トーセ決算2002-2003

Last-modified: 2010-09-08 (水) 19:28:13

2002

前年度計画

今後の見通しといたしましては、日本政府の構造改革の内容と改革の時期に対する失望感が出る中で、米国で起きた同時多発テロによる国際経済の混乱で、日本経済は回復基調に入ることができず、依然として厳しい状況が続くものと考えられます。
このような状況のもと、家庭用ゲーム業界では、2001年9月の「ゲームキューブ」の発売と2002年2月の「Xbox」の発売により次世代ゲーム機が出揃います。これら次世代ゲーム機は旧ゲーム機の設計を継承しない全くの新設計であり、逆に旧ゲーム機向けソフトを稼動させることができないために、ユーザーのゲーム機の購入に伴ったゲームソフトの需要が期待できます。そして、これら次世代ゲーム機への投入ソフトの増大とともに市場は活性化し、再び拡大過程に入るものと思われます。また、既に発売されているソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション2」や任天堂の「ゲームボーイ・アドバンス」についてもソフト開発会社側のソフト開発対応力が充分に付き始めることから、発売されるソフトは質、量共に高まるものと考えられます。さらに、通信インフラの整備が進められ、家庭で高速通信サービスが利用できるようになり、オンラインゲーム(家庭に居ながら、電話回線を通して他人と遊ぶコンピュータネットワークゲーム)が発展する可能性も大いに期待できます。
一方、モバイル・インターネット開発事業の分野については、携帯電話の普及は鈍化すると思われるものの、携帯電話にJavaアプリケーションを処理する機能や、デジタル音楽を再生する機能、3D画像を表示する機能が搭載された新型携帯電話が次々と発売され、モバイル・コンテンツの利用者数は益々増加し、当社グループのビジネスチャンスもさらに広がるものと考えられます。
なお、次連結会計年度の業績につきましては、開発案件の増加により連結売上高35億60百万円(前年比10.8%増)、連結経常利益9億30百万円(前年比17.7%増)、連結当期純利益4億83百万円(前年比23.0%増)と予想しております。

部門別

2002年2002年2002年2002年2002年2002年2002年2002年
売上Q1Q2Q3Q4ターム売上Q1Q2Q3Q4
ゲームソフト開発事業(百万円)1,0572,345ゲームソフト開発事業(百万円)1,0571,288
モバイル・インターネット開発事業(百万円)419964モバイル・インターネット開発事業(百万円)419545
その他事業(百万円)4469その他事業(百万円)4425
消去又は全社(百万円)----消去又は全社(百万円)----
売上高(百万円)1,5213,379売上高(百万円)1,5211,858
利益
ゲームソフト開発事業(百万円)428906ゲームソフト開発事業(百万円)428478
モバイル・インターネット開発事業(百万円)228485モバイル・インターネット開発事業(百万円)228257
その他事業(百万円)05その他事業(百万円)05
消去又は全社(百万円)-360-717消去又は全社(百万円)-360-357
営業利益(百万円)297679営業利益(百万円)297382
経常利益(百万円)329763経常利益(百万円)329434
当期純利益(百万円)170374当期純利益(百万円)170204

