INFPに捧ぐ INFPが快く人生を送るために

Last-modified: 2024-05-07 (火) 13:48:23

INFP型の描像 再び

優勢 内向的感情 Fi
補助 外向的直観 Ne
代替 内向的感覚 Si
劣勢 外向的思考 Te
infp_cognitive.gif

Preface INFPに捧ぐ

INFPは、16タイプの中で何かと心痛を強く感じ、苦悩し、 大変であるらしいとの情報を国内外の多方面からキャッチしました。

ということで、おせっかいながらも、 ( 本当に私はお節介だと思います。でも、やらずにはいられない、自分の判断を言わずにはいられない人間です。)

「 INFPタイプの本当の良さは何なのか ? 」

「 その良さを活かしながら快く人生を送るためにはどういった点に注意すれば良いのか ? 」

といったことを考え、心理機能の構成と発達の見地から、ヒントを書き連ね、お送り致します。

案外そういった情報は多いのですね。

INFPは、平和と平等を求める温厚で良き資質を持ったタイプです。 これは、内向的感情によるところが大きいです。 そして、これは誇るべきことです。その理由をこの文章のどこかで説明します。

また、大抵のINFPは、素早く本質を見抜く賢さを備え、 才能を開花して人々に良い影響を与えることが出来るでしょう。 これは、内向的感情に加え外向的直観による所が大きいです。

しかし、気をつけなければならないことがあります。 そのことについてもお話しすることになると思います。

このタイプは、思春期を乗り切ることができるかどうかが最初のハードルになるようです。 なぜなら、内向的感情が優勢であり、 かつ外向的直観もよく働くので、 文字通り多感な思春期になる傾向があるからなのだと考えられます。

さらに、10代後半から、20代での職業選択でも迷うことが多いのではないでしょうか。

もしかしたら、鬱々とした感情、もしくは悲嘆の思いをそう簡単には克服できないかもしれません。 それでも、INFPの性格特徴には自己肯定感を持つのに充分な理由があります。

もしかしたら、この世界に生きる理由を見つけられず虚無感を感じている方もいるかもしれません。

それとも、哲学的な思索をすることで納得できていますか?

INFPの良さ、それが答えだと思うのです。

INFPはひたすら自己探求する

INFPの第一の心理機能は内向的感情です。

これは、理性的な判断の心理機能です。 それゆえに、思慮深く熟考する性格特徴を与えます。

これによって知的な評価が可能であり、より確信を持つことができ、 より意味のあることをひたすらに探求し、自分の中に価値観を形成し続けるのです。 そうすることによって、より意義深く、大きな目標のために方針を決めることができるようになります。

常に、自己の内で感じ取ることの出来る「信頼できること」、 と「オリジナリティ」を求めており、自分自身を理解しようとし、自己修養に努めます。

INFPにとって自分自身を理解することは、 人々を理解することへ通じるとも考え、 自分が何を感じているのか、心のくせを見抜き、良きを伸ばし、 悪きを改めるためにどうすべきか常々考えているのです。

観察や経験から学んだことは、理性的に整理され、自己の内にしまわれます。 内向的感情は、内向性の心理機能であるので、 こういったことは他の人からはなかなか見ることはできません。

自分自身に対する要求が厳しくなり、納得するまで試行錯誤を続けます。

漠然と方向性が決まっている場合、もしくは、方針がしっかりと決まっている場合は、 人に干渉されることを好まず、途中経過をなかなか表に出そうとはしないことがあります。

INFPの第二の心理機能は外向的直観です。

これは、知覚の心理機能です。

外界に対してはすぐに決めつけることをせず、先入観無しで臨みます。

素早く本質を見抜き、アイデアや理論を楽しみ、新しい可能性に興奮し、 ひらめきに身を委ね臨機応変に邁進することになります。

この際には、現実的なことはただ過ぎゆく退屈なものであり、 あまり認識されないかもしれません。

物事を解釈する時は、自問自答を繰り返すことに長い時間をかけ、 ふと沸き起こる直観によって、乱雑で無意味に見える物の中から隠された秩序を見つけ出します。 答えの方が先にやってきて、それを分かりやすく説明できるようになるのはその後になります。 その繰り返しで、内面における知識と価値観が成熟してゆくのです。

そして、INFPにとって、絶え間ない意識的な成長とアイデアの実現こそが重要な課題になるのです。

この内向的感情と外向的直観の協働により、 INFPは想像力豊かな理想主義者の性格特徴を備えることになります。 何よりも可能性を信じ、自己の信念と価値観に突き動かされて、より良い未来を創造しようとします。

INFPにとってこの宇宙は、多様な要素が複雑に関連し合い謎に満ちた神秘の世界として映ります。 そして、心の奥深くから沸き起こる疑いようのない喜びと感動を求めて、存在の意味と真実を探求し続けます。

本当に関わるべきことを決めた後は、 何を為すべきか整然と手順を決め、 粘り強く実行する必要が出てくるでしょう。 この段階は、INFPにとって神経をすり減らすかもしれませんが、 完成像を思い描き、強い思いを持っているならば、 少しづつでも成し遂げようとするでしょう。

この段階に至っては、あれこれと関心が移ってしまうことは禁物です。 しかし、それは、INFPにとって困難なことかもしれません。

第二の心理機能が外向的直観であり、 第三の心理機能である内向的感覚が脇に追いやられてしまう傾向があるからです。

ふと沸き起こる記憶に、いちいち意味と関連性を見つけようとし、 ちょっとした新しいことに手を出そうとしてしまうのです。 特に、自分にとってつまらない作業を繰り返している時は、 慣れて没頭できるようになるまで時間がかかるでしょう。

そして、上手に休むことができないこともあるかもしれません。

さらに、この移り気な傾向は、外向的思考を第四の心理機能として抑圧していることにも起因しています。 すなわち、ゴールに向かってまっしぐらな行動を手際よく取ることが難しくなるのです。

このことによって、エネルギーを浪費していることに気がついていても、 実際に自分を制御できるようになるまでには、年月がかかるかもしれません。 遠回りから多くのことを学ぶことができるのは事実ですが、 それによって力尽きてしまう事のないように注意しなければならないでしょう。 第二と第三の心理機能のバランスを取れるようになるまで、 成功と失敗を繰り返すことになります。

