モジュール/【海賊都市クロン】

Last-modified: 2020-03-02 (月) 23:09:43

アーレンディーの王女、プリンセス・コリーナが行方不明になってしまった。

 

 数週間ほど前から、ミンロザットギルド連合の商船は何者かに襲撃され、交易ルートは完全に混乱していたのだが、とうとうプリンセス・コリーナを乗せた船までが消息を絶ってしまったのだ。もう何隻もの船から連絡が途絶え、そして二度と戻って来ないのだ。

 

さあ、君達の出番である!ミンロザットのギルドマスターは勇敢で優れた冒険者を求めているのだ。海賊の正体を暴き、プリンセス・コリーナを救出した者には、莫大な報酬が約束されている。

 

しかし、静かなる波の下には危険な罠が待ち構えている。君達のパーティは栄光をつかむ事ができるだろうか?それとも冷たい海の藻くずとなるのだろうか?

X7モジュール「海賊都市クロン」日本語版裏表紙より
 

コードX7、原題は「The War Rafts of Kron」。
原語版はBruce Nesmith(ブルース・ネスミス)により執筆され、1984年に出版された。
日本語版は新和から1988年3月に翻訳販売された。当時の販売価格は2,200円。メタルフィギュア用フロアタイル付き。
表紙絵はLarry Elmore(ラリー・エルモア)。構図は、船に乗っている男女2人の鎧をきた冒険者が見ている中、海中から拳を振り上げつつ立ち上がる巨人というもの。
本文イラストはジェフ・バトラー。
表紙カバーは三つ折りだが、内側の3面は本編の地図となっている。本文は32ページ。

概要

海に囲まれたミンロザッド・ギルド連合は、細心の注意を要する任務のためにプレイヤーキャラクターを雇う。数ヶ月もの間、海上通商路は海賊に脅かされていたが、海賊の活動が活発化した事により大きな政情不安がもたらされたのである。さらにアーレンディの王女が、あるギルドの所有する船舶で旅行中に行方不明になったのである。プレイヤーキャラクターは、自分自身がおとりとなって、海賊に襲撃されるために外洋に出発する。彼らはこれらの襲撃の背後に隠された陰謀を曝かねばならない。


対象となるプレイヤーキャラクターは4~6人。レベルは9~12レベルで、パーティのキャラクターレベルの合計は40~50で、45が最適とされる。

評判

フリー百科事典ウィキペディアによると、グラハム・ステープルハーストはホワイトドワーフ誌70号でThe War Rafts of Kronを論評して10段階評価で8を与え、このモジュールがキャラクターを水中に連れて行くことから「冒険に対する月並みなアイデアからの離脱」と指摘した。さらに、デザイナーが創造力と空想をうまく使い、数セッション持続するような独特で刺激的なプレイ状況を提供している、と感じた。ステープルハーストは「また背景がうまく練られているため、キャラクターが必要な場所に無理やり動かされるのではなく、自由に遭遇の間を動くことができ、自身でうまく解決することが可能となっている。全体的に見て、これはD&Dのグループにとって価値のある投資である」と述べて論評を締めくくった。


海上と海中を舞台とする冒険で、本文の序章では水中における呼吸や移動、視界に関するルールが明記されている。さらに、一部の呪文が水中で受ける変化や影響が明文化されている。
また登場するニューモンスターも、海上や海中で遭遇するものばかりであり、通常のダンジョンとは異なる雰囲気がある。