スキル/雌伏

Last-modified: 2023-07-24 (月) 14:46:01

MHF-G10.1で登場したスキル。
モンスターの攻撃をガードする毎に攻撃力が増していく」という効果がある。
スキルポイント10で同名のスキルが発動し、マイナススキルはない。

目次

概要

  • MHF-G10.1の新たな始種モンスター「紅蓮獅子ヴォージャン」の防具に付与されたスキルで、
    スキルの法則性からかつてプレイヤーから「希少スキル」と呼ばれていたものである。
  • ヴォージャンは前脚に付着した「着火石」を打ち鳴らし、
    火を付けて炎上させることで戦闘能力を格段に増加させるという特性を有するが、
    雌伏はそれを体現しつつ、当時のMHF-Gにおける「ある問題」に一石を投じるスキルとして実装されたものと見られる。
  • 雌伏のスキルポイントを持つ主な防具としては、
    大元のヴォージャンの素材から作られる剛種防具「ヴォンシリーズ」の系譜や、
    始種ヴォージャンの素材を用いて強化する始種防具「フレイムGXシリーズ」の一部部位など。
    MHF-G10.1という、G級防具がほぼ出尽くしたアップデートで最後に登場したスキルであるため、
    以後の追加防具は多くが辿異防具となっている。
    辿異防具に限定して言えばスキルポイントを持つものは非常に多い。
    これはZ以降、「ガード」が出来るor有効活用できる武器種が増えたことも影響している。
    一方の装飾品については無いわけではない(G10.1時点では1つしか存在しなかった)が数が限られており、
    防具に一切SPがない状態から装飾品のみで発動させるのは2019年の環境でもそこそこ難しい。
  • 上述したようにモンスターの攻撃をガードすることで攻撃力が増加していくスキルである。
    具体的な増加値等は後述するが、単にガード行動を行っただけでは発動せず、
    実際にモンスターの攻撃(など)を受け止める必要がある。
    巧撃同様、アクティブタイプのスキルであると言える。
    なおヘビィボウガンのシールドには残念ながら効果が無い。
  • ガードに成功して攻撃力が増加すると、非常に薄い橙色のオーラがハンターに発生する。
    また、ガード成功時にも専用エフェクトが出る。
    これは成功するたびにエフェクトが派手になっていく。

