トーセ決算2000-2001

Last-modified: 2010-09-08 (水) 19:52:43

2000

2Q

当上半期におけるわが国経済は、個人消費が本格的な回復基調に至っていないなか、政府の積極的な財務支出、各企業の合理化の浸透に伴う業績の回復、半導体産業を中心とする民間設備投資の拡大、金融システムの改革等々の効果が徐々に現れ、経済全体にやや明るさが見えて来ております。
このような状況下、ゲームソフト業界では個人消費低迷に加え昨年末に発売予定であったプレイステーション用ゲームソフト「ドラゴンクエスト7」の発売延期や、次世代ゲーム機「プレイステーション2」の発売時期の決定に伴う、現行商品の買い控えムード等が重なり業界全体としては厳しい現状で推移しました。 当社としましては、ゲーム業界の動向をふまえながらも、ゲーム愛好家のニーズの変化、各メーカーのゲーム機戦略を迅速にとらえ、独立系受託開発企業としてのメリットを最大限に生かし、各メーカーに信頼と安心を与える行動と実績をもとに積極的に事業推進を図るとともに、経営資源の効果的な配分に努めて参りました結果、大手ソフトメーカーからの受注も順調に推移し、当上半期で開発費100百万円以上のビッグタイトル6本の開発を完了しました。さらに当上半期以前に開発を完了した分も合わせたロイヤリティ収入も増収・増益に寄与しました。
上記のような結果、当上半期の売上高は21億14百万円(前年同期比30.8%増)となり、経常利益は6億70百万円(前年同期比11.7%増)、中間純利益は3億71百万円(前年同期比6.1%増)の増収増益となり半期決算としては過去最高益を達成することができました。

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4Q

当期におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策により民間企業の設備投資が緩やかながら増加に転じるなど、一部に景気回復の兆しが見え始めて来ました。
このような状況下、ゲームソフト業界におきましては、本年3月ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された「プレイステーション2」の登場が大きな話題となりました。しかしその後非常に高度なハードスペックであるためソフトメーカー各社でソフト開発に時間がかかり、対応するゲームソフトの品揃えが不足している一方、「プレイステーション2」がDVD プレイヤーの機能が搭載されている事で、映画などゲーム以外のコンテンツの需要が多く、当初予測されていたほどゲームソフトの販売は伸びませんでした。また、アミューズメント分野も家庭用ゲーム機が高度になるにつれて、業務用ならではの優位性が失われる事となり、厳しい状況を迎えつつあります。しかしながら、インターネットの普及に伴いIT(情報技術)革命が急速に進み、NTTドコモの携帯電話サービスの「i モード」やパソコンのネットワークを活用した、新たなビジネスモデルが爆発的な勢いで発展しつつあります。
以上のような環境下において当社グループは、家庭用ゲームソフト市場のほぼ全てのプラットホームに対し、大手ゲームソフトメーカー各社から有力タイトルを多数受注して来ました。そして、国内の開発力増強に加え、海外の「東星軟件(上海)有限公司」の開発力増強により開発テーマの完成を予定以上に達成することが出来ました。また、本年1月に買収した「有限会社日本データフロンティア」(東京都渋谷区)を株式会社化し、「株式会社ティーネット(T‐net)」とし、当社のITビジネスの拠点と位置付け、「i モード」コンテンツの企画・開発・運営、またインターネット上の高級美術品オークションサイトやゲーム情報サイトの運営などを開始し、着実に新規事業領域の開拓も進めてまいりました。
上記のような結果、ゲームソフト業界がやや低調に推移している環境ではありましたが、当社グループとしては当期の売上高は33億59百万円となり、経常利益は9億20百万円、当期利益は5億10百万円となりました。

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2001

前年度計画

今後の見通しといたしましては、任天堂から来年3月発売予定の「ゲームボーイ・アドバンス」を筆頭に、任天堂「ゲームキューブ」、マイクロソフト「X-Box」など、続々と次世代のゲームプラットホームが発売される予定です。また、これらの新プラットホームの登場と相まって、インターネットを使ったネットワーク化も急速に進化すると予測され、NTT ドコモの「i モード」を筆頭とする、携帯情報端末も日本国内だけにとどまらず、世界的に拡大されるものと思われます。
このような状況の中で当社グループは、国内最大手の独立系受託開発専門企業としての優位性を活かし、長年にわたり培われた情報力・開発力・資本力を武器に、あらゆるコンテンツの開発業務サービスを安定して提供して行く所存です。また、新プラットホームに対するソフト開発は、今まで以上の開発コストの増大が予測されますが、海外の「東星軟件(上海)有限公司」を最大限活用するとともに、中国上海市浦東開発区に本年9月より新規に開発拠点を設け、事業規模を拡大し、さらなる開発力の強化とコスト低減を図る所存です。一方、急速に拡大すると予測される「ITビジネス」については、「株式会社ティーネット」の受託開発能力を強化・充実する予定です。
以上のような施策を着実に実行し、前期以上の経営成果を達成する所存でございます。