ここで、INFPがINFPらしく生きるヒントが一つ得られると思います。

1. 「もし、本当にすべきことを見つけたら、詳細にまでこだわりながら粘り強く完成させようとすること。 そのためには、沸き起こるインスピレーションや興奮による移り気が生じたときに、定めた目標を方向を思い返すこと。」

いつでもそうすることが良いとは言いませんが、 本当に大切だと思われる時は、自分を試すという意味でも、 知的好奇心の衝動に身を委ねるのではなく、律するのが良いでしょう。

そうすることによって、 内向的感情や外向的直観がダメになるということはありません。

Fi ---> Ne---> Si ---> Te と使っているのならば、INFPにとっては健全なことです。

Fi ---> Fi---> Fi ---> Fi ・・・ とか

Fi ---> Ne---> Ne ---> Ne ・・・ などの方が危険です。

本当にすべきことのための決心が強まり、 乗り越えるべきことのがあれば、また外向的直観を使うことになるでしょう。 その本当に乗り越えるべきことのために外向的直観を使うのです。

共感、オリジナリティ、想像力といったものは、成功すれば尊敬されるものの、 うまくいかなければ、鼻で笑われることになります。 しかし、本来、そういったものは美徳であって決して蔑まされるものではありません。 とはいうものの、日本では、クリエイティビティや理想のために今を越えようとする勇気、 もしくは、失敗そのものを肯定的に捉える文化は一般的ではないと言われています。

確かに、情熱やアイデアがあっても、きちんと実現されなければ意味がないというのは事実です。

現実に直面して、理想を実現することが困難であることに気がつくと、 諦念と倦怠感を抱くようになり、さらには憂鬱な気分を感じるようになります。

そして、自分がそれ以上傷つくことがないように、 厳しい現実から逃れるようにして、夢の中に閉じこもるために 想像力を利用してしまうと、INFPの才能は無駄になってしまいます。

可能性への情熱と人生をかけた意味の探求に明け暮れる一方で、 日常生活を維持するためのこまごまとしたことに関しては、退屈を感じます。

また、既存の手法や伝統に従うことも二の次になります。 堅実さの価値を意識するようになるのは、 少々後のことになりますが、既に10代半ば辺りからその芽が伸び始めています。

他者に対する洞察力と共感能力

INFPの第一の心理機能は内向的感情です。

実は、これは感情判断の心理機能でありながら、内向性のために、 これ単独では、必ずしも社交的な要素を与えるものではありません。

INFPが他者に対して洞察力が働き、他者に対して配慮した言動ができ、 協力的で献身的になるのは、外向的直観が共に働くことによるところが大きいのです。

内向的感情の働きにより、感受性が強く、繊細な心の持ち主になります。 美しい風景や物語などに強く心動かされるかもしれません。 また、弱いもの、可愛らしいもの、神秘的なこと、 少数派の人々などに潜んでいる良さを見つけ魅了されるでしょう。

そして、広く人と交流するよりも、深い人間関係と深く愛情を注ぐことの出来る 少数の相手を探すことにエネルギーを注ぎます。

打ち解けることのできていない相手の前では、自分が感じていることを、簡単に表に出そうとはしません。 たとえそうであっても、強い思いをひしひしと感じていることがあります。

なので、他の人から見れば、はじめのうちは、どこかよそよそしく見えるかもしれません。 また、控えめで言葉遣いが穏やかなので、積極的な印象を与えないかもしれません。

おそらく、他の人から見れば、INFPは、用心深く、理解力があり、 思いやりがあって思慮に富んでいるように見えるでしょう。 実際に、平静を保っており、自分自身が確信を持つことができるまで、 黙っていることがよくあります。 初対面にあっては、決して抑圧的な態度は見せず、 質問をすることは少々ありますが、どちらかというと静観的な態度をとります。

本当のところは、優しく思い遣りがあり、格式張らず、他者を温かく受け入れたいと思っています。

外向的直観の働きにより、決めつけることなく多角的な視点からものを見ることができるのです。

人々は、各々、独自のフィルターを通して物事を見ているのだということを知っています。 そして、その個人的なものの見方は、よりクリアに、そして信頼に値するものとなるために、 常に焦点を合わせ直し、洗練させてゆく必要があるのだと思うでしょう。

それゆえに、知識の価値や他者の真摯な態度に対しては、感動し尊敬することができます。

INFP自身の個人主義的な傾向は、無意識のうちに他者に対しても当てはめることになります。

それぞれの人間にはそれぞれの特徴があって、 各個人が自分なりの方法で道を探す自由があり、それが望ましいと思うでしょう。 そして、自分の判断を押し付けがましく言うようなことはしません。

これが、INFPが個性的でありながらも、平等主義的になるか、 もしくは人間存在に対して普遍性を追求するようになる理由です。

この、自分の自然な方針を無意識に他者に当てはめるという特徴は、 INFPだけには限りませんが、これが、INFPの良さを引き立てているように感じられます。

自分自身だけでなく、各個人の成長に強く関心を寄せ、 自分の道を自分の意志で進もうとする人間を励まし支えることができれば幸いであると思っています。

内向的感情と外向的直観の協働により、 困っている人を見ると、哀れみ深い一面をのぞかせます。

他者の苦しみ、失望、不満などは、あたかも自分のことのように感じることがあります。 それは、外向的直観を通して他者の本心と置かれている状況を見抜くことができるからです。 そして、人々が不当に苦しめられていることを自分の胸の内で感じ取るのです。

外界における不調和を、外向的直観を通して内界における不調和として感じるのです。

議論する一面

外向的直観の働きにより、好奇心旺盛で議論好きな面が表れます。

INFPは自分の身の回りのことばかりではなく、 もっと大きなことに関心を寄せることがあります。 そして、あることが人々に影響する問題や、人間の可能性、 多様な価値観、倫理観、心理的な成長、 さらには、この世界の存在に対する疑問などに興味を持ちます。

