死の秘宝/29~31章

Last-modified: 2023-01-05 (木) 10:57:05


29章


30章

非存在に

■日本語版 30章 p.303
「消失した物質はどこに行く?」
「非存在に。つまり、すべてに」マクゴナガル教授が答えた。

■UK版 p.470
‘Where do vanished objects go?’
‘Into non-being, which is to say, everything,’ replied Professor McGonagall.

■試訳

  • 「無に。つまりは万物の源に」マクゴナガル教授が答えた。

■備考

  • レイブンの談話室に入るため、謎の問いかけに答える場面。
  • これがあまりにも禅問答っぽくて難解なので考えてたんだけど、
    調べたら「万物は無から生じる」という老子(道教)の教えがあり、その辺がネタ元だと思う。
    マクゴの答えを「無に。つまりは万物の源に」としちゃいけないかな?
    それなら‘Nicely phrased’「上手い言い方ですね」という評価の意味もわかるし。
  • なんか邦訳は機械的に英和に出てくる訳語に置き換えただけという気がする。
    これどういう意味?と聞いたらぜったいわからなさそう。


手裏剣

■日本語版 30章 p.314
煙は形を変えて固まり、あっという間に手裏剣の雨となってスネイプを襲った。
(略)
手裏剣はガンガンと音を響かせ、次々と甲冑の胸に刺さった――。

■UK版 p.481
smoke, which reformed and solidified in seconds to become a swarm of pursuing daggers:
(略)
and with echoing clangs the daggers sank, one after another, into its breast -

■試訳

  1. 煙は形を変えて固まり、あっという間に短剣の雨となってスネイプを襲った。
    (略)
    短剣は金属音を響かせながら次々と甲冑の胸に刺さった。

  2. 煙が形を変えて凝固し、数秒で短剣の大群へと変化して、スネイプを狙って襲い掛かった。
    (略)
    短剣はガンガンと金属音を響かせながら次々と甲冑の胸に突き刺さった。

■備考

  • 「ダガー」と「手裏剣」じゃイメージ違いすぎ。
    どうしても日本語にしたかったのなら「短剣」にすべき。
  • 現代イギリスに忍者や江戸屋敷や昭和のパロディ仕込んでどうすると。
  • swarm:〔動いている〕昆虫の群れ、〔分巣するときの〕ミツバチの群れ、〔混乱している人や動物の〕群れ、群衆〔昆虫が〕群れで動く、〔ミツバチが〕分巣する、群がる、大群になる
    煙の粒子がたくさんの短剣に変化して、それがミツバチの群れのように一斉にスネイプを狙って襲い掛かる、ってイメージ。


窓にあいたスネイプの形をした穴

■日本語版 30章 p.
窓にあいたスネイプの形をした穴を指差しながら、マクゴナガル教授が言った。

■UK版 p.482
said Professor McGonagall, pointing at the Snape-shaped hole in the window.

■試訳

  • マクゴナガル教授は、スネイプの形に押し破られた窓ガラスを指差して言った。

■備考

  • 読み返せば読み返す程「ん??」となる。
  • 「窓に開いたスネイプの形の穴」で良さそうだな。
    それとも「スネイプが逃げたばかりの穴」くらいのニュアンスなのかな?
  • 「壁にあいた穴」とはいうけど、窓ガラスが割れているのに「窓にあいた穴」とは日本語では表現しないと思う。


31章

大半が席に残り

■日本語版 31章 p.333
グリフィンドール生は大半が席に残り、

■UK版 p.491
and half of Gryffindor remained in their seats,

■試訳

  • グリフィンドール生の半分は席に残り、

■備考

  • ホグワーツが戦場になる前に帰りたい生徒は帰るという場面。
  • 「大半」だと役に立たない下級生も残ろうとしたみたい。
    原文は、and half of Gryffindor remained in their seats, で、残ったのは「半分」です。
  • これはケアレスミスだと思う。訳者は疲れてたんだろう。


すーばらしかった

■日本語版 31章 p.353
「ロンはすーばらしかった!」ハーマイオニーが言った。「すばらしかったわ!」

■UK版 p.501
‘He was amazing!’said Hermione.‘Amazing!’

■試訳

  • 「ロンはすごかったのよ! ほんとにすごかったんだから!」ハーマイオニーが言った。

■備考

  • ロンがハップルパフのカップを壊した事をハーマイオニーがハリーに言う場面。
    余りにも馬鹿っぽいとは思わなかったんだろうか…?
  • なんでハーマイオニーがフラーの口調になってるんだ。
  • 職場のおせっかいおばちゃんのしゃべりかたと似てる。
    変なとこを延ばして強調するのは語彙に乏しい中高年女性がよくやる感じ。
  • Amazingだったら、「すばらしかったわ」より、「すごかったのよ」のほうが感じが出てると思うけど。
    ティーンエージャーの女の子、「すばらしかったわ」なんてあんまり言わないのとちがう?



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  • ダガーを手裏剣と訳すとは… -- 2020-10-09 (金) 10:19:13
    • せめて短剣よなぁ -- 2023-01-05 (木) 10:57:05
  • 手裏剣って・・・日本が舞台なのかな? -- 2021-09-19 (日) 17:51:49
    • 髷や手水場、下手人に御庭番まで出てくるよ!www -- 2021-09-20 (月) 01:16:42
      • 時代劇かな? -- 2022-10-20 (木) 09:21:02
    • ハリー・ポッターシリーズの舞台は現代イギリスです… -- op2chスレ主 2021-09-21 (火) 14:50:22