部門別

2001年2001年2001年2001年2001年2001年2001年2001年
売上Q1Q2Q3Q4ターム売上Q1Q2Q3Q4
ゲームソフト開発事業(百万円)1,1482,428ゲームソフト開発事業(百万円)1,1481,280
モバイル・インターネット開発事業(百万円)321729モバイル・インターネット開発事業(百万円)321408
その他事業(百万円)4856その他事業(百万円)488
消去又は全社(百万円)----消去又は全社(百万円)----
売上高(百万円)1,5183,214売上高(百万円)1,5181,696
利益
ゲームソフト開発事業(百万円)4961,106ゲームソフト開発事業(百万円)496610
モバイル・インターネット開発事業(百万円)112251モバイル・インターネット開発事業(百万円)112139
その他事業(百万円)1720その他事業(百万円)173
消去又は全社(百万円)-318-627消去又は全社(百万円)-318-309
営業利益(百万円)307751営業利益(百万円)307444
経常利益(百万円)327790経常利益(百万円)327463
当期純利益(百万円)153393当期純利益(百万円)153240

2Q

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、民間設備投資の増加など一部に成長を示すものの、米国経済の急激な減速に伴う輸出減少により、再び景気が減速し始めた状況です。
このような状況下、家庭用ゲーム市場では「プレイステーション」から「プレイステーション2」、「ワンダースワン」から「ワンダースワン・カラー」、「ゲームボーイ」から「ゲームボーイ・アドバンス」などとゲーム機の変革期に入り、次世代ゲーム機の登場を待つユーザーの買い控えが起ったことや、急速に拡大した携帯電話市場にユーザーの個人支出を奪われたことから非常に厳しい状況にありました。また、業務用ゲーム市場においても、機器販売及びアミューズメント施設運営は共に縮小傾向にあり、ゲームソフト市場全般に厳しい状況にありました。こうした中においても、当社のゲームソフト開発事業は順調に進み、ゲームソフトの販売数も予想以上に推移した結果、計画以上の売上を達成しました。
一方で、モバイル・インターネット市場は、「iモード」利用契約者数が2,000万人を超えたことが示すように、急速に拡大しました。さらに、平成13年1月より「Java」ブラウザーが搭載された携帯電話が発売され、携帯電話上でゲームなどのアプリケーションが実行できるようになり、市場のさらなる拡大を予見させることとなりました。こうした中で当社は、「iモード」等の普及拡大を追い風に、計画以上のコンテンツの開発依頼を受けることができました。
その結果、当中間期の連結売上高は15億18百万円(当初予想比119.2%)、当中間期の単独売上高は14億46百万円(当初予想比113.6%、前中間期比68.4%)となりました。
利益につきましては、金融商品及び退職給付に係る会計基準を適用したことにより、従来の方法によった場合と比較して、連結中間経常利益は2百万円増加し、税金等調整前中間純利益は15百万円減少しておりますが、連結中間経常利益は3億27百万円(当初予想比 177.7%)、連結中間純利益は1億53百万円(当初予想比145.8%)となりました。
また、単独中間経常利益は3億5百万円(当初予想比165.8%、前中間期比45.5%)、単独中間純利益は1億49百万円(当初予想比139.5%、前中間期比40.2%)となりました。
なお、当初予想比は、平成12年10月12日の決算発表時に公表した業績予想数値との比較を記載しております。中間期の連結決算を発表するのは当中間期が初めてであることから、前中間期の連結業績との比較は記載しておりません。
また、当社の期間業績および連結期間業績は、当社が受託業務専門であるため、発注者の販売方針、販売スケジュールに左右され、上期・下期の偏重が発生し、また偏重に一定のパターンがありません。こうしたことから当中間期の業績と前中間期の業績を単純に比較しても正しい通期業績の予想はできないと考えられます。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、ゲームソフトの販売を一切行わず、家庭用ゲーム機向けソフトを中心に、国内外のゲームソフトメーカーなどの顧客から依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を行っております。ゲームソフトの開発工程のうち、プログラミング工程とデザイン工程の一部は中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司で行っております。
当中間期におきましては、家庭用ゲーム機が全体的に低調な中で、比較的安定している携帯型ゲーム機に注力することで、開発売上、ロイヤリティ売上ともに好調に推移しました。
その結果、当事業の売上高は、11億48百万円、営業利益4億96百万円となりました。
なお、前期本決算から中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司は連結子会社といたしましたが、同社の売上の全ては当社へのものであり、当中間期の売上高に対する影響はありません。

 

モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、NTTドコモの「iモード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に、国内外のゲームソフトメーカーなどの顧客から依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理などを行っております。
当中間期におきましては、「iモード」などの予想以上の普及拡大により、顧客からのコンテンツの開発依頼が増加し、さらに開発したコンテンツの利用者も好調に推移したことで計画以上のロイヤリティ売上が得られました。
その結果、当事業の売上高は、3億21百万円、営業利益1億12百万円となりました。
なお、当中間期から株式会社ティーネットを連結子会社としております。

