ディー・エヌ・エー決算2010

Last-modified: 2010-10-17 (日) 00:38:17

期首計画

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部門別

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2010年2010年2010年2010年2010年2010年2010年2010年
売上Q1Q2Q3Q4ターム売上Q1Q2Q3Q4
ポータル・マーケティング事業(百万円)5,225.94710,163.57717,875.42232,758.573ポータル・マーケティング事業(百万円)5,225.9474,937.6307,711.84514,883.151
コマース事業 (百万円)3,263.0406,438.9259,968.11013,463.639コマース事業 (百万円)3,263.0403,175.8853,529.1853,495.529
その他事業(百万円)321.087773.3031,188.2221,883.433その他事業(百万円)321.087452.216414.919695.211
消去又は会社(百万円)----消去又は会社(百万円)----
売上高(百万円)8,810.07617,375.80629,031.75548,105.645売上高(百万円)8,810.0768,565.73011,655.94919,073.890
利益利益
ポータル・マーケティング事業(百万円)2,545.4944,918.6949,426.67118,490.010ポータル・マーケティング事業(百万円)2,545.4942,373.2004,507.9779,063.339
コマース事業 (百万円)1,099.7482,162.2303,324.1844,435.581コマース事業 (百万円)1,099.7481,062.4821,161.9541,111.397
その他事業(百万円)-161.661-224.163-336.310-283.843その他事業(百万円)-161.661-62.502-112.14752.467
消去又は会社(百万円)-346.074-635.414-968.429-1,376.148消去又は会社(百万円)-346.074-289.340-333.015-407.719
営業利益(百万円)3,137.5066,221.34611,446.11521,265.600合計(百万円)3,137.5063,083.8405,224.7699,819.485
経常利益(百万円)3,257.5736,380.57511,656.62821,518.555経常利益(百万円)3,257.5733,123.0025,276.0539,861.927
当期純利益(百万円)1,783.4523,500.7656,486.69211,371.385当期純利益(百万円)1,783.4521,717.3132,985.9274,884.693

Q1

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、財政出動による景気浮揚策等により個人消費の一部に下げ止まりの兆候が現われ、国内生産・輸出も持ち直しの動きを見せ始めましたが、雇用情勢は依然として厳しい状況が続き、本格的な景気回復の状況には至りませんでした。
国内のインターネット市場は、PCについてはブロードバンド(高速インターネット回線)、携帯電話については高速データ通信や定額料金制の普及等を背景に成長過程にあります。平成21年3月末には、FTTH、DSL等のブロードバンド契約数は3,033万回線となり、インターネット接続サービス契約数の89.5%を占めております(総務省調べ)。また、平成21年6月末現在、高速データ通信が可能な第三世代携帯電話加入者数は1億207万人となり、加入者全体の94.1%を占めております(電気通信事業者協会調べ)。
このような状況の下、当社グループは当第1四半期連結累計期間におきまして、引き続き携帯電話向
けのサービスを中心とした事業展開を実施してまいりました。携帯総合ポータルサイト「モバゲータウン」を収益、トラフィックの中核とし、アフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」、携帯電話オークション「モバオク」(「au one モバオク」を含む。以下同じ。)、携帯電話専用ファッション系ショッピングサイト「モバコレ」、携帯電話向け総合ショッピングサイト「モバデパ」等も「モバゲータウン」との連携を引き続き強化することで、サービス間シナジーの最大化を目指してまいりました。
特に、最重要施策として「モバゲータウン」の媒体力強化に注力し、コミュニティ活性化によるユーザのアクティビティレベルの向上に取り組み、成果をあげました。しかしながら、「モバゲータウン」において新規サービス導入に慎重を期したことに伴い、利益率の高いアバター関連売上が影響を受け、また、経済不況等による広告関連売上、EC関連売上等への影響が見受けられました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のグループ総取扱高(注)は32,374,283千円(前年同期比5.8%増)となり、また、当社グループの売上高は8,810,076千円(前年同期比2.2%減)、営業利益は3,137,506千円(前年同期比26.5%減)、経常利益は3,257,573千円(前年同期比24.9%減)、四半期純利益は1,783,452千円(前年同期比25.6%減)となりました。
(注)グループ総取扱高は、当社グループが運営するマッチングサービスにおける売買成立高の合計額であり、「ビッダーズ」及
びその提携サイト、「ポケットビッダーズ」、「auショッピングモール」、「モバデパ」、「モバオク」、「au one モバオク」、「モバコレ」、「ネッシー(NETSEA)」、株式会社エアーリンク(旅行取扱高)を集計対象としております。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、事業の種類別セグメントにつきましては、当第1四半期連結累計期間より「ポータル・マーケティング」、「コマース」、「その他」の事業区分に変更しております。そのため、前年同期の数値を変更後の事業区分に組み替えて、前年同期との比較を行っております。

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ポータル・マーケティング事業

「モバゲータウン」の当第1四半期連結累計期間末の会員数は1,448万人(前年同期末比369万人増)となり、10代中心のユーザ構成から20代以上へと会員の裾野を拡大しながら、国内最大級のモバイルメディアとして会員基盤の強化に取り組んでまいりました。特に、当第1四半期連結累計期間の最重要施策としてコミュニティ活性化の取り組みを強化し、各種コミュニティ関連機能の拡充や改良等を積み重ねたことにより、媒体力の源泉となるユニークユーザ数やページビュー等のユーザのアクティビティが順調に向上し、施策の成果が具現化してまいりました。
一方で、収益面においては、アバター関連売上(アバター販売及び成果報酬型広告)に関して、3Dアバター(モーションアバター)の浸透施策の展開を実施してまいりましたが、ユーザ動向を注視しながら慎重に展開してきた結果、ユーザへの全面開放が第2四半期連結会計期間以降にずれ込んだことに加え、現行の2Dアバターにつきましては新規性の欠如や3Dアバター導入前の買い控え等の影響により売上が減少いたしました。しかしながら、6月後半からの3Dアバターの段階的開放による初動ユーザ
の動きは好反応であり、今後もユーザの反応を注視しながら、企画面、サービス面の充実を図り、第2四半期連結会計期間以降の本格的な売上回復につなげてまいりたいと考えております。
広告関連売上に関しては、経済不況によるクライアントの出稿手控え傾向が継続しているものの、今後も市場の拡大が見込まれるモバイル広告市場における広告販売の一層の強化等を図るため、大手広告主に対する新規開拓を順調に推し進めてまいりました。
ゲーム関連売上に関しては、既存タイトルにおける購入アイテムの追加やゲーム内企画等の拡充等により順調に推移してまいりました。
また、サイトの健全性維持の取り組みに関しては、人員面・システム面での対応を継続して実施してまいりましたが、今後は、各社個別の取り組みに加えて業界全体の取り組みを進展させるため、他の事業者等とも協力して各種施策を実施してまいります。
「ポケットアフィリエイト」は、当第1四半期連結累計期間末の累積媒体主数が56万(前年同期末比5万増)となりました。「モバゲータウン」のアバター需要の低下や不正対策等の審査・監視体制の強化等により売上減少の影響が見受けられましたが、今後もネットワークの健全性を保ちながら、総合的な広告配信ネットワークとして広告主と媒体主の裾野を広げてまいりたいと考えております。
営業利益面では、利益率の高い「モバゲータウン」のアバター関連売上の減少が影響しました。
以上の結果、ポータル・マーケティング事業の売上高は5,225,947千円(前年同期比12.3%減)、営業利益は2,545,494千円(前年同期比31.9%減)となりました。

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コマース事業

オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」は、引き続き携帯電話向け総合ショッピングサイト「ポケットビッダーズ」、eショッピングモールサイト「auショッピングモール」及び「モバデパ」等のモバイル分野を中心に展開してまいりましたが、単価下落等により取扱高が伸び悩みました。当第1四半期連結累計期間末のショッピングサービスを提供する有料法人会員組織「クラブビッダーズ」加盟店舗数は4,893店(前年同期末比1,056店増)、当第1四半期連結累計期間の取扱高は9,375,963千円(前年同期比0.7%減)となりました。
「モバオク」は、当第1四半期連結累計期間末の有料会員数が123万人(前年同期末比12万人増)と堅調に推移し、課金売上等が順調に拡大いたしました。月間平均出品数(平成21年6月度)は379万品(前年同月比33万品増)、当第1四半期連結累計期間における取扱高は19,123,166千円(前年同期比6.4%増)となりました。「モバコレ」は、販売商品の品揃えの充実を図り受注件数については堅調に推移いたしましたが、購入単価低下の影響が見受けられました。
電子商取引に係る収納代行サービスを提供する株式会社ペイジェントは、「モバオク」向け決済エスクローサービス「モバペイ」を含めた当社グループ内サービス及び当社グループ外の加盟店(EC事業者等)の決済規模が順調に拡大いたしました。また、クレジットカード情報保護における国際基準「PCIDSS Version 1.2」完全準拠認証を収納代行業界で初めて取得し、セキュリティマネジメントが国際基準を満たすものであることが認められました。
以上の結果、コマース事業の売上高は3,263,040千円(前年同期比21.7%増)、営業利益は1,099,748千円(前年同期比14.6%増)となりました。

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その他事業

当第1四半期連結累計期間におきましては、旅行代理店事業におけるインターネット旅行サービスを強化・拡大するため、世界最大級のインターネット旅行サイト「エクスペディア」を運営する米国のExpedia,Inc.と業務提携し、株式会社エアーリンクが運営するオンライン旅行予約サイト「スカイゲート」で販売する格安航空券と「エクスペディア」の宿泊予約を組み合わせたパッケージツアー商品の販売を開始いたしました。
中高年向けSNS「趣味人倶楽部」に関しては、タイアップ広告に関して大手広告主との取り組みを推し進めてまいりました。
以上の結果、その他事業の売上高は321,087千円(前年同期比13.8%減)、営業損失は161,661千円(前年同期は158,425千円の営業損失)となりました。

