- チュートリアル
- 序章 初めてのクエスト
- 第一章 Ordeal of Rookie
- 第二章 不死の獣たち
- 外伝 ギデオンの休日
- 第三章 <超級激突>
- Episode Superior Ⅰ Dance of Anima(l)
- 第四章 第三の力
- 蒼白詩篇 一ページ目
- 第五章 遺された希望
- Episode Superior Ⅲ The Glory Selecter / GHDC
- 第六章A アイのカタチ
- 蒼白詩篇 二ページ目
- 第六章B 私(アイ)のカタチ
- Touch the GAME OVER
- Episode Ⅵ-Ⅶ King of Crime(①)
- 蒼白詩編 三ページ目
- Episode Ⅵ-Ⅶ King of Crime(②)
- Episode Fragment
- 蒼白詩編 四ページ目
- 第七章 女神は天に在らず
- 蒼白詩編 五ページ目 & Episode Superior 『命在る限り』
- Another Episode
- The Southern Cross
- 白猫クレイドル
チュートリアル
自由な世界
「英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、<Infinite Dendrogram>に居ても、<Infinite Dendrogram>を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい」
「君の手にある<エンブリオ>と同じ。これから始まるのは無限の可能性」
「<Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」
発言者:チェシャ
序章 初めてのクエスト
可能性の始まり
「おい……」
「<エンブリオ>がプレイヤーに、お前が、俺に……無限の可能性を渡すと言うなら」
「可能性を、寄越せ」
「俺に、ハッピーエンドの可能性を、この子を救える可能性を、寄越せ……!」
「とっとと目を覚まして、俺に1%でも可能性を寄越しやがれええええッ!!」
発言者:レイ・スターリング
第一章 Ordeal of Rookie
本当のスタート地点
「行こう! マスター! 強く! より強く! 何人も私と御主を欠けさせることができぬように!」
発言者:【復讐乙女 ネメシス】
第二章 不死の獣たち
激昂
「お前が、生者でないのなら」
「お前が、人の心を失くしたと言うのなら」
「お前が、あの光景を作ったと言うのなら」
「お前が、これからもそれを繰り返すと言うのなら……」
「俺はお前を――殺せるぞ」
発言者:レイ・スターリング
怨念の果て
「【怨霊牛馬 ゴゥズメイズ】。かつて童達を苦しめ、多くの命を奪い、今また命に仇なす獣共」
「これ以上、お前達には誰の命も奪わせない」
「「お前達は、俺達が倒す」」
発言者:レイ・スターリング&【復讐乙女 ネメシス】
可能性はいつだって
「可能性はいつだって、お前の意思と共にある。
極僅かな、ゼロが幾つも並んだ小数点の彼方であろうと……可能性は必ずあるんだよ。
可能性がないってのは、望む未来を掴むことを諦めちまうことさ。
お前の意思が諦めず、未来を望んで選択する限り、例え小数点の彼方でも可能性は消えない」
発言者:椋鳥修一
わたしを含めた、あなたの全部で
「ほのおだけじゃ、わたしをつかいこなしたことには、ならないよ、わたしの、持ち主の、レイ」
「わたしは、欠片。不完全なまま倒されて、使われなかった力。鬼から、“産まれ損なった”、命と知性。今は、あなたの武具に生まれ変わった命。わたしの母体を倒した、あなたを知りたい、わたし」
「わたしは、あなたを、理解した。あなたも、わたしを、理解して」
「起きて、わたしを含めた、あなたの全部で……ネメシスと一緒に、可能性を掴んでね」
発言者:【瘴焔姫 ガルドランダ】
外伝 ギデオンの休日
“Into the Shadow”
「“――ボクは影”」
「“君が重ねた悪行の影であり、君自身を闇の中へと引きずり込む――死色の影”」
「“Into the Shadow”」
発言者:マリー・アドラー
第三章 <超級激突>
僕の全てで
「僕はこういう戦いのために……命を燃やす瞬間のために<Infinite Dendrogram>にいる」
「だから……僕の全てで勝つさ」
発言者:フィガロ
希望の声
「そうかのぅ」
「わらわは、ちがうとおもうのじゃ」
「おうこくの<ますたー>は」
「たよれるものだと、おもうぞ?」
発言者:エリザベート・S・アルター
終わってなんか
「終わってなんかいないさ」
「まだ終わってなんかいない。この歩みと剣を振る腕を止めるにはまだ早い」
「――眼前に、お前と悲劇が在る限り」
発言者:レイ・スターリング
繋げてやるのさ
「あいつの掴んだ可能性を――繋げてやるのさ」
発言者:シュウ・スターリング
お前は最大のミスを犯した
「今夜お前が開いたゲームで、お前は最大のミスを犯した」
「――それは“弟”と“俺”を敵に回したことだ」
「だから、宣言するぜ……フランクリン」
「お前自慢のモンスターは――この【破壊王】がまとめて“破壊”してやる」
発言者:シュウ・スターリング
それでも、<マスター>は
「それでも、<マスター>は……<エンブリオ>に選ばれた人は、“特別ではない”」
「皇国から王国を守るには……彼らの力を貸してもらわなければなりません、アルティミア様」
「やっぱり、同じなんですよ……アルティミア様」
発言者:リリアーナ・グランドリア
“最強”の独り言
「あ、そういえばシュウに会っていませんでした。……けど、仕方ありませんね」
「会ったら手合わせしたくなりますからね。けれど」
「――さすがにあの街は潰せませんし」
発言者:ファトゥム
Episode Superior Ⅰ Dance of Anima(l)
信念
「俺は絶対に勝たなきゃならないときにはあらゆる手を打つ。相手に容赦はしないし、情もかけない。見栄えだって気にしない」
「だから、俺の使える全てを使って……可能性を掴ませてもらった」
発言者:シュウ・スターリング
生命の舞踏
「我の、力は……御主に、残そう。我も、宝物獣の……一体、そういう仕組みで、あろ、うから、な……」
「超えていけ、どこまでも。御主にはきっと、まだまだ……先がある」
「果て無き、闘いに心躍らせ……己の、生命を……燃やせ……」
発言者:【絶界虎 クローザー】
第四章 第三の力
奇跡の盾
「それが奇跡と言うのなら、奇跡を起こさなければあなたが助からないと言うのなら、私は奇跡を起こしましょう」
「――来るがいい、モンスター。奇跡の盾はここに在る」
発言者:シジマ・イチロウ
受け継がれる意思
「俺の声が聞こえているか、【モノクローム】」
「空から全てを見下すお前の目は、本当に見えているか?」
「ここには、お前が壊していいものなんて何一つない」
「お前に、もう誰の命も奪わせはしない」
「――“来るがいい、モンスター。奇跡の盾はここに在る”」
発言者:レイ・スターリング
前に進む力に
「人はな、痛みも悲しみも過去に刻んで前に進む者だ。だから、今回の事件も過去に刻んで前に進むだろう」
「それに、御主と私も似たようなものだからの」
「ああ。私は、お前が受けた痛みと悲しみを、前に進む力へと変える<エンブリオ>だ」
「けれど、前に進む意思はお前のもの。だから……この村の者達に前に進む意思あれば、村はすぐに復興するだろうし、祭りも続いていくだろうさ」
発言者:【復讐乙女 ネメシス】
蒼白詩篇 一ページ目
『最強』の最期
「此は今から死ぬ。が、貴様が生きている間は困らぬ程度の備えは遺した。それで己を守り、国を守り、育むがいい。さらばだ、小僧。……ああ、此の生において、【覇王】や【猫神】以外は皆が此を恐れていたが……恐れながらも此から目を逸らさぬお前のことは好ましかったよ」
