案の定である

Last-modified: 2024-03-24 (日) 00:58:10
  1. 李炳圭(イ・ビョンギュ、元中日)の別称。略して「案の定」とも。
  2. 1から転じて「大方の予想通り」の、ダメな結果に対して使われるフレーズ。

本項では1について解説する。


概要

2007年9月2日の広島対中日戦にて、中日は2-4の2点ビハインドで迎えた6回表に2死満塁のチャンスを作り、次打者の李(当年の得点圏打率.250)の代打として立浪和義(同じく得点圏打率.352)の起用が期待された。しかし落合博満監督(当時)は代打を出さず、李は三球三振。最終的に2-6で敗戦した。

翌日、木俣達彦が中日スポーツ上で当采配を批判する評論を展開し、記事内の一節から本用語が誕生した。以降は中日ファンの間で李が凡退する度に使われ、汎用性の高さから他球団へ波及。後に高校野球やMLB・国際試合においても使われるフレーズとして普及した。


記事

「できることをできる範囲で」…立浪の姿勢に学べ 竜復活へ緊急提言
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/200709/CK2007090302045948.html(リンク切れ・Webアーカイブ未保存)


もはや敗色濃厚となった8回裏。左翼方向に視線をやると意外な光景が目に入ってきた。
守備に入る直前、外野手同士のキャッチボール。左翼ファウルゾーンには背番号「3」が立って、左翼・森野とキャッチボールをしていたのだ。

この種の練習のアシストは若手が務める。今のベンチのメンバーなら堂上剛だ。立浪ほどのベテランがやるなど、私は初めて見た。なぜこんな行動を取ったのか。自らの体を動かしたいということもあったろう。
ただ、それ以上に、ゲームでの出番がないのなら、自分のできる限りの仕事をしよう-そんなチームを思いやった考えからではないか。

グラウンドに立つのが、キャッチボールではなく「代打・立浪」。そのコールを聞きたいシーンがあった。
6回表2死満塁の場面だ。この試合、劣勢を一気にはね返す絶好のチャンスだった。
5回にエラーに2つの暴投がからみ、1安打で2点が入った。もらったも同然の得点で、その差は2点に。
6回のチャンスにしても、2死無走者から中村紀以下、3者連続の四球という転がり込んだもの。
そこを今度は力でものにしてこそ勝利の扉が開いたはずなのだ。

その場面、広島は左腕・佐竹にスイッチし、中日は動くことなく、李が打席に。前の打席で右前に快音を響かせたことから、期待を寄せたのだろう。
だが、私にすれば、そのヒットは偶然に近い。第1打席ではボール3から3球見逃しで三振。直前の2試合も最初の試合で幸運な内野安打だけで、タイミングはことごく狂っていた。案の定である
緊急登板した佐竹に対し、ワンバウンドのボール球を空振り。苦しいはずの投手を助けてしまうところに、“心”のタイミングさえ失っている。
最後もボール球に手を出しての3球三振は必然的ともいえた。左投手も苦にしない百戦錬磨の立浪だったなら、と思ったのは私だけではないだろう。


派生

  • 案の定
  • 案定
  • 安城*1
  • 三河安城*2


現状

李が中日を退団した2010年以降は「知ってた」が普及し、使用頻度は減少している。


関連項目


*1 名古屋都市圏に含まれる西三河地区の都市。
*2 安城市内に存在する東海道新幹線の停車駅。