モンスターハンターシリーズにおいて、武具の生産、
或いは全体的な装備構成を行う際に参考となる指標の1つ。
スキル拡張性などと呼ばれる場合もある。
概要
- 武具の生産・強化の際にどういったものを作るか決める場合、見るべき点は多い。
武器であれば攻撃力や属性値、防御力ボーナス、
近接武器だったら斬れ味ゲージの内容、遠距離武器なら使用可能な弾種や矢種なども重要である。
防具であれば防御力は勿論のこと、耐性、搭載されているスキルなども重要視される。
攻略中であれば必要素材や金額等も見逃せない。
こういった生産の目安となる事柄の一つが、本項で紹介するスキル自由度である。
- スキル自由度というのは、「その装備(構成)ではどれほど自由なスキルが組めるか」という指標と言える。
もっとも分かりやすいのは装飾品のスロット数及びスロットレベル(MHW以降)であろう。
このスロットが空いていれば、それだけで装備に組み込めるスキルの自由度は増すことになる。
武器にせよ防具にせよ、装飾品スロットが多く空いていればいるほど多彩なスキルパターンを編み出せる。- 特にMHW以降は、装飾品1つでスキルを1つ(実質的に)発動可能となっているので、
装飾品スロットが大量にある武器・防具・お守りの組み合わせだと、
スキルの大量発動も現実的に可能なものとなっている。
MHXX以前においてはそこまで柔軟ではないにせよ、スロットが多く空いているほどスキルを自由に乗せやすい。
1つ空いているだけで、例えば5スロスキルならば装飾品1つでスキルポイントを2ポイント、多く盛ることができる。
一応基本原則としては装飾品スロットがあまり空いていない装備は、
基本的なポテンシャルが高めな傾向にあり(例外も山ほどあるが……)、
装飾品スロットが豊富に空いている装備は、武器であれば基本的なポテンシャルがやや低く、
防具であれば付与スキルがそこまで強力ではない(例外も以下略)という図式である。
このため、スキル自由度の低い構成は素の総合性能を高めに保持しやすく、
スキル自由度の高い構成は素の総合性能がやや低いが、自由なスキルビルドでカバーする、という具合である。
特定のスキル前提の方が強力な構成に出来るなら、それを捨ててまで自由度を優先すべきでは無い。- ただ、MHW:IやMHR:Sでは、
スキルシステムの変化などもあって基本的にはスキル自由度の高い装備が好まれる傾向にあり、
アップデートでは豊富な装飾品スロットを持つ(上に基礎ポテンシャルが高い)武具が多く出現する傾向にあった。
MHXXでもその萌芽はあり、何とクエスト中に発動するスキルを一切搭載していない代わりに、
お守りなどのスキル値を強化する一式装備が非常に高いスキル自由度を持つとして大人気になった。
- 特にMHW以降は、装飾品1つでスキルを1つ(実質的に)発動可能となっているので、
- また、武器に関して言えば性能をフルに発揮するスキルがどこまで必須なのか、
という観点でもスキル自由度については言及されやすい。
メインシリーズにおいてはスキルは大原則としてはプレイヤーの任意選択のものであるため、
「必須」というのは正しい観点とは言い難い。
ただ、現実問題として特定のスキルを発動させないと同レア度の武器より劣るが、
特定のスキルを発動させることでそれらを凌駕する武器が往々にして存在するため、
言及されやすい概念ではある。
こういう武器は「スキル自由度が低め」などと言われる。- 剣士の場合は「斬れ味」が主なスキル自由度の指標として言及される。
ほぼ全ての作品においてこれを延長する「匠」や、斬れ味消費を抑える「業物」があるので、
武器のポテンシャルを最大まで発揮する事を考えるとこれを両方発動する前提で語られやすい一方、
この両スキルは砥石使用高速化などと比べて発動難度に難を抱えており、
MHRise系統を除くと同時発動自体がかなり難しく設定されている。
付けなくても最大火力を長時間発揮できるなら、その分他のスキルに回すことができるので、
「スキル自由度が高くなる」という訳である。
作品にもよるが、匠よりは業物、或いは剛刃研磨や達人芸など
斬れ味消費を抑えるスキルの方が発動難度がやや低く設定されている傾向にあるので、
素の斬れ味色が優秀かつ長い武器が、一般的にはスキル自由度が高くなりやすい。
(後述するが作品・武器種にもよるので一概には言えないが)- 例えばティガレックスやナルガクルガの武器はG級(MR)最終強化で匠無効の斬れ味になり、
素で紫ゲージを持つものが多い。
これらの武器は匠が不要であり、業物だけ或いはそれすら不要になるので、
作品にもよるがスキル自由度が高くなる傾向にはある。
- 例えばティガレックスやナルガクルガの武器はG級(MR)最終強化で匠無効の斬れ味になり、