多様性を愛し、冒険心を持って、 いろいろな特徴を持った人と関係を結んだり、 新しい世界に飛び込むことがあります。

アイデアや考え方に対しては、たとえ不完全であってもざっくばらんに話し合い、偏見なく吟味しようとします。

興味を抱いた事柄に対して共に考え、 実践できる機会を分かち合える相手とは自然と仲良くなるでしょう。

そのなかから、多くを学び取り、アイデアを交換します。 様々な考え方に触れ、洞察を得ることは、INFPにとって楽しいことです。 ひとり熟考することと、人と議論し実践することを繰り返すことで、 深い理解に達することができ、自分の価値観の枠組みに組み込んでゆくのです。

内向性が強い場合は、進んで会話を取り仕切ろうとはしないかもしれません。 特に、初対面のときや出会って日が浅い場合はそうなりがちです。 しかし、一度会話に惹きつけられると、人の話を聴く能力を発揮し、 他者の立場を尊重しながら、適切に返答し、知的な質問をすることができるでしょう。

批判に対してはめっぽう弱く傷つきやすいようです。 他者と関わるときには、敬意を表し、鋭い洞察力を発揮しますが、 同時に敏感であり、否定的な意見には圧倒され、 理性的に対応することにはエネルギーを必要とします。 そんなときは、一呼吸おく習慣を身につけるとよいでしょう。

一見、落ち着いているように見えるときでも、 内面においては、いろいろと考えを巡らし、 強い感情を抱いていることがあります。

とても、長い時間をかけて熟考し出した判断と方針は、 複雑な理由に基づいているので、周囲の人を驚かせることがよくあります。

擬似的な外向的感情とFi-Feトンネリング

内向的感情の善い点を前述しました。 このはたらきによって、INFPは個性的となり、 しかし、自分の意見を押し付けがましく言うのではなく、 他者に対しても独自の道を歩む自由を認めるのだと。

しかし、内向的感情が発展途上のうちは、 自分が強く感じていることにのみ思いが向けられ、 非社交的な特徴が現れてきます。

熟考による価値観形成や、自分が感じることを掘り下げることに傾注している時は独りになりたくなるかもしれません。 この傾向が強くなると、孤独を好み、煩わしい人間関係を断ち切ってしまうことがあります。

そして、自分の感情を優先するあまり、人を傷つけてしまうことがあります。 これが、INFPが冷淡もしくは感情的に利己的になってしまうと言われる理由です。

胸の裡に強く抱いている思いと、頭の中で巡らせている思考は、 無表情と控えめな態度によって隠されることがよくあり、 他の人は、それを不機嫌であると受け取ることがあります。

実際に不機嫌なときも、無表情によって隠されていることがあるのですが、 そうでないときとの差が分かりづらいかもしれません。

外向的感情の働きを追いやっているところがあるので、 社交の場における適切な振る舞いや、 他者を快く感じさせるような行いを自然と行うことは苦手かもしれません。

内心では、他者の示す表情や声のトーン、 ジェスチャーにはよく気がついていることがほとんどですが、 それに対してすんなりと応答することはエネルギーを要します。 しかし、INFP自身は、意図して社交的なマナーを無視したり、 無礼な態度を取るつもりはないのでしょう。

ただし、外から見てどうかというと、 場合によっては、気が利かず、非社交的で、堅苦しい奴だと思われるので要注意です。

もし、助けの手を差し伸べる用意があることを示すとすれば、 それは、胸の裡にそれなりの強い思いがあってのことであり、 自分から申し出るとすれば、それは勇気を出してのことなのでしょう。

現実には、自分の心だけに注視し、 他者との関係を適切に結ぶことができないと、問題が生じます。 そして、心痛を感じることになります。

内面における調和は、人間関係の調和と密接につながっています。

それゆえに、自分が感じていることばかりに囚われるのではなく、 他者との感情共有を求めるようになってゆきます。

INFP自身が、自分が本当に感じることを追求しながらも、 その姿勢が他者にも許されるべきであるという態度を取るうちに、 他者の感情や価値観にも敬意を払うようになり、 感情的なつながりの大切さに気がつくことになります。

内向的感情と外向的直観が協働させることができれば、意識して外向的感情を真似ることが出来るでしょう。 これを、擬似的な外向的感情 (psuedoextraverted feeling)と言います。 もちろん、実際は、外向的感情とは異質のものであり、区別されるべきものです。 この時点では、外向的感情に特徴的な積極性や押しの強さは色濃く出ないからです。

しかし、さらに発達が進むと、INFPにとって第五の心理機能である外向的感情の働きの大切さに気がつくことになります。 これを、Fi-Feトンネリング (Fi-Fe tunneling)といいます。

以下のように、第五の心理機能から第八の心理機能まで並べる流儀があります。 このことについては、別のページで詳しく議論しようと思います。

第一 内向的感情 (Fi)
第二 外向的直観 (Ne)
第三 内向的感覚 (Si)
第四 外向的思考 (Te)
第五 外向的感情 (Fe)
第六 内向的直観 (Ni)
第七 外向的感覚 (Se)
第八 内向的思考 (Ti)

第五の心理機能は、 第一の心理機能と感情判断の心理機能であるとう言う点で一致しているので、 INFPがENFJやESFJに惹かれることが多いのですが、 内向性と外向性の点で逆を向いているので、 外向的感情の働きに反発を感じることもよく起こります。 しかし、Fi-Feトネリングが顕著になると、そのような反発感も和らぎます。

INFPにとって、本当に格闘し統合すべきは抑圧している第四の心理機能である外向的思考であって、 第五の心理機能である外向的感情には違和感を抱いても、致命的に有害であるようには思われないのが普通です。

もしかしたら、INFPは、日本国憲法第13条の個人の尊厳と幸福追求権、すなわち、 全ての国民は、個人として尊重されれる。 公共の福祉に反しない限り、幸福を追求する権利があるという 趣旨には賛同するのではないでしょうか。

しかし、これだけで本当によいでしょうか。 これは、物事の半分だけを述べているように思われます。

もっと、積極性が必要です。

つまり、個人の幸福が、 全体の幸福のどこに組み込まれているのかということを考える必要があります。 その民族の一人としての個人と考えるとき、もしくはもっと広い範囲でもよいですが、 民族総体の意志の担い手としての 個人を想定することが出来るのではないでしょうか。

