目次
一般用語としての「輸入」
- 他国から物やサービスを購入したりすること。対義語は輸出。
モンハンにおいて
- 主に、メインシリーズ(ハンティングアクションであるMHを原点とする、家庭用機で展開されるシリーズ群)と、
オンラインゲームであるMHFの間で、
どちらか一方のモンスター、スキル、アイテム、システムなどの要素がもう一方に導入される事を指す。
それ以外の派生作品(アイルー村、ストーリーズ、エクスプロア、スピリッツなど)においても
メインシリーズ由来要素の導入はあるが、
基本的にこれらの派生作品において「輸入」と呼ばれることはほぼなく、
専らMHFとメインシリーズ間で用いられる用語となっている。- では他の派生作品ではどう表現されるかというと、多くの場合「登場」と呼ばれる。
これは他の派生作品の殆どがメインシリーズと同じハンティング作品ではなく、
全く異なるゲームジャンルに属するという事情が大きい。
- では他の派生作品ではどう表現されるかというと、多くの場合「登場」と呼ばれる。
- メインシリーズからMHFへは様々な要素が導入されているが、
その意図に関しては年代によっても異なると見られる(詳しくは後述)。
- MHFはメインシリーズとは独立した発展が12年間も続けられていたが、
ゲームのベースはメインシリーズ(MH2)であり、
開発スタッフの行き来は頻繁に行われていたようであるため、
細かいシステムの導入がしやすいという土壌はあると見られる*1。
メインシリーズとMHFにおける要素導入(輸入)の一例
- 以下に記載したのはあくまで一例である。
また、「特徴・名前が共通している」程度のものは後述する。
モンスターの直接導入
メインシリーズ→MHF
- MHFは先述したとおりMH2ベースのため、
MHP2のティガレックスとアカムトルムは当初は存在していなかったが、
シーズン1.5“ティガレックス、咆哮!!”アップデートにて導入された。
そこから7年間もの間、メインシリーズのモンスターは一体も輸入されてこなかったのだが、
2015年に「遷悠種」としてジンオウガが登場し、大きな話題を呼んだ。
その後「遷悠種」は実質メインシリーズからの導入モンスターを指すカテゴリとなり、
最終的には計11体のメインシリーズ初出(でMHFには居なかった)モンスターが実装された。- 遷悠種の実装経緯としてはインタビュー記事等をつなぎ合わせると、
2014年末頃~15年明けにかけて開発スタッフを拡充した際、
その中にはCSのMHシリーズ開発に携わっていた今村氏(現、運営ディレクター)などを含む、
新しいスタッフからの意見を色々取り入れた結果
「メインシリーズプレイヤーのMHFへの定着化」を図るため、
当時新任した宮下プロデューサーがMHシリーズの総合プロデューサーである辻本氏に直談判(?)し、
「オーケー」と返事を貰った事で実装に踏み切ったようである。
- 遷悠種の実装経緯としてはインタビュー記事等をつなぎ合わせると、
MHF→メインシリーズ
- 一方で、MHF→メインシリーズへのモンスター導入に関しては殆ど行われてこなかった。
オリジナルモンスターがメインシリーズへ導入されていないという点ではMHFに限らず他の派生作品も同様である。
この2体は先んじてMHFにて実装されており、後に発売されたMHP2Gにも登場したため、
ヒプノックとヴォルガノスはその例だと長年思われていたが、
実際にはこの2体は当時のMHFチームとCSチームの共同開発によって生まれたモンスターであり、導入とは異なる。
事実、ヴォルガノスは「共同開発故にCSシリーズに比較的持ち込みやすい」ためMHWorldにも実装できたという。- ただ、共同開発などの事情が明かされたのはMHW:Iの時期のインタビューにおいてであり、
ヒプノックとヴォルガノスの初登場からは実に10年以上も経過してのことであったため、
今なお「この2体はMHFの完全オリジナルモンスターがメインシリーズへ導入された例である」
と思っている人は多い。- 一応、MHF側のインタビュー記事より、
「MHFがMH2を脱却し、フロンティア独自の路線に踏み出せるようになったのは、