発言者:黄龍人外
封印珠の使い方
「これはたしかに強大な力である。されど、“これがある”ことを理由に争いを起こしてはならぬ。“これを用いねばならない”争いが起こるまで……これは眠らせておくべきだ」
発言者:当時の黄河帝国皇帝
第五章 遺された希望
正しき力
「どんな力だろうと、正しく使えるかは分からない。だけど、どんな力でも……正しく使おうとすることは間違いなんかじゃない」
発言者:レイ・スターリング
<マスター>は
「<マスター>は自由で、何をするかも<マスター>自身が選ぶことだ。<マスター>という“括り”で世界を変えたり滅ぼしたりするわけじゃない」
「全ての<マスター>は自分の意思で、自分がどうあるかを、自由に選ぶ」
発言者:レイ・スターリング
神奏の宣言
「これ以上の問答は無意味だろう」
「――来るがいい。貴様の木っ端悪魔、我らが神奏をもって悉く粉砕してくれる」
発言者:ベルドルベル
<UBM>の誇り
「その悪魔が伝説級、それは否定しない、よ?」
「ステータスは私と同じくらい。……うん、私も伝説級だから、ね?」
「だけど」
「ランクだけで他と一括りに出来るほど、<UBM>は安くない。
――既製品の悪魔じゃ……<UBM>とやるには我が足りない、よ?」
発言者:【瘴焔姫 ガルドランダ】
刃の意思
「私は【元始聖剣 アルター】を手に、彼らと共に先頭に立ち、王国を脅かす力に抗う者」
「私はアルター王国第一王女――【聖剣姫】アルティミア・A・アルター」
「この名と責務、私の意志は、王国の民を傷つけるものを許しはしない」
「――御覚悟はよろしくて?」
発言者:アルティミア・A・アルター
誓いを未来へ繋げるために
「……いつか、もう一度……会いに来ます」
「……妻と、娘もいます。いつか必ず、一緒に……会いに来ます」
「はい……、それまでどうか……お元気で」
「……いってきます」
「MPとSPは残り僅か……、加えて落下による脳へのダメージは未知数、か」
「問題は、ない」
「限界起動……全機、“不屈”を援護せよ……!」
発言者:エミリオ・カルチェラタン/ギフテッド・バルバロス
“風”の生まれた日
「……“風”」
「この機体は“風”だ」
「ただあるがままに、新たな夜明けへと吹き抜ける風」
「【白銀之風】」
「【白銀之風】よ。お前には、何の使命も与えない」
「お前はきっと、今の私が創ったものの中で唯一自由な存在だ」
「いつか、お前が主を得た時……お前はただあるがままに、世界を駆けていけ」
「お前はお前の主と共に、自由に風の中を歩んでいけばいい」
発言者:フラグマン
Episode Superior Ⅲ The Glory Selecter / GHDC
決死の覚悟
「……父上! 大兄者! 見ておられますか!!」
「我はこれより、此奴のカラクリを暴くため死力を尽くします!」
「奴の討伐は我の屍の後に果たしてくだされ!」
「往くぞ、狂竜! 貴様の防御のカラクリ、我がこの手で……暴く!」
発言者:【雷竜王 ドラグヴォルト】
本当の戦い
「お前の手品のタネは割れた」
「――ここからが、人間とお前の本当の戦いだ」
発言者:フォルテスラ
叱咤激励
「馬鹿を言うなよ、王国最強」
「君は、そんな余計なことを考えて戦う人間じゃないだろうが!!」
「君は、僕に勝った。このトム・キャットを、王国の<マスター>が超えるべき壁の一つを打ち破ったんだ。しかも、<超級>になる前の、【超闘士】になる前の、君がだ! 僕達の思惑を超えたのは、君なんだ!」
「その君が! あのときよりも強い君が! そんなにも迷いと弱音を吐いて何になる! 君は君らしく! 脳筋の戦闘狂らしく! 何も考えずに当たってくればいい! 一人でぶち当たって砕けながらでも、あの首の一本でもブッタ斬ってやれ! 君のライバルを倒してしまったあの首を、君一人で倒してしまえよ!! 決闘を、約束を諦めるなよ!!」
「君にとって、彼との約束はあれこれ考えてやめてしまうようなものか!!」
発言者:トム・キャット
自由への想い
「ジャバウォック、マッドハッター。これは君達の思惑を崩すことかもしれない。だけど、僕は彼らの自由を……彼らの思いを尊重するよ。それは僕にとって、<超級エンブリオ>を増やすよりも大事なことだから」
「僕の<マスター>は……そういう人だったんだから」
発言者:チェシャ
天上の見物
「見物しようではないか。王国の……人界の存亡を賭けた戦いを」
「そして、いずれ来る戦いの前哨戦をな」
発言者:【天竜王 ドラグへイヴン】
一つだけ言っておく
「一つだけ言っておく」
「新しい<超級>なんて、あのクソ竜との戦いでは生まれねえよ」
「あのクソ竜は――俺達が破壊してやる」
発言者:シュウ・スターリング
いつの日か戻ってくる君へ
「もう一度……決闘をしよう」
「いつの日か、またいつの日か……君がこの世界に戻ってくるその時に、……本当の決闘をしよう」
発言者:フィガロ
命の査定
「レベルで人の命を測って、仰山奪っていきよったのがあんさんやから」
「レベルで死にはったらよろしいわ」
発言者:扶桑月夜
“The Glory Select Endless Routine”
「【グローリア】は何度でも蘇るし、何度でも<マスター>に試練を課す。――<超級>が揃うまで、何度でも」
発言者:ジャバウォック
古代の遺志
「構わんさ。私は、私の目的を果たす。私の遺志を果たす」
「この【大賢者】フラグマンが、必ず“化身”とそれに連なる者共を滅ぼしてやる」
発言者:フラグマン(九代目)
いつか世界を壊す者
「また、プレイヤーが来た」
「へらへら笑いながら、楽しみながら、ここに来た」
「何が、楽しいんだ……!」
「こんなゲームは、僕が、絶対に壊してやる……」
「こんな世界は、僕が、絶対に滅ぼしてやる……」
「――必ず」
発言者:フウタ
掴み取るべき可能性
――あいつの心根ならば、きっと起きる悲劇を見逃せない。
――だから、あいつに俺が知っていることを全て教えるのは、
――あいつの背に逃れられない重荷を載せてから走らせるのと同じだ。
――なら、今後あいつがデンドロに入ったとき、
――俺は、俺だけしか知らないことをあいつには教えない。
――あいつが何を感じ、何を思い、何を選択するのか。
――あいつ自身が一から、あいつの自由で選べば良い。
――あいつが掴み取るべき可能性は、きっとその先にある。
発言者:シュウ・スターリング
第六章A アイのカタチ
少女の決心
「わらわは、あねうえがすきじゃ。いっしょうけんめいで、このくにやわらわたちをまもるためにだれよりもがんばってる。そんなあねうえを、わらわはささえたい。それに……」
「わらわは、テレジアもすきじゃ。わらわのかわいいいもうとで、ずっとずっとしろの中にいるテレジアが、すこしでもわらっていられるように、わらわはまもってあげたいのじゃ」
「わらわはこどもで、よわいから、わらわではふたりをささえることもまもることも、できない」
「けれど……」
「けれど、ツァンロンとともにコウガに行けば、わらわはあねうえをささえられるし、テレジアをまもれるかもしれないのじゃ」
発言者:エリザベート・S・アルター
切々偲々
「お前、自分を隠そうとばっかりしてただロ。あいつはあいつらしく振る舞ったが、お前はお前らしくなかっタ。第三皇子蒼龍としてのお前でもなければ、もう一方のお前でもなイ。臆病に自分を隠していただけのお前ダ。それじゃ、好きな相手にアピールの一つもできねーヨ」
「分かってるなら、今度は自分らしさと……好きな相手への本気のアピールってのを考えるんだナ。まだ、日にちはあるんダ。できるだロ?」
「いい返事ダ。次は頑張れヨ」
発言者:迅羽
二頭一対の獣
「ベヘモットが喜んでいるのなら、私も嬉しいですよ」