私たちは、単独でこの社会にいるのではなく、 理想的な社会の実現を目指して何らかの活動に従事しており、 様々なものを先祖から受け継ぎ、子孫へと手渡すものなのです。

もし、こういった観点がなかったら、 日本国憲法第13条は、人に迷惑をかけないなら好きにしてよい、 という消極的な解釈が成り立ってしまいます。

何か大きな理想を抱いて、 地球のために偉大なことを成し遂げよと言っているのではありません。 あなたの追求する幸福が、たとえ小さいように思われても、あなたの活動が、 全体の幸福とどのようにつながっているのか思い至ることができるならば、 素晴らしいことだと思います。

第二次世界大戦の最中、全体のために個人を犠牲にするということが起こりました。 そして、国家や集団の利益に重きを起きながら厳しい時代の状況に対応しようとしたのでしょう。 それは、ドイツ、日本において顕著に見られたようですね。 この反動で戦後は、個人の尊厳を趣旨とする考え方が強調され過ぎたような気もします。

この個人に重きを置きすぎる姿勢が、虚無感の原因になっているかもしれません。 結局のところ、極端から極端へと思想が傾いたまま、 バランスを取り直さず続いているのではないかという気がしてなりません。

そして、もうひとつ言うと、 個人の自己規律だけで幸福を追求できるほど 誰もが強い生き物ではないということです。 もちろん、私自身は、一人一人が強くあって欲しいと強く望んでいます。

しかし、現実には、弱い個人を前提にして考えなければならないことがあるでしょう。 それは、単に病気や怪我をすることがあるのだとか、そういったことだけを言っているのではありません。 一般的には、現状や実力に見合った無理のないことを継続するために、 自由や理想的な理念から逃走してしまうこともあるのだということです。

だからこそ、全体の中において自分自身の役割を果たすことと、 個人の幸福を追求するということが一致していることが大切です。 個性や自己表現はとても大切なことです、一方で、 協力関係のために自分自身の愛着や固執から脱するということが、 新たな愛情の念と幸福になりえるかもしれません。

実際、INFPは、人間関係においては、良き仲介者となることがあります。 それは、先に述べた理由から、それぞれの人の視点に関心を寄せ、先入観なしに、 公平に見るように努めることができるようになるからです。

理想と現実の間で理想を捨てるか追求するか

内向的感情と外向的直観の働きにより、 INFPは高い規範意識と他者に対する優れた洞察力を持つことは既に述べたとおりです。

INFPの内なる倫理的価値観は、単に自分自身にとって示唆するものではなく、 何よりも考慮に入れるべきものであり、意思決定に大きく関わるものです。

また、先に述べた理由から、人々に対して偏見を持つことを嫌い、平等主義的な態度を取ります。 各々が、その基本となる資質を発現させ、健康と幸福、 自由を獲得することができるようにできればよいと思っています。

最終的に世の中の人々と、生きとし生けるもの、さらには、 生命でないものまでもが、調和の内に、この世界の現象に組み込まれることを願っています。 そして、人間の目先の利益のために、そういった調和が失われてしまうことを嘆き悲しみます。

内向的感情は、「胸の内で強く感じていること」を基盤にしながら価値観を形成するので、 ストレスがかかると、悲嘆や怒りの感情に焦点が当たることになります。 ちょっとしたことでも、自分の規範に反する行為を見ると、悲痛を感じるかもしれません。 単に便宜的なことや都合がよいというだけの理由で、方針を決めることはできないのです。

この世界にいつのまにか誰かが課した不当な仕組みに気がついて考え始めることがあります。

しかし、いつまでも自分の哀愁や悲嘆に呑み込まれていることもまた、 好ましいことではないことに気がつき、 断固とした果敢な態度で現場に臨むことがあります。

公平性が失われ、誰かが虐げられているときや、 不必要に美が破壊されているのを目の当たりにしたときは、 表立って、怒りをあらわにするでしょう。

普段は、歌劇に表現されるようなロマンティストか、ほんわかした童話作家のようですが、 一旦、忍びない現状を見ると、過激な理想主義者の顔をのぞかせるのです。 なぜって? 本当は、ESTJが潜んでいるからですよ!

それゆえに、強い信念に従った修行者や強者に化けることがあります。

しかし、それは、ぎこちないESTJかもしれません。

絶望

情熱と共感に駆られて何かを成し遂げようとしたとしても、 現実世界において困難が立ちはだかることはよくあることです。 現実に直面して惨めさを感じ、絶望の淵に追いやられることがあります。

周囲の人間たちが不幸であり、苦しんでいたり、 抑圧され尊厳が失われている様子を目の当たりにしながらも、 自分自身がその状況をどうすることもできないことに気がつくと、 ひどく落胆することになります。

INFPは、善悪の判断に優れ、 それによって何をどこまでするかという基準を決めますが、 ときにそれがINFP自身に重くのしかかってしまうのです。

自分に課した基準が高いので、他者からの肯定的なフィードバックにさえ懐疑的になることがありますが、 その評価がそれなりに正当であることを自分でも認めることができれば、 さらにやる気を出すか、安心してやる気を失うかのどちらかです。

例によって、この高い倫理規範を、無意識のうちに他者にも当てはめてしまうことがあります。 そして、それが満たされないことを知ると、幻滅することになります。 しかし、他の人々が同じような心持ちで暮らしているわけではないということに気がつく必要があります。

自分自身にとって自然なことを、 無意識のうちに他者にも当てはめてしまうという人間の癖は、良い面と悪い面があると思います。

絶望を抱き閉じこもってしまうと、 せっかくの感性や想像力が非現実な妄想として浪費してしまうことになります。

また、外向的直観の働きによって、知的欲求の赴くままに、あてもなくさまよい続けるかもしれません。

そうしている間にも、胸のうちでは悲嘆の思いがくすぶり続けています。 なぜなら、内向的感情と内向的感覚が働くために、 過去の記憶が強い感情を伴って時折思い出されるからです。

幸い、INFPは、他者の勝利と喜びをも自分のことのように感じ取ることができるので、 うちひしがれた心はいつしか弱まり、明るい方へと向くことができます。

おそらく、ほとんどのINFPは、自分自身が惨めな状態にあってさえ、 他者が正当な方法で獲得した幸福を喜ぶことができるに違いありません。 なぜならば、自分が幸福でないと他者の幸福を喜ぶことができないという、 条件付きの明るさに疑問を抱くからです。