2Q

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、バブル崩壊から今日までの長期にわたる景気低迷の中で、所得・雇用環境の悪化、個人消費の低迷等など厳しい状況が続きました。しかし、米国経済が回復基調となり、輸出減少も一巡感が出たことから、一部の国内企業に復調の兆しが見られるようになりました。
こうした中、家庭用ゲーム市場は、任天堂の「ゲームキューブ」やマイクロソフトの「Xbox」が順次発売され、前期に見られたような現行ゲーム機と次世代ゲーム機との移行時に見られるソフト販売の低迷期からようやく脱し、ソフトの販売数も上昇に転じました。さらに、海外ゲーム市場は、米国での同時多発テロ以降に家庭内での娯楽としてゲームソフトが再び見直され、ソフト販売の状況は好調でありました。
一方で、モバイル・インターネット市場は、携帯情報端末(情報通信機能を持つ携帯電話)の普及率が高まり、携帯情報端末ハードの販売は鈍化傾向にありました。しかし、Javaアプリケーション機能や音楽再生機能、画像表現機能がより向上した機種を各携帯電話メーカーが競って登場させる中で、新機種が持つ高い機能によりコンテンツの充実が図られた結果、コンテンツの利用状況の伸びは好調でありました。
こうした状況のもと当社グループは、計画の開発数を完了し、計画の開発売上(「開発業務による売上」)を達成しました。また、ロイヤリティ売上(「ロイヤリティによる売上」)についても、ゲームソフト市場全般にソフト販売数やモバイル・インターネットのコンテンツ利用状況が好調であったことから計画の売上を大幅に上回りました。
ネットワークで配信されるモバイルコンテンツ等は、開発完了後も、ユーザーに対するサービスを継続的にリニューアルする必要があり、当社グループでは開発業務に加え、こうした運営業務も事業としており、開発業務とともに顧客より受託しております。しかし、運営売上(「運営業務による売上」)については、一部に運営業務を中止するコンテンツが発生したことから、計画の売上を下回りました。
この結果、当中間連結会計期間の売上高は15億21百万円(当初予想比1.9%増、前年同期比0.2%増)となりました。
利益面につきましては、経常利益は3億29百万円(当初予想比93.5%増、前年同期比0.8%増)、中間純利益は1億70百万円(当初予想比112.5%増、前年同期比11.0%増)となりました。
なお、当社の連結期間業績は、当社グループの中心事業が受託業務であることから発注者の販売方針、販売スケジュールに左右され、上期・下期の偏重が発生し、また偏重パターンに一定のパターンがありません。こうしたことから当中間期の業績と前中間期の業績を単純に比較しても正しい通期業績の予想はできないと考えられます。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、ゲームソフトの販売を一切行わず、国内外のゲームソフトメーカー等の顧客から家庭用ゲーム機向けソフト開発の依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を行っております。
ゲームソフトの開発工程のうち、プログラミング工程とデザイン工程の一部は中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司及び東星軟件(杭州)有限公司で行っており、総合的な開発コストの削減を行っております。
当社グループは、上期開発完了予定タイトルの下期へのずれ込みや下期開発完了予定タイトルの上期への繰り上がりが発生したものの、計画した開発数と開発売上を達成いたしました。また、開発原価についても、小規模なタイトルを中心に東星軟件(上海)有限公司による原価低減の効果が現れました。ロイヤリティ売上については、当社開発のクリスマス商戦向けタイトルが少なかったものの、全般的にソフト販売の状況が好調であったことから、計画よりも増加いたしました。
その結果、当事業の売上高は10億57百万円、営業利益4億28百万円となりました。

 

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モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、国内外のゲームソフトメーカー等の顧客からNTTドコモの「iモード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理を行っております。
当社グループは、当初モバイル向けコンテンツで計画していた事業がパソコン向けソフトの事業に変更となり、開発売上、運営売上が共にゲームソフト開発事業に計上されたことから、計画を下回りました。また、新規コンテンツの開発数は計画を達成したものの、比較的小規模なコンテンツを含んだことから、開発売上は計画を下回りました。運営業務についても、中止したコンテンツが発生したことから、運営売上も計画を下回りました。しかし、ロイヤリティ売上については、ロイヤリティ売上の増加をねらい既存コンテンツの充実に注力した結果、コンテンツを利用するユーザーの増加から、計画を大幅に上回りました。
その結果、当事業の売上高は4億19百万円、営業利益2億28百万円となりました。