シーズン2.0(エスピナス登場)以降である」など、
当時の開発事情を思わせる発言はそれ以前からあった。
- 一応、MHF側のインタビュー記事より、
- ただ、共同開発などの事情が明かされたのはMHW:Iの時期のインタビューにおいてであり、
- そしてMHFのサービスが終了してから3年が経った2022年、
MHR:Sにて遂にエスピナスがメインシリーズへの参戦を果たした。
上述した事情に沿って言えば、エスピナスは正真正銘のMHFオリジナルモンスター第1号であり、
そんな彼がメインシリーズに登場した事は、MHF経験者か否かを問わず多くのハンターから驚きを以って受け止められた。
なお公式動画などでは「モンスターハンターフロンティアシリーズ*2から(エスピナスが)登場」と紹介されているが、
媒体によっては「復活」という、メインシリーズの復活モンスターと同じ表現が使われている。
- その後に実施された無料タイトルアップデートにて、亜種個体であるエスピナス亜種が逆輸入された。
こちらは公式の紹介でも「モンスターハンターフロンティアからの復活モンスター」と紹介されている。
種族、骨格の導入
- 先述したとおりティガレックス導入~遷悠種の実装まで、
MHFにはメインシリーズのモンスターの直接的輸入は行われていなかったが、
獣竜種と海竜種については、2012年のフォワード.3、フォワード.4アップデートで追加されている
(どちらもMHFオリジナルモンスターとしての導入である)。
また、MHF-G1・G2ではMH3以降のメインシリーズモンスターと同じ骨格構造を持つモンスターや、
MH3のとあるモンスターを彷彿とさせる基本姿勢を持つモンスターが登場し、話題になった。
遷悠種ではジンオウガの輸入により牙竜種とその骨格が、ゴア・マガラの輸入によりマガラ骨格が実装されたが、
インタビュー記事では輸入した新しい骨格によって新モンスターのバリエーションを増やしていける旨の発言があり、
それを裏付けるかのように、MHF-Z 10周年記念アップデートでは牙竜種骨格の古龍が追加されている
(残念ながら、上述したマガラ骨格のMHFモンスターは実装されなかった)。
なお、MHFにはラヴィエンテを除くと完全新規の種族
(剛種などはクエストランクを指すので牙獣種などの種族とは異なる)がおらず、それに伴う独自骨格もないため、
MHFからメインシリーズへの種族・骨格の導入例は無い。
フィールドの導入
- 土台は同じとは言え狩猟環境が大きく異なることからか、
メインシリーズからMHFへフィールドが輸入されたのは、登場モンスターと深い関わりのある禁足地と霊峰のみである。
MHFに実装されていたフィールドがメインシリーズへ登場したという例はMHP2Gでの樹海があるが、
上記のヒプノック等の件を鑑みるとこれも「導入」には該当しないと言える。
武器・防具の導入
- 最初期に限定すれば、特に武器はメインシリーズ→MHF、MHF→メインシリーズ共に事例は豊富に存在する。
MHP2GではMHFの武器が名前やランクを変えて多数導入されており
(エスカルチャ(MHF)→アクシオン(MHP2G)、ハートフルギプスなど)、
メインシリーズからも、MHP2の武器がMHFに多数導入されている。
但し、先述の事情を鑑みるとこれも導入と言ってよいのかは微妙である。
メインシリーズ→MHFでは遷悠種の実装を皮切りに追加された遷悠武器・遷悠防具と、
新武器種として実装された「スラッシュアックスF」が著名な所だろう。
また、地味な所ではパートニャー用防具の「アロイネコシリーズ」もメインシリーズからの導入である。
- MHR:Sではエスピナスの参戦に伴い、彼の素材の装備に加え男性用のセイラーシリーズも導入。
このうちエスピナスのスラッシュアックスと男性用セイラーシリーズは、元々メインシリーズにあった要素を
MHFに導入した結果産まれたものなので、「逆輸入」とも呼べるだろう。
また、重ね着装備であるがMHFで人気の高かったアスールシリーズ、
アップデートにていわゆる「MHFにおける課金装備」であったリアンシリーズなど複数の防具が導入されている。
スキルの導入
メインシリーズ→MHF