とはいうものの、嫉妬社会の色濃い閉鎖的な集団の中では、 誰もが深く考えず成功者に懐疑的になることがあります。 この点において、INFPは皆例外であるなどと言うことはできません。

悲嘆を感じながらも、再び傷つくことを恐れて、人生を一歩引いて見るようになります。

幸い、利他的な本性は決して潰えることなく、ひたすら真実を求めるので、 熟考の末、自分の感情に整理をつけ、希望を持って新しい一歩を踏み出すことができます。

さて、いつの時からでも、新しい一歩を踏み出そうとするときには、 遅すぎるということはないと思います。

ただし、何をどうやって、という選択はしっかりしなければならないでしょう。

また、再び同じ過ちに陥らないために、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

ここで、海外のサイトで共通してINFPと推定されている人物を挙げておきます。

ヘレン・ケラー
ウィリアム・シェークスピア
ジョージ・オーウェル
ダイアナ妃 (ISFP説もあり)
キルケゴール
サンテグジュペリ
ジョン・レノン
ビョーク
ゴッホ
ジャン・ジャック・ルソー
ホメロス
J.K.ローリング (INFJ説もあり)
ジョン・ケリー
オルダス・ハクスリー
フリードリヒ・シェリング
アルベルト・カミュ
アルバート・シュヴァイツァー
ジョニー・デップ
ジャンヌ・ダルク

自分で創る明るい未来のために

さて、INFPが絶望に打ちひしがれて、人生を一歩引いて見るようになった後に、 それでも希望を見出し、自分の道を歩み始めるときに、やはり、 第一の心理機能である内向的感情と、第二の心理機能である外向的直観は強みになります。

本当の理想実現はここからスタートなのです。

そして、ここにおいては、内向的感覚、外向的思考をも働かせなければならないのです。

だから、自分には何ができ、何ができないか、理性的に考えなければなりません。 そして、自分自身の能力と時間が限られているということも考慮に入れなければならないでしょう。

そして、何か集中して関わることができる特別なことを見つけ出して、そこにエネルギーを投入します。

内向タイプは、関心ごとを絞り、一つのことに凝ることができるので、 INFPも、内向的感覚を働かせることができれば、この方法は、悪くはないはずです。

何らかの方法で他者の成長の機会を援助することができれば、 絶望による無力感や倦怠感は少しずつ解消されてゆくことでしょう。

内向的感情が充分に発達すると、独立意識が強まります。 そして、外向的思考も上手く働かせながら、 自助努力によって自分の人生を切り開くことを目指したいと思うようになります。 とはいうものの、すぐに自立が果たせるとは限りません。 少しずつ段階を追って目標を達成しようとする者もいます。

外向的直観が働くので、臨機応変に対応を思いつくことができ、乗り越えてゆこうとするのではないでしょうか。

INFPは、人生を自己実現の長い旅であると捉えているところがあります。 このときに重要なのは、いつまでも準備段階にいるのではなく、 思い切って行動することや、計画的に方針を立てて実行することです。

実際にやってみることで多くのことを直観によって理解し、 学ぶことがたくさんあるはずです。 そのための時間を惜しんではいけないと思います。

外向的思考が第四の心理機能なので、合理的な計画を立て、それに従うことは苦手かもしれません。 また、内向的感覚が第三の心理機能なので、時間感覚や健康管理に思いが至らない所があるかもしれません。 しかし、自己実現の過程において、このことを避けて通ることはできません。

そして、ここでもうひとつ注意しなければならないのは、外向的思考による判断に気を取られ、 内向的感情と外向的直観の協働によって培った高潔な価値観を忘れてはならないということです。

第一の心理機能と第四の心理機能の間で綱引きが起こるとき、 極端から極端へと考え方が移り、統合がままならない状態が続きます。 これを、優勢-劣勢ループもしくは、優勢-劣勢の綱引きと言います。

やがてうまい具合に統合した道を見つけ出し、描く理想に向かって計画的に進むことができるようになるでしょう。

この統合の道を模索することが、一つのハードルになると思います。 ここで上手くいかないと、第四の心理機能である外向的思考を誤った形で利用してしまうことになりかねません。 もしくは、ニヒリズムに陥り、事なかれ主義を合理的であると判断しかねません。 でもそれって、INFPが忌み嫌う抑圧された状態を、自分で自分に課していることにならないでしょうか? そうなると、第一から第四までの心理機能で培ってきたものが総崩れになっていることになります。

勇気あるINFPには、理想の実現に向かって歩み始め、統合の道を探しだして欲しいと願っています。

この自助努力による自己実現は個人的なものですが、 これを果たすことができれば、周囲の人達に善い影響を与えます。 内向的感情タイプは実存主義的なところがあるので、 このことはINFPだけに限りませんが、 内外の縁があれば、INFPに色濃く出てきます。

悲劇、悲恋、破滅願望を乗り越えて

恋愛においては、心の結び付きを大切にします。 気の合う相手を見つけると、とても献身的に尽くそうとするでしょう。

親密な人間関係を求めているものの、内向性が強く出るので、 誠意を示すことのできる相手を選択する傾向にあります。 また、恋人に対しては言葉で愛情表現することをためらうことがあります。

しかし、親しい間柄になると、INFPは色々と感じており、 多彩で和らいだ表情を見せることがあることに気がつくでしょう。

とはいうものの、自分自身の強い感情に圧倒されて気恥ずかしくなり、 一旦それから離れるために、独りになることもあります。

先にも述べたように、INFPは多様性を好み、 自分と異なるタイプの人間に惹かれ興奮することがあります。 しかし、その興奮に行く末を委ねることが必ずしも良いこととは限らないので再考が必要です。

INFPは、心優しく献身的かつ協力的であるので、 相手からすれば、付き合いやすいかもしれません。

あまりにも相手に合わせすぎて、 否定的な感情が生じた時、その場で言わず、 押し込めてしまうことがあると、後から問題が生じます。

また、あまりにも共感し献身的に尽くすことで、 自分にとって必要なことを忘れてしまうことがあるかもしれません。 しかし、後から文句を言っても何の意味もないことです。