その他事業

当事業は、ゲームソフト以外のソフト開発事業、パチンコ台にある液晶表示部分の画像制作事業、インターネット・オークションの管理運営事業等が含まれます。
開発売上については、携帯型ゲーム機向け教育関連ソフトが計画以上の受託とともに開発を完了したことから、計画を上回りました。
ロイヤリティ売上については、予定していた過年度に開発完了したパチンコ関連のロイヤリティが、販売時期が下期にずれたことから、計画を下回りました。
その結果、当事業の売上高は44百万円、営業利益は少額にとどまりました。

4Q

当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は米国の同時多発テロ後の先行きに対する不透明感がある中で、所得・雇用環境の悪化や個人消費の低迷等により、さらに悪化が進みました。後半は個人消費の底入れ感、輸出の大幅増加、鉱工業の在庫調整の終了等が見られ、景気は持ち直しに向かうことが期待された一方で、米国での不正会計処理の問題等による株価下落やドル安が進展したことで、世界経済の先行き不透明感が高まり、依然として厳しい状況にありました。
このような状況の中で、国内家庭用ゲーム市場では、任天堂の「ゲームキューブ」やマイクロソフトの「Xbox」等の次世代ゲーム機が順次発売され、ソニーコンピュータエンターテインメントの「プレイステーション2」の販売も好調で、ゲーム機全体の販売は大幅に増加しました。しかし、ゲームソフトの販売については、前年の停滞感を脱したものの、ゲーム機全体の大幅な販売増に比例した伸びを示しませんでした。一方で、海外家庭用ゲーム市場では、米国の同時多発テロ以降の「巣篭もり」現象も影響して、ソフト・ハード共に前年の好調を維持しました。
また、国内モバイル・インターネット市場では、携帯情報端末(情報通信機能を持つ携帯電話)の普及率が高まり携帯情報端末ハードの販売は鈍化傾向にありました。コンテンツの利用状況は、Javaアプリケーション機能や音楽再生機能、画像表現機能がより向上した機種を各携帯電話メーカーが競って登場させる中で、新機種が持つ高い機能によりコンテンツの充実が図られた結果、全体的にその伸びは好調でした。しかし、ユーザーの心を捉えユーザー数を大きく伸ばすサイトとユーザー数の伸びないサイトの格差が広がる傾向が見られました。
こうした状況のもと当社グループは、中国子会社を活用した開発力の強化策の効果もあって、ゲームソフト開発事業及びモバイル・インターネット開発事業は共に計画の開発件数を達成し、計画の開発売上も達成しました。また、モバイル・インターネット開発事業については、既存サイトの充実・拡大の方策からユーザー数の増加に取り組んだ結果、計画を大幅に上回るロイヤリティ売上を達成しました。
しかし、下期に発売された有名ゲームソフトやパチンコ台のクライアントでの販売数が計画を大きく下回ったことにより、全体のロイヤリティ売上は計画を下回りました。
その結果、当連結会計期間の売上高は33億79百万円(当初計画比5.0%減、前年比5.1%増)となりました。
利益面につきましては、経常利益は7億63百万円(当初計画比17.9%減、前年比3.5%減)、当期純利益3億74百万円(当初計画比22.5%減、前年比5.0%減)となりました。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、ゲームソフトの販売を一切行わず、国内を中心としたゲームソフトメーカー等のクライアントから家庭用ゲーム機向けソフト開発の依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を行っております。
当社グループの開発売上は、開発完了が次期となったタイトルが発生したものの、計画外のタイトルが完了したことにより、開発完了タイトル数は計画を上回り、開発売上も計画を上回りました。ロイヤリティ売上は、2001年末のクリスマス商戦での販売好調もあり、当社グループ関連のソフトの販売状況は5月度まで好調に推移しましたが、6月のサッカーワールドカップの開催を境に計画の販売数に満たず、特に、柱となる大型タイトルが大きく計画を下回ったことから、全体的に計画を達成することができませんでした。
その結果、当事業の売上高は23億45百万円、営業利益9億6百万円となりました。

モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、国内のゲームソフトメーカー等のクライアントからNTTドコモの「iモード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理を行っております。
当社グループは、国内で第三世代移動通信サービス「FOMA」への移行が進まず、従来の「iモード」、「J-sky」及び「Ez-web」のサービスが中心に動いている中で、サイトの人気も二極化の傾向が見られたことから、新規サイトの開拓よりも既存サイトの充実と拡大に重点を置き事業を進めてまいりました。開発売上は、新規サイトの構築が少なかったものの、5月発売の「504シリーズ」の関連ソフトによる開発受託の増加により、計画を上回りました。また、ロイヤリティ売上は、既存サイトの充実と拡大の方策が功を奏し、運営サイト全般のユーザー数が増加したことから計画よりも上回りました。しかし、運営売上は、一部の運営サイトに、クライアントが自ら運営業務を行うこととなったサイトが発生したことから、計画を下回りました。
その結果、当事業の売上高は9億64百万円、営業利益4億85百万円となりました。

その他事業

当社グループのその他事業は、ゲームソフト以外のソフト開発事業、パチンコ台にある液晶表示部分の画像制作事業、インターネット・オークションの管理運営事業等が含まれます。
当社グループの当事業における開発売上は、携帯型ゲーム機向け教育関連ソフトが計画以上に受託するとともに開発を完了したことから計画を上回りました。しかし、ロイヤリティ売上は、過年度に開発を完了したパチンコ台の液晶表示部分の画像制作に関わるタイトルで、クライアントでの販売が予定通りに進まなかったことが大きく影響し、計画を下回りました。
その結果、当事業の売上高は69百万円、営業利益5百万円となりました。

2003

前年度計画

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部門別

2003年2003年2003年2003年2003年2003年2003年2003年
売上Q1Q2Q3Q4ターム売上Q1Q2Q3Q4
ゲームソフト開発事業(百万円)1,1782,466ゲームソフト開発事業(百万円)1,1781,288
モバイル・インターネット開発事業(百万円)6141,193モバイル・インターネット開発事業(百万円)614579
その他事業(百万円)45137その他事業(百万円)4592
消去又は全社(百万円)----消去又は全社(百万円)----
売上高(百万円)1,8383,796売上高(百万円)1,8381,958
利益
ゲームソフト開発事業(百万円)401747ゲームソフト開発事業(百万円)401346
モバイル・インターネット開発事業(百万円)322578モバイル・インターネット開発事業(百万円)322256
その他事業(百万円)850その他事業(百万円)842
消去又は全社(百万円)-350-703消去又は全社(百万円)-350-353
営業利益(百万円)382673営業利益(百万円)382291
経常利益(百万円)391747経常利益(百万円)391356
当期純利益(百万円)204388当期純利益(百万円)204184