「分かりました。あのクマは次に会ったときに必ず殺します」
「――この【怪獣女王 レヴィアタン】は、ベヘモットの全てを守るために生まれたのだから」
発言者:【怪獣女王 レヴィアタン】
フィガロの求婚
「ハンニャ……君に、これを」
「……それから、これも」
「冬子」
「この<Infinite Dendrogram>で、そしてリアルでも……」
「僕と、結婚してくれないか?」
発言者:フィガロ
蒼白詩篇 二ページ目
【竜王】の裁き
「……飼い慣らされて肉がつき過ぎている。まるで豚だな。もはや竜ではない」
「強い生命が堕落することは罪だ。ゆえに竜は堕落してはならない」
発言者:アラゴルン/【ハイエンド・キングエッジ・スケルトンドラゴン】
あなたのねがい
「ユーゴー……“女性を守る騎士となること”」
「それが、あなたがユーゴーにのぞんだものでしょ?」
「このままだと、あのこはとまらない。きっとおおくのひとが、ゆーごーがまもりたいとねがったようなひとたちも、たくさんしんじゃう」
「わたしは、あなたのねがいからうまれた。だから、わたしはあなたをまもるし、あなたのねがいをまもる」
「わたしがまもってあげるから。せなかをむけてあきらめることは、しないで」
「ねがいに、めをそむけないで……」
発言者:【白氷乙女 コキュートス】
不滅の自由
「私が辛い思いをしていることも、苦しいと感じていることも、否定はしない……。不自由な生き方だとは、自分でも思うよ」
「けれど……」
「その不自由を選んだのは……私の自由だ。そして、その選択を止める自由があっても……私はまだそれを選ばない」
「私は忘れることなんて出来ないし、諦められる訳がない。私が、私である限り……私の自由で今の生き方を選び続ける」
発言者:ベネトナシュ
第六章B 私のカタチ
俺の答え
「……そうだな。答えは、既に出てる」
「……兄貴の言っていることは、間違いじゃない。その目標を立てた頃、俺はこんな風にランカーになるとは思っていなかったはずだ」
「だけど、それは……今の俺にとっては大間違いなんだ」
「手段を選んで、王国の……友達のために何もできない。そんな最悪に後味の悪いことになるくらいなら、今の俺は手段なんて選ばない」
「死に物狂いで、今の俺に見えている可能性を掴んでやる」
「兄貴でも、仲間でも、友達でも、……今の俺と力を合わせてくれる人達と一緒にクランを作って、ランカーになる」
「『この縁も俺の力だ』と胸を張って、アズライトと一緒に戦ってやる」
「それが、俺の選択だ!」
発言者:レイ・スターリング
月の魅力
「意外ですか?」
「月夜様は、月のようですからね」
「見え方ごとに……魅力ある御方なのですよ」
発言者:月影永仕郎
“最強”を見据えて
「――違う」
「お前の相手は兄貴じゃない」
「お前の相手は、俺達だ」
「俺達が――【獣王】を止める」
発言者:レイ・スターリング
本物への想い
「本物の世界で生きる! それが僕の<マスター>……クロノ・クラウンが生涯抱いた唯一の願いだった! 閉じた環境の中だけの生ではない! 本物の世界で自由に生きたかった! それにはあまりにも目的地が遠すぎて、あまりにも時間が足りなかった! だからきっと……時間を操る僕が生まれた!!」
「僕は、彼の死に際に頼まれたんだ! 僕が終わった後に、本物の世界の思い出を教えてくれと! 今になって、僕はようやくそれが出来ているんだ! かつての<マスター>を模したこの顔で! 懐中時計を持って! 自由にこの世界を……本物を歩けるようになった……そのときの気持ちが分かるのか!! 文化流布担当として、自由に生きてきた君に、分かるのか……!」
「それが、戦争? <戦争結界>だと!? 前回の戦争、あれはまたあの日々と同じだった! あれが動けば、何も出来ない時間ばかりになる! 僕の自由はまたなくなってしまう! 僕が終わった後に、<マスター>に教えられるものが減ってしまう! 本物の世界の思い出が! 僕にはもっと必要なんだ!」
「時間がもったいない! 僕は……忙しいんだよ!!」
発言者:クロノス・カイロス・アイオーン
『最強』の忠告
「いくらでも湧いて出るな。無尽蔵か。しかし恐ろしくはない。むしろ詰まらん。飽きる。もっと変化を出せ」
発言者:ロクフェル・アドラスター
“最強”の思考
「睥睨? 余裕? ……わたしと彼女の体感時間はかなり違うと思うのだけれど、それでもそう見える程度の時間は過ぎたみたい。でも、違うよ」
「ゲーマーだもん。メタゲームの把握……対戦相手への対策は当たり前だよ」
「だって、わたしは【獣王】。自画自賛ではなくこの西方で最強で、……最も手の内の割れてしまっている<マスター>だから」
「わたしが最強であっても、相手がわたしを知るなら、わたしも対戦相手の情報も同様に集めなければいけない」
「デスペナルティになって、丸一日も<Infinite Dendrogram>から切り放されたくはないから。あの賢くても危なっかしいクラウディアを、わたしの友達を、わたしの世界の大切なものを守ってあげなければいけないから」
「わたしが好きなわたしの世界を守るために、作るために、わたしは力で切り拓く」
発言者:ベヘモット
安心したわ
「――安心したわ」
「ええ。安心よ。本当に、アナタが『ラインハルト』として話しはじめてから終始気圧されていた気がするけれど、ようやく安心できたわ」
「いいえ、もう少しも怖くはないわ。だって……」
「クラウディアはクラウディアだって、よく分かったもの」
「私に嫌われることが怖かったのが、改造の理由って言ったわね。そういう大胆だけど本当は臆病なところ、ずっと変わってないわよ。クラウディア」
「何時だったかしら。私に抱きついた後で油の匂いを気にして飛び退いたこともあったわね」
「何時だったかしら。吟遊詩人からとびきり怖い話を聞いて、夜中に私のベッドの横で枕を持ってウロウロしていたこともあったわね」
「嫌われるのが怖い。けれど仲良くしたい、傍にいたいと思い続けている。アナタはそういう可愛い友人で……」
「私の親友よ。今も、昔も、変わりなく」
発言者:アルティミア・A・アルター
許せないこと
「――それは許しがたい侮辱よ、クラウディア」
「アナタが私の心身を欲する以上に、それは許しがたいわ」
「ええ。アナタが彼の自由をも脅かそうと言うのなら……」
「――私と【アルター】は、アナタの魔手を斬り飛ばす」
発言者:アルティミア・A・アルター
唯の一度として
「そうね。だけど、一つだけ教えてあげる」
「王国の歴史では、【聖剣】と【黄金之雷霆】が共にあるとき――唯の一度として敗北はないのよ」
発言者:アルティミア・A・アルター
識る者の嘆き
「この世界、おかしいとは思いませんの?」
「まるで、元々あった遊戯盤に別の遊戯のコマを並べたような……。けれどそれが混ざり合ってしまっているような違和感ですわ」
「本来は、一種のみで完結していたはずですわ。けれど、今の管理者の介入によって、元々存在しなかった駒と仕組みが加わった。世界の混乱とリソースは増大し、その中で今の管理者は望むべき結果を出そうとしている」
「けれど、これは新しいものが加わっただけ。この世界が本来迎えるべきだった結果を導くものを、前の管理者が残した厄災も……消えてはいませんわ。だと言うのに……今の時代はあまりにも足りていませんもの」
「……【聖女】は奪われ、【勇者】は殺され、【先導者】は見えず、【妖精女王】と【征夷大将軍】は衰え、大陸中央の【宝皇】は失われた。……健在なのは、【機皇】と【聖剣姫】だけですわ」
「そして超級職も多くはティアンの手から離れた。いずれ来る厄災、……<終焉>に今のティアンが勝てるかは疑問ですわ。だから、私はあれがいるだろう王都を襲撃しましたの……。そうすれば、必ず見つかると考えたから……」
発言者:クラウディア・L・ドライフ