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質疑応答

【Q1】
モバゲータウンにおいて、18歳未満のアバター販売とアフィリエイトの売上比率(1Q)を教えてください。
【A1】
アバター販売は13%程度、アフィリエイトは30%程度となっております。

【Q2】
モバゲータウンの広告関連売上(1Q)の内訳を教えてください。
【A2】
純広告:タイアップ広告:検索・コンテンツ連動型広告=60%強:20%弱:15%程度となっております。

【Q3】
2Q以降、3Dアバター以外に注力する施策があれば教えてください。
【A3】
モバゲータウンの良さを生かし、コミュニティと連携したゲームを提供してまいります。これまでのゲームは、外部のゲーム会社が製作したものが大半でしたが、今後は内製にも取り組んでまいります。それによって、ユーザのアクティビティの活性化、アイテム課金や広告収入の拡大を狙ってまいります。

【Q4】
今後のコスト管理に関する考え方を教えてください。
【A4】
利益の帳尻を合わせるためにコストを調整するという考えはなく、モバゲータウンを抜本的に強化することを最優先に取り組みたいと考えており、サービスの内容を充実させるための投資は予定通り行ってまいります。但し、結果として当初想定しているコスト以上に大きく膨らむことはないと考えております。

【Q5】
ソーシャルゲームのニーズ及び開発の進捗について教えてください。
【A5】
コミュニティとゲームとの連携については、非常に強いニーズが存在すると考えております。当社では巨大なコミュニティサービスを有しながらも、このニーズを十分に取り込めておりませんので、今後強化すべき分野の一つとしてとらえています。また、サービスの開発に関しては、投入時期よりもクオリティにこだわって取り組んでおりますが、そんなに遠い時期にはならないという以上の回答は控えさせていただきます。

【Q6】
モバコレの購入単価が下がっているということですが、具体的な状況を教えてください。
【A6】
購入単価は、前年同期に5,000円程度であったものが、4,500円程度と約10%減となっております。主に高単価商品の買い控えによる要因が大きいです。

【Q7】
EC市場の中でのファッション分野の位置づけをどう考えているか教えてください。
【A7】
EC市場におけるファッション分野の売上は拡大していくものと考えており、特にモバイル分野を事業の中核とする当社グループは若年層との接点が大きいため、ファッションを中心としたECの展開を考えてまいります。

【Q8】
ネッシーのサプライヤー数、バイヤー数を教えてください。
【A8】
バイヤーは7万以上、サプライヤーは8千以上となっております。

【Q9】
ネッシーの今後の方針・展望を教えてください。
【A9】
日本では巨大なプレイヤーが育っていない状況ですが、BtoBマーケットプレイスには非常に大きなポテンシャルがあると考えており、そのポテンシャルをいち早く取り込んでいきたいと考えております。目線としては、既存の同業他社のレベル感にとどまることなく、日本のBtoB取引のデファクトスタンダードとなるべく、具体的な方策を日々模索しているところでございます。

【Q10】
ユーザのアクティビティレベルの向上がアバターの収益に結びついていない原因を教えてください。
【A10】
3D(モーション)アバターの開発・導入に注力していたこともあり、社内的に既存の2Dアバターの企画や新規性を追求することができなかったことや、3D(モーション)アバター移行前の買い控えの影響等が原因ではないかと考えています。

【Q11】
今後、仮に3D(モーション)アバターを導入しなくても、ユーザのアクティビティは活性化すると想定しているのでしょうか。
【A11】
ページビューの内訳としては、アバター以外のコミュニティ関連やUGC系(ユーザ生成コンテンツ)のサービスが占める割合が大半となっており、アバターがなければコミュニティが活性化しないということではないと考えています。しかし、コミュニケーションやゲームなどのサービスにおいてアバターが活躍するシーンを拡大することによって、これまで以上にコミュニティの活性化に結びつくものになりえると考えています。

【Q12】
ページビューは売上と連動しないという認識でよいのでしょうか。
【A12】
全く連動しないということではなく、PV増加により媒体価値が向上することによる広告売上の拡大や、アクティビティレベルの高いユーザがいるからこそ有料コンテンツ・サービスの人気に拍車がかかるものだと考えており、直接的、間接的に売上につながってくるものだと認識しています。しかしながら、1Qに関しては、アクティビティの活性化以上にアバター関連売上の落ち込みによる影響が大きかったということであります。

【Q13】
前回の決算説明会で、ミクシィアプリ上で事業を展開していきたいという話があったと記憶しているが、詳細について教えてください。
【A13】
ミクシィアプリ上でのサービスの展開について発表したことはございません。なお、前回の決算説明会でお話させていただいたとおり、他社で推進しているAPI開放戦略については、面白いと思っていますが、当社の取り組み等の詳細については回答を控えさせていただきます。

【Q14】
コマース関連の事業についてユニーク購入者数の状況を教えてください。
【A14】
詳細は開示しておりませんが、購入単価が低下していること以上に、ユニーク購入者数を含めた指標について特に問題となっているという認識はございません。

【Q15】
他社におけるアバターサービスの影響について教えてください。
【A15】
コミュニティにおいてアバターを使うという文化が広まるほど当社のビジネスチャンスも拡大すると考えており、各々のサービスの中でその文化が繁栄するというのは歓迎できるものであります。

【Q16】
今後の成長性及び配当政策・自社株買い等の株主還元策についての考え方を教えてください。
【A16】
現状は調整期であるととらえていますが、モバゲータウンは依然として十分に成長余力があると認識しております。モバゲータウン自体の媒体力と収益力の拡大はもちろんのこと、モバゲータウンという巨大なコミュニティサイトを持つことを利用した新規事業や事業提携の模索などを通じて、企業価値をさらに拡大していきたいと考えており、そのことが株主の皆様に対する一番の還元策と考えています。また、配当性向の向上や自社株買いなども重要な利益還元の手段と考えていますので、今後とも引き続き検討してまいりたいと考えております。

Q2

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益の大幅な減少や失業率が過去最高水準となるなど依然厳しい状況でしたが、経済対策の効果もあって、個人消費は持ち直しの動きが見られました。
国内のインターネット市場は、PCについてはブロードバンド(高速インターネット回線)、携帯電話については高速データ通信や定額料金制の普及等を背景に成長過程にあります。平成21年6月末には、FTTH、DSL等のブロードバンド契約数は3,092万回線となり、インターネット接続サービス契約数の90.5%を占めております(総務省調べ)。また、平成21年9月末現在、高速データ通信が可能な第三世代携帯電話加入者数は1億434万人となり、加入者全体の95.2%を占めております(電気通信事業者協会調べ)。
このような状況の下、当社グループは当第2四半期連結累計期間におきまして、引き続き携帯電話向けのサービスを中心とした事業展開を実施してまいりました。携帯総合ポータルサイト「モバゲータウン」を収益、トラフィックの中核とし、アフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」、携帯電話オークション「モバオク」(「au one モバオク」を含む。以下同じ。)、携帯電話専用ファッション系ショッピングサイト「モバコレ」、携帯電話向け総合ショッピングサイト「モバデパ」等も「モバゲータウン」との連携を引き続き強化することで、サービス間シナジーの最大化を目指してまいりました。
特に「モバゲータウン」では、主要な収益源であるアバターの需要を喚起するため、第1四半期連結会計期間から段階的に導入してきた3Dアバター(モーションアバター)を8月からユーザに全面開放し、2Dアバターの需要低迷の補完に努めました。加えて、新たな収益の柱として育成すべく、ソーシャルゲームの開発や「モバゲータウン」のオープン化に着手し、今後の本格的なソーシャルゲームの収益化と国際展開への布石を打ちました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のグループ総取扱高(注1)は65,163,765千円(前年同期比4.9%増)となり、また、当社グループの売上高は17,375,806千円(前年同期比1.8%減)、営業利益はアバター及びゲーム関連の売上原価増に伴い、6,221,346千円(前年同期比19.4%減)、経常利益は6,380,575千円(前年同期比18.7%減)、四半期純利益は3,500,765千円(前年同期比18.7%減)となりました。
(注1)グループ総取扱高は、当社グループが運営するマッチングサービスにおける売買成立高の合計額であり、「ビッダーズ」及びその提携サイト、「ポケットビッダーズ」、「auショッピングモール」、「モバデパ」、「モバオク」、「au one モバオク」、「モバコレ」、「ネッシー(NETSEA)」、株式会社エアーリンク(旅行取扱高)を集計対象としております。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、事業の種類別セグメントにつきましては、第1四半期連結会計期間より「ポータル・マーケティング事業」、「コマース事業」、「その他事業」の事業区分に変更しております。そのため、前年同期の数値を変更後の事業区分に組み替えて、前年同期との比較を行っております。

