台湾の高山

Last-modified: 2024-03-08 (金) 09:45:29

台湾出身の王柏融(ワン・ボーロン、元日本ハム)の蔑称。
高山俊(阪神)と共通点が多いことから命名された。


台湾時代

王は台湾のプロ野球リーグであるCPBL*1所属のLamigoモンキーズ*2に在籍。打率4割を2度記録(うち2016年の.414はCPBL歴代最高)、2017年に三冠王を獲得するなど圧倒的な成績を残し、背番号9がLamigoの永久欠番に決まる等、名実ともにCPBLの顔といえる活躍を見せていた。

NPB移籍の経緯

台湾時代の実績及び、2017年開幕前のWBC日本代表との壮行試合で則本昂大から本塁打を放った経験から、NPBの各球団は王に関心を寄せていた。
とりわけ注目していた千葉ロッテマリーンズは当時の深刻な打撃難の打開策として王に注目。2017年オフ、台湾に二軍を派遣しLamigoと交流試合を組んで調査を進めるほどの気合の入りようであった。
しかしその交流試合で「内角攻めと左投手の外へ逃げる変化球に極めて弱い」という弱点が露呈。2018年はCPBLでこの弱点を徹底的に攻められ、成績が急降下*3。ロッテをはじめとしたNPB球団は改善の見込みが無いと判断し、獲得戦から次々と撤退する。さらにLamigo側が通常の移籍交渉ではなく(移籍費用が増大する可能性の高い)ポスティングシステムを導入すると発表したことで、日ハム以外に入札に応じた球団は現れなかった。結局王は唯一の交渉先となった日ハムへ入団する。


日本ハム入団後と「台湾の高山」の命名

移籍初年度の2019年、序盤は3割近い打率と善戦するものの夏場に入ると肩の負傷離脱及びNPB投手の変化球への対応に苦しみ、成績が下降。当初は「台湾のイチロー」を捩って「台湾の角中」「台湾の銀次」などと呼ばれていたが、

  • 1993年度生まれ
  • 右投左打の外野手
  • 守備難
  • 脚力はあるものの盗塁を狙わない
  • 肩が強くない
  • 選球眼が悪く出塁率が低い
  • 長打力も低くあへ単傾向のため低OPS
  • セカンドゴロ凡退が多い

等の特徴が高山を想起させたため、本蔑称が誕生した。

(参考)2019年シーズン成績が王と類似している選手の比較

選手名所属打率本塁打打点OPS
王柏融日ハム.255(306-78)335.647
高山俊阪神.269(271-73)529.705
遠藤一星中日.270(111-30)211.710
乙坂智DeNA.245(159-39)217.671


王に対するなんJ民の反応

当時の日ハムは外野手・指名打者とも飽和状態のため王獲得の必要性が薄かったこと及び、それにも関わらず3年4億円以上*4の大型契約を結んだことから獲得に疑問を抱く者が多く、また前述のロッテとの交流戦から、王の実力を疑問視する見方も多かった。そしていざ入団すると当初の予想すら下回る成績を叩き出したことにより一気にネタキャラと化した。


台湾の反応

前例のないCPBL出身野手のNPB移籍*5を果たした王はNPBでどの程度通用するか、と台湾の野球ファンの間でも注目されていたが、打撃・守備いずれも苦戦していることが伝わると現地のファンは失望。早々に叩きのネタとされてしまい、台湾時代の別称である「大王」を捩った蔑称がなんJ顔負けなほど量産されてしまうなど、日本における金本知憲や韓国での金泰均のような扱いを受けている。

蔑称の一例

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関連項目



Tag: 日ハム 阪神 ロッテ 台湾 なんJ 蔑称


*1 中華職業棒球大聯盟。
*2 現・楽天モンキーズ。
*3 前年比で打率.407→.351、本塁打31本→17本。一見落ちたとはいえ好成績には見えるが台湾リーグはKBO以上の打高環境である為、急降下も合わせると成績に懐疑的になるのは残当と言える。
*4 台湾メディアの報道によると1年目9000万円、2年目1億1000万円、3年目2億3000万円と推定。最終年が高額なのは3年目にMLBに売却して違約金収入を得るという吉村浩GMの目論見があったとされる。
*5 1990年のCPBL誕生以降、従来から主流であった日本留学後のドラフト指名及び台湾アマチュアから外国人枠で入団するケースはあれど、CPBLを経てNPBに移籍した野手は王が初である。投手はこの限りではない。
*6 王柏融の応援歌の歌詞の一節「最強金牌(最後の切り札、程度の意味)」を捩ったもの。
*7 別称「大王」を「大」→「小」、「王」→「玉」と捩ったもの。
*8 2019年プレミア12における韓国との決勝戦での山口俊の投球(1回3失点2飛翔)を見ての書き込み。
*9 スタメン復帰した2020年7月18日のロッテ戦にて6回裏、好投を続けるロッテ先発の種市篤暉に対して王の前後の打者である石川亮、西川遥輝、近藤健介の各者が5球以上投げさせて粘る中、1球でショートフライに倒れた場面から。
*10 名前のカタカナ表記「ボーロン」が男性器を露出する様子を表すために日本で用いられる「ボロン」という擬音語に語呂が似ていたため。ただし、実際に王柏融が男性器を露出したというわけではない
*11 偽の大王」の意。2021年前半に同じ台湾出身の呉念庭が打率3割、得点圏打率5割とウテルネン化したため比較された。対比で呉が真の大王と呼ばれることも。
*12 中国語で「1球目空振り、2球目ファール、3球目三振」の意味。