2020年から2022年にかけて広島東洋カープを襲った悪夢のこと。同時期に広島東洋カープの監督を務めた佐々岡真司本人およびその珍采配のことを指す。単に「ササオ禍」とも呼ばれる。
【目次】
概要
2019年オフ、緒方孝市の辞任に伴い佐々岡が広島の新監督に就任。監督1年目の2020年は前監督・前々監督の1年目同様に珍采配を連発。チームも5位に低迷し、試合後のコメントも選手批判や他人事のような内容が目立った。
2年目となった2021年も采配面で目立った改善は見られず。打線が残塁の山を築いただけでなく、投手陣が大炎上し惨敗が続く*1などした結果、7月1日に自力優勝の可能性が消滅した。
この頃から広島の惨状が「コロナ禍より恐ろしいササオ禍」と恐れられるようになった。そして佐々岡には「ササオ禍」、2021年に一軍ヘッドコーチに4年ぶりに復帰した河田雄祐*2には「禍ワダ」や「ヤクルトのスパイ*3」という蔑称が与えられた。
10月23日には2年連続のBクラスが確定、最終的には4位でシーズンを終える事となった。特にチーム打率はリーグ1位ながら残塁、走塁死が非常に多く得点はリーグ4位であったため、ベンチワークの悪さを槍玉に挙げられていた。
3年目の2022年は多くの解説者に最下位予想をされるも、監督自らモチベーターとなり下馬評を覆した開幕ダッシュに成功。
敗戦後も明らかな選手批判と取れるコメントが減るなど一定の改善を見せたと思われたが、鬼門の交流戦で大失速*4。
交流戦明けには開幕から最下位を爆走していた阪神に抜かれBクラスに転落。それと共に采配や言動も元通りになってしまった。
以降は阪神、巨人とシーズン最終盤までCS争いを繰り広げるも9月30日にCS進出が消滅、シーズン順位5位が確定。10月2日には佐々岡監督の辞任が発表され、“ササオ禍”は幕を閉じることとなった*5。
なお、佐々岡のみならずコーチ陣も度々迷言を残し物議を醸すのもササオ禍の特徴である。
発祥
https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1623486480/
703 風吹けば名無し2021/06/12(土) 18:07:07.49 ID:cJBtUkRMa
>>664
コロナ禍より恐ろしいササオ禍や
昨日ノムケンと一緒にカープ戦を観戦する夢見たわ
何故カープが勝てないか横で細かく説明してくれた
采配に関する傾向
- 野手起用に関する批判が特に多い*6。
- 松山竜平・田中広輔・會澤翼などのベテラン野手を(不調であっても)重用しすぎる傾向がある。
- とにかく顕著な左右病。前日活躍した選手をスタメンから外すのは当たり前。
- (長打のある選手が少ないので仕方ない部分もあるが)犠打が非常に多い。また、走力のある選手が多い割に走塁死が多く盗塁数が少ない*8。
- 逆転を許してから守備固め。
- 投手交代をはじめとしたベンチワークが遅く度々裏目に出る*9。
- 自身の采配を棚に上げて選手批判を行うことが多い。
- 特に先発投手に対し厳しく批判することが多い。
- 一方で、投手の目利きの良さや中継ぎ投手の疲労分担など投手出身ならではの一面や、FA取得選手*10を全員残留させる等、人望の厚さは評価されている。
年度別ササオ禍まとめ
2020年
- 7回を投げ112球2失点の九里亜蓮を8回も続投。結果は7回2/3を142球5失点。なお、九里はこの日29歳の誕生日であった。
- 前半戦を終え首位巨人と10ゲーム差離れていたにも関わらず、横山竜士投手コーチが4連投の解禁を示唆*12。
- 9月20日のヤクルト戦、7点ビハインドで迎えた9回に先頭の4番鈴木誠也が出塁すると代走に曽根海成を送る。その後カープ打線が爆発し5点を奪い2点差と迫りなおも2死一・三塁で4番に打順が回ってきてしまう→代打に正随優弥を送るも空振り三振に倒れゲームセット。
- 9回裏1点ビハインド。ベンチに磯村嘉孝が捕手で控えていた上、コロナ特例ルールで延長は10回までだったにも関わらず、出塁した捕手の會澤翼に代走を送らずに敗北。