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ポータル・マーケティング事業

「モバゲータウン」の当第2四半期連結累計期間末の会員数は、1,510万人(前年同期末比345万人増)となりました。10代が中心の会員構成から次第に20代以上の会員数が増加しており、国内最大級のモバイルメディアとして更なる会員基盤の強化に取り組みました。また、当第2四半期連結累計期間も引き続き、コミュニティの活性化に努め、各種コミュニティ関連機能の拡充や改良等を実施した結果、媒体力の源泉となるユニークユーザ数やページビュー等のユーザのアクティビティが順調に向上いたしました。
アバター関連売上(アバター販売及び成果報酬型広告)につきましては、8月の3Dアバターの全面開放により、アバター利用シーンの新規性を追求しユーザの裾野拡大に取り組みましたが、3Dアバターのアイテム数の不足や2Dアバターの需要低迷により、前年同期に比べ、売上は減少いたしました。
広告関連売上に関しましては、広告メディアとしての価値を高めて更なる広告出稿を獲得するために、広告代理店との連携を深めて大手広告主の新規開拓に努めましたが、景気の低迷やアバター需要の低下により、売上は前年同期比で減少いたしました。しかしながら、モバイル広告市場は今後も成長が見込まれることから、商品開発や営業開拓等、今後一層強化してまいります。
ゲーム関連売上に関しましては、ゲーム内のアイテム課金の拡大や企画等の拡充により、売上は堅調に伸長いたしました。一方で、コミュニティを活性化する内製ソーシャルゲーム(注2)の開発や、ゲームにおけるAPI(注3)をサービス事業者・開発者(以下、ゲームデベロッパーとする。)に開放する「モバゲータウン」のオープン化に着手いたしました。ソーシャルゲームの拡充によるユーザ満足度の向上を図るとともに、新たな収益の柱に育ててまいります。今後、世界的に急成長が見込まれるソー
シャルゲーム市場への本格参入に注力し、モバイルソーシャルゲームのプラットフォームとしてNo.1を目指してまいります。
サイトの健全性維持の取り組みに関しましては、携帯電話事業者のフィルタリングサービスを利用した簡易年齢認証の導入や規約に違反した特定ユーザ間の利用制限等の強化を実施しました。
「ポケットアフィリエイト」は、不正対策等の審査・監視体制の強化等により、前年同期に比べ売上が減少いたしましたが、今後もアフィリエイトネットワークの健全化と総合的な広告配信サービスの提供に努め、広告主と媒体主の新規開拓を推進したいと考えております。
営業利益面では、利益率の高い「モバゲータウン」のアバター関連売上の減少や、3Dアバター制作に伴う業務委託費及びゲームデベロッパーへのレベニューシェアの支払増加が影響いたしました。
以上の結果、ポータル・マーケティング事業の売上高は10,163,577千円(前年同期比12.1%減)、営業利益は4,918,694千円(前年同期比25.9%減)となりました。
(注2)人と人のつながりをベースに展開するゲーム。「モバゲータウン」のコミュニティの中で友人・知人とともに遊ぶことが出来る。
(注3)アプリケーション・プログラム・インターフェイスの略。デベロッパーが開発したゲームアプリケーションを、ゲームのプラットフォームを介して公開するための通信規約。

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コマース事業

オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」は、引き続き携帯電話向け総合ショッピングサイト「ポケットビッダーズ」、eショッピングモールサイト「auショッピングモール」及び「モバデパ」等のモバイル分野を中心に展開してまいりましたが、ファッション系商材の季節変動の影響に加え、購入単価の下落により取扱高が伸び悩みました。
当第2四半期連結累計期間末のショッピングサービスを提供する有料法人会員組織「クラブビッダーズ」加盟店舗数は4,964店(前年同期末比635店増)、当第2四半期連結累計期間の取扱高は18,604,806千円(前年同期比0.6%増)となりました。
「モバオク」は、当第2四半期連結累計期間末の有料会員数が122万人(前年同期末比9万人増)となりました。月間平均出品数(平成21年9月度)は375万品(前年同月比67万品増)、当第2四半期連結累計期間における取扱高は36,898,762千円(前年同期比3.8%増)となりました。
「モバコレ」は、季節変動の影響及び購入単価の下落により、前年同期比で売上は微増に留まりました。
電子商取引に係る収納代行サービスを提供する株式会社ペイジェントは、「モバオク」向け決済エスクローサービス「モバペイ」の利用率や一般加盟店数(EC事業者等)の拡大により、決済規模が順調に拡大いたしました。
以上の結果、コマース事業の売上高は6,438,925千円(前年同期比18.3%増)、営業利益は2,162,230千円(前年同期比12.1%増)となりました。

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その他事業

旅行代理店事業に関しましては、第1四半期連結会計期間におきまして、世界最大級のインターネット旅行サイト「エクスペディア」を運営する米国Expedia,Inc.と業務提携し、株式会社エアーリンクが運営するオンライン旅行予約サイト「スカイゲート」で販売する格安航空券と「エクスペディア」の宿泊予約を組み合わせたパッケージツアーの販売を開始し、売上は順調に拡大いたしました
中高年向けSNS「趣味人倶楽部」に関しましては、小説など自分の作品を公開できる「創作広場」の開設や、1950~70年代の“今日の出来事”がわかる新コーナー「ニュース広場」の開設など、会員同士の交流を活性化するコンテンツを拡充いたしました。今後も会員の要望に応え、サイト上での交流をより活発にする企画を展開していく予定です。
以上の結果、その他事業の売上高は773,303千円(前年同期比10.1%増)、営業損失は224,163千円(前年同期は296,254千円の営業損失)となりました。

質疑応答

【Q1】
広告宣伝費、販促費の年間見込み額を教えてください。
【A1】
上期実績は決算説明会資料に記載のとおりです。下期は広告宣伝費、販促費合わせて22億円程度を見込んでおります。

【Q2】
モバゲーオープン化の初期コストをどの程度見込んでいるのか教えてください。
【A2】
オープン化準備作業は社内メンバーで対応しておりますので、追加的なコスト増は大きくないと考えております。

【Q3】
内製ソーシャルゲームの開始やモバゲーオープン化により、既存事業との競合をどの程度予想しているか教えてください。
【A3】
内製ソーシャルゲームを開始してまだ1ヶ月も経っていないため、明確には判断出来かねますが、足元の状況をみますと、内製ソーシャルゲームやオープン化によるゲーム売上は、既存のゲーム売上にプラスされて、ともに成長していくと考えております。

【Q4】
B to Bマーケットプレイス「バイヤーズクラブ」の中長期的な事業の規模感について教えてください。
【A4】
パートナー様がいらっしゃるお話なので、この場で数字を申し上げることは差し控えさせていただきます。個人的には、B to B事業全体での取扱高は、「ビッダーズ」単独の取扱高を大きく超える可能性もあると認識しております。

【Q5】
米国Aurora Feintのサービスは、米国内に限定して提供されるのでしょうか、日本国内での展開はあり得ますか。
【A5】
もちろん日本市場もターゲットの一つではありますが、iPhone他スマートフォンのユーザ数は英語圏に比較するとまだ少ないため、今のところ優先的に取り組む市場ではないという認識です。

【Q6】
2009年5月1日に公表した2009年度中間業績予想が未達となった要因を教えてください。
【A6】
モバゲータウンのアバター関連売上が12億円程度、ポケットアフィリエイトの他社メディア売上が5億円程度の未達等がその要因です。

【Q7】
中国WAPTXへの投資額は、前四半期と当四半期の財務諸表から判断し10億円程度と見ていますが、いかがでしょうか。
【A7】
ご認識の通りです。

【Q8】
国際事業展開では、スマートフォン市場よりWAP(携帯電話)市場に注力していくのでしょうか。また市場の規模感について教えてください。
【A8】
スマートフォン市場の伸びには一番注目しており、まず取り組みを開始いたしましたが(米国でのスマートフォン市場へのリソースと資金の集中や、中国では依然としてWAPが主流である実状を考慮しますと)、WAP市場には残存者利益が存在するという認識であり、こちらにも取り組みを行っていくという考えです。市場の規模感ですが、スマートフォンの市場規模は、米国だけでも、いわんや英語圏全体では日本のWAP市場を大きく越えるものであると思いますが、一方で、米国のWAP市場が早期に日本のWAP市場を越えるものになるとは考えていません。

【Q9】
内製ソーシャルゲームのリリースを開始したことに伴い、短期的な利益を犠牲にしても新規会員獲得のため、積極的に広告宣伝費用を使うことも一つの方法ではないかと考えますが、今後の方針を教えてください。
【A9】
モバゲータウンにつきましては、上期は積極的な広告宣伝活動を行わず、コミュニティの活性化やソーシャルゲームの開発等を進めてまいりましたが、内製ソーシャルゲームの立ち上がりが非常に良いため、下期において活発な広告宣伝活動を行う事も考えております。ただし、どのような広告宣伝活動を行うのかにつきましては検討中です。下期の販促費、広告宣伝費の見込みにつきましては、現時点での計画に基づくものであり、必要なタイミングで、販促および広告宣伝活動を積極化して行く考えです。
ガイダンスの数字は重要視しておりますが、中長期的な成長を犠牲にして短期的な利益を確保するために広告宣伝活動を行わないということは、今のところ考えておりません。

【Q10】
モバゲーオープン化により、内製ソーシャルゲームとオープン化のゲームの競合が発生しませんか。数多くのゲームが提供されることで、ユーザがその選択に戸惑うことも考えられますが、どのように進めていくつもりなのか教えてください。
【A10】
内製も含めた多種多様なゲームタイトルがあって、初めて大きなプラットフォームになれると考えております。また、内製で提供可能なゲームタイトル数は、四半期に数タイトルが限度です。ユーザは多種多様なニーズを持っていますので、そのニーズに応えていくことで、モバイルソーシャルゲームのプラットフォームとしてNo.1を目指したいと考えています。

