Fi-Siループ

Last-modified: 2023-04-05 (水) 00:44:01

実際に天国や地獄があるのではない、天国も地獄も、所詮は人の心の状態のこと、人が想像で描くことである。 これは、仏教や道教において、何千年も前から言われてきたことである。 しかし、そのリアリティのある臨場感といったら、現実と区別はできない・・・らしい。

さて、一方、キリスト教では、死後のことについて、最後の審判という話がある。

「人は、世界の終わりにイエス・キリストが再臨し、すべての死者を蘇らせ、裁きを行い、 永遠の生命を与えられる者と地獄に落ちる者を分けるという。」 ( wikipedia 参照 )

筆者は、キリスト教にはとんと疎いので、偉そうに語ることはできないが、 個人的には、「世界の終わり」ではなく、「個々人の人生の終わり」の間違いではないかと考えている。 チベット仏教や、世界各地の臨死体験、輪廻転生の記憶を持つ子どもたちの話などの共通点と照らし合わせると、 そちらの方が妥当だと思われる。

「なんだ、お前もスピっているのか。失望した。」なんて言われるかもしれない。 特に、Tタイプはそういったことを言いがちだ。 外向的思考タイプは、現世的で、外界に目に見えて明らかな因果関係を何よりも信頼している。 内向的思考タイプは、明確に証明できないことには、端から疑う傾向があるし、 聞こえの良いことを、闇雲に信じることはしない。 自分の利益ばかりを追求するのではなく、互いに愛し合いなさいなど、耳が痛い話だ。

さて、私は可能性として述べているのであって、先入観なしで様々な事例に触れ、真実を知りたいだけなのだ。 その結果、やっぱり人間の意識はニューロンの産物であるという唯物論に落ち着くなら、「あっそ」でオシマイである。 だが、現時点では、そんな唯物論に明確な証拠はなく、それもまた信じるかどうかというレベルである。 もっと率直に言うならば、自分の価値観や今まで送ってきた人生にとって都合が良いかどうかという基準で、 個人的見解を選択してしまうレベルである。 しかし、それで本当に良いのだろうか。

神秘的な経験をした後で、超越者の存在と、生命の本質について、共通した見解を持つに至った者たちがいる。 日本で言えば、空海、道元、西田幾多郎など、 海外で言えば、龍樹、パスカル、ゲーテ、リヒャルト・ワーグナー、トルストイ、マハトマ・ガンディ、クリシュナムルティ など枚挙に暇がない。 彼らの時代や文化背景は様々であるが、これでもかっ!ていうぐらい多いし、類似している。

「それは、脳内麻薬が見せる技だ。」と言われるかもしれないが。

私も、簡単に信じることはおすすめしない。 そういったことは、It sounds good. で決めてしまうFタイプがやりがちだ。 否、これには語弊がある。Fタイプは、肯定的な立場から検証を初めがちなのだ。 何が正しくて、何が間違っているのかを理論的に判断しようとすることには違いがない。 そうであっても、どの宗教にも属すること無く、自分なりの検証と判断を、先入観なしで行うことをおすすめする。 なぜなら、ご存知のとおり、依存心の強い人間たちが食い物にされている現状があるからだ。

さて、本題に入ろう。 地獄とは心の状態のことであると言うならば、その地獄を常々味わっているのが、INFPである。

INFPの第一心理機能は内向的感情である。 すなわち、自分の内面的価値観をしっかりと持ち、それと調和して生きようとする。 調和して生きることができれば幸せであるし、そうでなければ嘆き悲しみ、心痛を感じる。 痛烈に、自分の感情を意識することになる。

そして、第三の心理機能は、内向的感覚である。 これは、過去のことが折りにふれて思い出される心理機能である。 記憶のフラッシュバックが起こるのである。 しかも、それなりの臨場感をもって。

内向性の強いINFPは、ひとり自分の思考や感情、そしてひらめきに没頭しがちである。 そんなときに、よく働くのが上述の二つの内向的な心理機能 FiとSiである。 さらに、外向的直観 Neの働きで過去の記憶の解釈を行う。

感情を伴って、過去の記憶が蘇り、強い感情が、過去の記憶を呼び覚ます。 さらには、あることないこといろいろ考えてしまう。 それは、妥当な可能性も拾いあげるのだが、だからといって解決するものでもない。 その繰り返しである。 特に、嫌な記憶は頭から離れない。 些細なことであっても、人を傷つけてしまったことには後悔するし、 その後悔の念からは自由になれない。 また、他人の悪意ある言葉には傷つきやすい。 まったく正直に不都合なことも包み隠さず自分の感情を痛感する。 自分に対して率直であり正直であることが負担になる。 しかし、それを止めることができない。 Fi-Siループによって感情と記憶は堂々巡り、出口のない地獄の様相を呈する。

INFPの心が、苦しみを感じるのは、それだけではない。 実は、INFPは思春期に自殺について頭をよぎる傾向にあるという。 それは、この世界の不条理や悲しい現実に目が行きがちであるということと、 それを外向的直観によって一気に捉えてしまうことに原因がある。 「そもそも、この世界は生きる価値があるのか否か。」 そこから、始めないと気がすまない。 これは、NFタイプ全般に言えることなのだが、特にINFタイプでは顕著である。

さらに、INFPは外向的思考を抑圧しているから、 世界の悲しい現実から目をそらして淡々と自分のために計画を実行することはできないのである。 まして、中身よりも自分を大きく見せようとしたり、他人を蹴落としてまで、 社会的成功を獲得しようとするような図太さは持ち得ない。 そのようなことは、心の調和に反するからだ。 確かに、悲しい現実から目をそらさないことは、精神的な強みと言えよう。 同時に、これは欠点となる。 なぜなら、強い感情に圧倒されて、自ら外部に働きかけ状況を変えたり、環境を整えたりすることができなくなってしまうのだ。 実に、難儀なタイプである。

では、そのような地獄から抜け出すにはどうすればよいのだろうか?

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