士気

Last-modified: 2021-05-29 (土) 20:45:19

原語は「Molare」。
意味は士気、気力。
テーブルトークRPGでは主に敵味方問わず、NPCたちの士気の高低を表す用語として使われる。士気判定、モラルチェックとも呼ばれる。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

「物事(例えば、退却するか戦うか)を分別する精神的なもの。士気。」「生物の勇気、忠誠の尺度となるものである。」と定義されている。略語は「ML」。
ダンジョンマスターズルールブック20ページに掲載されている、最初の選択ルール。初心者のDMは使うべきではなく、全てのプレイヤーたちが複数回の経験を積んだ後に使われるべきという注意文が記されている。
判定は2d6で行われるため、士気の数値が2以下になれば必ず逃走、12以上であれば必ず戦闘続行ということになる。士気を判定する際の修正値は、その時の敵味方の戦況を鑑みた上で課されるが、概ね-2~+2の範囲で収まるのが普通である。ただし、ブレスの呪文など、士気を直接上下させる効果を持つ魔法効果が存在する。

従者の士気

基本となる士気の数値は雇い主のカリスマにより決定される。従者の士気を判定するタイミングとして示唆されているのは、雇い主がパーティの状況よりも危険な状況に従者を向かわせる時と、従者がヒットポイントの3/4を失った時の2つ。しかし従者は雇い主に盲目的に従うわけではないため、冒険中の状況次第で士気の判定は行うのが普通である。

敵対する生物の士気

NPCにしろモンスターにせよ、士気の数値はモンスターのデータに記載されている数値を使う。単体のモンスターの場合は最初にダメージを受けた時や戦闘開始から3/4のヒットポイントを失った時に士気の判定を行う。複数体の集団の場合は、最初に死亡者が出た時と、集団の半数が行動不能になった時に行うことになる。
士気の判定に失敗すると、「士気が崩壊した」とみなされ後退や逃走、あるいは降伏という選択を取ることになる。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版の日本語版では「モラル」と表記されており、その判定は「モラル・チェック」と呼ばれる。
モラルの判定の方法は2d10で行い、結果がモラル値以下であれば戦闘を継続、高ければモラルが崩れ逃亡などの行動に移る、という基本的な手法はクラシックD&Dと同様である。
NPCにせよモンスターにせよ、モラルの数値は知能の高低やその職業により決定される。またモンスターには基本となるモラル値が決まっている。状況によるモラル修正は細かく決まっており、それらは加算されていく。

コンピュータゲーム「プール・オブ・レイディアンス」

士気チェックに失敗した敵は戦闘を放棄して逃走を始める。
このゲームの戦闘では、1レベルから少数のプレイヤーキャラクター側と多数のモンスターNPCという構図が多い。特に重要な局面の戦闘では2倍どころか5倍以上の数の敵を相手に戦わざるを得ない。そのため、「スリープ」や「チャームパーソン」、「ホールドパーソン」などで早めに敵を減らして士気チェックを強要させるのが定石となる。