【Q11】
内製ソーシャルゲームは、100%内製でしょうか。既存のアイテム課金ゲームのように、レベニューシェアの発生や外注コストの増加により利益率を下げる要因となることはあるのでしょうか。
【A11】
現在はほぼ100%内製で行っているため、レベニューシェアの支払いはなく、外注費の発生もほとんどありません。従いまして、利益率は非常に高いものになっております。ただし今後、社内のリソース不足で新タイトルが投入出来ない事態を回避するため、パートナーを活用するケースが出てくる可能性はあります。

【Q12】
ゲームについては上期まで大きなヒットがなかった中で、突然、内製ソーシャルゲームを投入しヒットした背景を教えてください。
【A12】
春から夏にかけて、内製ソーシャルゲームを投入する意思決定を行いました。当社はゲームのプロと言うよりもWEBのプロでありますが、コミュニティをベースにしたゲーム作りに関して、自信を深めているところです。

【Q13】
海外展開について、規模の大きなSNSを運営している会社に内製ソーシャルゲームを提供するという戦略もあるのではないでしょうか。
【A13】
内製ソーシャルゲームの更なる発展の可能性を追及していきたいと考えておりますが、現時点で公表出来るものはありません。

【Q14】
内製ソーシャルゲームの売上について、特に大きいものがあれば教えてください。
【A14】
詳細についてはお答え出来ませんが、3タイトル全てが健闘している状況です。
【Q15】
ゲームのキャリア課金方法について、都度課金のみで月額課金制度がないデメリットはありますか。また、キャリア月額課金に関する今後の方針があれば教えてください。

【A15】
都度課金と月額課金の両方が可能であれば、課金方法の自由度が上がる点で好ましく、取り組みを行っておりますが、都度課金だけでも出来ることは充分に多いと考えております。
【Q16】
オープン化後のゲームラインナップについて、デベロッパーが提供するゲームがミクシィアプリのラインナップと違いが出てくると考えていますか。

【A16】
実際に開始してからでないと分かりませんが、デベロッパーがモバゲータウンに提供するゲームをミクシィのプラットフォームにも提供する場合でも(モバゲーオープン化に際し、「OpenSocial」APIを採用したことにより)、改修点が少なくてすむ利点があるため、双方で提供される可能性があると考えております。ただし、アバターなどのモバゲータウンのみで利用可能な機能や、多用なマネタイズ手法を持つ点に注目して、独特な展開をするゲームデベロッパーが必ず出てくると考えております。

【Q17】
国際展開の進捗状況について教えてください。
【A17】
中国WAPTXでは既に当社の関与が始まっており、モバゲータウンのノウハウの活用に着手している段階です。米国IceBreakerは、10月26日からモバゲーのノウハウに関する勉強会を開始し、事業計画策定中の段階です。米国Aurora Feintには、既に営業協力を開始しております。当社のバリューを先方にしっかりと認識いただいた上で、コミュニティ機能の開発なども協力して行ってまいります。

【Q18】
モバゲータウンのオープン化を決定した背景を教えてください。
【A18】
ゲームデベロッパーから、オープン化して欲しいという声が非常に強かったこと、モバゲータウンのユーザがソーシャルゲームに対するニーズを持っていたこと、当社のみでユーザの多種多様なニーズに対応するゲームを開発するのが困難なこと等が挙げられます。

【Q19】
内製ソーシャルゲームのARPUの概算値を教えてください。
【A19】
今のところ、開示する予定はありません。ただ、100円代か1,000円代のどちらかと尋ねられると、それは1,000円代になります。まだ始まったばかりですので、しばらく見てみないと傾向等は分からないかと思います。

【Q20】
内製ソーシャルゲームの開始直後の状況と、3Dアバターの導入直後の状況の違いを教えてください。
【A20】
今のところ、ユーザのリピート率が高く、3Dアバターの導入時とは違った手ごたえを感じておりますが、まだサービス開始から間もないということもあり、成果等につきましては次回お話しできるのではないかと考えております。

【Q21】
内製のソーシャルゲームを入れることでアバターとの相乗効果はありますか。アバター販売がソーシャルゲームによって増えていますか。
【A21】
ソーシャルゲームのアイテム課金が堅調ですが、それと連動してアバター売上が増えているということはありません。4タイトルのうちセトルリンだけがアバターと連動する仕組みを持っています。セトルリンユーザによるモバゴールド消費は堅調に行われていますが、今後も利用シーンの拡大を目指してまいります。

【Q22】
オープン化によりアバターをゲームデベロッパーに開放しますが、レベニューシェアについては決定しましたか。
【A22】
デベロッパーが開発するアバターについてのレベニューシェアの比率は、パートナー7:当社3の割合です。別途アバターシステム利用料をいただく予定ですが、詳細についてはまだ検討中です。

Q3

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、依然として失業率が高水準にあるなど、厳しい雇用情勢が続いていますが、世界経済の改善や緊急経済対策の効果を背景に、景気は緩やかに持ち直しております。
国内のインターネット市場は、PCについてはブロードバンド(高速インターネット回線)、携帯電話については高速データ通信や定額料金制の普及等を背景に成長過程にあります。9月末には、FTTH、DSL等のブロードバンド契約数は3,132万回線となり、インターネット接続サービス契約数の91.7%を占めております(総務省調べ)。また、12月末現在、高速データ通信が可能な第三世代携帯電話加入者数は1億617万人となり、加入者全体の96.0%を占めております(電気通信事業者協会調べ)。
このような状況の下、当社グループは当第3四半期連結累計期間におきまして、引き続き携帯電話向けのサービスを中心とした事業展開を実施してまいりました。主力サービスである携帯総合ポータルサイト「モバゲータウン」を収益、トラフィックの中核とし、当社グループが運営するほかのサービスとの連携を引き続き強化することで、サービス間シナジーの最大化を目指してまいりました。
特に「モバゲータウン」では、10月より正式サービスを開始しました内製ソーシャルゲーム(注1)が幅広いユーザ層に支持され、12月の月間ページビューは、9月と比べて2倍以上の380億ページビューへと増加し、ユーザのアクティビティレベルは大幅に向上しました。また、ゲーム内で使用するアイテムの売上も好調に推移し、新たな収益の柱へと成長いたしました。これにより、依然減少傾向にあったアバター関連売上が補完され、当第3四半期連結会計期間の当社グループの売上高及び営業利益は、ともに過去最高となりました。加えて、平成22年1月より開始しました「モバゲータウン」のプラットフォームオープン化準備に注力するとともに、今後の本格的な国際展開への体制整備を図りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のグループ総取扱高(注2)は99,977,936千円(前年同期比1.8%増)となり、また、当社グループの売上高は29,031,755千円(前年同期比7.1%増)、営業利益は11,446,115千円(前年同期比2.0%減)、経常利益は11,656,628千円(前年同期比1.8%減)、四半期純利益は6,486,692千円(前年同期比0.6%減)となりました。
(注1)人と人のつながりをベースに展開するゲーム。「モバゲータウン」内の友人と情報交換や協力しながら一緒に遊ぶことができる。
(注2)グループ総取扱高は、当社グループが運営するマッチングサービスにおける売買成立高の合計額であり、「ビッダーズ」及びその提携サイト、「ポケットビッダーズ」「auショッピングモール」「モバデパ」「モバオク」「au one モバオク」「モバコレ」「ネッシー(NETSEA)」、株式会社エアーリンク(旅行取扱高)を集計対象としております。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、事業の種類別セグメントにつきましては、第1四半期連結会計期間より「ポータル・マーケティング事業」「コマース事業」「その他事業」の事業区分に変更しております。そのため、前年同期の数値を変更後の事業区分に組み替えて、前年同期との比較を行っております。

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ポータル・マーケティング事業

「モバゲータウン」の当第3四半期連結累計期間末の会員数は、1,581万人(前年同期末比346万人増)となりました。20代以上の会員数の割合が増加する傾向が続いており、12月よりテレビコマーシャルを中心とした積極的な広告宣伝活動を開始し、会員基盤の強化に取り組みました。
ゲーム関連売上につきましては、10月より正式サービスを開始しました内製ソーシャルゲームが幅広いユーザ層に支持され、ページビュー等のユーザのアクティビティが大幅に向上いたしました。ゲーム内で使用するアイテムの売上も順調に拡大し、内製ソーシャルゲームが新たな収益の柱に成長したことにより、ゲーム関連売上は前年同期比で大幅に増加しました。また他社の運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に当社の内製ソーシャルゲームの提供を開始し、収益の拡大と「モバゲータウン」の知名度向上に取り組みました。さらにゲームにおけるAPI(注3)をサービス事業者・開発者(以下「ゲームデベロッパー」)に開放する「モバゲータウン」のオープン化の準備を推進し、平成22年1月のオープン化当日には、40社のゲームデベロッパーから92タイトルのゲームが公開されました。
アバター関連売上(アバター販売及び成果報酬型広告)につきましては、第1四半期連結会計期間から段階的に開放してきた3Dアバターの全面開放を8月に実施し、ユーザの裾野拡大に取り組んでまいりましたが、3Dアバターのアイテム数不足や2Dアバターの需要低迷により、前年同期比で売上は減少いたしました。
広告関連売上に関しましては、広告メディアとしての価値を高めてさらなる広告出稿を獲得するために、広告代理店との連携を深めて大手広告主の新規開拓に努めましたが、景気の低迷やアバター需要の低下により、売上は前年同期比で微減となりました。しかしながら、モバイル広告市場は今後も成長が見込まれることから、商品開発や営業開拓等、引き続き販売を強化してまいります。
アフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」は、不正対策等の審査・監視体制の強化等により、前年同期比で売上が減少いたしました。利用者が安心してモバイルコンテンツを楽しめる環境を整備し、モバイル関連業界の継続的発展を図ることを目的に、同業他社と12月にモバイルアフィリエイト協議会(Mobile Affiliate Conference、略称「MAC」)を設立いたしました。MACにおいて悪質な媒体運営者に関する情報共有とアフィリエイトネットワークからの排除を行うとともに、媒体運営者への啓蒙活動等にも取り組んでまいります。また今後、各社が独自に設定している審査基準の統一等も行う予定です。
営業利益面では、「モバゲータウン」におきまして、当第3四半期連結会計期間に収益性の高い内製ソーシャルゲームのアイテム課金売上が急速に増加したものの、当第3四半期連結累計期間全体で見ると、アバター関連売上の減少分を補うまでには至りませんでした。
以上の結果、ポータル・マーケティング事業の売上高は17,875,422千円(前年同期比2.5%増)、営業利益は9,426,671千円(前年同期比4.7%減)となりました。
(注3)アプリケーション・プログラム・インターフェイスの略。デベロッパーが開発したゲームアプリケーションを、ゲームのプラットフォームを介して公開するための通信規約。