攻撃力の上昇について

  • 雌伏スキルは攻撃をガードする毎に、
    武器種別に設定された武器倍率(固定値)が増加する仕組みである。
    固定値だがMHF-G9以降のスキル同様、狩猟笛の攻撃旋律を除き各種乗算補正は適用される。
  • 武器倍率の増加回数は最大10回
    これらは時間経過などでは失われないが、被弾して吹っ飛ばされてしまうと攻撃力増加がリセットされてしまう
    実際にヴォージャン自身も転倒すると一時的に炎が消える、と言う演出があり、
    ここもしっかり再現されているといえるか。
    スキルで言えば、纏雷に近い特性があるとも言えるが、
    あちらと異なり味方の攻撃で吹っ飛んでも攻撃力増加はリセットされない。
    • ちなみにヴォージャンは麻痺やスタン時などにも炎が消えるが、
      こちらは吹っ飛ばされさえしなければリセットはされない。
  • 武器倍率上昇値は、片手剣、ランス、ガンランス、穿龍棍では、
    1~5回目までは40ずつ、6~10回目まで20ずつ上昇する。
    大剣、スラッシュアックスF、マグネットスパイクでは、
    1~5回目までは30ずつ、6~10回目まで15ずつ上昇する。
    太刀は1~5回目までは20ずつ、6~10回目まで10ずつ上昇する。
  • 最大10回のガードを決めた場合の攻撃力上昇値は、
    片手剣、ランス、ガンランス、穿龍棍は驚天動地の武器倍率+300
    大剣、スラッシュアックスF、マグネットスパイクでも武器倍率+225という恐るべき値になる。
    太刀は武器倍率+150と他武器種よりは見劣りするが、それでも剛撃+5と同等という凄まじさ。
    G級武器Lv50の平均武器倍率を考えると、火事場力+2を発動させるのに等しい
    あるいはそれ以上の強化になりうる。
    それだけに武器倍率のカンストがしやすいということなので、秘伝書育成ミッションの進行は欠かせない。
    • なぜか太刀のみ他武器種よりも少なめの上昇値であり、比較的に不遇となっている。
      一応、太刀には練気ゲージ点滅時の武器倍率+10&倍率約1.2倍補正があり、
      この補正を加えると、大剣などとほぼ同じ上昇値になるのだが、
      しかし、太刀自体がもともとこの補正込みで調整されているため、
      他の武器種に比べて不遇であることには変わりない。
      ただし、150という上昇量は維持できるなら単体のスキルとしては十分強力なものではあるが。
  • 各武器種を見てみると、通常のガードアクションしか持たない武器種は上昇値を特大に*1
    ジャストガード系統やそれに類似するアクションを持つ武器種は、
    それよりも控えめという調整になっているようだ。
  • 「多段ヒットの攻撃を受け止めると素早く攻撃力が上がるのではないか」と思われるが、
    実際にはガードが成立し、攻撃力が上がると1~2秒ほどの判定遅延が発生するため、
    多段ヒットの攻撃については実質的に「1回分のガード」として見なされるようである。
  • 辿異スキル雌伏強化」を発動させると、一度の武器倍率上昇値が増加し、
    攻撃力上昇が最大値に達するまでの必要ガード回数が緩和される。
    具体的には、最大6回のガードで攻撃力上昇が最大値に達するようになる。
    なお、あくまでもガード回数が緩和されるだけであり、
    攻撃力上昇の最大値自体は雌伏強化未発動時と変わらない
    • 片手剣、ランス、ガンランス、穿龍棍では、
      1~3回目までは70ずつ、4~6回目まで30ずつ上昇、
      大剣、スラッシュアックスF、マグネットスパイクは、
      1~3回目までは50ずつ、4~6回目まで25ずつ上昇、
      太刀は1~3回目までは30ずつ、4~6回目まで20ずつ上昇となる。
    また、攻撃を受け止める直前でガード入力を行い成立させる、
    いわゆる「ブロッキング」を行うと上記の武器倍率上昇値が3倍になり、
    なんとたった2回のブロッキングで最大値に達するようになる。
    ブロッキングに成功すると青色のオーラが発生するため分かりやすい。
    ただし、効果が絶大であるぶん判定も厳しく、
    スラッシュアックスFのガード吸収などよりも短い3フレームしか受付時間がない。
    狩人珠スキルの「刹那の守り【中】/【大】」と併用することで
    4フレームまで延長される(【小】は同じ3フレームなので延長効果は無い)が、
    それでも非常にシビア。

