- 種族
- 牙獣種(尖爪目 堅爪亜目 狸獣下目 ブンブジナ科)
- 別名
- 狸獣(りじゅう)
- 英語表記
- Bombadgy
- 登場作品
- MHRise, MHR:S
- 狩猟地
- 大社跡
目次
生態・特徴
- カムラの里の近辺などに生息する小型モンスター。
全体的に丸みを帯びた身体と背中に並ぶ棘などが外見的な特徴で、一目見た印象は狸に近い。
その姿からハンターズギルドからは《狸獣》とも呼ばれている。
- 雑食性の牙獣種モンスターだが、性格はケルビなどの草食種に匹敵するほど大人しい。
縄張りの侵入者に対して鳴き声を張り上げて威嚇する事はあるが、
自分から積極的に攻撃を仕掛ける事例は少なく、モンスターの中でも危険性は特に低い部類と見做されている。
「引火液」と呼ばれる揮発性の強い体液を持っており、
普段はこの体液が気化したガスを体内に溜め込んでいるために身体が丸々と膨らんで見えている。
この膨らんだ身体が強い衝撃を受けると、体外へガスが漏れ出すと同時に爆発し、
自分ごと周囲を吹き飛ばすという過激な性質を秘めている。
しかし、この行動は外敵に対する捨て身の反撃ではなく、ブンブジナなりの自衛手段であり、
爆発はあくまで小規模に留まり、その爆発によってブンブジナがそのまま命を散らせてしまうわけではない
(ガスが体外に漏れるほどの外的ショックそのものが原因で結果的に命を落としてしまう場合はある)。
ブンブジナの生態を知るハンターは、その性質を他のモンスターの狩猟の際に利用する場合もあるという。
- 肉は食用になり、引火液も武器の素材などに利用される事がある。
また、前述したようにハンターがブンブジナの性質を狩猟に利用する場合もあるなど、
利用価値は決して低くないモンスターと言える。
また、ユーモラスな外見や大人しい性質からか、
一部地方ではブンブジナを模したぬいぐるみや置物、日用品なども販売されており、
なかなか人気のあるモンスターと言っても過言ではない。
概要
- 灰色の短毛に短い耳と四肢、丸い尾、そしてずんぐりむっくりの体型は戯画化されたタヌキそのもの。
その見た目に違わず、別名もそのまんま「狸獣」である。
- 剥ぎ取ると生肉を手に入れる事ができる。
大社跡のエリア1に群れでいる事が多いので、序盤の肉集めは彼らに頼ることになるだろう。
ただし大社跡にはガーグァやケルビも生息しているため、
今作では一つのフィールドから複数種の肉を剥ぎ取る事が可能。
アイテムとしては全部生肉として処理されるが。- 狸の肉と言うと現代日本では馴染みのない方も多いかもしれないが、れっきとした食用肉であり、
カチカチ山の狸汁に代表されるように日本では昔から食べられてきた食材である。
獣臭はするものの、そうした食材は臭いが取れるまで処理して調理する事が多いので、
料理として食卓に出される時にはあまり気にならないだろう。
ただしブンブジナは引火すると爆発する液を体内に貯めているので
食用として適しているかは甚だ疑問だが……。 - あるいは食用に適した肉が得られる点はアナグマがモチーフとも考えられる。
アナグマも狸とひとまとめに「ムジナ」と呼ばれていた動物であるが、こちらの肉はジビエの中でも絶品と名高い。
濃厚な甘みのある脂と旨味の濃い肉質が特徴で、かつては専門店があったほど。
昔話の狸汁とはこちらを指すという説も。 - ちなみに当作では、メインシリーズ皆勤賞だった
歩く生肉アプトノスが登場しない。
他に生肉役のモンスターは何匹か既存のモンスターが登場しているものの、
ブンブジナはアプトノスの枠を埋めるモンスターになるのでは?という予想もあったが
1回しか剥ぎ取れず、生肉ではなく引火液の剥ぎ取れる確率もそこそこ高いため
アプトノスの代わりとは言い難い結果となった*2。生肉枠としてはガーグァやポポのほうが適任だろう。
- 狸の肉と言うと現代日本では馴染みのない方も多いかもしれないが、れっきとした食用肉であり、
- おとなしい性格であり、ハンターが近寄っても警戒に移るまで間がある。
たとえ攻撃されても逃げ惑いながら威嚇の鳴き声を上げるのみである。- 基本は四足歩行だが、後ろ脚を広げて座り込む姿も見受けられる。
普段にも増してでっぷりと下半身を膨らませ、丸っこい三角錐のシルエットでくつろぐ光景に