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コマース事業

オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」は、引き続き携帯電話向け総合ショッピングサイト「ポケットビッダーズ」「モバデパ」及びeショッピングモールサイト「auショッピングモール」等のモバイル分野を中心に展開いたしました。積極的な販売施策により購入件数は増加しましたが、個人消費の低迷による購入単価下落の影響から、取扱高はほぼ横ばいとなりました。
当第3四半期連結累計期間末のショッピングサービスを提供する有料法人会員組織「クラブビッダーズ」加盟店舗数は4,886店(前年同期末比306店増)、当第3四半期連結累計期間の取扱高は29,513,881千円(前年同期比0.1%減)となりました。
携帯電話オークション「モバオク」(「au one モバオク」を含む。)は、当第3四半期連結累計期間末の有料会員数が123万人(前年同期末比3万人増)となりました。月間平均出品数(12月度)は364万品(前年同月比30万品増)、当第3四半期連結累計期間における取扱高は55,990,293千円(前年同期比0.8%減)となりました。
携帯電話専用ファッション系ショッピングサイト「モバコレ」は、サイトリニューアルの実施や送料無料キャンペーン、既存優良会員の優遇策等、積極的な販売促進策により、前年同期比で売上が増加しました。
電子商取引に係る収納代行サービスを提供する株式会社ペイジェントは、「モバオク」向け決済エスクローサービス「モバペイ」の利用率向上や一般加盟店数(EC事業者等)の拡大により、決済規模が順調に拡大いたしました。
以上の結果、コマース事業の売上高は9,968,110千円(前年同期比15.8%増)、営業利益は3,324,184千円(前年同期比8.4%増)となりました。

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その他事業

旅行代理店事業に関しましては、株式会社エアーリンクが運営するオンライン旅行予約サイト「スカイゲート」で販売する格安航空券と、世界最大級のインターネット旅行サイト「エクスペディア」の宿泊予約を組み合わせたパッケージツアーの商品拡充を図り、前年同期比で売上は順調に拡大しました。
以上の結果、その他事業の売上高は1,188,222千円(前年同期比13.1%増)、営業損失は336,310千円(前年同期は470,024千円の営業損失)となりました。

質疑応答

2010 年2 月1 日に開催いたしました、2009 年度第3四半期決算説明会の際の主な質疑応答の要約を掲載いたします。

【Q1】 「モバゲータウン」におけるゲーム等の売上について、第2四半期からの増加分にあたる約30 億円強は、内製ソーシャルゲームによるものと考えてよろしいですか。
【A1】 ご認識のとおりです。

【Q2】 内製ソーシャルゲームの提供を開始したことにより、ユーザのアクティビティがどのように活性化したのか教えてください。
【A2】 ページビュー、ユニークユーザ数ともに増加しています。最も効果的だった点は、活動が鈍っていたユーザのアクティビティが向上したことです。ユニークユーザ数についての具体的な数値は公表していませんが、全ての年齢層において強い伸びを示しています。

【Q3】 「mixi モバイル」への内製ソーシャルゲーム(「怪盗ロワイヤル」「ホシツク」)提供後、「モバゲータウン」内の同ゲームユーザのアクティビティに変化がありましたら教えてください。
【A3】 現時点では、「モバゲータウン」ユーザのアクティビティに変化は見られず、「mixi モバイル」と「モバゲータウン」の間でユーザの取り合いは見受けられません。

【Q4】 「mixi モバイル」の売上が計上されるのは、1 月以降でしょうか。「mixi モバイル」の売上が加わると、ゲーム等の売上はさらに拡大する見込みなのかを、足元の状況を踏まえて教えてください。
【A4】 「mixi モバイル」の売上は12 月より計上していますが、「mixi モバイル」へサービスの提供を開始した時期と、課金を開始した時期に差異があるため、第3四半期における売上増加への貢献は小さいですが、第4四半期以降、売上は拡大すると見込んでいます。

【Q5】 12 月より「モバゲータウン」のテレビCM を開始しましたが、第4四半期も第3四半期と同様のペースで広告宣伝費を使うのか、それとも今後一層、増やす予定なのかを教えてく
ださい。
【A5】 第2四半期の決算説明会において、「モバゲータウン」のコンテンツが充実した段階で、積極的な広告宣伝活動を行っていく予定であると申し上げたとおり、通期の利益予想額に影響のない範囲で積極的に行なってまいります。広告宣伝費の具体的な数値は公表していません。

【Q6】 第4四半期以降、ゲーム関連売上における営業利益率の見通しを教えてください。
【A6】 そもそもの前提として、利益率を意識した経営を行っている訳ではありませんが、第4四半期においても、ゲーム関連の売上が収益を牽引し、利益率を引き上げる構造は変わらないと見ています。モバゲープラットフォームオープン化によって得られる収益は、(ゲームデベロッパーのレベニューシェアを除いた)当社のレベニューシェアのみが売上に計上されますので、営業利益率は、どちらかと言えば上がる方向ではないかと思われます。

【Q7】 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモとの、モバイルUGC サービスを提供する合弁会社について、サービス内容やビジネスモデルを教えてください。
【A7】 現在のところ、具体的な内容についてのお話は差し控えさせていただきます。

【Q8】 第3四半期のゲーム等の売上は月ごとに均等だったのか、もしくは右肩上がりに増加したのでしょうか。また1月の足元の状況についても教えてください。
【A8】 11 月、12 月と右肩上がりに増加しました。1 月についても拡大している状況です。

【Q9】 アバター関連売上の減少は、内製ソーシャルゲームとの競合により発生したと思われますが、アバター関連売上の回復施策を教えてください。
【A9】 アバター関連売上の減少要因が、内製ソーシャルゲームとの競合によるものかどうかは定かではありません。3D アバターのユーザ数は拡大傾向にあり、売上も順調に推移していますが、2D アバター需要の減少分を補うまでには至っていません。積極的な広告宣伝活動および既存ユーザの友達紹介による新規ユーザ獲得と、ゲームと3D アバターの連携を今後一層深めることにより、需要の拡大を図っていきたいと考えております。

【Q10】 モバゲープラットフォームオープン化による、内製ソーシャルゲームとオープン化ゲームの競合について教えて下さい。
【A10】 モバゲープラットフォームオープン化は開始したばかりで、内製ソーシャルゲームとオープン化のゲームの競合は、認識されてません。ゲームデベロッパーからの多種多様なゲームを公開することにより、ユーザ満足度の向上を図りたいと考えてオープン化に踏み切りましたので、仮に多少の競合が発生したとしても、「モバゲータウン」全体を魅力的なものにし、収益の拡大につなげていきたいと考えております。

【Q11】 海外事業の現状と今後の収益見通しについて教えてください。
【A11】 海外事業については、現状では規模が小さいため、連結決算の対象範囲に含めていません。来期以降、規模が拡大した段階でご報告させていただきます。

【Q12】 「mixi モバイル」向けに「モバゲータウン」では提供していない新ゲームを個別に開発する計画はありますか。
【A12】 効率性を考えると、基本的には「モバゲータウン」でリリースしたゲームを「mixi モバイル」に提供する方針です。ゲームタイトル名は同じであっても、mixi プラットフォームに合わせてマイミク連携を重視した仕組みに作り変えて提供しております。

【Q13】 コミュニティの活性化施策に関して、具体的な施策を教えてください。
【A13】 ユーザ・プロフィールページの操作性の向上や人気コンテンツの配置調整によるサイトの見やすさの改善といった施策を日々実施し、ユーザビリティの向上を図っています。
その他の施策についても、適宜見直しを行い、コミュニティの活性化に貢献しています。

【Q14】 B to B のマーケットプレイス「バイヤーズクラブ」を開設するにあたり、業務提携先として株式会社ワールドを選定された理由を教えてください。また、提供するサービスの特徴があれば教えてください。
【A14】 第一に、同社が尊敬出来るトップクラスの企業である点です。第二に、両社で新規にB to B サイトを構築するにあたり、同社のアパレル業界での豊富なノウハウと弊社のE コマース及びシステムに関するノウハウとのシナジー効果が見込まれることが大きい点です。同社には、バイヤーおよびサプライヤー双方の獲得営業にもご協力いただき、順調に進捗しております。

【Q15】 「モバゲータウン」月次の売上とページビューについては、足元の状況はほぼ連動しているという認識でよろしいでしょうか。
【A15】 完全に連動しているわけではありませんが、ページビューの増加は、アクティビティ活性化の証左であり、広告やアイテム課金、アバター関連売上等によって収益化されていくことから、時間差や程度の差はあるにせよ、一定の関連性は認められると考えております。

