箱根八里

Last-modified: 2016-05-04 (水) 14:37:12
箱根の山は 天下の嶮
函谷關も ものならず
萬丈の山 千仞の谷
前に聳え 後方にささふ
雲は山を巡り 霧は谷を閉ざす
昼猶闇き 杉の並木
羊腸の小徑は 苔滑らか
一夫關に当たるや 萬夫も開くなし
天下に旅する 剛氣の武士
大刀腰に 足駄がけ
八里の碞根 踏みならす
かくこそありしか 往時の武士

箱根の山は 天下の岨
蜀の桟道 數ならず
萬丈の山 千仞の谷
前に聳え 後方にささふ
雲は山を巡り、霧は谷を閉ざす
昼猶闇き 杉の並木
羊腸の小徑は 苔滑らか
一夫關にあたるや 萬夫も開くなし
山野に狩りする 剛毅の益荒男
猟銃肩に 草鞋がけ
八里の碞根 踏み破る
かくこそありけれ 近時の益荒男

概要

  • https://www.youtube.com/watch?v=N1S9XXXz10A
  • 箱根八里は、1901年(明治34年)に発行された「中学唱歌」に初出の唱歌である。
  • 鳥居忱作詞、滝廉太郎作曲。
  • 題名の箱根八里とは旧東海道で小田原宿から箱根宿までの四里と箱根宿から三島宿までの四里をあわせたもの。
    東海道では大井川とともに難所として知られていた。
    箱根馬子唄でも「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」とうたわれる(この唄を指して「箱根八里」と呼ぶこともある)。
    歌詞は2連で1番に「昔の箱根」2番に「いまの箱根」の副題がつけられている。
    広く知られている歌ではあるものの李白の漢詩『蜀道難』の一節「一夫當關 萬夫莫開」が歌詞に織り込まれるなど漢籍にみられる故事や古典歴史に由来する事項が多く盛り込まれており21世紀の日本人の多くにとっては比較的難解である。
    歌詞に登場する「函谷関」は中国の長安と洛陽の間長安のある関中の地への入り口を扼する関所で王朝の死命を制する要衝として有名であり『史記』における漢の劉邦と楚の項羽の攻防や孟嘗君の故事などで知られまた「蜀の桟道」は蜀の地すなわち四川盆地を守るに堅い要害としている山中の難所でやはり劉邦の天下取りへの備えとなった故事がある。
    いずれも箱根の関所のある山道の険しさを、漢籍古典になだたる難所要害にたとえているものである。
    曲はヨナ抜き音階で書かれリズムはピョンコ節あり三連符ありでバラエティーに富んでいるが歌詞にマッチした勇ましい行進曲調のものである。
    現在では箱根登山鉄道小田原駅、箱根湯本駅、強羅駅、早雲山駅の発車メロディや箱根登山ケーブルカー(強羅駅・早雲山駅のみ)・箱根登山バスの車内チャイムとしても使われている。

コメント

  • ナニココ -- 2016-05-03 (火) 04:21:43