- もう一発事件が起き物議を醸す。
- 辛口で知られる広岡達朗に「監督が変わっただけでここまでチームが悪くなるものか」と言われる。
2021年
- 開幕戦、8回4点リードにも関わらず松山竜平に守備固めを出さず、松山のエラーがきっかけで逆転負け。
- チームは右の長距離砲が不足していたのにもかかわらず、上本崇司・三好匠・安部友裕といった俊足の似たようなタイプの野手ばかりをベンチに置く。それに対し、二軍で二桁のホームランを放っていた正随優弥をなかなか昇格させずに批判される*13。
- 8回裏・1点ビハインドの場面で左打者の小園海斗(対右投手.274・対左投手.399)に対し、巨人ベンチは左腕の中川皓太*14を起用。これに対し佐々岡監督は小園から右打者の上本(対右投手.636・対左投手.143)にスイッチし犠打をさせるも、結果はバント失敗からの右飛。テレビ解説で出演していた井端弘和からも苦言を呈される。
- 開幕から1ヶ月間打率が1割台に低迷する田中広輔や堂林翔太をスタメン起用。その一方、二軍で一時打率3割越えの中村奨成*15、小園海斗*16をなかなか起用せず。
- 田中の不振に対し河田ヘッドコーチが「正直、本当に早く1番、2番打ってほしいんだけど」と発言し非難を浴びる。
- セーブ機会で守護神・栗林良吏を使わず*17、怪我明けのヘロニモ・フランスアを出すも、打ち込まれてサヨナラ負け。
- 無死満塁から2者連続で初球スクイズを決められる。
- 1回表、相手先頭打者に対して守備交代。捕手の磯村嘉孝と一塁手の坂倉将吾を入れ替える。
- 両者ともに捕手・一塁を守れる選手であるため、オーダー表でポジションの表記を間違えた可能性が考えられる。
- 2点ビハインドの9回表、2死2、3塁の場面で外野に前身守備を敷かせるも相手打者・亀井善行にレフトオーバーの二塁打を打たれとどめを刺される。試合後、温厚な性格で知られる藤川球児や和田一浩*18に采配を批判される。
- カープOBの黒田博樹や野村謙二郎にも苦言を呈される。
- 金石昭人(広島OB)「ベテランに対して優しすぎて若手の育成の邪魔になっている。監督に何の策もない」*19
- 投手をカイル・バードから森浦大輔に、左翼手を西川龍馬から上本崇司に交代するも、左翼手の交代を球審に伝え忘れるというまさかのミス。その後投手を代える際に事後報告したが、試合後にコミッショナーから厳重注意を受ける。
- 2021年9月11日の阪神戦(マツダ)の試合中、一軍打撃コーチ・朝山東洋が阪神先発・秋山拓巳のストレートを「不思議なストレート」とコメントし広島ファンを呆れさせる。試合は広島キラーの秋山を相手に6回2アウトまでノーヒットに抑え込まれ、当然のごとく敗戦。試合後、朝山は佐々岡らと共に非難され自身の通算安打数に因んだ「49安打」という蔑称を与えられる。
- 朝山打撃コーチが不振のケビン・クロン(現KBO)に対しダウンスイングの指導をするも、コミュニケーション不足で意図が正しく伝わっていなかった可能性があると報道される。後に本人の証言から事実であったことが判明。
- 9回表一死一・三塁、途中出場の大盛穂にスリーバントスクイズを指示。結果は完全に読まれてスクイズ失敗ゲッツー。試合は辛くも勝利。
- シーズンの半分も消化していない時期から「佐々岡監督は今季限りか」という記事が載せられる。
- 選手達から「佐々岡監督はいい人止まりで監督向きじゃない」と嘆きの声が上がる。
- 2021年のシーズン後、シーズンを振り返り「弱くて負けた」と自身の采配を棚に上げるような発言をし物議を醸す*21。
2022年
- 開幕ローテの残り2枠を決める際「余程のことがない限り(森翔平、小林樹斗、玉村昇悟の)3人で競争」と明言→直後のオープン戦で3人とも炎上。余程のことが2日で起こる*22。
- 勝ちパターンとして8回に不安定な投球を続けていた中崎翔太を固定し続け、4月だけで4敗・防御率8.03になるまで使いこむ。
- とはいえ中崎抹消後も他の中継ぎが8回に炎上するケースが目立ち、栗林以外の勝ちパターンを固定できずにいた。