【Q16】 内製ソーシャルゲームやモバゲープラットフォームオープン化により、アバター関連売上が増える時期はいつ頃になりそうか教えてください。
【A16】 アバター需要の活性化には継続的に取り組んでおりますが、来期以降、ゲームデベロッパーにアバターのAPI を本格的に提供出来る環境が整うため、アバター関連売上への寄与を期待しています。

【Q17】 売上原価の業務委託費に計上されている内製ソーシャルゲームのアイテム制作費はどの程度で、支出の性格として、変動費と固定費のどちらに分類されるのでしょうか。
【A17】 業務委託費において前四半期からの増加分の一部がアイテム制作費であり、変動費的な性格を持つものの、売上に占める構成比としては極めて少ないという認識です。

【Q18】 海外事業の進捗状況について教えてください。夏に買収した中国の天下網については会員数やゲームの導入状況などどういう状況でしょうか。
【A18】 (米国での事業について)子会社のIceBreaker 社が運営するSNS サイトの1 日あたりのユニークユーザは、数十万といったところです。小さいながらも着実に成長しております。
(スマートフォン市場にリソースや資金が集中している中で)
WAP 市場は残存者利益が獲得出来ると考えており、粘り強く攻めているところです。20%の資本出資をしているAurora Feint 社は、iPhone プラットフォームにコミュニティ機能を付加できるアプリケーションをゲームデベロッパーに提供しており、採用されたゲーム数は800 超、カバーするユーザ数は、累計で1000 万人超という状況です。今後は、当社のノウハウを活用することにより、IceBreaker 社およびAurora Feint 社が持つコミュニティの活性化を図っていきたいと考えています。
(中国での事業について)
子会社のWAPTX 社が運営する「天下網」に関する具体的な数値は公表していませんが、先月に「怪盗ロワイヤル」やFLASH ゲームの一部についてトライアル導入を行い、「モバゲータウン」に近いサービスを展開すべく準備を進めています。来期以降、皆さまにご報告出来る成果が出せるよう、積極的な事業展開を行なっていきたいと考えています。

【Q19】 アバターに対するゲームデベロッパーの関心度合いについて教えてください。
【A19】 ゲームデベロッパーは当社の提供する全ての収益機会に対して前向きであり、アバターの利用を希望されているゲームデベロッパーも、もちろんおられます。

【Q20】 日本のスマートフォン市場のポテンシャルをどのように考え、今後、どのように展開する計画を持っているか教えてください。また「モバゲータウン」のiPhone 版をスマートフォンに投入することは可能ですか。
【A20】 日本のスマートフォン市場については、当社として、大々的に取り組むべき市場規模がまだ形成されていないとの認識です。今後、中期的に市場が十分な規模に達した際に、スマートフォン対応が出来るよう、まずは、米国を中心とした英語圏でiPhone 向けに展開を開始し、ノウハウや経験を積んでいく考えです。ノウハウの蓄積が進んでいれば、基本的には言語の違いだけですので、日本のスマートフォン市場が十分な規模になりましたら、速やかに展開したいと思います。

Q4

当連結会計年度における我が国経済は、依然として失業率が高水準にあるなど厳しい雇用情勢が続きましたが、海外経済情勢の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、企業収益は全体として上向き、個人消費には持ち直しの動きが見られました。
国内のインターネット市場は、携帯電話については高速データ通信や定額料金制、PCについてはブロードバンド(高速インターネット回線)の普及等を背景に引き続き成長過程にあります。平成21年12月末には、FTTH、DSL等のブロードバンド契約数は3,170万回線となり、インターネット接続サービス契約数の92.3%を占めております(総務省調べ)。また、平成22年3月末現在、高速データ通信が可能な第三世代携帯電話加入者数は1億905万人となり、加入者全体の97.2%を占めております(電気通信事業者協会調べ)。
このような状況の下、当社グループは当連結会計年度におきまして、引き続き携帯電話向けのサービスを中心とした事業展開を実施してまいりました。主力サービスである携帯総合ポータルサイト「モバゲータウン」を収益、トラフィックの中核とし、当社グループが運営するほかのサービスとの連携を強化することで、サービス間シナジーの最大化を目指してまいりました。
特に「モバゲータウン」では、平成21年10月より正式サービスを開始しました内製ソーシャルゲーム(注1)が幅広いユーザ層に支持され、平成22年3月の月間ページビューは、平成21年9月と比べて3.5倍以上に増加し、ユーザのアクティビティレベルは大幅に向上しました。また、ゲーム内で使用されるアイテムの売上が飛躍的に増加し、売上、利益ともに大きく伸長いたしました。これにより、減少傾向にあったアバター関連売上が補完され、当連結会計年度の当社グループの売上高及び営業利益は、ともに過去最高となりました。加えて、平成22年1月より開始しました「モバゲータウン」のプラットフォームオープン化の運営に注力いたしました。
コマース事業におきましては、景気低迷に伴うユーザの節約志向の高まりにより、当連結会計年度のグループ総取扱高(注2)は132,099,195千円(前期比0.5%減)となりました。
なお、当社グループでは、平成20年1月に100%出資子会社のDeNA Global, Inc.を米国に設立し、携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイト「MobaMingle(モバミングル)」を展開しておりますが、当初想定していた収益計画どおりに進展していないため、当連結会計年度におきまして、子会社株式の一部592,772千円を減損処理し、特別損失に計上いたしました。また、中国でSNSサービス「天下網」を展開するWAPTX社の子会社を売却したことに伴い、子会社株式の一部189,675千円を減損処理し、特別損失に計上いたしました。
以上の結果、当社グループの売上高は48,105,645千円(前期比27.9%増)、営業利益は21,265,600千円(前期比34.2%増)、経常利益は21,518,555千円(前期比33.7%増)、当期純利益は11,371,385千円(前期比42.9%増)となりました。
(注1)ゲーム内で、ユーザ同士が競い合ったり、協力したり、情報交換をしながら一緒に遊べる、交流機能を持つゲーム。
(注2)グループ総取扱高は、当社グループが運営するマッチングサービスにおける売買成立高の合計額であり、「ビッダーズ」及びその提携サイト、「ポケットビッダーズ」「auショッピングモール」「モバデパ」「モバオク」「au one モバオク」「モバコレ」「ネッシー(NETSEA)」「バイヤーズクラブ」、株式会社エアーリンク(旅行取扱高)を集計対象としております。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、事業の種類別セグメントにつきましては、当連結会計年度より「ポータル・マーケティング事業」「コマース事業」「その他事業」の事業区分に変更しております。そのため、前期の数値を変更後の事業区分に組み替えて、前期との比較を行っております。

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ポータル・マーケティング事業

「モバゲータウン」の当連結会計年度末の会員数は1,813万人(前期末比468万人増)となりました。
平成21年10月より正式サービスを開始しました内製ソーシャルゲームが幅広いユーザ層に支持されたことにより、20代以上の会員数の割合が増加いたしました。また、平成21年12月よりテレビコマーシャルを中心とした積極的な広告宣伝活動も開始いたしました。これらの効果により、平成22年3月には、会員数は過去最高の87万人増を記録し、月間616億ページビュー(前年同月比429億ページビュー増)を誇る規模へと成長いたしました。
ゲーム関連売上につきましては、ゲーム内で使用されるアイテムの売上が飛躍的に拡大し、新たな力強い収益の柱に成長したことにより、前期比で大幅に増加しました。また、平成21年12月より他社の運営するSNSに当社の内製ソーシャルゲームの提供を開始し、収益の拡大と「モバゲータウン」の知名度向上に取り組みました。さらに、平成22年1月より「モバゲータウン」のプラットフォームをサービス事業者・開発者(以下「ゲームデベロッパー」)に開放するオープン化を実施し、平成22年3月末時点で59社のゲームデベロッパーから148タイトルのゲームが公開され、ユーザの多様なニーズを満たすとともに、関連する売上も着実に成長いたしました。
アバター関連売上(アバター販売及び成果報酬型広告)につきましては、第1四半期連結会計期間から段階的に開放してきた3Dアバターの全面開放を平成21年8月に実施し、ユーザの裾野拡大に取り組んでまいりました。3Dアバターのアイテム数不足や従来の2Dアバターの需要低迷により、前期比で売上は減少いたしましたが、特に平成22年1月以降、「モバゲータウン」の会員数の大幅な増加やゲームとの連動等により、復調の兆しが見られました。
広告関連売上に関しましては、広告メディアとしての価値を高めてさらなる広告出稿を獲得するために、広告代理店との連携を深めて大手広告主の新規開拓に努めましたが、景気低迷に伴う広告主の出稿の手控え等の影響により、前期比で売上は減少となりました。しかしながら、モバイル広告市場は今後も成長が見込まれることから、商品開発や営業開拓等、引き続き販売を強化してまいります。
アフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」は、不正対策等の審査・監視体制の強化や景気低迷に伴う広告主の出稿の手控え等の影響により、前期比で売上が減少いたしました。利用者が安心してモバイルコンテンツを楽しめる環境を整備し、モバイル関連業界の継続的発展を図ることを目的に、同業他社と平成21年12月にモバイルアフィリエイト協議会(Mobile Affiliate Conference、略称「MAC」)を設立いたしました。MACにおいて悪質な媒体運営者に関する情報共有とアフィリエイトネットワークからの排除を行うとともに、媒体運営者への啓蒙活動等にも取り組んでまいりました。
利益面では、「モバゲータウン」におきまして、第3四半期連結会計期間からの利益率の高い内製ソーシャルゲームのアイテム課金売上による収益が、アバター関連売上、広告関連売上、「ポケットアフィリエイト」の売上による収益減少分を補完し、さらに、TVコマーシャル等の広告宣伝費や販売促進費、人件費等の経費増加分を吸収して、当連結会計年度の営業利益は過去最高益を記録いたしました。
以上の結果、ポータル・マーケティング事業の売上高は32,758,573千円(前期比36.0%増)、営業利益は18,490,010千円(前期比37.1%増)となりました。