- メインシリーズからMHFへほぼそのままの効果で輸入されたスキルとしては、
溜め短縮、根性、弱点特効、刀匠、逆境などが挙げられる。
ただしスキル段階が設定されていたり、発動条件・最終的な効果が違うなどの差異はある。
また、速射スキルは当初の発表では「連発数+1」そのものの効果ながら連射スキルの上位となっていたが、
本実装時には大きく特性の異なるスキルへと変貌している。
MHF→メインシリーズ
- MHFからメインシリーズへほぼそのままの効果で導入されたのはMHP3の○属性攻撃強化が挙げられるが、
両方ともスキル名と効果に大した捻りがないため、ただMHFの方が早く実装されただけとも取れる。
名前だけメインシリーズ(MHF)と同じだが当初から効果が異なるもの、
メインシリーズ(MHF)を彷彿とさせるスキルについては後述。- なお、遷悠防具のスキル値は当然ながらメインシリーズとは根本的に異なる。
- そしてMHFのサービスが終了してから3年が経った2022年、MHR:Sにて巧撃が実装された。
上記の○属性攻撃強化とは違い、こちらは(数値が調整されている以外は)正真正銘の逆輸入である。
- この他、厳密な逆輸入に該当しないものの、 といった、明らかにMHFに登場していたスキルの効果を意識したような設定をされているスキルが続々と登場している。
アクションの導入
- MHF-Gアップデートでは、弓にMHP3の新アクションである曲射が導入された。
また、マニュアル等に明示はされていないが、ガンランスに踏み込み砲撃が導入されている。
システムこそ違うが、受け身アクションもモーション自体はMH3からの導入である。
モンスターのアクションについても、
MHF-G以降、MH3やMH4系モンスターのものをアレンジした行動を取るモンスターが現れてきている。
代表的なのはディスフィロア、ヒュジキキ、ミ・ルなど。
- メインシリーズへのMHFのアクションの導入について、ハンター側に関しては、
MHXXにて一部武器種/スタイルで武器を持ったままダッシュできるアクションが追加される、
MHR:Sにて気刃放出斬りと名前も性質もよく似た「気刃解放斬り」が追加される、
と言った間接的なものに留まっていたが、一方モンスター側では、
MHR:S Ver.11にて追加されたナルガクルガ希少種が、極み駆けるナルガクルガが用いていた
毒棘飛ばしのモーションをそのまま引っ提げて登場し、ハンター達に大きな衝撃を与えた。
アイテムの導入
- モンスター関連の素材を除くと、MHF-G9.1では鎧玉各種(アイコン含む)、
MHF-G10ではウチケシの実がMHFに輸入されている。
モンスターの素材については、MHFで独自に追加されたランクでは独自の素材が設定されることが多いが、
遷悠種に関しては名称被りの素材を除くと全てメインシリーズと同じ名前になっており、
G10でG級対応したオオナズチ、テオ・テスカトル、クシャルダオラの素材は、
全てではないがメインシリーズにおけるG級素材と同じ名称となっている*3。
MHF→メインシリーズのアイテム導入としては、MH4の応急薬グレートがある。
MHFに存在する物を彷彿とさせるアイテムもあるが、それについては後述。
システムの導入
- メインシリーズ→MHFへのシステム導入は、時期を問わず多様に行われている。
MHFは上述したように土台がMH2であり、バランス等々の問題からかMHP2より導入されたシステムが比較的多い。
ただし大半がサービス開始時点で組み込まれているため、これらは厳密には導入とは言いがたいが。
サービス開始以降のもので言えば、太刀の練気ゲージの点滅仕様*4、
MHF版オトモアイルーであるパートニャー、マイセットの装飾品登録などが挙げられる。
また、MHFにはシリーズの恒例となった罠の耐性なども取り入れられているが、
変化が大きすぎるためか一部クエストに限られている。
その他、遷悠種の実装と共に「属性やられ」「狂竜化」*5が導入された。
属性やられは遷悠種限定の要素とされていたが、
G10.1にて火属性やられを扱うMHFオリジナルモンスター、ヴォージャンが実装され、
