台湾出身の王柏融(ワン・ボーロン、元日本ハム)の蔑称。
高山俊(阪神)と共通点が多いことから命名された。
台湾時代
王は台湾のプロ野球リーグであるCPBL*1所属のLamigoモンキーズ*2に在籍。打率4割を2度記録(うち2016年の.414はCPBL歴代最高)、2017年に三冠王を獲得するなど圧倒的な成績を残し、背番号9がLamigoの永久欠番に決まる等、名実ともにCPBLの顔といえる活躍を見せていた。
NPB移籍の経緯
台湾時代の実績及び、2017年開幕前のWBC日本代表との壮行試合で則本昂大から本塁打を放った経験から、NPBの各球団は王に関心を寄せていた。
とりわけ注目していた千葉ロッテマリーンズは当時の深刻な打撃難の打開策として王に注目。2017年オフ、台湾に二軍を派遣しLamigoと交流試合を組んで調査を進めるほどの気合の入りようであった。
しかしその交流試合で「内角攻めと左投手の外へ逃げる変化球に極めて弱い」という弱点が露呈。2018年はCPBLでこの弱点を徹底的に攻められ、成績が急降下*3。ロッテをはじめとしたNPB球団は改善の見込みが無いと判断し、獲得戦から次々と撤退する。さらにLamigo側が通常の移籍交渉ではなく(移籍費用が増大する可能性の高い)ポスティングシステムを導入すると発表したことで、日ハム以外に入札に応じた球団は現れなかった。結局王は唯一の交渉先となった日ハムへ入団する。
日本ハム入団後と「台湾の高山」の命名
移籍初年度の2019年、序盤は3割近い打率と善戦するものの夏場に入ると肩の負傷離脱及びNPB投手の変化球への対応に苦しみ、成績が下降。当初は「台湾のイチロー」を捩って「台湾の角中」「台湾の銀次」などと呼ばれていたが、
- 1993年度生まれ
- 右投左打の外野手
- 守備難
- 脚力はあるものの盗塁を狙わない
- 肩が強くない
- 選球眼が悪く出塁率が低い
- 長打力も低くあへ単傾向のため低OPS
- セカンドゴロ凡退が多い
等の特徴が高山を想起させたため、本蔑称が誕生した。
(参考)2019年シーズン成績が王と類似している選手の比較
選手名 | 所属 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS |
王柏融 | 日ハム | .255(306-78) | 3 | 35 | .647 |
---|---|---|---|---|---|
高山俊 | 阪神 | .269(271-73) | 5 | 29 | .705 |
遠藤一星 | 中日 | .270(111-30) | 2 | 11 | .710 |
乙坂智 | DeNA | .245(159-39) | 2 | 17 | .671 |
王に対するなんJ民の反応
当時の日ハムは外野手・指名打者とも飽和状態のため王獲得の必要性が薄かったこと及び、それにも関わらず3年4億円以上*4の大型契約を結んだことから獲得に疑問を抱く者が多く、また前述のロッテとの交流戦から、王の実力を疑問視する見方も多かった。そしていざ入団すると当初の予想すら下回る成績を叩き出したことにより一気にネタキャラと化した。
台湾の反応
前例のないCPBL出身野手のNPB移籍*5を果たした王はNPBでどの程度通用するか、と台湾の野球ファンの間でも注目されていたが、打撃・守備いずれも苦戦していることが伝わると現地のファンは失望。早々に叩きのネタとされてしまい、台湾時代の別称である「大王」を捩った蔑称がなんJ顔負けなほど量産されてしまうなど、日本における金本知憲や韓国での金泰均のような扱いを受けている。