想像力の豊かさが、恋愛に対する期待感を高める場合、現実に直面して落胆することがあります。

INFPの内向的感情の厄介なところは、悲恋や破滅を美しさで彩ってしまうことがあるということです。

失恋をしているわけでもないのに失恋歌を聞き入ったり、 そういった物語に心酔してしまうことがあります。

悲しくも美しいストーリーに惹かれることは良いのですが、この傾向が強くなると、 知らず知らずの内に、現実世界においても不必要な不幸を望んでしまうことがあるので注意が必要です。

悲劇を求めるなど趣味の悪いことです。 自分の心の中にそのような点がないか注意して下さい。

自分の不幸や悲劇に心酔し、 周囲の人を苦しめていないか注意して下さい。

自分を犠牲にしながら何も言わず、 嘆き塞ぎこんで自己を正当化し、 人に罪悪感を押し付けていないか注意して下さい。

それは、とっても趣味の悪いことです。

洞察力のあるINFPなら、そのことにすぐに気がつくはずです。 しかし、これが無意識にまで根付いている場合、それを認めたとしても、 正すことは容易ではないかもしれません。

もし、他者の幸福と成功を望むなら、自分自身の幸福と成功も同じくらい望んで下さい。

勇気を持って自分の幸せをつかみとることに向かい合って下さい。 自分自身の幸福な姿を思い描いて、そこへ向かって下さい。 そのためには、自分自身の特徴を敢えて裏切ることも必要になります。

もしかしたら、INFPは、周囲の意見や感情に配慮するあまり、 他者を優先させてしまうかもしれません。 しかし、それらの人たちは、あなたの将来に責任は取りません。

もし、悲劇や破滅に遭遇してしまったら、それを強く感じた後は、もうこれっきりと思い、 清々しく自分の幸福を追求する一歩を踏み出してもよいのではないでしょうか。

就職、仕事、チームワーク、職場でのINFP

INFPの優勢心理機能である内向的感情の働きによって、自分が関わるべきことの意義を問い続けます。 それゆえに、仕事は仕事、休みは休み、というふうにきっぱりと割り切ることが難しいかもしれません。

そんなふうにして、自分のアイデアにより、 世界に前向きで建設的な影響を与えたいという 情熱と夢を犠牲にしたくはないと思うかもしれません。

しかし、一般的に言って、持続して仕事が続けられるためにも無理をしない方が良いと思います。 とはいうものの、自分の意志で会社を作って好きでやっているという場合はその限りではないです。 もう、思う存分仕事のことだけ考えて暮らせばよいと思います。

職場においては、民主主義的に方針を決め、競争は最低限に抑えて、 共生関係により生産的な仕事ができる方がやりやすいと感じるでしょう。 各々の強みを活かしながら利益を生み出し分配することを望むでしょう。

他者に対する共感能力が高いことから、人の可能性が開花するのを助けるような専門職に惹かれることが多いようです。 例えば、教育、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校などの教諭、ソーシャルワーカー、産業心理士、ヘルスケアなどです。

また、美的センスを発揮し、芸術的な表現が得意であることを活かした仕事に就くINFPもいるでしょう。 個性的でありながらも普遍的な洞察を与えるほどに、芸術家として成功することができるはずです。 しかし、才能があったとしても、この分野で認められ専業にするのは容易ではありません。

また、芸術家さんの中には奇を衒った抽象画で、 意味不明でコミュニケーション不能な絵を描く方がいらっしゃいますが、 あれは、第四の心理機能の統合失敗を表しているだけかもしれません。 つまり、INFPならば外向的思考の完全拒否とか、INFJならば外向的感覚の完全拒否とか。 でも、人類が真実に気がつき平和を築いている800年後の世界では、 そういったものは全く顧みられていません。

また、他者や社会に対する鋭い洞察力を発揮することができるので、 大学やその他の公的な研究機関で 研究者としての地位を得る方もいます。 こちらもまた、才能があったとしても、認められるのは容易ではありません。

いずれにせよ、他者に貢献しながら、創造的な作業に耽ることができる仕事に就くことができれば幸いなのです。

さらに、内向的感覚を外向的直観の影に押しやってしまう所があるので、 上手に休むことが苦手かもしれませんね。

そして、ルーティンワークには飽きやすく、 請求書の支払いや、書類の提出など、 日常を維持するためのこまごまとした ことが後回しになっていることがあります。

寧ろ、まだやったことはないが、直観と信念に従ってしたいことを決め、 漠然としながらも、少しずつ完成像を明らかにしながら突き進んでゆくスリルを苦しみつつ楽しみます。

新しいことにチャレンジし、常に改善すべきことに集中して取り組んでいるときは生き生きとします。 また、他者の思っていることを聞き出し、励まそうとすることをするでしょう。

一方で、自分のペースでことを進めてゆきたい傾向があるので、 いちいち状況を報告し、厳しく監督されることは望まないかもしれません。 これが許される職業もありますが、そうでない仕事についているINFPも多いはずです。 そこは、Pタイプなので柔軟に順応することもできるでしょう。 ただ、順応することが本当に良いのかどうかというのは、本当は考えどころなのです。

職場においても、倫理的な観点から妥協することを好まない特徴が出ることがあります。 単純に功利主義的なやり方によって、誠実さを犠牲にすることはできないところがあるからです。

しかし、このような職場を見つけることは難しいでしょう。 また、外向的直観が働くことから、未知のこと、新しいことに興奮するので、 INFPにとっては魅力的には映らない仕事を選択してしまうことが多々あります。 是非、興奮の衝動に身を委ねることなく、内向的感情と外向的思考を使って熟考して欲しいです。

IPタイプは、自己規律型なので、独立心旺盛なところもあります。 能力を身につけるすべを心得ており、 依存心に見切りをつけられるところまで発達した人間は、 主体性を重んじ、自分の人生を自分で切り開こうするようになります。 なので、INFPが協力的で献身的な性格でありながらも、飛び出して独立して仕事をしようとする人たちもいます。 (これは、個人事業や少数で会社を切り盛りしている人々の割合が日本よりもずっと多い 海外の話です。おそらく、日本では、就職できればその職場に順応するINFPは多いのではないかと思います。 とはいうものの、実際に独立しているINFPは日本にもそれなりにいらっしゃるようです。)

