Fi-Siループ 空回りから抜け出すには

Last-modified: 2023-04-05 (水) 00:44:39

もし、もはや充分に苦しみを胸の内で感じたのならば、 そのような感情に打ちひしがれることから、少し距離を置くことを自分に許そう。 確かに、悲しい過去の記憶や現実を偽ることなく見つめることは、一種の強みである。 しかし、いつまでもそのような感情に流され、何もできないでいることは悪趣味でもある。

嫌だ嫌だと言いながらも、結局、それを求めているのではないかと疑われれてしまう。 よもや、自己敗北性パーソナリティの気があるのではあるまいか。 もしそうだったすれば、自分の内面の調和と一致しないはずだ。 そもそも、あなたの苦しみは他者をも苦しめる。

では、どうすれば良いか。

過去は変わらないという事実を認めることである。 そして、過去の経験から学んだならば、それを胸にしまって、後は今を生きることだ。 無駄に思い出して、今を潰してはならない。

過去を忘れて、今を生きる。 「なんと、無責任な!」と思われるかもしれない。

しかし、私たちには、それしか許されていないことは、誰もが認める事実である。

過去の記憶の犠牲として今を潰すほうがよほど無責任であると言いたい。 なぜなら、今という時間は、一瞬後に訪れる時間と密接に結びついていて、 将来を決めるものだからだ。

これは、仏教の教えである。 人は、過去の行いの反動を受ける。 今現在の行いの結果は、遅かれ早かれ自ら受け取ることになる。 そこでは、その行いの動機と他者に与える影響が問題になる。 人は、この世界において、固有のパターンで反応し、それぞれの物語において役割を演じているようなものだ。 しかし、その物語の役割から、一旦、離れることができる。 何もかもから自由になり、中立的な見方ができる。 そのためには、今現在の様子をありのままに観察し、受け取らなければならない。 染み付いた習慣や過去への執着から来る無用な粉飾とは無縁でなければならない。 そうすることによって、固有のパターンと違った行動を選択する可能性が見えるようになる。 だから、実は物語は完全に決まっているのではない。 無知の結果としての悲劇を避けることができるのである。

一方、キリスト教では、「自分で蒔いた種は自分で刈ることになる」と聖書に書かれているとのこと。

そうは言っても、嫌な記憶を頭から追い払うことは大変なことだ。 ここで、心の根底にあるのは何なのか、残酷なまでに正直になって問い質してみると良い。 依存か、甘えか、悪趣味な破滅願望か、うまく行かないことへの世界に対する復讐か、自虐行為か。 はたまた、自分に対する愛着か、自己憐憫か、世間体か体裁か、自己顕示欲か。

INFPのエネルギーは内なる勝利に向けられている。 ならば、最終的には外なる勝利と結び付けなければならない。 なぜなら、自分の人生を自分で切り開く気概を持つことは、内なる勝利であるからだ。 否定的な感情に圧倒されて、何もできずにいることは、内なる勝利とは程遠い。 内面の調和を求めるならば、幸福のために世界に対して積極的に働きかける強さを持たねばならない。

これを、Fi-Teバランスと呼ぶ。 もしくは、Te-Fiバランス。

INFPは自分が抑圧している外向的思考についてよく学ぶと良い。 すなわち、何をなせばどういった結果が得られるのか具体的に判断できることである。 ただし、ここで注意すべきは、外向的思考の良い部分について目を向けるべきだ。 さもなくば、外向的思考が強すぎることによる弊害によって、 内向的感情が強すぎることによる弊害と同じくらい地獄を見ることになる。

成熟したINFPは、外向的思考をも効率的に働かす。 だからといって、内向的感情を無視するのではない。 そんなことになったら、それはもはやINFPではない。

外向的思考の良さを認めながらも、INFPはINFPのままでいるべきなのだ。

では、外向的思考の弊害にとらわれることなく、それを働かせるにはどうすればよいか。 外なる勝利を獲得するには気をつけるべきことは何か。

それは、自分自身に対して、正直であることである。 決して、意思決定の動機に恐怖やエゴがあってはならない。 極めて率直に自分自身に問うて、その根底に恐怖やエゴがあるのならその意思決定は無効にしよう。 恐怖やエゴというのは、この場合、世間体とか、他者の目とか、よくよく考えてみるとかなりどうでも良い沽券とか、 自分の利益のために他者を搾取したり操作したりする類のことだ。

そのようなことに必死になるのは、実に子供っぽい。みっともない。惨めである。 よくよく考えてみれば、あなたは死ぬのであるから、一体何を残したいのか、一体何を冥途の土産にするつもりなのか。

仏教においても、キリスト教においても、行動や発言の前に、その根底となる心に注目する。 そのことに異論は無いだろう。 自分の心の状態に無頓着な大多数の人々は、肉体の死後において物質的束縛から開放されると、 己の心が強烈に明らかとなり、阿鼻叫喚の地獄を味わうことになる・・・らしい。 そして、人間が生きる理由は、そういった苦しみの原因となる無知から少しずつ解き放たれること・・・らしい。 INFPは、ラッキーなことに、生きながらにして、 己の心をむき出しに感じて地獄を味わうから、何が正しいかを考えるきっかけを得るのも早い。 実はINFPは先進的なタイプなのだ。

INFPは、「7つの習慣」で有名な一つの原則であるインサイド・アウトを素で実行する。 (アウトの部分が幾分弱いことが問題であることは既に述べた。)

行動の動機は常に純粋に、自分の取る行動が自分と他者に良い影響を与えること、それだけが基準である。

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