その後も属性やられを扱うMHFオリジナルモンスター(またはオリジナルの種)は増えてきている。
また、遷悠種限定で、発覚BGM、クエストクリアBGMとしてMH3GとMH4の楽曲が導入されている。
ジンオウガやイビルジョーなどのテーマBGMを持つモンスターは、そのBGMも同時に導入されている。
2016年3月17日には、同作のメインコンテンツとなっているG級への導入をスムーズにする目的で、
HR帯の大部分の防具が鎧玉による強化システム
(ただしメインシリーズの鎧玉強化とは異なる部分もある)となった。
また、同年4月にはHR帯において、メインシリーズ同様のキークエスト制となった*6。
更に、ドスランポス、ドスゲネポス、ドスイーオス、キリンの剥ぎ取り回数が
MH4以降のメインシリーズと同じ3回に増加した。
なお、これらはいずれも演出やユーザーインターフェース、立ち回りの変化といった部分に限定されており、
水中戦や乗り攻防、狩技など、ゲームの土台を大きく変化させるものは(技術的困難もあり)導入されていない。
- 逆に、MHFからメインシリーズへのシステム導入は、
MH4でMHFの要素であった「アイテムのマイセット」が導入されたことと、
MHXXにおいてMHFの「外装変更」の類似システムである「防具合成」が導入されている
(ただし両者はほぼ同時期の登場)ことが挙げられる。
MHRiseでは百竜武器の見た目を変える武器重ね着が「外装変更」というそのまんまな名前になっている。
また、MHR:SではMHFでよく見られた、
「特定のクエスト限定で、新しい行動や連携を行う強化個体が登場する」というパターンも多く見られる。
特徴、名前が共通しているもの
- 特徴や名前が共通しているが、「直接の導入」とは言いがたいもの。
文献等によっては「導入」とされていることもある。
剛撃、激励
- 剛撃スキルはMHF-G1で実装され、時系列でいえばその後
(ただし本来のスケジュールでは同時期になるはずだった)発売されたMH4にも剛撃スキルがある。
ただし両者の効果は全く異なっており、開発時にあえて名前を揃えたか、
或いは偶然そうなったのかは不明である。
また、MH4Gのセルレギオスの武器とMHXの絶対回避【臨戦】、MHFの巧流スキルは、
いずれも回避行動で斬れ味が回復するという共通項はあるが、武器、アクション、スキルという違いがあり、
あくまで彷彿とさせる、に留まるといえる。
MHFの「弾丸節約術」スキルに似た効果を持つMHXの「弾丸節約」も、
スキル系統名称・発動時名称が異なる上に、実際の効果もやや異なる事から、
直接導入というよりは参考にした、程度と捉えた方がよいと思われる。- なお、弾丸節約は後のシリーズにてMHFの弾丸節約術とほぼ同じ(確率等は異なる)効果に、
巧流はMHR:Sにて復活した刃鱗磨きがほぼ同じ効果となっている。
後者は登場作品を考えると、MHFの要素を導入しつつリファインしたと考えて概ね差し支えないと思われる。
- なお、弾丸節約は後のシリーズにてMHFの弾丸節約術とほぼ同じ(確率等は異なる)効果に、
- MHR:Sの最終アップデートではMHFにも存在した激励が登場。
ただしこちらの効果はフロンティアの激励(鼓舞)とは全く別物になっており、名前だけが共通している。
前述の通り本作ではMHF由来のスキルや要素の導入が多く、これもファンサービスの一環かもしれない。
お守りとスキルカフ
- 前者はメインシリーズ、後者はMHFの追加装飾品システムである。
装備のスロットとは別にスキルポイントを有するものを装備できる、という特徴は共通しているのだが、
それ以外はあらゆる点で異なるシステムとなっている。
実装時期が近似していたこと(お守りの方が早い)からMHF側では一時騒然となった。
- ちなみにスキルカフは後付け要素ということもあって、
MHF側の設定としてはクエストに同行してくれるマイトレプーギーの装飾品という扱いである。
応急耳栓
- MH4Gで追加された、使い捨てで「咆哮やられを一度だけ無効化」するアイテム。
MHFには耳栓、高級耳栓効果が1度だけ自動発動する「使い捨て耳栓」がMH4より前の時代から存在しているが、
