ディーゼルエンジン
基本のエンジンにはSMALL ENGINE(小エンジン)、MEDIUM ENGINE(中エンジン)、LARGE ENGINE(大エンジン)の3種類がある。
燃料はDIESEL(ディーゼル燃料)を利用する。
ビークルのセーブデータ一覧から「Presets」タブを見ると「Example Engine」があるので、組み方がわからなければ見てみよう。
配管
それぞれ接続パイプの数に違いはあれど使い方は全て同じである。接続が必要な各パイプと接続先は次のようになっている。
各口にカーソルを合わせると配管の内容が表示される。
確認しながらポートやタンクを接続してみよう。
配管In/Out | 接続先 |
動力出力 ×1 | 各動力パーツ(プロペラ等) |
排気出力 ×1or2 | 排気 Exhaust を出すためのポート |
吸気入力 ×1 | 空気 Air を取り入れるためのポート |
冷却入出力 ×2 | ラジエータ |
燃料入力 ×1 | 燃料タンク |
1.エネルギー用配管
エンジンの動力を取り出して使用する。主な出力先は次の通り。
- 船舶のプロペラ
- レシプロ機のプロペラ
- ヘリのメインローター
- ヘリのテールローター
- 発電用ジェネレーター
2.排気用配管
排気管や流体ポート、流体溝型ポート、流体インテークのいずれかを接続することで排気を行う。
各ポートは外見から名前が付けてあるだけで機能は同じ。
エンジンをかけると出力に応じて多量の排気ガスが煙として吹き出るため、排気が出る位置は視界を考えて配置しよう。
密閉空間に排気すると一杯になるまでは排気できるが、いずれ排気できなくなってエンジンは停止してしまう。
排煙は通常は明るいグレーだが、エンジンが損傷していると黒煙になる。
3.吸気用配管
排気管や流体ポート、流体溝型ポート、流体インテークのいずれかを接続することで吸気を行う。
各ポートは外見から名前が付けてあるだけで機能は同じ。
水中または密閉空間では吸気することができずエンジン性能が低下または停止する。船なら波を被らない高い位置に配置しよう。
4.冷却用配管
エンジン回転数(RPS)に応じて上昇するエンジン温度を冷却し一定温度に保つ。
115度*1を超えたあたりでオーバーヒートし炎上する。
冷却配管には口が2つあり、ラジエータかヒートシンクを接続して冷却水を循環させる。ラジエーター側に出入りの区別がないので、画像の例のように直接配管で繋ぐのみならエンジン側もIn/Outは気にしなくてよい。エンジン内部に冷却水ポンプの機能があるので繋ぐだけで循環する。
ラジエータまたはヒートシンクを利用せず、流体ポートをカスタムタンク内に設置して、その中を液体スポナーをつかって水で満たして冷却したり、海水を冷却水として取り込み、エンジン内部の冷却水ポンプによる圧力を利用して排水することで冷却する、ということもできる。海水を利用する場合は、深度により水圧で排水が遅く/できなくなるので、排水口は水面上に設けた方がいいだろう。
※ver.1.0現在、海水は真水と区別されずどちらも Water となっているが、真水と海水が区別されるアップデートが予告されている。冷却方法の見直しが必要になるかもしれないので覚えておこう。
5.燃料用配管
燃料タンクのポートと接続することで燃料を供給する。
パイプを途中で分岐して流体ホースアンカーや小型ウィンチをつけておき、給油できるようにしておこう。*2
ディーゼル燃料が他の液体(水、ジェット燃料 Jet Fuel、原油 Crude Oil )と混ざるとエンジン性能が低下する。流体フィルターで分離するか、独立した配管網とするなどの工夫が必要。他の液体が入る余地のない配管構造でも、タンクの残燃料が減ってくると傾きや揺れで空気 Air が吸い込まれてしまい、エンジン出力が低下したり停止してしまうことがある。これもフィルターで空気を阻止することで防ぐことができる。
ロジック
データ
最もシンプルなものだと、セルモーターを回すプッシュボタンとエンジンスロットルを指定するスロットルレバーがあればよい。
または、PID制御でエンジンRPSを制御してみよう。各ゲインの設定の仕方などはPID制御のページを確認してほしい。