可愛げを感じるか醜悪さを感じるかは人それぞれだろう。
- 基本は四足歩行だが、後ろ脚を広げて座り込む姿も見受けられる。
- ゲーム内説明でも示されているとおり、ブンブジナの最大の特徴は爆発することである。
一定のダメージを受けると突然その場で爆発、バウンドしながらはるか前方へ吹っ飛んでいき
さらにトドメとばかりにもう一度爆発して横方向へ吹っ飛び、仰向けに倒れ込む。- こう書くと一気に危険生物感が増してしまうが、この爆発にハンターは巻き込まれない。
一方で巻き込まれたモンスターは普通にダメージを受ける。
説明にあるように、ブンブジナのこの過激な生態は昔から狩猟の一助となってきたのである。
カムラの里の住人はブンブジナの爆発をいなす技術でも身につけているのだろうか。 - 2匹以上を同時に同じ方向に吹っ飛ばすと、お互いの爆発でダメージを与え合ってしまう。
また、大型モンスターが近くにいる場合に攻撃を加えると、
まるで誘導機構でもついているかの如く大型モンスターに向かって飛んでいき爆破ダメージを与える。
このダメージだけでモンスターの狩猟を試みた変態ハンターの動画も存在する*3。
応用例として、震打のクナイをブンブジナに打ち込み別のモンスターの方へ吹っ飛ばすと、
遠隔で衝撃波を当てることができる。
- こう書くと一気に危険生物感が増してしまうが、この爆発にハンターは巻き込まれない。
- この爆発は体内に含まれている可燃・爆発性のガスを体外に排出して発生するものである。
吹っ飛んで仰向けに倒れ込んだブンブジナは、穴の空いた風船のごとくしぼんでいく。
……が、なんと2回も至近距離で爆発に巻き込まれたにもかかわらずブンブジナは死んでいない*4。
2秒ほど死んだ振りをした後にスックと起き上がり、
近くに外敵が残っていれば八つ当たりとばかりにショルダータックルを1発かまし、
その後は一目散に逃げ始めてしまう。
ショルダータックルの勢いは強いが吹き飛ばされることはなく、尻もちをつくに留まる。- 前述の通り、ブンブジナが爆発するのは身を守るためである。
とはいえ自爆に等しい爆発2回を経てもなぜ五体満足でいられるのか、体構造に謎は多い。
超小型の魚竜や爆砕ボクサーもびっくりである。- 現実世界でもミイデラゴミムシという虫が100度の高熱ガスを噴き出す例があるが
こちらは噴き出す直前に化学反応を起こしてその熱エネルギーを武器としている。
とはいえ100度の物体が至近距離にあるのは間違いなく、それに対する自衛構造が備わっているので
ブンブジナもまた同様にゼロ距離爆破の衝撃を和らげる体になっているのかもしれない。
ガスで膨れた体がエアバッグのように衝撃を吸収し、体内へのダメージを防ぐなどしているのかもしれない。
そう考えるとガスで膨らまない頭部を守るために
その反対側である尻から爆発が発生することにも合理性が認められる。
- 現実世界でもミイデラゴミムシという虫が100度の高熱ガスを噴き出す例があるが
ブンブジナの体力がゼロにならないという仕様があるらしく、それを利用して剛心などのゲージ類を溜めることもできる。 - 前述の通り、ブンブジナが爆発するのは身を守るためである。
- 新登場の生肉枠モンスターという立ち位置ではあるが、
狸モチーフという事からか大型モンスターに捕食されるポジションにはなっていない様子。
しかしその代償か、ビシュテンゴ及びその亜種の登場ムービーでは
デカデカ柿を投げつけられて爆発してしまうという被害者役に抜擢されてしまっている。
特に通常種のムービーでは爆発するブンブジナを嘲笑うビシュテンゴがかなり悪辣に映り、
何もしてないのに柿を投げられたブンブジナ側に同情してしまうハンターも多いようだ。
余談
- 里クエストを進めていくと、飴屋のコミツから依頼サイドクエストを提示される。
その内容はというと、ブンブジナが爆発してるところの写真を撮ってきて!(要約)
……正確には、“ブンブジナがガスを出している姿”を撮影してほしいとのことだが、
ガスを出させるにはどうしても爆発というプロセスが必要になる。
幼子故の残酷さであろうか。- ガスを放出している様子さえ撮れればいいので「爆発する瞬間」そのものを撮影する必要はなく、