他スキルとの関係、運用など

  • 当然ながらガードに起因するスキルなので、
    ガード性能スキルやその他ガードをトリガーとして作用する
    反射猛進スキルなどとの相性は非常に良い。
    ガード性能については、武器種によっても重要度が変わるものの、
    ガード性能+2まであれば素でガード不可な技も受け止めて火力UPにつなげられる。
  • 本スキルと相性の悪いものとしては、絶対防御態勢が挙げられる。
    これは直接の相性というよりも、絶対防御態勢は「ガード」というシステムとの相性自体が悪いというものである。
    絶対防御態勢のアーマー解除ペナルティ「攻撃力が元の0.8倍になる」は、
    一見すると雌伏の攻撃力UPでカバーできるように見えるが、
    そもそも絶対防御態勢のアーマー解除判定は「ガード成功」より優先されるため、
    アーマー発動中に攻撃力を上げることができず、
    攻撃力を上げられる機会が通常より大きく限られてしまう。
    また、オートガードを使用する際にも注意が必要。
    というのも、MHF-ZZアップデート以降、オートガードによるガードでは雌伏の効果が発動しないためである。
    一応、オートガードが発動している場合でも、手動でのガードでは雌伏の効果が発動する他、
    多段ヒット攻撃に対してオートガードが発動した場合は2発目以降では雌伏の効果が発動する。
    更に、被弾により雌伏の効果が失われることを防ぐ保険という役割もでき、完全に無意味というわけではないが、
    オートガード頼りの立ち回りでは効果は薄くなり有効な状況は限られてくる。
  • ガード性能+2をもってしてもガードできない、
    或いはガードで致命的な問題を発生させる技を多用するモンスターにも本スキルは向かない…と言いたいが、
    MHF-Z現在の環境で上記の性質を持つモンスターは皆無であり、
    前者に該当する技を持つモンスターはいずれもそれが大技扱いで、
    そうでない場合もランスとガンランスに限るが、
    強ガード(範囲ガード)+ガード性能強化の辿異スキル*2で防げるケースが多い。
    後者は「天廊の番人」ことドゥレムディラのみが唯一該当し、
    ガードしても強烈なスリップダメージと防御力を強制的に1にする「壊毒」が発症してしまう。
    だがこれも、専用の対策スキルで影響を最小限に留めることができ、技自体は大半のものでガード可能である。
  • ガードが出来て雌伏の効果が反映される武器種は上記した8武器種だが、
    この内相性が良いと言われているのは片手剣と穿龍棍以外の6武器種となる。
    先述したが、MHF-Z現在の最新環境においては防具に多く備わっているため発動自体はそこまで難しくなく、
    片手剣と穿龍棍はガードを主たる防護手段として使えないから相性が良くない、という理由であり、
    それ以外のガード可能武器種については、軒並み有力な火力スキルとして認識されている状況がある。
    なお本スキルは希少スキルとユーザーから呼ばれていたように、一応HR5でも発動できなくはないのだが、
    一般的に入手できる防具ではヴォンシリーズとゴアシリーズぐらいしか発動手段がないため、
    以下は「極ノ型」が解禁されるGR1以降の環境を元に記述している。
    • 大剣、太刀、スラッシュアックスF、マグネットスパイクに関しては、
      ガードからそのまま攻撃へと派生させられるアクションを持つため、
      最終的な倍率の伸びこそやや抑えられているが、雌伏との相性は抜群と言って差し支えない。
      この4武器種はガード性能+2(要塞+2)を発動させなくてもガードを主要防護手段として使えるため、
      Z初期(マグネットスパイクはこの頃は存在しなかったが)は雌伏の採用はあまり多くはなかった*3のだが、
      現在ではいずれも人気が高く、
      雌伏強化もこれらの武器種で発動させることを想定した防具を中心に付与されており、
      「ガードで斬れ味を消費する」という弱点も雌伏強化があれば腕次第では解決できる。
    • ランスとガンランスは純粋に攻撃力の伸び幅が大きい火力スキルとして重宝されている。
      また、両武器種は反射スキルとの相性が極めて良いため、
      実質これらをカウンターとして雌伏の強化効果を運用できるのも利点。
      反面、雌伏強化を持つ防具が両武器種と必ずしも相性が良いとは限らない
      (両武器種では恩恵の薄い「溜め威力UP」や、相性の悪い「闘覇」が備わっていたりする)ため、
      雌伏強化はやや使いにくかったのだが、
      辿異種アノルパティスの武器には武器自体に雌伏強化が備わり、
      両武器種でもこれが使いやすくなっている。
    • 片手剣と穿龍棍については上述した通り、ガード自体を主要な防護手段として用いることができない。
      片手剣でもガードした方が良い局面はいくつか存在するがその頻度は低く、
      穿龍棍はテクニックとしてガード判定を扱えるのだが非常に難度が高く
      便利ではあるがこれをベースにした運用は積極的に用いられているとは言えない。
      このため、全く無駄とは言わないにせよメリットはそこまで大きくないのが現状である。
      ただし、対ラヴィエンテやソロでの対極み個体など、極限まで火力を上げることが求められるコンテンツでは、
      雌伏強化や刹那の守りと併せて攻撃力を上げるためだけに使用されることもある。
  • 上述したように攻撃力の伸び幅は非常に大きいが、無条件で上がる訳ではなく、
    リセット条件もあるので最大値を維持するには相応のテクニックが求められる。
    ただ、2~3回ガードを成功させるぐらいであれば決して難しいことではなく、
    雌伏強化の有無や武器種にもよるが、手軽に攻撃力をブーストするスキルと見られている事は間違いない。
  • 雌伏強化の効果は先述した通りだが、
    もう一つの効果として、攻撃力上昇が最大値に達している状態で攻撃を受けると、
    斬れ味が回復するというものがある。
    この斬れ味回復はガンランスのヒートブレード、属性ブレード発動中にも機能する。
    通常ガード時の回復量は武器種によって異なるが2~5程度であり、そこまで多いとは言えない。
    大剣、太刀、穿龍棍、スラッシュアックスF、マグネットスパイクはガード時に斬れ味を消費するので、
    それを無効化してプラス若干量回復する、というのが基本になっている。
    ただ、この斬れ味回復量もブロッキングで増加し、この場合は10~20もの回復が見込めるようになるため、
    テクニック次第ではこれで斬れ味を維持していくこともできるだろう。
    また、大剣に限るが秘伝スキル「大剣技【剣王】」発動時は、
    ガード時の斬れ味消費を無効化し、更に斬れ味が回復するようになるため、
    そちらとの相乗効果で多めの斬れ味回復が望めるようになる。