2Q

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、企業収益の改善や設備投資の下げ止まりなど一部に持ち直しの動きがみられるものの、イラク情勢の緊迫化による米国経済への悪影響、株価の下落、原油価格の上昇などのリスクの存在が経済全般に影響し、依然として厳しい状況にありました。
こうした中、ゲームソフト業界は、国内では家庭用ゲーム機の販売が好調であり、さらに、軟調であった家庭用ゲームソフトの販売もクリスマス商戦で定番タイトルや有名キャラクターを用いたタイトルが好調であったことから盛り返しました。一方で、近年の国内ゲームソフト販売の伸び悩みから、国内ゲームソフトメーカーを中心に業界再編の合従連衡の動きが活発化しました。海外では上期前半までゲームソフトの在庫が増加傾向にありましたが、上期期末には改善され好調でありました。
また、モバイル・インターネット業界では、国内では携帯電話に占めるブラウザフォン(ネットに接続可能な携帯電話)の普及率が高まったことによりコンテンツ全体の利用者数の拡大が鈍化したため、エンターテイメント系のコンテンツプロバイダ間では利用者獲得に向けたコンテンツの質的な競争が激化しました。海外では、全携帯電話に対するブラウザフォンの普及率はいまだ低く、その需要の掘り越しに通信キャリアや携帯電話機器メーカーの取り組みが活発化しております。
こうした状況のもと当社グループは、ゲームソフト事業では予定の開発タイトルを完了し、開発売上高がほぼ計画通りとなりました。これに加えて開発業務に携わったタイトルの販売状況も全般的に好調であったことからロイヤリティ売上高は計画を大きく上回りました。
また、モバイル・インターネット事業では受託開発コンテンツ数や関連コンテンツの利用者数がともに好調に推移し、売上高が大幅に計画を上回りました。
この結果、当中間連結会計期間の売上高は18億38百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
利益面につきましては、営業利益3億82百万円(前年同期比28.5%増)、経常利益3億91百万円(前年同期比18.9%増)、中間純利益2億4百万円(前年同期比19.8%増)となりました。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、ゲームソフトの販売を一切行わず、国内及び海外のゲームソフトメーカーなどの顧客から家庭用ゲーム機向けソフト開発の依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を行っております。
ゲームソフトの開発工程のうちプログラミング工程とデザイン工程の一部は、中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司及び東星軟件(杭州)有限公司で行っており、総合的な開発コストの削減を行っております。
開発の状況として、国内ゲームソフトメーカーの合従連衡の動きがある中で、計画したタイトルに開発中止などは発生せず、ほぼ順調に開発業務を完了したことから、開発完了タイトル数は計画の22タイトルに対し21タイトルとなり、開発売上高は7億89百万円となりました。
ロイヤリティの状況として、国内ゲームソフトの販売数量が近年低迷していること考慮し、当会計期間のロイヤリティ売上の計画を設定しておりましたが、開発業務に携わったタイトルの販売も全般的に好調であったことから、ロイヤリティ売上高は3億89百万円となりました。
また、海外ゲームソフト市場が好調なことを背景に、グローバルに開発業務の受託機会を得ようと、海外ゲームソフトメーカーへ積極的なアプローチを行いました。今後、受託件数の増加が見込まれます。
その結果、当事業の当中間連結会計期間の売上高は11億78百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益4億1百万円(前年同期比6.3%減)となりました。
 

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モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、国内のゲームソフトメーカーなどの顧客からNTTドコモの「iモード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理を行っております。
国内では携帯電話に占めるブラウザフォンの普及率が高まったことにより、コンテンツ全体の利用者の拡大が鈍化した結果、エンターテイメント系のモバイルサイトを新設した場合、その利用者の獲得が困難なものとなっております。そこで当社グループは、前期より顧客であるコンテンツプロバイダとともに携帯電話の新機種が持つ新機能にコンテンツを対応させるなど、既存モバイルサイト内のコンテンツを充実させることに注力してまいりました。
海外では、ブラウザフォンの普及率の上昇した時に備え、現地の通信キャリア、携帯電話機器メーカー及びコンテンツプロバイダとの関係づくりに取り組むとともに、内蔵型コンテンツなどの開発業務の受託を開始しました。
これらにより、上期における開発完了コンテンツ数は計画の26コンテンツに対し38コンテンツとなり、開発売上高は2億23百万円となりました。
また、運営業務による既存コンテンツの充実によりコンテンツ利用数も全般的に順調に推移し、運営売上高は1億66百万円、ロイヤリティ売上高は2億23百万円となりました。
その結果、当事業の当中間連結会計期間の売上高は6億14百万円(前年同期比46.5%増)、営業利益3億22百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
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その他事業

当事業は、ゲームソフト以外のソフト開発事業、パチンコ台にある液晶表示部分の画像制作事業、インターネット・オークションの管理運営事業等が含まれます。
当事業では、パチンコ台の液晶表示部分の画像制作業務の完了による開発売上とインターネットオークションのサイト運営管理による運営売上を計上しました。
その結果、当事業の当中間連結会計期間の売上高は45百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益8百万円(前年同期比464.4%増)となりました。