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コマース事業

オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」は、引き続き携帯電話向け総合ショッピングサイト「ポケットビッダーズ」「モバデパ」及びeショッピングモールサイト「auショッピングモール」等のモバイル分野を中心に展開いたしました。積極的な販売施策により購入件数は増加しましたが、個人消費の低迷による購入単価下落の影響から、取扱高は微減となりました。
当連結会計年度末のショッピングサービスを提供する有料法人会員組織「クラブビッダーズ」加盟店舗数は4,708店(前期末比69店減)、当連結会計年度の取扱高は38,941,227千円(前期比1.2%減)となりました。
携帯電話オークション「モバオク」(「au one モバオク」を含む。)は当連結会計年度末の有料会員数が124万人(前期末比5万人増)となりました。景気低迷に伴うユーザの節約志向の高まりにより、月間平均出品数(平成22年3月)は366万品(前年同月比5万品減)、当連結会計年度における取扱高は73,858,486千円(前期比4.2%減)となりました。
携帯電話専用ファッション系ショッピングサイト「モバコレ」は、販売商品の品揃えの充実を図るとともに、サイトのリニューアルや送料無料キャンペーン、既存優良会員の優遇策等、積極的な販売促進策を実施したことにより、前期比で売上が増加しました。
電子商取引に係る収納代行サービスを提供する株式会社ペイジェントは、「モバオク」向けに導入した決済エスクローサービス「モバペイ」の利用率向上や、当社グループ内のサービスにおける利用促進に加えて、一般加盟店数(EC事業者等)の拡大により前期比で売上が順調に増加しました。
また、総合アパレルメーカーの株式会社ワールドと業務提携し、幅広い商品ラインナップを網羅する、アパレル特化型BtoBマーケットプレイス「バイヤーズクラブ」のサービス提供を、平成22年1月より開始いたしました。
以上の結果、コマース事業の売上高は13,463,639千円(前期比12.9%増)、営業利益は4,435,581千円(前期比7.8%増)となりました。

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その他事業

株式会社エアーリンクが運営するオンライン旅行予約サイト「スカイゲート」で販売する格安航空券と、世界最大級のインターネット旅行サイト「エクスペディア」の宿泊予約を組み合わせたパッケージツアーの商品拡充を図り、前期比で売上は順調に拡大しました。
以上の結果、その他事業の売上高は1,883,433千円(前期比18.4%増)、営業損失は283,843千円(前期は614,066千円の営業損失)となりました。

質疑応答

2010年4月30日に開催いたしました、2009年度第4四半期決算説明会の際の主な質疑応答の要約を掲載いたします。

【Q1】
2010年3月期の連結業績は、3月16日に発表した業績予想の修正から、売上、利益ともに約10億円程度上回る結果となりました。その要因について教えてください。
【A1】
ソーシャルゲームの売上、利益に因るものです。ほかの課金サービスでの経験をもとに、月末までの売上を多少保守的に予測いたしましたが、予想以上に順調に推移したことが、今回の差異につながりました。

【Q2】
「モバゲータウン」のゲーム等の売上について、内製ソーシャルゲームと外部のゲームデベロッパーが制作したオープンゲームの売上比率を教えてください。
【A2】
内製ソーシャルゲームとオープンゲームの売上比率に関しましては、非公表とさせていただきます。現時点での売上は内製ソーシャルゲームのほうが大きいものの、オープンゲームの売上も順調に拡大してきております。ゲームデベロッパーと当社の双方がWin-Winとなるよう、オープンプラットフォームを重要な事業の柱として展開していきたいと考えています。

【Q3】
第4四半期にアバター関連売上が回復した理由について教えてください。「モバゲータウン」プラットフォームのオープン化や内製ソーシャルゲームの効果があったのでしょうか。
【A3】
アバターの売上回復は、セトルリン等のソーシャルゲームと連動させて楽しめる仕組みを取り入れたことと関係していると思います。ほかにも、3Dアバターの利用を促進するような機能や特集などの企画ラインナップを充実させ、3Dアバターへの移行やアバターの着替えを促進したことが、売上の回復につながったと考えております。

【Q4】
(決算説明会資料の10ページ「モバゲータウン」利用動向より) 20代よりも30代以上のアクティビティが高い理由をどのように分析しているのか、教えてください。
【A4】
ソーシャルゲームユーザの拡大が主な要因と考えています。ソーシャルゲームは、世界的に見ても、30代以上の方々が積極的に楽しんでいるサービスとなっております。

【Q5】
「モバゲータウン」のPC展開に関して、30代以上のユーザ層獲得が目的ならば、自社単独での取り組みでも大丈夫ではないかと思うのですが、ヤフー株式会社とのソーシャルゲーム分野における事業提携(「Yahoo!モバゲー(仮称)」)の意図を教えてください。
【A5】
当社はPCではユーザベースを持っていないため、ヤフー株式会社との事業提携は30代以上のユーザへの訴求を加速させるという面で、非常に重要であると考えております。

【Q6】
2010年度第1四半期の業績予想に関して、2009年度第4四半期との比較では、売上高が40億円増であるのに対し、利益が約10億円増にとどまっています。その要因について教えてください。
【A6】
一番大きな要因は、当期から連結対象となる国際関連事業およびモバイルUGCサイト「E★エブリスタ」など新規事業への投資額が増えることです。

【Q7】
2月以降のオープンゲームのユーザのアクティビティと、内製ソーシャルゲームのユーザのアクティビティの状況について教えてください。
【A7】
オープンゲームは、大きくタイトル数を増やしており、アクティビティの伸び率という点においては、オープンゲームのほうが、内製ソーシャルゲームを上回って拡大いたしました。

【Q8】
「モバゲータウン」でソーシャルゲームが成功した要因として、ゲーム好きなユーザが多かったからとの要因が挙げられます。ヤフー株式会社との提携事業である「Yahoo!モバゲー」においても、ソーシャルゲームが伸びると期待できる理由を教えてください。
【A8】
「Yahoo!ゲーム」は、確固としたユーザベースを持つ巨大なサイトです。日本では、さまざまな要因から、PCより先にモバイルの分野でソーシャルゲーム市場が立ち上がりました。ソーシャルゲームは幅広いユーザ層に楽しんでいただける、裾野の広いサービスであり、「Yahoo!モバゲー」においても、多くのユーザの皆様に楽しんでいただけると考えております。

【Q9】
ヤフー株式会社との業務提携が、自社でのスマートフォン展開を行ううえで障害にならないのでしょうか。
【A9】
本業務提携の主旨は、当社およびヤフーの双方がともに事業拡大することであり、お互いの成長を縛るというものではありませんので、ご心配いただくようなことはないと考えております。

【Q10】
海外で自社プラットフォームを立ち上げていく際、日本で「モバゲータウン」にかけた同程度の投資をするお考えでしょうか。もしくは、より効率的に事業を立ち上げるための方策をお持ちでしょうか。
【A10】
国際展開については、「モバゲータウン」の運営を通じて得られたユーザの需要動向や潜在ニーズの分析など、ノウハウの蓄積を活用して、かなり効率化を図ることが出来ると考えておりますが、システムおよびユーザ基盤の構築に関しましては、ゼロからのスタートです。ユーザ獲得は、他社との提携や広告等のプロモーション活動を利用しながら行っていく予定です。
現状は業績が順調に推移していますので、国際事業に関しましても、サービス単位で可能性を確信出来次第、積極的な投資をしていきたいと考えております。

【Q11】
Facebookへの内製ソーシャルゲームの展開は、モバイルまたはPCのどちらになるのでしょうか。
【A11】
PCでの展開を考えております。

【Q12】
売上原価に占める賃借料や人件費、減価償却費を他社と比較しますと、トラフィック量に対して、低い水準に収まっているようですが、その要因を教えてください。
【A12】
大量のトラフィックを低コストで安定的に処理する技術力は、当社の隠れた強みです。インフラ面でのスキルに関しては、業界トップクラスであると自負しております。

【Q13】
設備投資に関して、2010年3月期で約20億円、2009年3月期では約16億円と、事業規模の拡大に対して、設備投資の増加が非常に少ないと思います。今期の設備投資額の予想を教えてください。
【A13】
設備投資額については事業拡大に比例して増加するため、突然、数倍になることはありません。

【Q14】
ソーシャルゲームによって、アバターの需要が促進される仕組みを教えてください。
【A14】
「戦国ロワイヤル」のように、ユーザ自身のアバターが主人公としてゲーム内に登場する場合、見栄えを良くしたいという動機づけが働き、アバターアイテムを購入するための仮想通貨「モバゴールド」の消費が促進され、アバター関連売上の増加につながります。
2010年4月より、ゲーム内において、ゲームの進行を有利にする機能を持ったアバターサービスの提供を開始いたしました。こちらは、ゲーム内専用仮想通貨「モバコイン」でご購入いただくため、ゲーム等の売上として計上する予定です。オープンゲーム内でアバター販売を行う場合、ゲームデベロッパーがアバターを製作・販売し、当社はアバターの売上高に応じて、一定の比率で収益分配を受ける仕組みとなっております。

【Q15】
ゲームデベロッパーが自社のオープンゲームの販売を促進する広告を出稿していますが、この売上は、どの区分で計上されているのかを教えてください。
【A15】
ゲーム等の売上に計上しております。