内向的感情が優勢で、外向的思考を抑えていることにより、 他者の目や世間の価値観を無視して突っ走れるINFPの良い点なのではないかと思います。 後から、第三の心理機能である内向的感覚による継続性と、 第四の心理機能による合理的計画性が追いつけば悪いことではありません。

他者に迎合し、飼い馴らされ、自分に嘘をついていても本当のところ楽しくないでしょう。 集中することができず、パフォーマンスもかなり落ちているとすれば考えものです。 同じ苦しむなら、自分で方針を決めている方がよほどましであり、良い仕事が出来るはずです。 振りきるところは振りきったほうが、清々しい人生を送ることができるので、 自分の能力も考慮に入れながら、考えなおしてお試しあれ。

他の人々はいろいろと言うでしょうが、あなたのために責任を取ることはしません。

ただ、それでもやはり、本当に人間は弱い生き物です。 そして、協力しあってなんとかやっていけることができ、 協力しあって大きなことを成し遂げることができるのです。 だから、自分が何かをするときに、知らず知らずのうちに、多くの人に助けられており、 そして自分の仕事を通して誰かを助けているということを謙虚に受け止める必要があります。 その点については、Fi-Feトンネリングのところで書きましたので是非参考にして下さい。

リーダーの役割を担う時は、チームワークを大切にし、 批判的な態度を取るよりも、ひとりひとりの自然な長所を肯定してうまくやってゆこうとします。

平等主義的なところが長所となり、 ひとりひとりが尊厳をもって扱われ、傾聴されるべきであると考えるでしょう。 個々の状況を斟酌しながら、モチベーションを上げ、 グループ全体に対して大きな貢献をすることになるでしょう。

常々、同じ目標に向かって共に働こうと情熱を人々に伝えようとするでしょう。 リーダーの役割を担うことによって、自己探求が更に深まることにもなります。

共生による調和を何よりも求めるものの、 それがうまくいかなくなると、居心地の悪さを感じ、 本当は積極的になるべきときにさえ、 受け身になってしまうことがあるので注意が必要です。

そんなときは、少々お節介でも、客観的に考え、理論的な判断をはっきりと伝えた方が良いと思います。 ことなかれ主義で誰にでも良い顔をしようとすると、ついてくる人たちは不満を感じるかもしれません。

他者を動かそうとするとき、恐怖心を植えつけて仕事をやらせたくはないと思うでしょう。 INFP自身が何かを行うときの動機が、恐怖感からではなく、こうあったらよいな、という願いから来るものなのです。

一方、危機意識が強いタイプは、自分に対しても他人に対しても強く警告し、 ときに他者に脅迫的な態度をとることがあります。 INFPはこれを見て、嫌悪を感じることでしょう。 しかし、これはINFPが抑圧している外向的思考の働きによるものかもしれません。 気をつけて見てみて下さい。 そして、むやみに怒りを感じるのではなく、なるほど、と思えるようになることが大切です。

真似をしろ、といっているわけではありません。 むやみに怒りを感じる必要はありません、と言っているのです。 せっかく他者の分析ができるのですから。

それでも、ジャンヌ・ダルクになるべきときには、どうぞ。

最後に

今まで、16タイプの中で、何かと大変と言われているINFPについて考えてきました。 ここまで、お付き合い下さった方は本当にありがとうございます。

INFPは、純粋に平和を求め、困った人々のことを思って胸を痛めることのできるタイプなのだと思います。 しかし、未だ無秩序なこの地球上では、 その献身的で善良な特徴が他者のいいように利用されてしまうこともあるのではないかと危惧しております。

私は、INFPの皆様が、そんな地球上で、悲嘆や好奇心の衝動に流されることなく、道を外れることなく、生きて欲しいと願っています。

さらには、ほんの少しでも、 その理想的な姿勢をもってして、この世界に良い影響を与えてくださればと思います。

そのために、必要なのは、心理機能の順番を適切に追っているか注意すること。

そして、内向的感情と外向的思考を統合させること。

また、外向的直観と内向的感覚のバランスをとること。

また、第五の心理機能である外向的感情を働かせることがとても重要であるということ。

そんな旨を書きました。

参考になれば、幸いです。

応援しています。

関連項目

  1. INFPの特徴 FiNeSiTe 一般的描写
  2. INFPの美徳と限界、そして挑戦的課題
  3. INFP NeとSiの葛藤、折衷、そして統合
  4. INFPの人間関係 恋愛
  5. INFPの趣味
  6. INFPの嫌なこと、ストレスとその対処
  7. INFPのリーダーシップ
  8. Fi-Siループ
  9. Fi-Siループ 空回りから抜け出すには
  10. INFPに向いている職業、キャリア、お仕事、役割
  11. INFPに捧ぐ INFPが快く人生を送るために