4Q

当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として厳しい状況が続きましたが、企業収益が緩やかながらも改善し、後半には設備投資の持ち直しや低迷を続けていた株価の反発回復が見られ、イラク戦争や国際テロ、SARS(重症急性呼吸器症候群)など海外情勢に不安材料があるものの、アメリカ経済等の回復が持続すれば、先行きに対し期待が持てるようになりました。
こうした中で、国内家庭用ゲーム市場は、ハードウェアの販売台数はゲームボーイアドバンスがSP機(折りたたみ式)の発売効果により好調であったものの、全体的には前年を下回る状況となりました。ソフトウェアの全体的な販売本数は前年を上回るものの、全体的な発売タイトル数の増加により、タイトル毎の販売本数は平均5~6万本と低下し、一部の有力タイトルを除いては採算を取ることが難しい状況となってまいりました。こうした状況から国内ゲームソフトメーカーを中心に業界再編の動きが活発化しました。一方で、拡大する北米の家庭用ゲーム市場は、ハードウェアの販売台数は現行世代機の普及が一巡したことから前年を下回ったものの、ソフトウェアの販売状況は堅調に推移しました。
国内モバイル・インターネット市場は、市場全体でサービス展開されるモバイルサイト数の増加により、収益が得られる水準の利用者数を獲得できる人気サイトを育てて行くことは徐々に難しくなってまいりました。一方で、海外モバイル・インターネット市場は、全世界において携帯電話の利用者数は増加しておりますが、ブラウザフォン(モバイル・インターネットにアクセス可能な携帯電話)は日本や欧州の一部地域を除いてはまだ普及しておりません。しかし、アメリカや中国では、その需要の掘り起しに各国の通信キャリアや携帯電話機器メーカーの取り組みが活発化しており、その期待が高まっております。
こうした状況のもと当社グループは、ゲームソフト開発事業とモバイル・インターネット開発事業のいずれの事業も計画の開発件数を大幅に上回りました。しかし、ゲームソフト開発事業において大型タイトルの完了が次期に延びたことから、全体の開発売上高は計画を下回りました。ゲームソフト開発事業のロイヤリティ売上高は、上期については計画を上回っておりましたが、下期については比較的大きなタイトルが計画を下回ったことから、全体的に計画を大きく下回りました。一方、モバイル・インターネット開発事業のロイヤリティ売上高は、新規コンテンツの利用者数を着実に確保できたことや従来コンテンツの利用者数も堅調に推移させることができ、計画を大きく上回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は37 億96 百万円(前年度比12.3%増)となりました。
利益面につきましては、経常利益は7億47 百万円(前年度比2.0%減)、当期純利益3億88 百万円(前年度比3.8%増)となりました。
また、当社グループは、2003 年3月、TOSE SOFTWARE USA, INC.を設立いたしました。国内より大規模な欧米ゲームソフト市場や拡大期待の高まる米国モバイルコンテンツ市場で積極的に事業を展開するための拠点としてまいります。

