定しています。また、通期業績予想は修正されませんでした。