最高だ
「ネメシス」
「――俺と一緒にいてくれ」
「<エンブリオ>だからじゃない。俺から生まれた存在だからじゃない。俺は、ネメシスがネメシスだから……傍にいて欲しいと思ってる」
「ああ、ネメシスが最高だ」
発言者:レイ・スターリング
動き出す歯車
「やあやあ、初めまして! 君がレイ・スターリング君だね!」
「会いたかったんだよ! かのギデオンとカルチェラタン、二度も<超級>を破って王国の危機を救った君に! いや、今は三度だったかな!」
「おっと、自己紹介が遅れてしまったね! 私は……」
「私は先代【大賢者】の愛弟子であり、今の【大賢者】」
「名は――インテグラ・セドナ・クラリース・フラグマン」
「以後お見知りおきを……“不屈”の英雄君」
発言者:インテグラ・セドナ・クラリース・フラグマン
Touch the GAME OVER
いつか壊れるからこそ
「構いません。ゾラさんが作ってください」
「このマスクを」
「このマスクを作ってくれたのは、ゾラさんです。向こうで事故に遭い、役者としての夢を諦めた俺が、この世界でヒーローとしての自分でいられるのは、ゾラさんがマスクを作ってくれたおかげです」
「だからこそ、このマスクと共に身に纏う装備は……ゾラさんにお願いしたいんです」
「いえ、これでいいんです」
「いつか壊れるからこそ、大切なものもある」
発言者:マスクド・ライザー
俺は彼らの
「俺は、ライザー。マスクド……ライザー」
「大切な人達に――ヒーローと呼ばれた男だ」
「敵がどれほどあろうとも」
「この身が超級職でなくとも」
「幾度敗北を重ねていようと」
「それを理由に退くことなど……できはしない」
「俺は――彼らのヒーローなのだから!」
発言者:マスクド・ライザー
前任者より
君は自分が生まれ持った力に思い悩んでいるかもしれない。
我らの力は過大なのだ。
努力すらなく、只々選ばれて得る力。
自分で積み重ねるまでもなく、破格に過ぎる。
それゆえに、君は幼子の内に大きな過ちを犯しているかもしれない。
血に塗れた生まれであるかもしれない。
そのことは既に覆せない事実だ。
我らの力は過大ではあるが、失われた他者を取り戻す術は持ちえない。
だからこそ、今ここにある君が力と意思を持つ者であることを望む。
意思なき時期の罪に囚われるな。
力を自覚し、自らの意思を持て。
その上で己のなすべきと思ったことをなすことが、我らの在り方を肯定する。
命じられたことに従い続ける義務もない。
君は、君の生きるままに生きればいい。
我々は人間ではない。人間ではありえない。
ゆえに、縛られるな。
己の守りたいと思ったものを守れ。
己のなしたいと思ったことをなせ。
己の意思で何かを行うことを恐れるな。
誰も、君を縛ることなどできない。
君が手にした力と才は、君の望む未来のためにあるのだから。
発言者:紅龍人超の遺言書
生贄
「この世界に必要なもの――世界の存続に必要なものが【邪神】の命だ」
発言者:フラグマン(九代目)
最後通牒
「私のセーフティは自動的。私の危険を排除し、私を生かすために発動してしまう。さっきあなたを襲った■■のように。異物と混ざっているから効かないあなたの攻撃でも、スキルに反応してしまう。ダメージがないから反応は鈍いけれど、このまま続くと……きっと外れていく。最終的に<■■>も半分くらいは顔を出すわ。……それは怖いわ」
「これ以上は力を開放したくないの。エリザベート姉さままで殺してしまうかもしれないから。だから……」
「――Don’t touch the GAME OVER」
発言者:テレジア・C・アルター
龍を救う者
「ツァン……」
「ツァン、ツァンも……いっしょににげるのじゃ!」
「――バケモノなんかじゃない!」
「ツァンは、わらわのともだちで……」
「こんやくしゃで……これからかぞくになるのじゃ!!」
「だから……! まだ、はなしたいことも、ききたいことも、たくさんあるのじゃ! だから……だから……! いっしょに……」
「いっしょに生きよう」
発言者:エリザベート・S・アルター
龍の決意
「……必ず、君のところに戻る。だから、ここは任せてほしい」
「……【炎王】」
「さっきまでは、命を賭してでも君を止めるつもりだった」
「でも、今は違う。君に僕の命はあげられない。僕の命は、彼女のものだ。僕は君の炎を止めるし、僕の命も守り抜く」
「総取りで悪いけれど、一つだって譲れない!」
「僕は……自分でそう決めたんだ!!」
発言者:蒼龍人越
君の魔法は
「……生きてる……ね。本当に……凄まじい魔法だったよ……」
「……もう燃え尽きているかもしれないけれど。一つだけ言わせてもらうよ、フュエル・ラズバーン」
「二〇〇〇年の知識を継ぐ【大賢者】の名に懸けて保証する」
「君の魔法は……二〇〇〇年間で最強の火属性魔法だった。こと火属性魔法において君より秀でた者は、間違いなくいなかったよ」
「君の魔法は忘れない。全ての魔法を記憶する私達が、絶対に忘れないさ……」
発言者:インテグラ・セドナ・クラリース・フラグマン
目指してみるかい?
「リリアーナが戦えなかったことを悔やむなら、私に助力できることは何もないよ。けれど力のなさを悔やむなら、助力できることはある」
「私が手に入れた知識の中に、君が強くなるための手段がある。リリアーナがそれを実践できるなら、確実に強くなれる」
「リリアーナ」
「――【天騎士】、目指してみるかい?」
発言者:インテグラ・セドナ・クラリース・フラグマン
Episode Ⅵ-Ⅶ King of Crime(①)
俺にとっての正しさ
「俺は俺の望むままに動いて、俺にとってはそれが正しかった。けど、大勢の村人にとっては正しくなかった。それだけだろうさ」
「多数派になるために意見を曲げたら、自分も、自分の正しさも、なくなっちまうさ」
「……正義なんて大仰な言い方はしねえよ。俺は、俺が望む可能性を諦めないってだけだ。でもそれだけは……誰に否定されようが曲げねえよ」
「今回は『子供の生贄要求するクソ円盤をぶっ壊す』ことを望んで、それを実行した。だから罵倒されようが……討伐したことはこれっぽっちも後悔してねえさ」
発言者:シュウ・スターリング
空の杯
――私は、与えられるべき中身を失った杯です。
――父は私に何も継がせてはくれませんでした。
――私を恐れたから、国を共和制などに変えてしまった。
――私に継がせないために。
――おかげで、私の展望は全て崩れてしまいました。
――創造ははるかに遠く。
――だからこそ、この世界での私は自ら獲得します。
――自らに与えられるべき、全てを。
――私の行く道を示すと妻は言いました。
――代わりに、妻の行く手を阻む全てを私が打ち崩します。
――そして妻が言うのです。
――『シュウ・スターリングはいずれ私達の邪魔になる』、と。
――先ほどの共闘でも、君の実力は感じられました。
――だから今度は……直接君の力を測定させてもらいますよ、シュウ。
発言者:ファトゥム
継承を待つ者
――使わねば。
――使わねば、伝来の技を揮うこの指はなまってしまう。
――皮を撫で、肉を切り、骨を断ち、生殺を与奪する。
――それだけが鍛錬になる。
――だからと言って表の世で生ける物を使えば、住処を変え続けなければならない。
――それはとても煩わしい。
――しかし此処ならば、鍛錬で生ける物を使っても問題がない。
――誰かに継ぐまで技の質を落とせないから、僕達はここにいる。
――ところで、僕達は<カムイの森>の神獣を生き試しに使うつもりだった。
――それを君が倒してしまった。鍛錬の相手がいなくなった。
――代わりに君で鍛錬をすべきだと考える。
発言者:“技巧最強”
代替品の自由
「私には、私の人生がない。そもそも人と見做された生まれですらいない。……この世界に来て、ヌンという体を得て、自分でも納得しました」