PID ControlerのSetpoint(目標値)にスロットルレバーを、Process Variable(現在値)にエンジンのRPSをつなげ、
PID Controlerの出力をエンジンスロットルにつなげよう。
PID制御を有効化するには別途オン信号が必要なので、上の画像ではConstant On Signalを使って常にオン信号を送るようにしている。
RPSの値で制御するので、スロットルレバーの入力範囲も0から20といった形に変えておこう。
電力供給
エンジンやボタン等には忘れずに電力を供給しよう。
始動方法
基本的にはThrottle入力でRPSを操作するものの、完全に止まった状態のエンジンを回すことはできないため、起動のためのひと手間が必要。
① ボタン等でエンジンのStartarにオン信号を送ると、内蔵のスターターモーター(セルモーター)が作動し、電力を消費してエンジンが点火される。
② 一定RPSを下回らなければエンジンはスターターモーターなしで稼働し続けるので、オン信号は切ってしまって余計な電力を使わないようにしよう。
エンジンを停止させる場合は、スロットル入力を0にして空気を止めるのが簡単。燃料をバルブで止めたり、排気をバルブで出ないようにしても安全に停止できる。
電力はスターターモーターを駆動することにのみに使用されるので、かかった状態のエンジンを電力供給を止めることで停止させることはできない。
モーター
モーターにはSMALL ELECTRIC MOTOR(小モーター)、MEDIUM ELECTRIC MOTOR(中モーター)、LARGE ELECTRIC MOTOR(大モーター)の3種類がある。
電力により動力(POWER)を得る。-1から1の単純な入力で操作ができ、接岸時などの細かいWASD操作に向く。
モーターとエンジンの両方を切り替えて使う場合には両方にクラッチがいる。
バッテリー容量の低下に伴い得られるモーター出力が徐々に低下する特性を持つ。
ジェネレーターの発電速度より圧倒的に使用量のほうが多い。(こまめに使う用途推奨)
吸気困難のためエンジン利用の難しい水中(潜水艦)や、細かい操作を行いたい場合(車、船のバウスラスターなど)に適している。
ジェットエンジン(ガスタービンエンジン)
ジェット燃料を使って駆動する組み立て式のエンジン。
ジェットエンジンというと飛行機を思い浮かべるかもしれないが、タービンの動力を利用して船のプロペラやヘリのローター、ホイールや履帯などを回すこともできる。
各パーツの説明はクラフトアイテム解説/JET ENGINESも併せて確認してほしい。
パーツの順番は決まっているが、途中でダクト(ジェット専用のパイプ、ガスの通り道になる)を挟み、好きな形に整えることができる。
いろいろなジェットエンジンの機構
組み方の詳細を説明する前に「ジェットエンジンならこんなことができる」というのをいくつか紹介しよう。
Stormworksのジェットエンジンでも主要な機構は一通り再現できる。
(詳しい方におかれてはリアルとの構造の違いには目をつむってもらいたい。)
各画像のタービンはJET TURBIN MEDIUMを使用しているが、タービンの動力を使用しない場合は出力軸のないJET TURBIN SMALLでもよい。
- ターボジェットエンジン
排気を推力として利用する。
- ターボファンエンジン
ターボジェットエンジンにファンを追加したもの。大型ジェット旅客機などに使われている。
インテークをLARGE JET INTAKEにすればそれ自体が推力を生む。
エギゾーストのようにスポイラーで推力を調整することはできないので、ジェットのRPSを調整しよう。
- ターボシャフトエンジン
排気を推力に使わず、タービンの回転のみを動力として利用する。現実のヘリコプターなんかはもっぱらこれ。
ただ、Stormworksのジェットエンジンはエギゾーストを置いても置かなくても燃料消費量は変わらないため、燃費という観点で見ると決して効率がいいとは言えない。
- ターボプロップエンジン
タービンの回転でプロペラを回しつつ、排気も推力として利用する。C-130ハーキュリーズ(ロッキード社)などが有名ではないだろうか。
組み立て方
