呪文/【ターシャズ・アンコントロラブル・ヒディアス・ラフター】

Last-modified: 2020-08-29 (土) 12:00:45

原語は「Tasha's Uncontrollable Hideous Laughther」。
uncontrollableは制御できない、手に負えないを意味する形容詞。hideousはいまわしい、酷い、ぞっとするを意味する形容詞。
対象となった生物をだんだん愉快な気分にさせ、やがて大爆笑させてしまう魔法効果。
笑いを強制的に起こさせてしまうという、精神に影響を及ぼす魔法効果としては他に見られることはほとんどない。
あえて類似例を挙げるなら、コンピュータRPG『ドラゴンクエストIII』で「遊び人」がダジャレを言って魔物を笑わせて1ターンを消費させるというくらいだろうか。

アドバンスド・ダンジョンズアンドドラゴンズ

ウィザード2レベル呪文。訳語は「魔術師ターシャの愉快な一時」。
エンチャントメント/チャームに属する。コンポーネントはV、S、M。
効果範囲内の生物を愉快な笑いの感情に陥らせる呪文。
呪文の対象となった生物は対スペルST判定の成功で効果を免れるが、失敗した生物はこの呪文の効果にかかってしまう。修正が少し特殊で、インテリジェンスが4以下の生物には効かないが5以上だとST判定に-6のペナルティがある。インテリジェンスが高くなるにつれてペナルティは軽減されていく。笑いにはある程度の知性が必要ということなのだろう。
この呪文の効果にかかった生物は、呪文にかかったラウンドは愉快な気分がこみ上げてくるだけで済む。しかし次のラウンドは笑いをこらえきれず大爆笑して転がり回る羽目になる。そして次のラウンドはまず立ち上がる等して体勢を立て直さなければならない。
持続時間は1ラウンドと記述されているが、これは大爆笑して自律行動が不可能になるラウンド数と考えてよい。即効ではないが、2レベル呪文と考えれば馬鹿にできない効果を持つ。
対象となる生物の数は術者レベルが高くなると少しずつ増えていくが、それらは30フィート立方の空間内にまとまっている必要がある。
触媒は「小さな羽」と「ミニチュアのパイ」。呪文を唱えながら、パイを対象に投げつつ、もう片方の手で羽を振る。
触媒に関しては、米国ではコメディ作品を中心にパイ投げが文化として根付いているため、それを反映したものと思われる。日本では高度成長期時代から少しずつ認知されているが、食べ物を粗末に扱う事を嫌う風潮もあり人によっては嫌われている。


呪文のもたらす効果としては侮れない。しかしシリアスな場面で使われると、絵面とか雰囲気とかが色々と酷い事態になりかねない。雰囲気重視のDMやプレイヤーは面食らったり困惑するかもしれないので、ご利用の際は注意すべし。


未訳のWizard's Spell Compendiumでは持続時間が術者レベル当たり1ラウンドに増幅している。しかし大爆笑で行動不能になるラウンドが延長されるわけではない。このサプリメントでは、呪文の持続時間中はストレングスが2低下するという効果が追加されており、その効果が持続する時間を指している。
愉快な気分と笑いたくなる気分で力が完全に入りきらないという事だろうか。