- 不調のベテラン野手を積極的に起用しアウトを重ねる。
- 9回表2点リード・1死満塁で100球を超えた先発・遠藤淳志を打席に立たせ初球ゲッツー(一塁へ全力疾走)→その裏遠藤が崩れ無死満塁になってからようやく交代→中継ぎが1アウトも取れずサヨナラ負け*27。
- 開幕から先発投手を引っ張り続けた結果、交流戦あたりから先発が炎上を繰り返すようになる。
- 交流戦の途中で一軍登録枠を余らせたことに対し、大本営である中国新聞のコラム『球炎』にて「本気で勝つ気があったとは思えない」と批判される。なお、『球炎』は近年采配批判が書かれることは滅多にない*28。
- 数日後には「動かないベンチがもどかしい」と怒りに満ちた内容の記事を掲載。
- 8回2点ビハインド・走者一塁の場面で送りバント。
- 迎祐一郎一軍打撃コーチ「(対ソフトバンク戦にて、相手先発のコリン・レイに対し)いいアプローチができている」→7回85球3安打無得点。実況には「先発の出来の方がいいですけど」と言われる始末。
- 更にその2日後のソフトバンク戦にて相手先発の和田毅に対し「え?っていう球を投げるのは想定外。そういうのも対処していかないといけない」と、現役時代に和田毅と対戦経験があるにもかかわらず素人のようなコメント。
- 東出輝裕野手総合コーチ「(2022年、盗塁数がリーグ史上最少ペース*29であることに対し)今のメンバーでは走らせられない。(走力のランク的に)SとかAというより、BやCが多い」とパワプロ *30のような発言*31。
佐々岡監督ボヤキ集
- 「2安打しか打っていないので、何も策を打てなかった」
対中日戦にて、大野雄大(中日)に2安打完封負けした際のコメント。大野は左投手ながら左打者の方が被打率が高い傾向があったにも関わらず、オール右打者でスタメンを組んでいた。
- 「知ってますよ。データも全部知ってますけど、じゃあうちの左が調子いいかといったら調子が悪いから」
相手先発の左投手・エンス(西武)が左打者を苦手としているにも関わらず、スタメンに右打者を7人並べた事を問われて。相手先発直近の二軍戦のスタメンは9人中8人が左打者であり、二軍との選手入れ替えも可能であった。
- 「1週間ある。何をしていたのか」
四球で崩れた先発投手に対して。
- 「中5日空いている。責任を持って調整をやってもらわないといけない」
中5日で先発した九里に対して。
- 「一番やってはいけない。一人相撲」
自己ワーストの4被弾を浴びた九里に対して。上記の試合で5連敗を喫したことを問われて「ベンチは盛り上げてるのに、選手がベンチについていけてない」とも発言。
- 「中崎の球を見ても明らかに…」
8回を任され続けた中崎が4月に4敗目を喫した試合後。
- 「森下(暢仁)の打撃に期待していた」
無死一・二塁で打率3割越えの小園にバントさせ森下暢仁(投手)で勝負をかけ無得点だったことを問われて。森下は明治大学時代には5番を任されるなど打撃面での評価も高く、直前の登板ではタイムリーを放っていた*32。
- 「送球をしっかりしとけばね、頭が痛い」
主に外野を守っていた中村奨成が捕手に就いた際、二塁へ悪送球したプレーに対するコメント。
- 「3連敗は去年しているが、僕はその前は知らない」
2018年から続く対オリックス戦10連敗に対するコメント。佐々岡は2015年から二軍投手コーチ、2019年は一軍投手コーチだったので、「知らない」では当然済まされない。結局、その後12連敗 まで伸びた。
- 「打線や。この3試合打てなかったから勝てない。つながりもない」
7試合連続3点以下だった打線に対して。
- 「投手が全て。この3試合、投手陣は何点取られているのか」
3試合で合計30失点と精彩を欠いていた投手陣に対して。
- 「あと1本が出なかった」「自分達の野球を…」
僅差で敗戦後のテンプレコメント。一見当たり障りのないコメントだが、采配の変化が見られない事や、自分達の野球を明確にしていない事への批判を呼ぶ事がある。