「私は、ただの血と遺伝子の雫に過ぎない。器によって形を変える代替品でしかない」
「――だから私は、ヌンなのです」
「そんな私ですが、せめてこの世界で自分が何になるのかだけは自分で賽を振りました」
「それが、この私の自由だから」
「シュウ」
「この私と、最後まで戦ってください」
「この私の姿こそ、私の在り様。器によって有り様を変える、代替品。血肉の雫でしかない私の、本質そのもの」
「そんな私でも、この世界でこの私として生きたお陰で見えてきたものがある。その本質を、もう少しで掴める気がする。知るべきものを、知ることができれば」
「だからこそ、私が私を生きるためには……。この私と、私という存在と、正反対のシュウでなければなりません」
「理解するために」
「あなたを理解すれば、あるいはこの世界だけでなく……向こうでも私は自分を生きられるかもしれない」
「仮初の命ですが、殺し合いましょう。――最後まで」
発言者:ゼクス・ヴュルフェル
殺し合うだけじゃ
「それで、理解はできたか?」
「ああ。そりゃそうだろうよ。分かる訳がない」
「なぜもクソも……」
「――俺は戦うだけの人間じゃないし、お前とも殺し合うだけの関係じゃないからだ」
「だったら、殺し合うだけで俺の全部を理解なんて、できるわけねえだろ」
発言者:シュウ・スターリング
蒼白詩編 三ページ目
共食いの国
「……だって、あのデブはにばんめだから」
「――わたしのカウント、エミリーのつぎに、あいつがおおい」
「たぶん、あのデブはこういきせんめつがた。にんげんあいてに、なんどもつかってる」
「わるいやつと、たくさんころすやつは、べつのはなし。あのムカつくいんまをつれたやつも、にたようなこといってた」
「たぶん、あのデブもおなじ。もくてきのためには、ひきがねをひくタイプ」
「うん。きっと、<セフィロト>ってそういうひとの、あつまり。……ううん、ちがう。このくにそのものが、そういうくに」
「このくに、わたしはあんまりすきじゃない」
「このくには、ともぐいのくに。モンスターよりも、ヒトがヒトのテキになる。きっと、それがふつうのくに。ほしいものが、おおすぎるくに」
「わたしには、いきぐるしい」
発言者:【白氷乙女 コキュートス】
小鬼の牙
「――【殺人姫】とは俺がやる」
「仇を討つ、なんて大仰な言葉を言う気はない。三日もすればまた会えるからな」
「――だからと言って、フェイをやられたことに怒りがないわけではない」
「ここまでついてきてくれたあいつの、ささやかな願いすら叶えてやれなかった。そんな俺自身と【殺人姫】への憤懣は……ここで晴らす」
「何より……俺を信じてくれる二人が、俺の勝利を信じているならば、それに応えるだけだ」
「勝率は――70%だ」
「心配するな。今度は……俺が勝つ」
「そういう訳だ、ユーゴー。ここは俺に任せて先に行け」
「カルディナ最強のPK、【殺人姫】エミリー・キリングストン」
「俺の名は【強奪王】エルドリッジ」
「――王国最強のPKと呼ばれた男だ」
発言者:エルドリッジ
武器として
「――隙ができたな、【殺人姫】」
「コルタナでの戦闘映像」
「お前はその手斧で幾度もユーゴー・レセップスの機体を攻撃していたが、破壊できていない。あの機体の装甲は神話級金属の合金。スキルも含めて換算すれば、防御力は推定で四万から五万といったところ。つまり、お前の攻撃力はそれを易々とは破壊できない程度ということだ」
「《屍山血河》で本人のSTRは申し分ない。ならば問題は……手斧。規格外のスキルを持ったために、武器としての攻撃力は高くなかったようだな。アームズにはよくある型で……読み通りだ」
「だからこそ――武器としては俺の<エンブリオ>が勝った」
「ミスリル程度なら容易く砕ける強度はあるが、その手斧も攻撃力はともかく強度は申し分ないようだ。流石は<超級エンブリオ>。砕くのは、骨が折れるな」
発言者:エルドリッジ
殺人鬼に告ぐ
「――《副葬品は要らず、ただ還るのみ》」
「――まずは一つ」
「――あと一つ」
「――小鬼を舐めるなよ殺人鬼」
発言者:エルドリッジ
憧憬を胸に
「だとしても……!」
「レイは……逃げなかった!」
(だからわたしも、逃げる事だけはしない……!)
発言者:ユーゴー・レセップス
不崩の国
「無理だってば。今は、ミーを、絶対に、殺せなぁい」
「――安全圏は崩れない」
発言者:スプレンディダ
Episode Ⅵ-Ⅶ King of Crime(②)
選ばれた剣と選ばれなかった斧
『……悩む』
『私は<鍛冶屋>』
『私は悩んでいる。役割を負うべき武器は一つのみ。私は悩んでいる。渾身を注ぎうる武器も一つのみ』
『だが、ここには二つの傑作がある』
『一つは最高傑作に。一つは数ある駄作になり果てる』
『これより我が同胞と共に創り上げる■■■の要たる武器を、どちらにすべきか……』
『――決めた』
発言者:<鍛冶屋>
環境情報収集戦と事象の偏り
「椋鳥君。メタゲームという言葉をご存じ?」
「そう。主にカードゲームの用語なのだけど、意味は環境情報収集戦といったところかしら」
「カードゲームの環境は、刻一刻と変化するわ。最新エキスパンションの内容、更新される禁止・制限リスト。流行のデッキ。発見されているコンボ。デッキを組んで大会に赴く前にそれらの情報を集めていくことはとても大切。なぜだか分かる?」
「環境情報の収集が重要なのはね、大会で数多く当たるだろう相手に勝つ確率を上げるためよ。例えば、デッキから任意のカードをサーチするを多く含んだデッキが流行っているなら、サーチを禁止するカードを自分のデッキに入れておけば、対戦する相手のカードの多くを紙屑にできる。そういう話よ」
「けれど逆にサーチを使わないデッキの相手と戦えば、サーチ禁止カードが紙屑になる。大会前のデッキ流行の読み合い。サイドからの変更で修正できる点もあるけれど、それも含めてデッキ構築にはとても気を遣うわ」
「それも間違いではないのだけど、安定性がどうしても落ちるのよね。それに……」
「たまに、事前の対策が無意味なデッキもいるのよね」
「さっき、発見されているコンボ、と言ったでしょう? 大会には未知のコンボを見つけて持ってくる人もいるのよ。情報社会極まったこのご時世に、広まっていない未知にして凶悪なコンボ。それらの多くは、昔の忘れられたカードと最新のカードの組み合わせで発生する。時を超えて、忘れられていたモノ、失念されていたモノが牙を剥く」
「まぁ、それ以前の問題として……」
「ランダムな要素が絡んだゲームでは、時に事前準備を凌駕する事象の偏りが生まれることもあるわ」
「椋鳥君。三年くらい後にゲームでそういう目に遭うから気をつけてね。遊……このカードゲームではないでしょうけど」
発言者:星空暦
不屈の意志
「ネメシス」
「――俺達は何のためにここに来た?」
「前に死んだのは、【獣王】のときだ。みんなと力を合わせても、最後の最後で詰め切れなかった。扶桑先輩がいなければ、あそこで何もかも終わっていたかもしれない」
「あれからもっと強くなろうとして、強くなって……けれど今日、レイレイさんには完敗した。何も出来ないほどに。だから……ここに来た。少しでも強くなるために」
「【魔王】との戦いは偶発的なものかもしれない。何かに巻き込まれただけかもしれない。ここで敗れても、失うものはないかもしれない。あるいは、戦うことでシルバーが傷つき、失うかもしれない」
「それでも……敗北は選ばない」
「勝ち目が薄い。勝利が見えない。小数点の彼方ですらないかもしれない。それでも、戦う」
「この戦いが絶対に勝たなければならない戦いではないとしても……そんな戦いは必ず来る。遠からず来る。絶対に勝たなければならない戦いは……来るんだ」
「だから、敗北は選ばない」
「『これは負けてもいい戦いだから』と損益で賢しい敗北を選べば、いつか来る戦いでも……俺は『負けてもいい理由』を探してしまうかもしれない」