- ボウガンの場合はメインで使う弾種や反動の大きさ、ブレの性質、装填速度などによって自由度が変わる。
純粋に威力を上げるだけの弾強化・属性強化はともかくとして、
メインで使う弾丸の反動やリロードが重い場合は、それらを軽くしてやらないと非常に使いにくい。
装填数が少ないがメインに据えたい場合は装填数UPスキルも必要になってくる。
それらが特に必要ないポテンシャルを持つボウガンは、スキル自由度が高いと言える。- MHXX以前の作品だと、変わったところでは特定の弾追加スキルを発動させると
驚異的な装填数と火力を発揮できる銃も存在していた。 - ライトボウガンの場合は速射強化の要否などもスキル自由度に絡んでくる。
純粋な威力強化スキルではあるが負荷が高く、速射非対応ガンとの差別化要素になっているのだ。
この場合は後者がスキル自由度が高くなる傾向にはあると言える。
- MHXX以前の作品だと、変わったところでは特定の弾追加スキルを発動させると
- 弓の場合は、その武器が何のビンに対応しているかという点でスキル自由度が大きく決まってくる。
特に重要なのは強撃ビンに対応しているかどうかという点であり、
このビンに対応している弓はそれだけで自由度に優れていると言える。
もちろん、麻痺や睡眠といったサポートを主軸にしたい場合は、そう言ったビンへの対応も大切になる。
MHW以降の弓で重視されるようになった弓溜め段階解放はどの作品でも発動難度が高いが、
MHRiseにおいては武器によっては溜め4で矢レベルが下がる、矢種が変わる弓もあり、
それらで使う場合は発動させる必要性が薄くなる。
MR解放までは装飾品もお守りもないので特定の上位防具に縛られるという状況を考えるならば、
その分スキル自由度が高いと言えるだろう。 - MH4G・MHX(X)のレギオス武器は抜刀状態での回避行動を行なうことで、
近接武器は斬れ味が回復していく「斬れ味修復」、
ボウガンは選択中の弾が1発ずつ装填されていく「単発自動装填」という特殊ギミックが搭載されている。
この特殊ギミックを活かすことで、砥石使用高速化や装填速度といったスキルがほぼ不要となる。
これらもスキル自由度が高くなる傾向にはある。 - 逆に、スキル自由度が狭まる要素もある。
覚醒させないと属性が現れない上に無属性のままでは頼りない武器は、覚醒が必須となってしまうし、
匠を付けないと実用的な色の斬れ味ゲージが現れず、現れても長さがかなり短いという近接武器に対しては、
匠に加えて業物、場合によっては達人芸や剛刃研磨まで必要となってしまう。
こういった武器に関してはスキル自由度は低いと言わざるを得ないが、
往々にして攻撃力などのポテンシャルが秀でていることが多くハンターを悩ませる。
- 剣士の場合は「斬れ味」が主なスキル自由度の指標として言及される。
- スキル自由度は武器だけでなく武器種に対しても評価項目として言及されることがある。
前述の通り大原則としてはプレイヤーの任意選択のものであるが、
溜め時間を短縮するスキルであったり攻撃速度を速めたりする武器種固有(に近い性質を持つ)スキルは、
いわゆる「必須」として語られやすく、そういうものが多ければ多いほどスキル自由度は下がる。
逆に、立ち回り(特に、純粋なダメージ効率)に影響する固有スキルの無い武器種や、
有用なスキルがプレイスタイルによって変わる武器種は、自由度が高いという評価がされることがある。- 例えば大剣と弓は多くの作品にてなければ地雷と言われるほど集中のスキルが重要視されているが、
当該スキルは重要性の割に発動難度自体がかなり高めに設定されており、
防具や装飾品に制限を抱えがちとなる。
ただし、シリーズ・プレイスタイルによってはほぼ機能しないというか恩恵がない場合があり、
優先度が下がって結果的にスキル自由度が上がる場合がある。 - チャージアックスは有効に働く特定のスキルが非常に多く、究極を言えば「全部必須」なのだが、
あまりに多すぎて全て最大Lvで搭載するのは机上の空論でも不可能*1なため、
重要スキルの多さの割に好きなスキルを付ければいいという風潮で初期から固まっている。 - 狩技や狩猟スタイルが存在するMHX(X)、入れ替え技や鉄蟲糸技が存在するMHR(:S)では、
他のシリーズにおいてスキルが担っている斬れ味消費軽減やガード・回避などの
狩猟における重要要素をそれらを使って補うことができる。
無制限・ノーリスクで使える訳ではないのでスキルで補う方が確実ではあるのだが、
上手く活用すればスキル並・或いはそれ以上の運用性が確保できるため「スキル自由度」は高くできる。