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ゲームソフト開発事業

当社グループのゲームソフト開発事業は、国内及び海外のゲームソフトメーカーなどの顧客から家庭用ゲーム機向けソフト開発の依頼を受け、ゲームソフトの企画・開発を専門に行っており、商品の販売は一切行っておりません。
ゲームソフトの開発工程のうちプログラミング工程とデザイン工程の一部は、中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司及び東星軟件(杭州)有限公司で行っており、総合的な開発コストの削減を行っております。
開発の状況としては、中心的なクライアントである国内ゲームソフトメーカーに合従連衡の動きがありましたが、開発中タイトルの状況や新規受注の状況に大きな影響はありませんでした。開発タイトル数はローカライズ業務(既存タイトルを当初とは異なる国(地域)に販売するために、言語や表現など目標とする国(地域)に合わせた改変を行う業務)を積極的に取り組んだことで計画の41 タイトルに対し48 タイトルと増加しました。しかし、大型タイトルの完了が次期に延びたことから、開発売上高は17 億99 百万円となりました。
ロイヤリティの状況は、国内ゲームソフト市場全体の1タイトル当たりの販売本数が近年低迷していることを考慮し計画を設定しており、上期はタイトル全般に計画を上回った中で、一部の海外向けタイトルが予想外に好調であったことから計画を上回るロイヤリティ売上高が得られました。しかし、下期は国内ゲームソフト市場全体の1タイトル当たりの販売本数がさらに落ち込んだことから、当社グループ関連タイトル全般に計画の本数を下回り、通期のロイヤリティ売上高は6億64 百万円となりました。
また、海外ゲームソフト市場が好調なことを背景に、グローバルに開発業務の受託機会を得ようと、海外ゲームソフトメーカーへ積極的なアプローチを行いました。今後、受託件数の増加が見込まれます。
その結果、当事業の連結会計年度の売上高は24 億66 百万円(前年度比5.1%増)、営業利益7億47 百万円(前年度比17.5%減)となりました。

モバイル・インターネット開発事業

当社グループのモバイル・インターネット開発事業は、国内のゲームソフトメーカーなどの顧客からNTTドコモの「iモード」に代表されるモバイル・インターネットのコンテンツを中心に依頼を受け、コンテンツの企画・開発やコンテンツを提供するサーバーの保守管理を行っております。
中国の開発子会社である東星軟件(上海)有限公司及び東星軟件(杭州)有限公司においても海外モバイル・インターネット市場の拡大に備えた、技術的教育を実施し、当事業における開発体制の強化を開始しております。
国内モバイル・インターネット市場は、携帯電話機の販売台数は鈍化しているものの、今年度末の携帯電話通信キャリアの契約者数の合計は前年度末に比べ9%程度増加し、その内、ブラウザフォン(モバイル・インターネットにアクセス可能な携帯電話)の契約者数は、表示精度の高い液晶や解像度高いカメラを搭載した新機種の登場もあり16%以上の増加をしました。しかし、市場全体でサービス展開されるモバイルサイト数は益々増加しており、エンターテイメント系のサイトでは利用者の獲得競争が激しくなり、収益が得られる水準の利用者数を獲得できる人気サイトを育てて行くことは徐々に難しくなってきております。
開発の状況としては、内蔵コンテンツ(購入時から携帯電話に内蔵されているコンテンツ)など携帯電話新機種に関連するコンテンツ開発業務を積極的に取り組んだことから、開発完了タイトル数は計画の40タイトルに対し56 タイトルとなり、開発売上高は3億91 百万円となりました。運営の状況としては、一部に運営中止サイトが発生したことや、運営売上とロイヤリティ売上の契約条件の変更がされたサイトが発生したことで、運営売上高は3億36 百万円となりました。
ロイヤリティの状況としては、サイト間での利用者の獲得競争が激しくなる中で、新規サイトの立ち上げは難しくなってきており、当社グループでは既存サイト内のコンテンツの充実に注力してまいりました。
その中で、新規コンテンツの利用者数を着実に確保できたことや従来コンテンツの利用者数も堅調に推移させることができ、ロイヤリティ売上高は4億65 百万円となりました。
その結果、当事業の連結会計年度の売上高は11 億93 百万円(前年度比23.7%増)、営業利益5億78 百万円(前年度比19.0%増)となりました。

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その他事業

当社グループのその他事業は、ゲームソフト以外のソフト開発事業、パチンコ台にある液晶表示部分の画像制作事業、インターネット・オークションの管理運営事業等が含まれます。
当事業としては、パチンコ台の液晶表示部分の画像制作業務および3Dソフトウェア開発業務の完了による開発売上高で1億17 百万円、インターネット・オークション運営管理による運営売上高11 百万円を計上しました。
その結果、当事業の連結会計年度の売上高は1億37 百万円(前年度比97.4%増)、営業利益50 百万円(前年度比860.5%増)となりました。