「俺は敗北の瞬間まで……勝利の可能性を掴むことを絶対に諦めない」
「そして俺達はただ戦うんじゃない……勝つんだ」
「今までの俺を……俺達を超えて、勝つ!」
「相手が【魔王】でも、神話級金属でも関係ない……!」
「俺達は……強くなる!!」
発言者:レイ・スターリング
最強の武器と最高の武器
「焦るなよ」
「今の戦いの勝利への可能性も、俺とネメシスの新たな可能性も、もう見えてるだろ?」
「ハッハッハ」
「それこそ焦る必要なんかないぞ」
「だってよ、こいつが俺の最強の武器だとしても、俺が使う武器なら……」
「――ネメシスが最高だ、だろ?」
「それじゃあ……勝ちにいこうぜ!」
発言者:レイ・スターリング
Episode Fragment
未来を演算するモノと演算を覆す者
「仕方ないわ。そこまでしないと乗らない連中も多そうだから。あの二人をわざわざ遣いにして、資金面・環境面の援助を提案して、私が把握している<UBM>を<セフィロト>のサポートで確実に狩らせて……とここまで条件を並べたなら乗るわ」
「問題もないわ。私の演算外……不測の事態があったとしても、余剰戦力で対応できる。それに手札を晒していいのなら、私とアナタだけで何があっても対処可能よ」
「ええ。私とアナタが揃っていれば全てのティアンと<マスター>……いいえ」
「異邦の異形――“化身”にさえ勝てる」
「不測の事態はしばらくはないわ。講和会議も、【エルトラーム号】やヴェンセールの事件も、そう大きく変わりはしないでしょう。後の“トーナメント”もね。多少のズレはあっても、全体としては誤差ね。アルベルトの抽選時間だけは、念を入れて演算したけれど」
「これらはきっと外れないわ。前とは違う」
「――またレイ・スターリングのような奇怪な駒が増えることはないはずよ」
「気にするわ。あれだけの大演算での大外し……そうそうないもの」
「私は人の持つ情報を統合し、未来のカタチを描き出す。総体としての世界予知に関しては“左右の化身”にも譲る気はないの」
「それでも、私の演算を覆す者はいる」
「私が読み取れない器なき者や、演算後に始めた<マスター>……この地に影も形もなかった者は計算に含めようがない。絶対に見落としてしまう。けれど、本来そんなものは演算をズラすほどの影響力を持たない。……幾人かの例外を除いて」
発言者:ラ・プラス・ファンタズマ
識る者の決意と覚悟
「今から、独り言を口にしますわ」
「――管理者の方々」
「貴方方が、【邪神】を保護しているのは知っていますわ」
「けれど、異物である貴方方は覚醒までの時間稼ぎしかできないのでしょう。始末したくてもできない厄介な存在。違いまして?」
「私ならば――殺せますわ」
「これから話すのは、私が【邪神】を殺す手順。これが不可能で無謀な企みで、【邪神】の成長を促進するだけだと思ったのならば、止めても構いませんわ。私もそれは望みませんし。……私では管理者には対抗できませんもの」
「私の算段に可能性ありと見たならば……放置していただきますわ」
「不可能と見たならば……私の首を落としなさい」
「私の計画は」
「……以上ですわ」
「……感謝、いたしますわ」
「何を失ったとしても……私は私の望みを果たしますわ」
発言者:クラウディア・L・ドライフ
蒼白詩編 四ページ目
【魔王】の敵対者
「外見や口調で俺が弱そうに見えましたかな? しかしながら、戦闘経験はそれなりに豊富ですぞ」
「なにせ……レジェンダリアは犯罪者が多すぎますからな」
「――妖精郷の<超級>を、舐めるな」
発言者:LS・エルゴ・スム
第七章 女神は天に在らず
王国の命
「レイ。<命>のフラッグは――アナタに任せるわ」
「あなたが、<命>のフラッグよ」
「そうかもしれないわね」
「それでも……私が選ぶのはアナタよ」
「私が……王国が<マスター>と協力するきっかけになったのは、アナタだもの」
「ギデオンではフランクリンの計画を覆して、王国の心を助けてくれた。カルチェラタンでは頑なだった私をそれでも支えてくれた。講和会議の企みも見破って、窮地を救ってくれた」
「アナタ達がいたから今の王国があるわ。だからこの戦いで……王国の命を託せるのはアナタ達しかいない」
「ええ。知ってる。けれど、きっかけはアナタよ」
「それにね、レイ。強弱や能力の相性で選んだらきっと負けるわ。クラ……皇王相手に、そんな思惑は通じない」
「それでも良いのよ。間違っていても、正しくても。私は、私の心の選択に委ねる」
「――唯の一つの後悔もなく命を託せる。そんな相手はアナタだけだから」
発言者:アルティミア・A・アルター
眠るあなたに
「……レイよ。私は奴らを追う。私の感覚が、追跡には必要だからの」
「追わねばならぬ。そうせねば、<墓標迷宮>の戦いで我らを護ってくれた者達に報いることができず、この戦い自体も敗北するかもしれぬ。御主もきっと、『それは後味が悪い』と言うだろうから」
「……御主が眠っていてよかった。起きていれば、きっとその体でも一緒に追っただろうからの。御主はいつも、無理をし過ぎる」
「しかし、眠る御主と戦場に向かう私、か。まるで、あのときのようだの……」
「けれどな、今度は『早く来ぬか』とは言わぬよ」
「私は必ずここに帰ってくる」
「そして、御主が目覚めるのを待っている。いつも体を張る御主が……ゆっくりと眠って目覚めるのをな」
「――だから今は、安心して休め」
「……ではな、行ってくる」
発言者:【復讐乙女 ネメシス】
戦う理由
――彼らがこの国を守るために戦うならば。
――私も、そのために戦おう。
『答えよう』
『私は、彼らと目的、志を同じくした。それ以上の、理由はない』
発言者:アルベルト・シュバルツカイザー
彼らは可哀想なモノじゃない
「――彼らがそれを求めましたか?」
「『自分達は可哀そうな境遇だから配慮して戦ってくれ』と……彼らが言いましたか?」
「僕を理不尽な災害や悪のように考えはしたでしょう。けれど、彼らは僕に屈することも、命乞いをすることもありませんでした。今も、勝つために手を尽くしてきた。マリーさんがいなければ、既に敗北していたほどに……彼らは強敵です」
「――僕にとって彼らは最後まで強敵です。可哀想なモノじゃない」
発言者:ルーク・ホームズ
真なる使用者への第一歩
「アンタにしてみれば……不本意だろうな」
「それでも、ここは……勝たせてもらう」
「試練が過去の使い手を倒すことだと言うのなら、――俺はアンタ達の屍を超えていく」
発言者:レイ・スターリング
敗者達の英雄
「<砦>は壊される。俺達は死ぬ。フィガロも倒せない。俺達はここで完全敗北する」
「それでもまぁ、俺達が死んでも……戦争には勝てるだろ?」
「運良く、まだそれができる程度にはこっちのメンツも残って、何よりお前が生きてる。お前だって俺が言い出す前に分かってたはずだぜ?」
「それによ、このプランならただ全滅させられるよりいいさな。何せ俺達は全滅しない」
「――お前が生き残る」
「気にすんなよ。ただの役割分担だ。お前の方が後からよっぽどな修羅場を潜ることになりそうだしな。他の連中も、同じこと考えてるだろうぜ。ほら」
「犠牲を無駄にしないのがお前の<エンブリオ>だろ? だったら、俺達は後を託すだけだ」
「頼むぜ、――“死闘英雄”」
発言者:ファウンテン
“物理最強”
『何でって……それこそ何で聞くのか……分からないよ?』
『だって知っているはず……でしょ?』
『私達は――“最強”だって』
発言者:ベヘモット
問い
「……カタ・ルーカン・エウアンジェリオン」
「お前は本当に何も守れていないのか?」
「お前が、今、ここに立っている時点で……守れたものはあるんじゃないのか?」
「皇国の<マスター>として戦ってきたお前は、皇国の人達を守ってきたはずじゃないのか?」
