衛とあにぃのドキドキランニング

Last-modified: 2016-05-16 (月) 20:17:26

「あにぃと一緒にランニングなんて久しぶりだなぁ~」
衛はベットの上で枕を抱えながら天井を見上げていた
兄とお出かけしてたら、偶然リレーマラソン大会のポスターを見かけ、一緒に走らないか?と誘われたからである
「まさかあにぃから誘ってくれるなんて嬉しいな!」
笑いながらベットの上でゴロゴロと転がり出す衛
「さてと、大会まであにぃと一緒にランニングするぞー!」
枕を上に掲げ、やるぞという表情になる

翌朝
「あにぃ、おはよー!さぁ一緒に走ろう!!」
衛はまだ眠たげな兄をベットから引きずり出そうとする
やれやれといった表情で兄は着替えるから玄関で待っていなさいと衛に伝える
数分後、衛は兄と一緒に近くの河原でランニングをしていた
「こうして、あにぃと一緒に走るのも久しぶりだね♪」
衛は笑顔で兄に話かけた
兄は最近忙しかったからなぁと衛にすまない感じで返事をした
「べ、別にさみしくなんかなかったよ。むしろ、あにぃが大丈夫かなぁって思ってたけどさ」
かぁっと表情が赤くなる衛
少し照れくさくなったか、兄はもう少しペースを上げようかと話題を切り替えてきた
「うん!あにぃはちゃんとボクについてきてよね!!」
衛は嬉しそうに走り出していった

「ぷっはー、運動後の水は最高だねあにぃ」
近所の公園で一休み
美味しそうに水を飲む衛を温かく見守る兄
ほんのひと時の安らぎの空間
時の流れを忘れさせてくれる
「あにぃはまだまだだね」
終盤、衛のペースについていけずに兄が遅れてしまった
兄はたはは、と笑いながら頭を掻いていた
「もうそんなんじゃ、大会でちゃんと走れないよ!」
はいはい、という感じで兄は答えた
そろそろ朝食の時間だし帰ろうという兄
少し物足りなさそうだが、しぶしぶ従う衛
「帰りも競争だからね、あにぃ!」

学校
給食の時間に、深くため息をつく衛
「まさかあにぃに抜かされるなんて、手加減されてたのかなぁ…」
朝のランニングで帰りは兄に思いっきり離されてしまった事を思い出していた
どうしたの衛ちゃん?とクラスの女子から心配する声が
「あぁ、ごめんなんでもないよ」
笑ってごまかす衛
どうせお兄ちゃんの事ばかり考えていたんでしょうと、別の女子がからかってきた
「そそそそ、そんなボクはあにぃの事ばっかり考えてるだけじゃないよ」
顏真っ赤じゃん~と女子たちに笑われる
お風呂も一緒に入ってるの?と別の女子から尋ねられる
「ちちちち、違うよ流石にもう一緒にはお風呂入らないよ!」
全身真っ赤になって否定する衛
冗談だよ~と女子達にからかわれる
「もう、本当に…」
でも衛ちゃんがうらやましいなぁ~と別の女子が
私お姉ちゃんだから、頼りになるお兄ちゃんが欲しかったのよねぇと話題を切り替えた
「うん、確かにあにぃは頼りになるよ。たまにおっちょこちょいだけどね」
思春期の少女たちの話しに花が咲いてきた

「ただいま~、あにぃいる?」
学校から帰宅して、兄が帰ってきてるか確認してみる衛
だが返事はなかった
「部屋で寝てるのかな?」
兄の部屋のドアを静かに開けてみる
部屋の中には誰もおらず、雑誌やらゲーム機が散乱してる有様だった
「もう…あにぃったらちゃんと片付けないんだから」
身の回りの物を整理整頓し始める
そんな中、カードの束を見つける
「なんだろうこれ?女の子が武器みたいなの背負ってたりするなぁ」
衛はカードの束を
「雷に響、あっ白雪ちゃんもある。可愛いイラストばかりだなぁ…って、ええ!!」
突如、顔を真っ赤にする衛
その手に持っているのはキラキラと光るカードに半裸の女性キャラが描かれているものだった
「あにぃも男の人だし、こういうのを持ってるのは分からなくはないけど…やっぱり胸が大きな女性が好きなのかなぁ……」
その時、玄関先からただいまーと兄の声が
「うわぁぁ!!、どうしようひとまずでなきゃ!」
慌ててカードを持ったまま、部屋を飛び出す衛
「おかえりあにぃ」
なんとか平常心で返事をする
もう帰ってたのかと、兄が返事をする
「そ、そういえばあにぃの部屋散らかってたよ!ボクが少し片付けておいたからね!」
その言葉を聞き、少し驚く兄
まだ衛は半裸の女性キャラが描かれているカードを手に持ったままだった
「ど、どうしようこれ…」
衛は混乱している
部屋に戻ろうとする兄の動きを見るや、すぐさま自分の部屋に駆け込んでしまった

「はぁ…あにぃにどういってこれ返そうかなぁ…」
金色に光るカードを掲げてベットに寝転がる
「やっぱ、黒髪のロングが好みなのかなぁあにぃ…」
「ボクのロングにしてみたら…似合うかなぁ?」
自分がロングの黒髪姿になったのを想像してみる
「うぅん、やっぱ似合わないや」
そのままベットで眠りに入っていった

翌朝
兄が物凄く困った表情をしていた
衛が具合でも悪いの?尋ねると、カードが見つからないと返事をした。
(もしかしてボクが持っていっちゃったカードの事かな…?)
恐る恐るどんなカードか聞いてみると、船を女の子にしたゲームでやっと出たレアカードとの事
昨日部屋片付けた時、見なかったか?と兄に問われると
「え、なんのことかなぁ、あははは」
とぼける衛
「さぁそんなことより、今日もランニング行くよあにぃ!」
憂鬱そうな兄を引っ張り出して、外へと出掛けていく

「どうしよう…やっぱ、ちゃんと言うべきかな…」
走りながら悩む衛
様子がおかしいことに気づいた兄は衛を心配そうに見つめ、辛いなら一休みしようか?と提案してきた
「えっ、あ、うんそうだね少し休憩しようよ」
やはり元気がないように感じる兄はスポーツドリンク買いに行ってくるからここで待ってなさいと告げ、自動販売機を探しに出かけた
「ふぅ…なんかあにぃに心配かけちゃってるなぁ…帰ってきたらちゃんと言わなきゃ…」

突如昨日手にしたカードの絵柄を思い出し、顔を真っ赤にする衛
それでも勇気を振り絞って、兄にこう伝えた
「あにぃ…おっぱいの大きな女の人のカードならボクが預かっているよ!!」
慌てふためく兄
「ごめんなさい!ボクが見つけちゃって」
更に慌てる兄