【Q16】
DXゲームについて、売上はグロス(総額)計上で行い、ゲームデベロッパーへの収益分配額を売上原価に費用計上するという理解でよろしいでしょうか。
【A16】
これまでと同様、企画および製作をゲームデベロッパーと共同で行なうDXゲームの売上に伴う収益の分配については、売上原価の支払手数料に費用計上しております。決算説明会資料では触れておりませんが、売上は拡大しており、支払手数料の額も増加しております。

【Q17】
2010年度1四半期の業績予想について、特に、ゲーム関連の予想はどのような前提に基づいて作成したのか教えてください。
【A17】
会員数とARPUの予測をもとに予算を立て、そこに実績を加味しながら予想数値を算出しております。
【Q18】

2010年度第1四半期において、広告宣伝費はどの程度見込んでいるのか教えてください。
【A18】
広告宣伝費は2009年度第4四半期並みか、多少積極化する方向性で織り込んでおります。

【Q19】
2010年度第1四半期の業績予想は、(2009年度第4四半期実績からの伸びを考慮すると)成長ペースが鈍化し、巡航速度になってきたという理解でしょうか。
【A19】
2010年度第1四半期業績予想には、ソーシャルゲームのような、売上がゼロから急に拡大する事業は含まれておりません。第2四半期以降、国際展開やPC分野への進出、モバイルUGCサイト「E★エブリスタ」といった、事業領域の拡大が可能な新しい成長エンジンを強化していくことにより、それらの売上が計上されてくるものと期待しております。

【Q20】
2010年度の人員計画について教えてください。
【A20】
事業領域が急速に拡大しており、エンジニアを中心とした200名程度の積極的な採用計画を立てております。一方、当社は、人材の質へのこだわりが非常に強いため、結果として、計画未達で終わる可能性もあります。

【Q21】
2010年度から国際関連および新規事業も連結対象とするとのことですが、今後の費用の見通しについて教えてください。
【A21】
国際事業については、しばらく投資の時期が続くのではないかと考えております。
進捗状況を見ながら、積極的な投資を実施していきたいと考えております。

【Q22】
ゲーム関連の月次売上高やページビューの推移状況について教えてください。
【A22】
非公開とさせていただいております。

質疑応答(個人投資家向け説明会)

【Q1】
「オープン化」の先にある構想として、どのようなことを考えているかを教えてください。
【A1】
日本という枠にとらわれず、グローバルなインパクトという意味で、No.1 企業を目指しています。ソーシャルエンタテインメント企業として、ソーシャルゲームやソーシャルネットワークを基軸に、人と人との新たなつながりや充実した余暇の使い方を提案し、世界中の人々を楽しくさせていきたいと思います。日本でユーザに新しい価値を確実に提供し続けていくことはもちろんですが、それに加えて世界市場を視野に事業展開したいと考えています。

【Q2】
アバター需要の低迷を見る限り、若い世代は飽きが来るのが早いと感じますが、そのようなリスクをどう捉えていますか。
【A2】
若い世代の好みが移ろいやすいことは、十分認識しております。ユーザから支持を得ていたアバターの需要が低迷するなど、我々自身もそのことについて直面し、対応してまいりました。ユーザの移ろいやすいニーズを前提としながら、1 歩でも半歩でも常に先んじて、次々と新しい嗜好を凝らしたサービスを提供してまいりたいです。よく「競争相手は誰か。」と聞かれますが、「それはユーザである。」と思っています。

【Q3】
2010 年3月期の期末配当金予想について、1株あたり1,800 円から3,600 円へと引き上げました。
来期の業績次第では、幅広い年齢層の人々が御社の株式を取得できるように、株式分割を行う考えがありますか。
【A3】
株式分割は、株式の流動性を高め、より多くの個人投資家の皆さまに株式市場にご参加いただくことが出来る有効な施策であると認識しております。売買単位の変更も含め、今後の株式市場の動向や当社の株価水準、株主構成の変化とその効果等を総合的に勘案し、慎重に検討してまいりたいと考えています。

【Q4】
スマートフォン市場への対応につきましては、まず海外での展開を図り、国内展開はまだ先の予定であるという印象を受けますが、国内で急速にスマートフォンが浸透した場合、出遅れてしまうことはないのでしょうか。
【A4】
スマートフォンは、もはや国内でも侮れない規模感になりつつあると考えています。少なくとも、2010 年度末には非常に大きな勢力となっている可能性があります。したがって、我々も事業の優先順位や人的資源の配分を勘案しながら、スマートフォン対応を検討しているところです。海外でのスマートフォン市場は大きいため、まず海外での展開が先になると思いますが、必要なタイミングで、国内でのスマートフォン対応を行いたいと考えております。

【Q5】
2月の「月次推移のご報告」における「グループ総取扱高」の落ち込みが気になりました。減少の要因と今後のEコマース事業の課題や取り組みについて教えてください。
【A5】
減少要因のひとつとして、景況感の影響が挙げられます。Eコマースは景気悪化の影響を受けづらいと言われていますが、今回は非常に深刻かつ長い不況であり、当社Eコマース全体がその影響を受け、1人当たりの購入単価が大きく下がっています。当社のコマース事業は、残念ながら各カテゴリーでNo.1 ではありません。No.1 プレイヤーよりも2位以下のプレイヤーの方が景気の影響が出やすいと思われます。また、「ビッダーズ」および「モバオク」では、ともにファッション系商材の取り扱いが中心ですが、アパレルの実店舗において製品単価が低下しているため、Eコマースもその影響を受けています。なかでも、「モバオク」の成約単価の下落が大きく、2月の「グループ総取扱高」の減少につながっています。「モバオク」は取引成約時の課金を導入していないため、「モバオク」の購入単価下落が売上に影響を及ぼしたかというと、現時点ではそうではありませんが、商品点数を増やし、短・中期的には取扱高をあげていくことがユーザおよびサービスの拡大につながるであろうと思われます。
当社では、引き続き、サービスを改善しながらユーザにとってより良いサイトを構築してまいります。
Eコマース市場全体は、中・長期的に拡大していくものであり、成長基調にあるEコマースで、そのメリットを享受出来るだけの存在感を確立したいと思っております。

【Q6】
スライド23 の「今後の重点事業」のなかで、どの項目について最も注力していく方針ですか。
【A6】
「1.ソーシャルエンターテインメントプラットフォーム」および「2.ソーシャルゲーム」を国内外で重点的に展開してまいりたいと考えております。国内外で展開するという点では、「5.国際展開」も含まれます。

【Q7】
内製ソーシャルゲームの新たなタイトルのリリースは、今後、どのようなスケジュールで行う予定でし
ょうか。
【A7】
正確には申し上げられませんが、大体の目安といたしましては、四半期ごとに2~3タイトルは投入したいと考えています。常に開発チームは複数あり、満足の行くクオリティに達したゲームから投入していくことになると思います。クオリティの高いゲームのみ投入するということと、同時に、既存ゲームのクオリティも改善し続けることを考えますと、バランスよく人的資源を配分しなくてはなりません。
そのため、計算どおりには行かないというのが現状です。

【Q8】
その他事業である「趣味人倶楽部」と「バイヤーズクラブ」の現況について教えてください。
【A8】
「趣味人倶楽部」と「バイヤーズクラブ」の業績については、まだ公表するような段階ではありません。
「趣味人倶楽部」の売上は広告収入のみで、今は広告収入を得ることよりも、ユーザの利用の拡大に重点的に取り組んでおり、まだ赤字の事業です。1月から開始した「バイヤーズクラブ」も利用者の拡大に注力している段階で、売上貢献はまだ先と認識しておりますが、将来を見据えてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

【Q9】
スライド23「今後の重点戦略」における、「4.広告事業」の「高付加価値広告市場の創設」について詳しく教えてください。
【A9】
例えば、モバイル広告の一種に「バナー広告」があります。バナー広告は、広告掲載枠に商品等の広告画像を貼ったもので、閲覧者がバナー広告をクリックすると広告主のウェブサイトにリンクする仕組みです。非常にベーシックな手法ですが、当社ではそれよりもモバイルならではの良さや、人と人とのつながりを活用したソーシャルネットワークならではの良さを活かした、付加価値の高い広告を模索しております。
以前、広告主であるコンビニエンスストアからパンを売る目的で、「モバゲータウン」に広告を掲載したいと依頼を受けたことがありました。モバゲーユーザが、対象となるパンを購入するとアバターがもらえるという設定にしたところ、驚くような人数のユーザをコンビニエンスストアに動員することが出来ました。これは、モバイルならではの良さや、アバターを活用したメディアの良さを活かした、付加価値の高い広告の一例と言えます。
「モバゲータウン」はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)ですので、クチコミが伝わりやすいという特性を持っています。商品購入の意思決定における最大の要因は、ネット上のクチコミであるというリサーチ結果も出ております。SNS でクチコミを喚起しやすい広告を模索して実現することで、SNS の特性を活かした、付加価値の高い有効な広告となります。徐々に成果が出ておりますが、2010 年は特に注力してまいりたいと思っております。

【Q10】
「怪盗ロワイヤル」というゲームのテレビCM を拝見しましたが、「お宝」だけではなく個人情報まで盗まれることはないのでしょうか。
【A10】
「怪盗ロワイヤル」は、ユーザ同士で「お宝」を取り合って遊ぶことがゲームの基本要素となっています。他人が自分の携帯端末に入り込み、個人情報が盗まれるということはありませんので、ご安心ください。カードゲームやボードゲームと全く変わりなく楽しんでいただけます。