「お前は何も守れなかったんじゃない。失ってしまったものの価値しか見ていないから、自分の手で守れたものの価値を見ようとしていないだけだ」
「そうだな。お前はそう思ってんだろう。お前が他の連中のように、皇国のためにあの人達も含めてここを襲ったというなら……俺は戦争の参加者として戦って、抗うだけだったよ」
「けど、お前が……大切だと言った人のためにこれをするって言うなら、俺はお前に言わなきゃならないことがある」
「正直、お前がどれだけの思いを抱えているかは、俺には想像だってできない。たしかに、俺はお前ほど大きなものを喪ってはいないのかもしれない」
「それでも、お前の話だけで分かることもある」
「お前の大切な人は生贄になることを知っていた。それでもお前に言わなかった。そうだな?」
「じゃあ、その人はもう選んでいたんだろう」
「自分が助かるための、何もかもをしないことを選んでいた」
「お前に助けを求めなかった。助けを求められたお前がその人を助けるために竜王と争うことも、その重責をお前に背負わせることも選ばなかった。……ただお前と一緒に最期まで笑って過ごす日々を選んでいたんだ」
「自分が生き存えるためにお前に難題を強いることではなく、限られた時間で、お前と一緒にいる幸福を選んだ」
「お前は何もかもを台無しにしてしまったと言ったな。そうかもしれない。彼女の死んだ後に、何もかもを砕いてしまったのかもしれない。それでも……」
「自分の命よりも優先すべきものを……その人の幸せを守っていたのはお前だ。お前は失ったことだけを覚えて、与えたことを忘れてる」
「そしてお前が誰かを守り、かつて共に笑い合えていた人間なら……今のお前はこれでいいのか?」
「お前は、大切な人を『理由』にするのか?」
「ウルって人を――『人殺しの理由』にするつもりなのかって聞いてんだよ!! カタ・ルーカン・エウアンジェリオンッ!!」
「死んだ人に会わせる。ああ、できるのかもしれないさ! <エンブリオ>がある、ジョブがある、<UBM>がいる、SFみたいな技術だってある! この世界なら、あの声の言っていたことも嘘じゃないのかもしれない! だけど……そのためにお前は、その人を理由にして取り返しのつかないことをする気なのか!!」
「取り返しのつかない過去じゃなくて今のお前自身の行動が! 大切だった何もかもを呪いに変えてるって分からないのかよ!?」
「今のお前は、本当にこれでいいのかよ!?」
発言者:レイ・スターリング
蒼白詩編 五ページ目 & Episode Superior 『命在る限り』
護るもの
「無論だ。そもそも……貴様らは勘違いをしている」
「あの子達を護るのは貴様らの寄越した【誓約書】ではない――私達だ」
発言者:グレイ・α・ケンタウリ
俺の女
「【サードニクス】、ソロモードで再設定。火器管制も、俺が扱える範囲で回せ」
「どれほどの<UBM>かは知らないが……」
「――誰の女に手を出したか、教えてやる」
発言者:ラスカル・ザ・ブラックオニキス
歓迎してやる
「この人形劇。踊るも踊らぬも、糸を切るのもお前次第」
「選べよユーゴー。選んだ先が敵でも味方でも……歓迎してやる」
「――<マスター>は何を選択しようと自由らしいからな」
発言者:カリュート
心の選択
『パトロンや友と縁が切れるかどうかの境い目だな』
『今後のことを考えて、合理性で言えば加勢か傍観の二択になるだろう。パイロット君の唯一の武器である私としては、それらを推奨せざるを得ない』
『しかし、私の推奨案は合理性だけの話だ』
『合理性だけで動くなら心は要らない』
『時に非合理的であってもロマンを追い求めるように、時に愚かであっても愛に生きるように、理屈に合わない行動こそが生物を生物たらしめる。それに苦しめられるのも、思い悩むのも、生きているならば当然のこと。ゆえに、自分が為すべきと思ったことならば、国も友も捨てて駆け出すこともある』
発言者:【MGFX-002 ホワイト・ローズ・フル・ブルーム】(【骸竜機 インペリアル・グローリー】)
未来を見ない愚者
「……うん」
「【IG】。コクピットを、開けて」
「これからのことなんか、――考えない」
「馬鹿な私が、未来を憂いて迷っても仕方ない」
「だから、未来以外を見るよ。目の前だけを見て、自分のしたいことをする」
「戦おう」
「今、私達の目の前にある全ての悲劇と」
発言者:ユーゴー・レセップス
『友達』は『友達』
「この前、歴史の授業で習ったけどよ。最初の電子フレンズ……バーチャルペットができたのって今から半世紀は前なんだってさ」
「そこから対話ゲームとか、ロボットペットとか、AIとか、管理AIとか、色々発展してさ。オレが生まれた頃には『人と自然に話せる』とか『心を持った』と言われるAIが当たり前だったよ」
「わからねーか? わからねーだろーな」
「異世界だろうが、ゲームだろうが――『友達』は『友達』だよ」
「生まれも、生命の在り方も関係ねえ。人は大昔から犬猫にだって友情を抱いた。そして命の捉え方だって、友達の捉え方だって変わるんだ」
「オレにとって二人は何だろうと友達なんだよ。人間でも、ドラゴンでも、電子データでもな。それを損得で切り捨てるほど、オレはバカじゃねえ」
「頭が古かったな、おばさん」
発言者:迅羽
運命の輪は廻る
「私が誰か。分からないでしょうね。ええ。きっとこの場の誰も、覗き見していた誰かにも分からないはずよ。亜空間で目も耳も塞いでいたから」
「こうして運命の輪は廻り、演算された未来は砕け、今ここで仕切り直し」
「この先の未来はどちらにも視えず、あとは盤上に立つ者の奮闘と……カードの巡り次第」
「私は【召喚姫】天空院翼神子。縁によって、助太刀させてもらうわ」
発言者:天空院翼神子
Another Episode
世に出ぬ天才の最後
「この莫大な消費こそが、これの力の証明か」
「どの道、誰も壊せぬ。この戦いで人類が滅びようと……人類の生きた証にはなってくれるだろうしな」
「さらばだ、我が最高傑作よ。もはや会うことはないだろうが、達者でな。……言うまでもないことか」
発言者:レオナルド・フィリップス
友への最期の贈り物
「なぁ、コーキン」
「<マスター>は、三日後にはこの世界に戻れるのだったな。それは、持ち物も含めてか?」
「なら、これを持っていけ」
「後ろのページにこの戦いで集めた奴の記録が書いてある。それと軍事船団の長である息子への言伝もな」
「なに、天命という奴よ。軍人だが、ワシは長生きできたとも。ワシの父よりも、ワシが生まれる前に死んだ祖父よりもな。妻子を得て、こうして御主のような友も得られた。ワシは自分の人生に満足しておるよ」
「そうそう。データと言伝を届けるのはクエストだ。報酬を用意せねば」
「コーキン。御主、【大提督】になれ」
「ワシと共に色々とやったからのぅ。条件は満たしておるはずじゃ。ワシが死ねば席も空く。三日のうちに取られることもあるまい。御主が就け」
発言者:カイナル・グランライト
爺さんの守りたかったものを
「爺さん、待てよ! それじゃ、まるで……!」
「爺さんは、爺さんはどうするんだ!」
「爺さん……そんなこと、言わないでくれよ!」
「爺さん、死んじまうだろうが……死ぬなよ!!」
「畜生……畜生……!」
「絶対に……」
「絶対にテメエは……俺が倒す……!」
「テメエをブッ倒して……爺さんの守りたかったものを……俺が守ってやる!!」
発言者:醤油抗菌
『最強』の望み
「我には成すべきことが三つある」
「一つは王としてこの大陸の全てを平らげること」
「一つは才を持つ者として人間の範疇を超越し、<終焉>さえも覆し、この世界の本来の<終幕>へと辿りつくこと」
「そして最後の一つは……ロクフェル・アドラスターとしてこの世界を一周することだ」
発言者:ロクフェル・アドラスター
万能な器と閉じた未来