ふっ飛ばされてから身体がしぼみ切るあたりまでを捉えられれば成功となるようだ。- もちろんブンブジナのベストショットを捉えたいハンターは満足するまで爆発させてよい。
オトモに頼る、猟具生物を有効活用する、小タル爆弾を使うなど
シャッターチャンスに備えつつ爆発させる手段はいくつもある。
攻撃中でもカメラモードに移れるので、練習してみてもいいだろう。
- もちろんブンブジナのベストショットを捉えたいハンターは満足するまで爆発させてよい。
- この依頼を達成することで、狩猟笛「狸獣の草笛」の製作が解禁される。
言わずもがな、この武器もブンブジナを模したデザインだが
どちらかと言えば現実における「タヌキの置物」の意匠に近くなっている。
- ガスを放出している様子さえ撮れればいいので「爆発する瞬間」そのものを撮影する必要はなく、
- 珍妙でどこか愛嬌ある見た目で人気が出たのか、
イベントクエストでは「コミツも大好きなブンブジナのスタンプ」が報酬として出たり、
あろうことか「ブンブジナフェイク」なるものまで課金重ね着として登場した。
- 発売前にCapcomChannelが「映像見聞録」という名称でMHRiseの新要素等を紹介する動画があるが、
こちらでブンブジナも紹介されていた。
しかし、タイトルが何故か「環境生物紹介」になっているという不思議な事になっている。
まぁ爆発するガスが狩猟に利用できるので本作の環境生物とは似た立ち位置ではあるが……。
モチーフ・生態について
- その名の由来は「ぶんぶく茶釜」と「ムジナ(狢)」をかけ合わせたことは想像に難くない。
ムジナはアナグマ・タヌキ・ハクビシンを総称した呼び名であり、
地方によって呼び名としての「タヌキ」や「ムジナ」が
種としての「タヌキ」「アナグマ」「ハクビシン」のどれを指すか・総称するかもまちまちである。- ブンブジナの胴体の側面には黒い菱形の模様が浮かんでいるが、
これは茶釜の形を表現していると思われる。 - ちなみに雑貨屋の福引景品にはブンブジ茶釜というものがある。
茶釜内部からブンブジナが顔を出している見た目の銅製らしき置物で、後ろからはしっかり尻尾も出ている。
説明文によると『カムラの里に伝わる御伽話を基に作られた狸獣の茶釜』らしい。火にかけても破裂しないとのこと。
- ブンブジナの胴体の側面には黒い菱形の模様が浮かんでいるが、
- MHRiseのモンスターの例に漏れず妖怪の名前も入っており、それもムジナである。
キツネ、タヌキ同様人を化かすとされており、「袋狢」と呼ばれた個体?もいる。
中には化かすに留まらず人を何人も殺す凶悪なヤツもおり、それをおおむじなと呼び畏怖したという。
目も鼻も口もない顔の妖怪"のっぺらぼう"の正体はこのムジナだという説もある。- ブンブジナのネーミングも、分福茶釜に、爆発を表す英語の擬音 "Boom"や爆弾を意味する"bomb"も掛けた「ボム・ムジナ」のもじりなのかもしれない。
ちなみに英語名の"Bombadgy"も"bomb"と"badger"(アナグマ)のかばん語とみられる。- "Bombadgy"は「ボンバジー」のような発音になる。
きっちり意味を与えながら元の語感を保つ名訳と言えよう。
もともとタヌキは東アジアにしか自生していない動物なためか英語圏では動物としての固有名詞が無く、
Raccoon dog(アライグマ イヌ)と、既存の単語を組み合わせた呼び方をされている。
その点でも、より分布の広いアナグマの訳語を当て嵌めて分かりやすくしつつ語感を合わせた名前とも言える。
- "Bombadgy"は「ボンバジー」のような発音になる。
- ブンブジナのネーミングも、分福茶釜に、爆発を表す英語の擬音 "Boom"や爆弾を意味する"bomb"も掛けた「ボム・ムジナ」のもじりなのかもしれない。
- 死んだふりもおそらくタヌキをモデルにした行動だろう。
タヌキは「擬死」という防御反応をする動物の一種で、
この種の動物は天敵等の危険に遭った時、急に硬直したり脱力して動かなくなることで身を守る。
これは、大きな動物に噛まれたり押さえ込まれたりした場合
下手に抵抗すると更に強く噛まれたり振り回されたりして深く傷を負う事となるので、
それを防ぐための習性だと考えられている。
また、獲物がぐったりすれば攻撃の手も緩むので、その隙に全力で逃げ出すのを狙う。
