業界仕組みネタ2/デジタルコンテンツEXPO2010

Last-modified: 2010-10-19 (火) 22:14:41

http://www.rbbtoday.com/special/1704/recent/CEATEC

【デジタルコンテンツEXPO 2010】ARと嗅覚情報でプレーンなクッキーが様々な味に変化!東京大学研究室がデモ

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/17/45097.html
プレーンなクッキーなのに、そこにアーモンドクッキーの画像と嗅いを重ねると、あたかもアーモンドクッキーを食べているかのような味覚を味わうことができる。そんな展示デモコーナーに長蛇の列ができていた。

来場者は、まずヘッドマウントディスプレイを装着し、プレーンの上に表示されるアーモンド、レモンなどいくつかのクッキー画像を選択する。カメラはクッキーの3次元位置、クッキーと鼻の距離、クッキーの残っている部分などのほか、体験者がクッキーを口に入れたことを検出。同時にヘッドマウントディスプレイに装着されたポンプが、選択したクッキーの臭いを体験者に提示する。この時の臭いの強さは鼻との距離も考慮されている。

「Meta Cookie+」と名付けられたこのシステムは、東京大学・廣瀬・谷川研究室が開発したもので、プレーンなクッキーにAR情報を付加。視覚情報と嗅覚情報を与えることで、味の異なるクッキーを体験できるという味覚提示への新アプローチだ。

【デジタルコンテンツEXPO 2010】現実に与えられてない触覚を疑似体感……早稲田大学が触運動錯覚呈示システム

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/17/45098.html
早稲田大学の研究チームは、触運動錯覚呈示システムのデモを行っていた。

 これは3D映像と触覚を組み合わせることで、現実には与えられてない触運動の錯覚を体験することができるというもの。

 体験者は3Dの映像を通して自分の手の甲がペンでなぞられているのを観察。その後ペンの動きを停止し、今度はペンと同じ動きをするポインタ(光)で手の甲をなぞってみる。すると、まるでペンでなぞられているかのような錯覚を起こす。筆者は実際に体験してみたが、ポインタが動くにしたがって、なんとも言えないモヤモヤとした感覚が手の甲に残った。

 スタッフによると疑似触覚だそうだが、将来の可能性について次のように話している。「まだ応用はされていなが、普通の触覚とは違う感じが伝わってくるもの。今までにない新たな新感覚としてゲームなどに応用しているのではないか?ナビゲーションでも、触覚に引っ張られて道案内されるようなアプリケーションも作れるのでは?と考えている」。

【デジタルコンテンツEXPO 2010】仏アルデバラン・ロボティクス、人型ロボット「NAO」を公開

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/17/45101.html
仏アルデバラン・ロボティクス社(Aldebaran Robotics)は、東京大学への採用が決定した教育・研究用人型ロボット「NAO」を、「デジタルコンテンツEXPO 2010」でデモンストレーションした。

NAOのAPIを利用することで、C++、Urbi、pythonといった言語で作成したオリジナルソフトウェアでロボットを制御することが可能。頭部のカメラ、超音波センサなど約100個のセンサからの情報もプログラムから参照できる。クラウドにも対応できるよう、有線・無線LAN内蔵でインターネットなどと連携したサービス研究も視野に入れた設計になっているという。

身長は58cm、重量は4.3kg。電源はリチウムポリマー電池となっており、2時間の充電で約90分動作する。

【デジタルコンテンツEXPO 2010】モーションキャプチャとCGキャラクターを使ったAR技術

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/19/45135.html
先週末に日本未来科学館にて開催されたデジタルコンテンツエキスポ2010にて、プレミアムエージェンシー、イマジカ、日本IBM、神奈川工科大学 小島研究室は、「RT2 chara AR プロジェクト」というリアルタイムモーションキャプチャシステムを利用したARデモを展示しました。

会場では、厚木と五反田にあるモーションキャプチャースタジオでキャプチャされたモーションを、リアルタイムで受信し、それをIBMサーバー上で動くプレミアムエージェンシーの開発するゲームエンジン「千鳥」で処理。キャラクターにモーション付けを行い、会場のディスプレイに表示をしていました。

高性能なレンダリングマシン/レンダリングエンジン/高速なネットワーク回線が組み合わさって初めて実現できる技術と言えます。

プレミアムエージェンシー取締役でBiz Devセクション チーフプロデューサーの高橋鮎美氏は、音ン楽ライブでの映像やデジタルサイネージなど用途は幅広いと話していました。様々なゲームタイトルで利用されているゲームエンジンである「千鳥」は、ゲーム以外の用途でも特にARの分野で引き合いが多くなっているということです。

【デジタルコンテンツEXPO 2010】3DCGキャンプも盛況

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/19/45136.html
イーフロンティアとディーストームは、日本未来科学館で開催されたデジタルコンテンツエキスポ2010の公式プログラムとして「3DCG CAMP 2010」を実施し、多くの来場者が訪れました。

3D対応テレビの登場や来年年明けにはニンテンドー3DSも発売されることで、日常で3Dを楽しむ機会が増えてきました。その一方で、3Dを制作する側の環境は整備されているとは言い難いものがあります。「3DCG CAMP」はその現状を打破したいという思いで開催が決定されました。

