浮岳龍ヤマツカミの素材などから作られたガンランス。
紛らわしいが、ランスではなくガンランスの一種である。
このページでは関連する武器の記述も取り扱う。
目次
概要
龍木を加工し作られた、
竜人族秘伝の銃槍。
構造上、中折れ式ではない。
- 世にも奇妙な木製のガンランス。
両辺が楕円錐台の胴体に一対の棒を生やしたかのような、形容し難い形状をしている槍身が特徴。
一応ガンランスの一種だが、これを「ヤリ」と呼ぶには些か無理があるようにしか思えない。
もはや「杵」とか「柱」と呼んだ方がしっくりくる。
あるいはもうちょっと胴体が細ければ操虫棍のプロトタイプと嘯けたのではなかろうか。
- 強化後の銘である「金剛」はヤマツカミ武器の法則に従うなら金剛力士が由来と思われる。
この銃槍の不思議な形状も、どうやら金剛杵*1の一つをモチーフにしているようだ。
特にこの場合、金剛力士像が構えている棍棒状の金剛杵と完全に一致する。
だとしても槍じゃねぇよ、とツッコんではいけない。
- 盾もまた特徴的で、厳つい牙を生やした鬼瓦を模した形状となっている。
こちらは槍本体と比べて分かりやすい。
- 納刀時でも中折れしない構造の元祖。街や村の中でもそのままなのでやたら目立つ。
また、後のシリーズでも現れる「銃口が銃剣の役割を担っている」設計のガンランスの一つでもある。
作品ごとの遍歴
- 現時点ではMH2、MHP2、MHP2G、MHFの四作品に登場。
どの作品でも入手は一発生産のみ。派生元も派生先も存在しない。
- MH2~MHP2Gにおいては作中唯一の麻痺属性ガンランス。
どのシリーズでも性能を抑制されがちな麻痺属性だが、その例に漏れない武器である。
MH2
- 初登場。しかし上位武器で生産強化に悪名高き炎龍の粉塵を四個も使うクセに
下位武器の近衛隊正式銃槍よりも攻撃力が低い問題点が作成意欲を大いに削いでくる。
斬れ味は妥協点、2スロットも悪くないが、肝心の麻痺の蓄積値が今一つ。
オンラインで四人とも麻痺武器を使う前提で調整されており、単独では使い勝手が悪い。
- とはいえ当時のアイアンガンランス一派は現在より武器倍率が高く設定されていたので、
攻撃力だけを引き合いにして責めるというのも酷である。それでも低いものは低いけど。
- MH2では三系列存在する拡散型ガンランスの一つ。攻撃力の低さは砲撃力の代償だろう。
しかし当時は全体的に砲撃の威力が低く、スキルによる強化も出来ない関係で需要はなかった。
というか、なんで支援前提の性能なのに味方を巻き込みやすい拡散型にしたんだか。
- 入手は一発生産限定なのは前述した通りなのだが、この作品に限り
ドンドルマに古龍が襲撃している時期に現れる伝説の職人からでないと生産不可能。
なお、MH2のオンラインが終了している現在では作成できない。
MHP2(G)
- トレニャー経由で龍木と龍苔が登場したため続投。ついでに砲撃タイプも通常型へシフトチェンジ。
攻撃力も僅かながら底上げされたが、それでも下位程度の水準なのは相変わらず。
無属性武器として見た場合MHP2に登場するガンランスの中で最も物理期待値の数値が低いため、
ソロプレイが多くなりやすく、概ね優秀な属性武器が揃うポッケ村の環境では肩身が狭かった。
- MHP2Gでは“龍木ノ古槍”及び“龍木ノ古槍【神葬】”の強化が追加。
これらの段階から龍木が大黒柱のような黒ずんだ色合いに変化する。
前作の攻撃力ワースト1から脱したものの、それでも攻撃力は下から二番目、
それもG級昇格直後のG級武器程度と他の銃槍のワンランク下の水準に留まる。
加えて最終強化の神葬でも通常型Lv3止まりというガンランスの沽券に関わる問題も抱えており、
ソロでは麻痺属性の有効性を考慮しても使い勝手が悪い。そんな武器の人気なんて言わずもがな。
ヒュプノキャノンもそうだが、当時の開発はそこまでガンスに状態異常を持たせたくなかったのだろうか?
- オリジナルがこのザマなのでG武器である“龍木ノ槍【金剛】G”の評価なんて察するべきである。
- 二作品とも一般的な属性武器と比べても武器倍率20(=攻撃力UP【大】)に近い差、
それもこちらに斬れ味のアドバンテージがない比較になるため、火力の低さがモロに現れる。
幸い蓄積値はそこまで悪くないため、麻痺役として最低限の活躍もできないわけではないが、
武器の手数の割には発症する可能性に不安が残る数値。優秀かと聞かれると返答に困る。
- 龍木ノ槍【金剛】までは殆どトレニャーの派遣報酬の素材だけで作成可能。
しかし龍木ノ古槍からは復活したヤマツカミの素材をキッチリ要求され、
少数ながらもテスカト素材(炎龍の粉塵&獄炎の厚龍鱗)も必要になる。強化費用も高額。
攻略段階では強化できるタイミングが極端に限られているのも不遇と言うべきか。
MHF
性能補足
※SPI~SPVIの強化段階は省略、性能は当時の数値を記載。
- ミラルーツの実装と共に“神龍木ノ槍【胎蔵】”の強化が追加。
(一部例外を除いて)殆どが攻撃力437止まりだった当時では悪くない水準。
相対的な実用性で語るなら、実装直後の胎蔵が最も龍木ノ槍一派が輝いていた時代だろう。
しかし炎龍の粉塵だけでなく入手性に難がある神龍苔を五個も要求されたせいで所持者は少なかった。
需要過多なレア素材を貪り食らう様は浮岳龍の如し。
- 実装される直前ではこんなことが起きていたが、所持者が少ない遠因ではない……はず。
- 後の凄腕ランクの時代では銃槍クルガルSPへ需要が流れた模様。
性能の差違は多々あるが、普通に扱える麻痺ガンランスが他になかったんだからしょうがない。
- 何故か二度もSP武器のモデルに選ばれた。
二度も選ばれるような武器なのか?
どうせなら埋もれ気味だった深海銃槍かヴェントカミーノに枠を譲ってくれてもよかったのではあるまいか。
余談
- ガンランサーの間でもマイナーに止まったガンランスだが、決して未来がなかったわけではない。
武器種全体のブレイク作であるMHP2ではガードからの上方突き(通称:ガード突き)が強力と言われ、
ガード性能を付けてガード突きをしていれば割となんとかなる強さを持っていた作品である。
実際グラビモスやアカムトルム、あるいはガノトトスやショウグンギザミのように
攻撃判定は広いが張り付きやすい相手に対して有効に立ち回れる戦法であり、
単純な効率は劣るものの「安全」かつ「堅実」に麻痺を蓄積していけるスタイルは
メジャーだったデスパラや卒塔婆、ダークにはない長所だったと言い切れる。
残念ながらこうした事故率の低さを重視した観点で評価されることはなかったが、
もし他の武器との差が目立たない性能であったのなら、もっと違う評価をされていたのかもしれない。
関連項目
モンスター/ヤマツカミ
武器/ヤマツカミ武器