捕食性の昆虫や爬虫類は動かないものを獲物として認識しなくなる場合もあるので、
動きを止めるのは完璧ではないにしろ意外と有効な生存戦略なのだ。
「蛇に睨まれた蛙」も、実際にはこうした「動かないものに反応しない捕食者」への防御策だと言われている。
相手が捕食者ではなく自動車の場合、この習性が災いして事故に遭いやすくなってしまうのだが…。- タヌキの場合、猟師が撃った銃声に驚いて気絶してしまい、
弾が命中して倒れたと思った猟師が手を伸ばすと飛び起きて逃げ去る…
という行動をするとも言い伝えられる。
「死んだふりで人を騙す」ということでタヌキは嘘つき・狡猾な獣の象徴となり、
「狸寝入り」や「狸親父」などの慣用句の語源となったとも言われている。
タヌキが生息しない地域ではキツネやオポッサムがこうした言い伝えに登場するが、
特にオポッサムは死臭のような臭いまで出す擬死の上手い動物である。
体内のガスで二度も爆発するブンブジナも、爆死して当然の状況を見せつけるという意味では
非常に凝った擬死を演出していると言える。
- タヌキの場合、猟師が撃った銃声に驚いて気絶してしまい、
- 「爆発する生物なんて流石モンハン世界だな」と思われるかもしれないが、
実は自爆する生物自体は現実にもいる。
その名もジバクアリ、またの名をバクダンオオアリという環境生物にいそうなアリで、
刺激臭のある粘性の毒液で味方に注意喚起しつつ敵の動きを封じ、あわよくば道連れにする
という、群れの為に己の命を投げ出す凄まじい昆虫である。
この行動はオートサイシス(Auto-thysis)と言われている*6。
ジバクアリ以外にも、ゲネル・セルタスのページにもあるように
シロアリやアブラムシなど社会性昆虫の兵隊カーストには自爆攻撃やこれに近い行動をみせる虫がいる。
さすがに爆発した後、何食わぬ顔で生きている、なんてことは無いが。- ではなぜ文福茶釜モチーフの狸が爆発するのか?というところだが、茶釜と爆発には関連性がある。
そのひとつが戦国大名・松永久秀が織田信長に攻め込まれた際、
信長がかねてより欲しがっていた平蜘蛛茶釜に火薬を詰め、爆発させて茶釜もろとも自決したという逸話だろう。
ただしこれは戦後の小説から広まったもので、それ以前は(信長の手に渡る前に)茶釜を打ち壊したとだけある。- 余談も余談だが、松永久秀はカプコンの他シリーズ作品にも登場している。
しかしブンブジナのように無害な性格ではなく、
どちらかというと戦場にふらりと現れて全員を火薬で爆殺していくバゼルギウスのような存在である。
- 余談も余談だが、松永久秀はカプコンの他シリーズ作品にも登場している。
- ではなぜ文福茶釜モチーフの狸が爆発するのか?というところだが、茶釜と爆発には関連性がある。
- ブンブジナからは毛皮系統の素材を剥ぎ取ることは出来ないが、
現実世界のタヌキはかつて毛皮目的で頻繁に狩猟されていた。
というのも、タヌキの毛皮は耐久性や柔軟性に優れていたり、
毛が長くて柔らかい等、加工するのに非常に便利であり、
その汎用性の高さや便利さから高級な毛皮として扱われていた。
ことわざの「捕らぬ狸の皮算用」は
タヌキの毛皮が高値で売れるものの代表だったため生まれたものである。
ブンブジナの毛皮もフサフサとして素材用途がありそうなものだが、
他のモンスターの毛皮の方が素材として優秀なため剥ぎ取っていないのだろうか。
あるいは爆発で毛皮が傷んでいるのかもしれない。
素材
- 狸獣の引火液
- ブンブジナの体液。可燃性で揮発しやすい性質。危険が迫ると、ガスを噴出し身を守る。
武具の素材となるが、付与される属性は爆破だったり火だったりとまちまち。
無属性ガンランスの素材にも要求されるのは砲撃の点火薬としての用途だろうか。
MRでは「狸獣の発火液」という素材が剥ぎ取れる。加工方法さえ誤らなければ、優秀な皮なめし素材として使えるとのこと。
関連項目
武器/狸獣の草笛 - ブンブジナを模した狩猟笛。
武器/吹吹チャガンマン - ぶんぶく茶釜をモチーフにしたライトボウガン。
モンスター/ゲリョス - 戦闘中に死に真似を行う。
クエスト/最小雪主、あらわる! - ブンブジナが闘技場に無限湧きするイベントクエスト
システム/環境生物/提灯オバケムシ - 自爆によって防衛を行う生物仲間。
アクション/死に真似