MHXシリーズの「絶対回避【臨戦】」などが顕著であり、本シリーズに関してはこれの活用を前提に、
最大斬れ味が短い武器でも比較的スキル自由度を高くして運用することが可能という評価がされやすい*2
- 例えば大剣と弓は多くの作品にてなければ地雷と言われるほど集中のスキルが重要視されているが、
- なお、攻撃や超会心といった純粋に火力を補強するだけのスキルについては、
いくらネット上で必須と言われていてもこれを付けているからスキル自由度が低い、
といった評価はされない。
逆に、これらの火力スキルを余裕を持って付けられる構成は「スキル自由度が高い」
(取捨選択が容易になるという意味で)とも言われる。
- 基本的にMHXXまでのメインシリーズでは
「武器や防具のスロットに装飾品を埋めるだけでは、欲しいスキルが発動しない」
「そもそも、武器や防具のスロットの数が少ない、もしくは一つも無い」
「風圧、耐震、聴覚保護、各種の状態異常無効、などついでに何か一つスキルを足したい」
「一式防具で発動するマイナススキルを打ち消したら、装飾品を埋めるスロットが足りない」
といった、スキル自由度がもう少しあれば…という事象が起こりやすくなっているのだが、
それを補強・補完できる存在となっているのが護石である。
極論、スキルポイントが使い物にならなくても、スロット3つが増えるだけでも恩恵は大きいが、
当然、さらに自分が求めるスキルポイントの高い護石を欲して已まないのも当然の流れとなる。
いわゆる炭鉱夫など、お守りの性能に執心する者も多く、
スキル自由度を更に広げるため、自分のプレイに見合った高性能なお守りを探し続けるのは
別の意味で『終わりの無い、やり込み要素のエンドコンテンツ化』している側面もある。
いわゆる「神おま」とも呼ばれる由縁など、更なる詳しい概要については該当項目も参照されたし。
- MHW以降はスキルシステムが変わったこともあり、
これまでのシリーズと比較するとスキル自由度は各段に向上している。
MHWについては防具に
「装飾品スロットがあまりないがスキルレベルが高いorスキル数が多いαシリーズ」
「スキルレベルやスキル数が低いが装飾品スロットが豊富なβシリーズ」の二系統があり、
前者はスキル自由度が低い代わりに基礎的なポテンシャルに優れ、
後者は基礎的なポテンシャルがやや低い代わりにスキル自由度が高い、
という形で差別化されている。
同作では装飾品が従来のお守りと同じランダム出現になったため、
中々良い装飾品を手に入れられない場合は前者の方が強力になる場合もある。
- MHF-Zでもスキル自由度は意識される概念ではあるが、
メインシリーズと異なり、「この武器(防具)」はスキル自由度が高い、
或いは低いといった評価がされる事はまずない。
というのも、同作の主要コンテンツの防具は各部位3スロット空いているのが常識であり、
武器についても、装飾品スロットがあるものは基本3スロット空いているためである。
また斬れ味ゲージについても、メインコンテンツをプレイして行く事でチュートリアルが終了する辺りには、
「匠&業物+2&剣術+2」の複合スキルが発動可能となる上に、
斬れ味ゲージがすでに右端いっぱいまで埋まっている武器は一部を除き無いため、
斬れ味を見てのスキル自由度もほぼ言及されることはない。
フロンティアの最終環境においてスキル自由度を左右する要素としては、- 防具自体に備わるスキルポイントの種類及びその値
- 辿異スキル
- 装飾品のスキル値及び種類
いずれもスロットが3つ空き、スキル値及びスキル種類について決定的な差がなく、
全ての装備に辿異スキルが備わるため、
プレイヤーの発動させたいスキル構成に合った装備こそが「スキル自由度の高い」装備で、
客観的に見てこの装備はスキル自由度が高い、低いといった共通の尺度が当てはまらない。
装飾品については、特定のスキル発動に特定の防具或いは装飾品が3~5個必要なスキルが存在するため、
それらを使う構成について「自由度が狭まる」という見解が示されることはある。
また、それを緩和できる手段について「自由度が上がる」と認識される事もある。- ちなみにいわゆる「必須スキル」については、
一応多ければ多いほど「装備選択の」自由度は下がる傾向にあるが、
MHFのスキル構築環境上、メインシリーズで言う「スキル自由度」がそれによって低下する事は少ない。
関連項目
モンハン用語/スシロー
武器/ティガ武器 - メインシリーズにおける、スキル自由度の高さがウリの武器群
モンハン用語/テンプレ装備 - スキル自由度の高いものが「テンプレ」になりやすい(例外多数有)
モンハン用語/必須スキル - メインシリーズでは、これに該当するものが多いほど自由度は低い場合が多い