余談

  • 上述した「ある問題」とは、MHF-G時代中盤期からMHF-Z開幕までの間、
    ガード主体の戦法、及びそれを得意とする武器種が不遇となっていた」というものである。
    理由についてはガードの記事を参照してほしいが、
    「ガードを行いにくい環境」及び「ガードで攻撃を凌ぐメリットの無さ」が問題視されていた
    (これはMHF-Z移行直前の今村運営ディレクターのメッセージ動画でもはっきり言及されている)。
    前者についてはMHF-G9以降改善される傾向にあったが、後者についてはこれといった決定打がなく、
    そんな中登場した雌伏は、この状況を強く意識しているものと見られている。
    • 雌伏の実装当初は、いくら攻撃力の伸びが高くても「ガード」自体に使う必然性がないため、
      ガードで手を止めてしまっては攻撃力UPの意味がない」という声も少なからず聞かれた。
      このため雌伏自体が上記の状況を変えたとは言い難いのだが、後の布石になったのは間違いない。
    • なお、MHF-Z以降はガードで減少する体力やスタミナに上限が設けられ、
      更にガードに関するシステムがいくつかの武器種に追加され、その有効性も示されたことで、
      ガードが不遇という声は現在では全く聞かれなくなっている。
  • 「雌伏」とは、実力を養いながら活躍の機会をじっと待つこと。
    相手の攻撃をガードで凌ぎつつ攻撃力を上昇させる効果にマッチした名称であると言えよう。
    対義語は「雄飛」。
    • なお、「男女平等」が国内で強く叫ばれた2000年代中盤頃に、
      この言葉は男女平等と言う観点で見るとあまりふさわしくないのではないか、などと指摘されたことがある。
      同時期に「看護婦→看護師」や「保母→保育士」と言った言い換えが行なわれたこともあり、
      その流れで雌伏に関しても「虎視眈々」や「持満」と言った類義語に言い換えようとする動きも起こったが、
      結果的にそれらの動きは立ち消え、「雌伏」と言う言葉が消えることもなかった。
  • ちなみに、かつては公式サイトのゲームデータ一覧にG級スキルのマークがあったため、
    G級昇格以降でないと発動できないスキルと誤認されることがあった。
    実際にはヴォンシリーズ(とゴアシリーズ)に限定されるものの、HR帯での発動も一応可能である。
    その後、詳細な時期は不明だがG級スキルマークは外された。
  • 後にメインシリーズのMHW:Iにて、
    ガードをトリガーとして発動する攻撃力上昇スキルの攻めの守勢が登場している。
    こちらは「ブロッキング」を前提としたものであり時限性(成立から僅か15秒)だが、
    攻撃力増加は1.05~1.15倍の乗算で、ブロッキングの判定もガード判定発生から0.5秒以内に受ければOKと易しめ。

関連項目

アクション/ガード
モンスター/ヴォージャン
スキル/攻めの守勢
モンハン用語/希少スキル - 実質G級からのスキルだが例外的にHRでも発動できるという性質やその扱いについての解説


*1 穿龍棍は攻撃中のガードポイントを用いた立ち回りも可能だが、あまりにも難度が高いためかこちらのパターンに属している。
*2 辿異スキルで、発動中のガード性能スキルを+2より上の段階にする。ガード性能+3とも呼ばれる
*3 要塞とセットになっているケースが多く、またガード性能を出す場合も「ガンキンGXシリーズ」と競合していたのが主な理由