「【勇者】というのは、才能の器です」
「【勇者】のスキルは、《万能》。全ての下級職と上級職に適性を持ち、それらを一〇〇ずつ取得できるスキルです」
「何でも、です。今の下級職は八〇以上。上級職は……条件をクリアしなければ就けないから八ですね。下級職は就いただけのものがほとんどなので、合計レベルは一〇〇〇を超えた程度ですが」
「そうだね、ずるい」
「破格の才だ。【勇者】とは何事も可能で、レベルだってどこまでも高められる。何でもできる。生き方を自由に選べる」
「けれど、天地にいた頃の私に……『何でも』はなかったし、選べる生き方もなかったんだ」
「私の故郷……天地は常に内乱を続けている国だ。大名同士の争いだけでなく、武人一人一人も争っている。自らを高めるため、そして自らの力を証明するために他を殺し続ける国。人を殺すのが最も簡単に強くなれる手段だと知っているから。強くなるために人を殺すし、強いというだけで殺される。修羅の国とも、人は言う」
「私は幾度も命を狙われ、……逆に奪ってきた」
「殺し合いを否定するわけではない。けど、それだけではあまりにも……未来が狭い」
「私が偶然にも生まれ持った【勇者】の力。何事も可能とする力。しかし、天地にいたままでは力の使い道も、私の未来も、一つしか見えない。戦い続ける修羅の道しかないんだ。『特別』な存在でも、未来を選べない」
「私は……それが嫌だった」
「だから、国を出た。修行を重ね、世界を巡り、それらの経験を経て故国へと帰れば……かつては見えなかった未来が見えるかもしれないと思っていた」
「……今も分からないさ。私の旅路はまだ途中だから。いつか答えを見出して、自分の生き方を選ぶ日が来ると……今でもそう思っていたいけれど」
発言者:草薙刀理
最期の旅路
「さようなら、マール。君のことは忘れない。私と違う、けれど同じ痛みを持った君を、私はきっと……忘れない」
「だからどうか……君も、私を忘れないでほしい」
「――さようなら、アルクァル。私の、もう一柱の友」
「……さぁ、逝こうか。これが私の……最期の旅路だ」
発信者:草薙刀理
再び神の座に至らんとするもの
「――――GODだから」
「仕方ない。もうちょっと丁寧に教えてあげるのネ」
「GODはGODだけど、今のGODの体は向こうもこっちもGODじゃない。リソース足りないから、GODに戻るために大量殺戮でリソースゲットなのネ。これが動機。で、手段の方だけど、レシェフは細菌を改造してばら撒く<エンブリオ>。大量殺戮特化型なのネ。それでそれで、レシェフを半身として生み出したこのGODが、大量殺戮嫌いなわけないのネ。むしろ、あの地球でもやりたいくらいなのネ。八十億とかあの地球の人類多すぎ。ちょっと昔にGODが君臨してた世界くらいに減らしときたいのネ」
「んー。『何者』も、『どうやって』も、『何のため』も、おまけに『将来の夢』まで全部教えてあげたのに分からないなんて……君って駄目なニンゲンなのネ?」
『困ったちゃんなのネ』
「――どっちだと思う?」
「GODが自分をGODの来世だと思い込んでる頭おかしいクズ野郎なのか、それとも本当にGODの生まれ変わりの頭おかしいクズ野郎なのか」
発信者:キャンディ・カーネイジ
本当に欲しい日常はもう
「…………」
「……?」
「…………」
「……行かない。要らない」
発言者:マール
虚ろの出会い
「――我が写しが人の目に留まるのは久しぶりだ」
「霊体と自然魔力で編んだ写しが視えるということは、それだけ心が空ということよ。何にも執着していない。自らの生死すら遠く、気に掛けるものも最早ない。違うかな?」
「ふむ。精神状態だけではないな」
「ククク……。珍しい。才能までも兼ね備えている。先々期文明から空位だった……失伝した超級職の継承者にもなりえる」
「このような事象に遭わなければ、死するまで開花することはなかっただろう」
「マールよ」
「お前は“特別”だ」
「我が下で修練を積めば、たちどころに……外界の時間と比較すればたちどころに力を得られるだろう。あの【勇者】と同じく、特別な存在になれるぞ?」
「我が下に来るか?」
「――合格」
「あれは求めた時点で資格など消え失せる。だからこそ失伝した難物であり、だからこそお前は相応しい。そしてお前が求めずとも、我が見逃すとは限らない」
「このような珍しい駒、徒に盤上から無くせるものか。後のゲーム観戦のために、我が下で成長させる」
発言者:【天竜王 ドラグヘイヴン】
最高のボス
『うちのボス、アホなんですよ』
『いつも思い付きで行動しては怖い思いをして逃げ回るし、調子に乗れば失敗する。ポジティブに愚行を繰り返すのに、ネガティブに悩んでうじうじする。最初の進化も考えなしの拾い食いで、今回も目を離したらこんなことになりました。どうにも頼りない』
『それでも、私にとってボス以上のボスはいません』
『私達を切り捨てない。見捨てない。そんなことは考えたこともないでしょう。ボスの在り方を見ていればよく分かる』
『そんなボスだから…… 私達は部下なんですよ』
発言者:【烈火迅狼 バーストライカ】
The Southern Cross
無敵ってのは
「――枝捻」
「無敵の防御力、だったな」
「一つ、覚えておけ。無敵ってのは、いつかはブッ倒される前提の肩書だ」
「お前のいつかは……今日だ」
「お前自慢の無敵は……この【破壊王】が微塵に“破壊”してやる」
発言者:シュウ・スターリング
グランバロアに敵わない
「……何を笑っていやがる?」
「多勢に無勢に見えることか?それともこれから海を……グランバロアを攻撃することへの妄想か?」
「あまり俺達を甘く見るんじゃねえよ、烏合の衆」
「貴様らは俺一人に敵わない。【アビスシェルダー】は、グランバロアに敵わない」
「海を征くのは、他者を食い荒らして繋ぎ合わせただけのお前達じゃない」
「肉片ではなく意思を繋いできた、俺達だ」
「グランバロアを滅ぼすというのなら、この大海の全てで貴様らを焼き尽くす」
「<超級>を――<グランバロア七大エンブリオ>を舐めるなよ」
「かかってこい。肉片一つ遺さず灰にしてやる」
発言者:醤油抗菌
白猫クレイドル
仲間を送り出して
「いいんじゃないか?」
「二人が戦いたいってことはチームを組む前から分かってたからな。何より、勝ちを目指して仲間が本当にやりたいことを諦めさせるなんて後味悪いだろ?」
「ジュリエットもチェルシーとやりたいんだろ?」
「まあ、散々模擬戦に参加させてもらったしな」
「考えとくよ。さて、俺達は邪魔にならないように西でヒントを探す」
「だから、ジュリエット」
「ーー後で合流してくれ」
発言者:レイ・スターリング
“流浪禁海”
「あたしとジュリは友達で、決闘ランカーとしてのライバル」
「だけど、まだジュリに見せてないあたしがいる」
「それは……一番強かった頃のあたし」
「それを【王国最強の女の子】に見せていない」
「あたしは【大海賊】チェルシー。アルター王国決闘八位“流浪金海”」
「――元グランバロア船団決闘二位、“流浪禁海”」
「今からあたしの全力、本当の戦闘スタイルを……あたしの親友にぶつける」
「受けてみてよ、ジュリ」
発言者:チェルシー
無敵の矜持
───天敵がどうした。私は無敵だ。
───無敵と呼ばれ、無敵とあらんとした<超級>だ。
───ならば、天敵を前に退く道理なし。
発言者:カルル・ルールルー
効果的な勉強法
「お母様。週一回か二回、月六時間ほどで大丈夫ですよ」
「勉強時間を増やしてもお嬢さんが集中できません。それよりもマンツーマンの授業で集中力を切らさず勉強する方法や解き方のコツを学んでいただき、日頃のお嬢さんの自主学習自体をクオリティアップさせることを推奨します。それに、あまり授業時間を増やすと『その時間だけ勉強すればいい』と逆にお嬢さんの勉強意欲を削ぐことになりかねません」
発言者:夏目高音