会場ではイーフロンティアから発表されたばかりの「Shade 12」も出展。最新バージョンでは3DCGの制作が可能となりました。3Dはまだまだ再現する環境が限られますが、様々なディスプレイでの出力に対応しているほか、付属している赤青メガネで確認する事も出来ます。

豊通マシナリーでは、世界最速をうたうフルカラー3Dプリンタが出展。3Dデータを用意することで、容易に立体モデルを造形することができます。価格は298万円~

デジタルコンテンツエキスポ2010のメイン会場とは少し趣が異なりますが、いま話題の3Dということで、多数の方が来場、足を止めていました。

【デジタルコンテンツEXPO 2010】3Dクリエイターが創り上げていく次世代メタバース「BlueMars」

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/19/45137.html
米ハワイで仮想世界サービス「BlueMars」を手がけるアバターリアリティCEOの橋本和幸氏は、デジタルコンテンツエキスポ2010で15日、「3Dクリエータのためのバーチャル・ワールド"Blue Mars"」と題したセミナーを行いました。橋本氏は「BlueMars」のプレゼンテーションを行いながら、「日本人のクリエイターが作るアイテムは、レベルが高く人気を集めているが、参加者が少ない」として、参加を促しました。

「BlueMars」は「セカンドライフ」に似たPC向けの次世代メタバースで、テラフォーミングで人間が居住可能になった西暦2177年の「青い火星」が舞台という設定です。橋本氏をはじめ、映画版「ファイナルファンタジー」のスタッフが中心になって制作が進んでおり、高精細なグラフィックと、著作権や知的財産権の整備が特徴です。同時接続者数もサーバクラスターあたり1万人を目標としています。

「BlueMars」がはじめてメディアに露出したのは07年の米「E for ALL」会場でした。そこから着々と開発が進み、昨年9月にオープンβがスタート。現在までの登録会員数は4万人で、そのうちディベロッパー登録者は6千人、登録Cityは90個に達しています。ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金モデルで、すでにプレイヤーによるアイテムの生成・売買・換金が始まっています。アイテムの売り上げで、1度に10万円の換金を行ったプレイヤーもいたとのことでした。

また、同社の出資元に世界中で「テトリス」の版権を管理しているザ・テトリス・カンパニーがあります。「BlueMars」内でも、近く「テトリスCITY」を設立して、テトリスファンのコミュニティを育成していくとのことです。

橋本氏はゲーム開発者向けの特徴として、ハイクオリティな3Dグラフィックスで手軽にカジュアルゲームが作れる点を上げました。今日ほとんどのウェブゲームは2D表現に留まっていますが、「BlueMars」ではスクリプト言語のLuaを用いて、本格的な3Dゲームを開発できます。ツールやAPIも整備され、Maya、Max、XSI、そしてSHADEといった主要DCCツールにも対応。ユーザー管理や課金システムも、システム側でサポートされます。
 
またウェブ開発者に対しても、3Dワールドでシリアスゲームが開発できるメリットを上げました。「セカンドライフ」と異なり、1エリアでの同時接続者数の制限が非常に緩いため、大規模な体験型トレーニングやバーチャルカンファレンスなども可能です。橋本氏はシンガポールの通信会社「シングテル」が社内向けのバーチャルカンファレンス用に「BlueMars」を活用した事例なども紹介しました。

もっとも一番の恩恵を受けるのは、やはり3DCGクリエイターでしょう。衣服・アバタースキン・家具などの作品を、仮想アイテムとして販売できます。売り上げはPaypalアカウントを介して、リアルマネーで還元される仕組み。プレイヤーがアイテムを装着する際、データベースサーバにアクセスして、違法複製を防ぐ仕組みも盛り込みました。毎週金曜日にはサポートエンジニアが登場し、チャットで技術サポートも開催中です。

ちなみにDirect X11にも年内から来年早々にかけて対応が予定されています。Direct X11ではポリゴンをハードウェアで自動的に分割する、テッセレーション機能が実装されています。これによって衣服などの輪郭線や、キャラクターが装着した際に生じるしわなどを、さらに正確に表現できるようになります。バーチャル店舗とリアル店舗との商品連動などを考慮した際、嬉しい機能だと言えそうです。

橋本氏は「BlueMars」が当初からワールドワイド展開を前提に開発・運用されている点を強調しました。これにより、CGクリエイターは自分の作品を世界で販売することが可能です。そのためクライアントソフトの日本語化は極力行わず、UIにアイコンを多用するなどして、ユニバーサルサービスとしての品質を上げていくのが基本方針。一方で会員登録ページについては、早急に日本語化を進めたいと述べました。

「BlueMars」のクライアントソフトは公式サイトから無料ダウンロード可能です。開発者向けガイドは「Blue Mars Asset Creation」が公式Wikiで展開中(英語)。日本語のガイドも「wiki.shadecity.net/」で準備中です。ゲームエンジンには独CryEngine2が採用されており、こちらのWikiにも情報が掲載されています。