前者は「アイテム使用(食べる)で効果が発揮される」「咆哮を段階問わず無効化できる」仕様で、
後者は「持っているだけで効果が発揮される」「アイテムによって無効化できる段階が異なる」事から、
導入というよりは、似たような効果を持つアイテムと考えてよいと思われる。
防具合成と外装変更
- 前者はMHXX、後者はMHF-Zからの新システム。
いずれも防具の外見に関するシステムである上、外装変更の実装からMHXXの発売時期は4ヶ月程しか離れておらず、
防具合成が「カプコンTV」第61回にて発表された際は
「MHFからの逆輸入か?」などと指摘するファンもいたが、
前者は別の防具と「合成して」、後者は外装用防具を「被せて」見た目を変えるなど、
細かい点が異なっている。
どちらかといえば外装変更はMHWで実装された重ね着装備の方が近いため、
こちらはMHF→MHWへ輸入されていると捉えることも出来るかもしれない。
要素導入ではないかとされたケース
- 実際に「導入」はされていないが、
名前やシステム、告知時の状況等から「要素導入ではないか」と言われたケース。
操虫棍と穿龍棍
- 前者はMH4で、後者はMHF-GGで新登場した新武器種。
「漢字3文字」「○○棍という名称」「自力での跳躍が可能」「開発時期の近似」という点から関連性を指摘される。
とりわけアクション上の共通点である「自力での跳躍が可能」という特徴については、
これまでの武器種に全く見られなかった(穿龍棍において唐突に登場した)要素であることから、
穿龍棍について「操虫棍をあからさまに意識した武器種」との見方も少なくなく、
意図的に「輸入」という形で要素を取り入れた、という評がなされていた。
2015年に東京ゲームショウ内で行われたMHFの公式イベントにおいて、
運営により操虫棍がNGワードであると釘を刺す場面があったことも、この見解を裏付けたと言える。
なお、デザインについては操虫棍が六尺棒(中国語で棍と呼ばれる)+刃、
穿龍棍がトンファー(同じく中国語で旋棍と呼ばれる)+パイルバンカーであり、
名前の由来は虫を操る棍と龍気を穿つ棍と異なってはいるため、
操虫棍を意識しながらも差別化を行う意図はあったとみられる。
発掘武器と天廊武器
- 前者は4シリーズの独自要素、後者はMHF-G6からの追加要素。
システム自体は根本的に異なる両者である*7が、
当初公開された情報で天廊が未知の樹海同様にランダム構造マップであること、
天廊武器はそこで発見された素材を元に作成するという情報から、
「発掘装備の輸入ではないか」と誤認された。
些か早計にも見えるが、実際にMHF運営に「天廊武器は発掘武器(と同じシステム)なのか」
という問い合わせが多く寄せられたことが、MHF-G6時のインタビューで明らかになっている。
変遷
- 上述したようにMHFはサービス黎明期(2007年6月~2008年1月頃まで)には、
MHP2のシステム・仕様・武器・モンスターなどを多く取り入れていた。
運営インタビューによると、2007年夏頃まではコンシューマー寄りのアップデートが中心であり、
2008年1月のシーズン2.0よりようやくMHFの独自性を持ったアップデートが出来るようになったとのことで、
それ以降メインシリーズからの要素導入は上で挙げたような一部のものに留まるようになっていった。
一方メインシリーズの方も、MHP2GにてMHF由来の要素がいくつか導入されていたが、
これは先述の通り、「導入」と言ってよいのかは微妙なところである。
- MHFは今でこそ他の派生作品同様、メインシリーズとは異なる独自性を持つものとして認識されているが、
当時はMHFもメインシリーズの傍系にある*8と見られており(詳しくはこちらも参照のこと)、
「何故メインシリーズから○○を持ってこないのか」という声は絶えなかった。
また、上述した前例があったが故に、要素導入の噂も頻繁に飛び交っていた。
- 上述したように2012年にはMHF独自の獣竜種と海竜種モンスターが追加されたが、
これについても当初は、MHF独自の獣竜種(海竜種)を作るぐらいなら、
メインシリーズから直接モンスターを導入すればいいのに、何故しないのか?