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その他事業

当事業は、当社がパチンコ台にある液晶表示部分の画像制作などを行っているほか、株式会社ティーネットが美術品やアンティークを中心としたインターネット・オークション「ザ・コノサーズ」の運営管理を行っております。
当事業の売上高は、48百万円、営業利益17百万円となりました。
なお、当中間期から株式会社ティーネットを連結子会社としておりますが、同社のインターネット・オークション事業は当中間期から事業展開を開始したものの、その成果が本格的に現れるのは、来期以降となる予定です。

4Q

当連結会計年度のわが国経済は、景気回復の牽引役であった情報技術(IT)関連分野の悪化により民間設備投資が減速し、後半には、個人消費の低迷に加え、米国経済の減速を背景とした輸出鈍化により企業収益の改善も進まず、株価、地価ともに下落し、景気後退感が強まり、デフレ状態となりました。
当業界におきましては、各ゲーム機メーカーより高性能化された次世代ゲーム機が続々と登場し、その販売状況は好調であったものの、ゲームソフトの販売状況は各ゲームソフトメーカーが持つビッグタイトルを除いて全体的に低調で、非常に厳しい状況にありました。その理由として、①登場したゲーム機の全てが旧ゲーム機向けソフトを稼動させる機能を備えていた為にユーザーが新しいゲームソフトの購入を強いられず、既に所有しているゲームソフトで遊んだこと、②高性能化した次世代ゲーム機に不慣れなことから市場を牽引するキラーソフトが不足したこと、③爆発的なヒットとなった「iモード」をはじめとする携帯通信や高速インターネット通信などのゲームユーザー層が好むサービスが急速に普及拡大したこと、などが挙げられます。
こうした状況のもと、当社グループは各ゲームソフトメーカーに対し積極的に企画提案活動を展開し、各ソフトメーカーからソフト開発業務を順調に受託することができました。また、ゲームソフトの受託開発会社として、高性能化した次世代ゲーム機に対応するための開発力、技術力の更なる増強に努めてまいりました。しかし、従来のゲーム機向けに開発を進めていた有力タイ
トルの数本が、次世代ゲーム機への機種変更の依頼を受けたことから、ソフトの完成時期が翌期となり、当初計画よりも開発費売上が減少いたしました。一方で、モバイル・インターネット開発事業については、「iモード」などの携帯電話のモバイル・コンテンツが急速に増加する中で、新規顧客の開拓とともに、公式サイト(有料サイト)を中心とした受託運営サイトの増加に努め、ゲームユーザーの志向の分散化によりゲームソフトからモバイル・コンテンツへと収益源が流れる中で、計画を上回る収益を確保することができました。
この結果、当連結会計年度の売上高は32億14百万円(計画比2.1%減、前期比4.3%減)となりました。
また、利益面につきましては、金融商品及び退職給付に係る会計基準を適用したことにより、従来の方法によった場合と比較して、税金等調整前純利益は37百万円減少しておりますが、経常利益は7億90百万円(計画比0.5%減、前期比14.1%減)、当期純利益は3億93百万円(計画比3.2%増、前期比22.9%減)となりました。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、ゲームソフトの販売を一切行わず、国内外のゲームソフトメーカーなどの顧客から家庭用ゲーム機向けソフト開発の依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を行っております。ゲームソフト開発工程のうち、プログラミング工程とデザイン工程の一部は中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司及び東星軟件(杭州)有限公司で行っており、総合的な開発コストの削減を行なっております。
当期におきましては、家庭用ゲーム市場が低調な中において、比較的安定している携帯型ゲーム機向けソフトに注力することで、ロイヤリティ売上は当初計画を達成できましたが、据え置き型ゲーム機が世代交代時期にあたり、若干の有力タイトルの納期が翌期へと延期になり開発費売上は計画を達成できませんでした。
その結果、当事業の売上高は24億38百万円、営業利益11億6百万円となりました。

モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、国内外のゲームソフトメーカーなどの顧客からNTT ドコモの「i モード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理などを行っております。
当期におきましては、「i モード」などの携帯電話上でのサービスが予想以上に普及拡大したことにより、顧客からのコンテンツの開発依頼が増加し、さらに開発したコンテンツの利用者も好調に推移したことで計画を大きく上回る売上を達成できました。
その結果、当事業の売上高は、7億29百万円、営業利益2億51百万円となりました。

その他事業

当事業は、当社においてパチンコ台にある液晶表示部分の画像制作などを行っているほか、株式会社ティーネットが運営管理する美術品やアンティークを中心としたインターネット・オークション「ザ・コノサーズ」や、その他事業を含みます。
当事業の売上高は、56百万円、営業利益20百万円となりました。
なお、株式会社ティーネットのインターネット・オークション事業は当期から事業展開を開始したものの、折りからの個人消費の低迷によりその成果は現れるに至っておりません