コメント

  • INFPは口にする。ENTJになりたい。その理由は、カリスマ性が欲しいから。カリスマ性のあるENTJは、エニアグラム3だ。エニアグラム3は、心理機能Teと心理機能Feに相関性がある。お前たちが心理機能Feを無視し続ける限り、憧れの存在にはなれない。 -- INFJ 1w9? 2023-09-15 (金) 16:52:15
  • 誰からも認めて貰えず、30代40代になっても独身のままであるエニアグラム4を、俺は何人も見てきた。一般的に、高齢になっても独身のままである人は、話してみると、周りと何処かズレていると感じるらしい。その正体は、エニアグラム4。独身の原因は、心理機能Feを無視すること。婚活市場で価値が低いと判断される女性も、心理機能Feを無視する女性に多い。お前たちが心理機能Feを無視した結果、絶望の未来が待ち受けることになるんだ。 -- INFJ 1w9? 2023-09-15 (金) 17:05:09
  • 無理して頑張り続ける事が、世間的にはやっと普通のラインという事が多くて辛い。だけどそれをうまく他の人に伝えられないので潰れるか辞める。なので無理せず頑張れる事を探してみるが...関心が移るので中々見つからない。INFPというより自分の事を書いていますが、これを解決するには自分を変えるための無理は少しすべきなのかもって思った。 -- INFP 2023-09-21 (木) 11:16:56
    • その世間の常識が、ブラック企業を生み、育児の困難を招いています。自分は苦労してきたのだから、他の人も苦労しなければならない。世間は、そう考えている。無理して頑張り続ける必要はありません。効率を求めてください。世間は、努力を美徳として、効率の悪いやり方で物事を進める傾向にあります。しかし、効率を追求すれば、楽なやり方で、誰よりも前に物事を進められます。仕事では、こういう人を有能と呼びます。貴方が今考えてること、そして求めていることは、心理機能Teの発達でしょう?心理機能Teは、高圧的で野蛮な機能ではありません。それの一般的なイメージである心理機能Teは、不健全Teの方でしょう。本来の心理機能Teは、効率性を高め、自分を楽な人生に導いてくれる、素晴らしい機能です。心理機能を発達させる為に、特定のゲームをプレイするという方法もあります。カードゲームや、タワーディフェンス、チェスなどがおすすめです。無理して頑張ることから解放されましょう。 -- 2023-09-21 (木) 16:49:27
  • これからの人生、これまでの人生をずっと考えていたのですがこのサイトのおかげで自分を信じて歩んで行けそうです。あと1年早く出会っていたら…と思いますが、望まない環境に不満を感じ自分への理解を深められたと考えると幸福に感じます。内向的感情と外向的思考のリンク、外向的直観と内向的感覚のバランス、これらを意識して自分だけの未来を切り拓いて行けたらなと思います。有意義なページをありがとうございました。 -- INFP-19? 2023-10-03 (火) 19:26:54
  • 読んでて楽しかったし、ためになったぞよ みんなもそんなにトゲトゲしなくても良いのでは? -- 2023-11-22 (水) 23:25:33
  • 本当に平和を願っているなら、ガラ悪い半島系であるISFJ共をなんとかして欲しいわ -- ISFP 2023-12-27 (水) 05:33:52
  • 「足るを知る」が許されないグローバル自由主義という名の終わらない競争社会に晒された時点で、INFPが生きづらいのは当然のこと -- 2023-12-30 (土) 03:16:17
  • INFP当事者だがこのサイトの記述は他に類を見ない的確さ。各タイプそれぞれに特有の魅力と不健全状態がある。性格の多様性を理解し、1人1人が各人を尊重する目的で作られたツールにも関わらず、このコメント欄では自身の価値基準を絶対視し、特定のタイプを罵倒するコメントが見られる。これを見たらMBTIを作成したブリックズ親子が何と言うか。例としてFeを絶対視するコメントが散見されるが、勿論健全なFeユーザーは心優しき小市民だが、不健全状態のFeユーザーはFeを暴走させいじめやマインドコントロールを駆使して人心掌握することもある。特定の心理機能が優れていることなんてない。使い方次第で利にも害にもなりうるのだから。 -- INFP 4w5? 2024-01-25 (木) 19:23:13
  • INFPです。このサイトを見て自身が無意識に敗北性パーソナリティである事を自覚出来ました。ここ数年自己肯定感が全くなく、何度も破滅的な未来を願ってしまっていました。奇跡的にESTJの妻と結婚できた時は、思えば引き◯せの法則に心酔していました。ちょっとオカルト的で馬鹿にして読むの辞めましたが、もしかしたらとても効果があったのかもしれない。すみませんステマではないです。でもこのページを書いてくださった方ありがとうございます。 -- INFPくん? 2024-02-25 (日) 19:01:13
  • MBTIはそもそも、自分の利き手というか利き心?(思考や意識や無意識)が何なのかを認識するためのもの。他の何かと比べたり優劣をつけるためのものではない。例えば私は右利き。字を書くのも包丁も右手の方が上手く使える。自分の利き手が分からず、左手で字を書いても上手くいかない。目に見えない自分のクセというか得意に動く動かせる部分を認識し、そしてうまく動かない動かせない部分にも気づいてより良い人生にしましょう。ってもの。16にカテゴライズされてるけど経験も価値観も人それぞれだから、記載されてる文言の全てが当てはまるわけじゃない。記載されてる文言を自身にあてはめて真偽を検証するのではなく、自分に必要な情報をピックするもの。皆んな人生1回目。初めてのことなんだから、上手くいかないことがあっても当たり前。さあ、自分のリスポーン地と装備を見て、どのように人生冒険をしようか? -- INFP認識歴20年? 2024-03-02 (土) 10:57:43
  • そもそもINFPって枠組みで一括りにされんの嫌いだなぁ -- 2024-03-20 (水) 23:51:20
  • このページを作ってくださった方に感謝を申し上げたい。一読したのみなので全ては咀嚼しきれていないが、巡る思考の中で在りたい自分というものをブラッシュアップできた気がしている。19歳という若さにして自身の本質にグッと引き寄せていただけたというのは非常に幸運な事で、今まで自己と向き合ってきて良かったと思った。MBTIについて未だ理解が浅く、ENFPの要素も持ち合わせているため一筋縄ではいかない部分もあるのだろうと少しばかり危惧しているが、それでもわたしにも備わっている未来を拓いて行く力を信じて人生という自己実現の旅を続けていきたい。本当にありがとうございます。 -- ENFPによくなるINFP? 2024-03-30 (土) 04:45:14
  • INFPの人って就活どうしてましたか?当方INFP就活生ですが自分のやりたいことも何が正解か分かりません -- 2024-04-29 (月) 19:16:04
  • マインドの面で。世界は0か100じゃない。完璧じゃないと意味がないわけじゃない(色々指摘されたり、間違えちゃうと、完璧じゃないから自分なんて価値が無いって思い込んで浮上まで時間かかってたけど)。就職して数年で自分の人生の価値が決まるわけではない。「お金を貰いながらその分野と社会を学べる。携われる。」くらいな気持ちで考えよ?って昔の自分に言ってあげたい。と思ってます。私より未来を生きるあなたの選択がきっと正解。 -- 2024-05-05 (日) 11:51:03
  • 性格だけで生きづらさの原因を全部説明するのは無理 -- 2024-05-07 (火) 13:48:23