という声が少なくなかった(特にアビオルグ)。
この時代にはMHF独自のアレンジを施した要素導入があまりよい目で見られていなかった事が分かる。
- 2013年以降、MHFはそれまでとは大きく異なる変貌を遂げることになる。
これはゲーム内だけでなくプレイヤーの意識やユーザー層をも大きく変える変化であり、
この頃になるとMHFの独自性や方向性について肯定的な見解も示されるようになった。
- そして2015年には遷悠種としてジンオウガの導入が決定し、界隈で大きな話題になった。
遷悠種ジンオウガはMHFの風潮に合わせた変化・強化が行われており、
導入が決定していたイビルジョーやブラキディオスにも大きな期待が寄せられるようになった。
ブラキディオスもMHFの風潮に概ね合った変化であり好評を博することになる。
ところがイビルジョーに関しては、MHF運営曰く「もっと変化をつけようと思ったが限度があった」
と言及するほどメインシリーズからの変化が乏しく、
またその調整が現在のMHFの風潮に噛み合わないと言われるようになった(詳細はこちら)。
- 2015年はMHFの新コンテンツが全般的に振るわず、
年末の運営レポートで2015年はMHF運営の敗北といえる状態であったという事が述べられた。
これは超越秘儀やG級ラヴィエンテなども含む、コンテンツの調整に難があったという意味での総括だが、
「輸入コンテンツ(遷悠種)を前面に押したのが原因で敗北した」と捉える人が出るようになった。
これをきっかけに2015年末頃より、
「そもそもメインシリーズからの輸入要素自体がMHFには不要なのではないか」
という、輸入自体に対する否定的な声が挙がるようになった。
その為MHF-G10で導入されるスラッシュアックスFについても、第一報の時点では
「2015年に輸入コンテンツを目玉にして敗北したのに、また輸入コンテンツを目玉にするのか」
という声がネ実を中心に多く挙げられていた。
- 一方、イビルジョーを除く遷悠種はいずれもMHFらしい大規模な改修が成されていたことや、
スラッシュアックスFも「輸入コンテンツ」ではあるものの中身は
「MHFオリジナル武器種」と呼べるほどの別物になっており、
2016年中盤頃には輸入に対する忌避感は沈静する事になった。
MHF-Zでは「MHF独自の路線」がハンター・モンスター共にこれまでにも増して鮮明化され、
この頃になるとMHFとメインシリーズの関係がはっきりと認知されるようになり、
遷悠種やスラッシュアックスFの導入経緯も明らかになった
(先述したとおり、コンシューマーからMHFへの定着化を狙ったもので、それが概ね成功した事が明かされた)事で、
それ以後は要素の導入についてどうのと論議する動きは見られなくなった。
論議されるファクターの1つであった「遷悠種の(ゲーム内での)強さ」についても10周年アップデート以後は整理されており、
MHFオリジナルの個体である極み個体だけが特例的で、
それ以外の後発遷悠種はいずれもMHFオリジナル種区分の辿異種より以前に挑むモンスターとして調整された。
他作品におけるメインシリーズ要素の導入例
- MHF以外の派生作品では先述したとおり「輸入」とは呼ばれないケースが多いが、
MHFのケースと同様の事例はいくつか存在する。
- なお、MHF以外の派生作品からメインシリーズへの要素導入は、
いわゆる「コラボレーション」という形を除くと皆無である。
先述したように、MHF以外はゲームベース自体が大きく異なるため、細かいシステムを導入し辛く、
MHFを含む派生作品とメインシリーズでは世界観の完全な共有・摺り合わせは成されていない
(詳しくは派生作品の記事を参照のこと)ため、
摺り合わせが難しい、規模の大きい要素はメインシリーズ側に
(コラボという、ある意味世界観の外にあるものを除くと)導入できない、
或いはする事自体が検討されないものと見られる。
MHXR
- 当初の開発計画(モンスターハンター スマート)においてはMH3Gがベースになっており、
「エクスプロア」へと変わった後もそれは同様であるが、
アップデートでメインシリーズからMH4以降のメインシリーズの武器種、モンスターが続々追加されている。
また、MHF独自の武器・防具も続々追加されてはいるが、
MHF独自モンスター、オリジナル武器種は追加されておらず、
MHFモンスターを彷彿とさせる武具はコラボレーションの範疇に留まっている。
MHO
- 中国本土でサービス展開されているオンラインゲームのモンスターハンターで、
一応土台の土台はMHFということになっている(ただし、ゲームエンジンの違いもあり何から何まで別物である)。
こちらはMH3以降のモンスター、MHFのモンスターがアップデートで追加導入されており、
武器種としてはMH3よりスラッシュアックス(MHFのスラッシュアックスFではない)が導入されている。
MH3系モンスターはMHFの遷悠種をベースとしているらしいことが動きから窺い知れる。
なお、MHOのサービス終了前に追加された「ラスボス」枠はアマツマガツチである。
MHSP(2)
- アーケードゲームであるが故に、いわゆる新要素解禁という形でメインシリーズ
(稼働当時の最新作であるMHXXまで)のモンスターが導入されている。
ただしこちらは上記2作品と異なりMHFの要素は一切登場しないことや、
総合プロデューサーがメインシリーズ作品と同じ辻本氏であることから、
要素導入とすら呼ばれないことも多い。
MHST2
- 最もメインシリーズに近い派生作品であるモンスターハンターストーリーズだが、
MHST2ではプレイヤー間で用いられる俗称がいくらか公式名称として逆輸入されている。
- 一番有名なのは亜空間タックル。
発売日当日にはTwitterのトレンドや、Yahoo!の検索ランキングに入ってしまう程話題となった。
他作品におけるMHF要素の導入例
- MHF自体が派生作品ということもあり、
MHFの直接のスピンオフであるメゼポルタ開拓記とMHFをルーツに持つMHOを除くと、
MHFの要素をコラボという形で取り入れたMHXR以外の派生作品ではMHFの要素は一切取り入れられていなかった。
- そんな中、MHR:S以後初となる派生作品のMHNowでは、
MHFにかつて存在した「尻上がり」スキルが登場。
スキルの性質自体もMHFのものと同じであり、
前述の3作品でも実現していない派生作品におけるMHFスキルの導入が実現したと見てもよいものにはなっている。- 実際のところとしては、MHR:Sに登場した百竜スキル「研鑽」の方が効果としては近く、
フロンティアのものと違い時間経過で攻撃力だけでなく防御力まで上がる。
ただ、「研鑽」自体が尻上がりスキルをオマージュしたと考えられており、
それをフロンティアと同じ名前のスキルにしてMHNowに持ってきたと考えるのが妥当な所であろう。
- 実際のところとしては、MHR:Sに登場した百竜スキル「研鑽」の方が効果としては近く、
余談
- 「輸入」「輸出」は先述したとおり、他国から物やサービスを購入したり納品したりすることを指す。
何故この単語を「モンスターハンター」という大きな枠組(言うなれば同じ国)の中にある、
MHFとメインシリーズで用いられるのかといえば、
どちらも同じ「ハンティングアクション」というジャンルに属しながら、
ゲーム設計から世界観設定に至るまで全くと言っていいほど異なる作品であることが関係する。
その上で、メインシリーズ=本家と派生作品=分家という大まかな共通認識から
メインシリーズからMHFへの要素の導入が「輸出入」に例えられるようになり、
現在において事実上定着したという経緯がある。- 詳しい経緯は本家の記事を参照されたいが、
MHFは当初、メインシリーズの一端にあるという誤った認識を持たれており、
メインシリーズと当時ほぼ唯一の派生作品であるMHFは、
それこそ「別の国のような関係である」という揶揄・批判が絶えなかった。
輸出入のイメージが強固に形成されたのは、このような背景も影響している。 - ちなみに「(稼働している)国が違う」という点で挙げるなら、
中国本土用にローカライズされたMHOは、少なくともMHFとは稼働している国が違うため、
MHOとMHFの要素導入を「輸出」「輸入」と言い換えるのは、
本来の意味から見てもそこまで不自然ではない。
- 詳しい経緯は本家の記事を参照されたいが、
- なお今日において「輸入=外部作品*9から導入された要素」というのは一般的なゲーム用語と化したので、
輸入という単語を使用するのに他の国と言えるほど別かどうか、などというような意識は緩和されている。
- MHFからメインシリーズへの要素導入は「逆輸入」と呼ばれることがある。
上記の通りMHF以外の派生作品からメインシリーズへの要素導入が行われたことはほぼ無いに等しく、
モンハン界隈で「逆輸入」と書くと、ほぼ100%「MHFからメインシリーズへの要素導入」を指すと見てよい。- なお、経済用語としての「逆輸入」は、自国で生産して輸出・消費していた製品を
人件費や材料コストが安い等のメリットがある外国に生産拠点を移し、
それを本国へ輸入しなおすことを指す。
こちらの意味を生産コスト云々の部分を省いてゲーム的に言い換えれば、
ある作品でオリジナルとして作られた要素が他のシリーズに輸出され、
アレンジされる等した後に元の作品(のシリーズ)に戻ってくる*10場合である。
- なお、経済用語としての「逆輸入」は、自国で生産して輸出・消費していた製品を
- MHFがサービスを継続していた頃は正しい意味での「逆輸入」は実現しないものと見られていたが、
サービス終了が決定したことで、ある意味実現へのハードルは下がったと考えられた。
特にMHFにしか存在しないため今後使えなくなる事が確実視される武器種やアクション*11などを、
メインシリーズでも見たい(使いたい)という声は当然出てくるものであった。- MHW:I発売前(MHFのサービス終了告知後)のタイミングで行われたインタビューでは、
「MHWの世界観に合うモンスターをチョイスしており、選択肢に全く入っていない訳ではない」
「MHFは独自の世界観に振り切ってデザインしているため、元のデザインで即出せるわけではない」
「もしモンスターを導入するなら見直しが入る」ということが語られている。
また、大きな障害として開発上のゲームエンジンの違いなどの関係もあり、
なかなかMHFモンスターを使い辛い部分があるのだともされている。 - MHR:Sでエスピナスが参戦できたのは、MHFを代表するモンスターの一体であると同時に
割と初期のモンスターであるがゆえに「振り切ったデザイン」ではなく馴染ませやすかったのではないか、
という見方もされている。
- MHW:I発売前(MHFのサービス終了告知後)のタイミングで行われたインタビューでは、
関連項目
モンハン用語/本家 - メインシリーズの事。「輸入」というフレーズが用いられるようになった原因
モンハン用語/派生作品 - MHF、MHOなどメインシリーズから派生した作品群
システム/遷悠種 - 2015年以降に、メインシリーズからMHFへ導入されたモンスターのカテゴリ