基本のターボジェットエンジンを例に、組み立て方を説明する。
各パーツを①~⑤の順になるよう接続する。パーツについている矢印は後ろに向けよう。
前述の通り、パーツ間にダクトを挟むこともできる。
① JET INTAKE(インテーク/吸気口)
② JET COMPRESSOR(コンプレッサー/圧縮機)
③ JET COMBUSTION CHAMBER(チャンバー/燃焼室)
燃料ポートにパイプでジェット燃料を供給する。
セレクトツールで燃料タンクをクリックするとタンクの中身が変えられる。ディーゼル燃料からジェット燃料に変えておこう。
④ JET TURBINE MEDIUM(タービン)
タービンの回転を動力として取り出せる。
(↑タービンの動力だけを利用する場合はここまで。)
⑤ JET EXHAUST (エギゾースト/排気口)
ジェット噴射で推力を得る時はこれを接続。以下の3種類がある。
JET EXHAUST BASIC | 真後ろにジェットを噴出するもの。 |
JET EXHAUST ROTATING | 向きを回転させることができるもの。 |
JET EXHAUST AFTERBURNER | 燃料を追加で消費し、推力をさらに高めるアフターバーナーが付いたもの。燃料ポートにパイプでジェット燃料を供給する。 |
ロジック
データ
真ん中あたりの模様のない白いブロックはマイクロコントローラーだ。中身には後述のPID制御が入っている。
- JET COMPRESSOR(コンプレッサー/圧縮機):
ロジックの名称 つなげるパーツ ロジックの内容 Compressor プッシュボタン等 始動用。押している間、電力を消費して空気を圧縮する。RPSが0.5付近まで上がると燃焼が始まる。
起動時のみでよく、安定稼働しだしたらコンプレッサーはオフにしてよい。
- JET COMBUSTION CHAMBER(チャンバー/燃焼室):
ロジックの名称 つなげるパーツ ロジックの内容 Throttle スロットルレバー等 エンジンスロットルを入力する。PID制御で目標RPSになるよう調整するのがおすすめ(後述)。
- JET EXHAUST(エギゾースト/排気口):
ロジックの名称 つなげるパーツ ロジックの内容 EXHAUST系で共通 Thrust Spoiler スロットルレバー等 spoil(役に立たなくする)、すなわち発生した推力を使わない割合を調整する。
入力が1になるにつれて推力が失われていく。ROTATINGのみ Rotating Target スロットルレバー等 数値を入力するとJET EXHAUST ROTATINGの噴射の向きを変えることができる。
-0.5~0.5の範囲、180度回転。AFTERBURNERのみ Afturburner トグルボタン等 ONにしている間、アフターバーナーを点火する。推力が増大するが燃料消費も増える。
電力供給
RPS制御の一例
PIDバランス制御の項も併せて参照してほしい。
目標RPSと現在のRPSを比較し、ちょうどいいスロットル入力をチャンバーに伝えるごく簡単なマイコン。LOGICのPID CONTROLLERとCONSTANT ON SIGNALでも同じことができる。
① 目標RPS入力:スロットルレバーやキーパッド等から入力。目標RPSを入力する。まずは10~20程度で試してから調整するとよい。
② 現在RPS入力:チャンバーのRPSから入力。
③ 出力:チャンバーのスロットルに接続。
注意:チャンバーのRPSが200.00を超えるとエンジンが炎上する。
始動方法
① ボタン等でコンプレッサーにON信号を送る
② RPSが0.5を超えると燃焼が始まる。ボタンをOFFにする。
ディーゼルエンジンでセルモーターを回すのとほぼ同じ操作だが、RPSがゆっくりと上昇する点に注意。
モジュラーエンジン
シリンダーやクランクシャフトなどを配置して使用するエンジン。
組み立て済みのエンジンと比べると扱いが難しいが自由度は高い。
とりあえず動かしたいという場合は初心者講座を参照。
各パーツの一覧はクラフトアイテム解説/MODULAR ENGINESを参照。
パーツの概要
モジュラーエンジンに関わるパーツは種類が多く、どれを使うか分かりにくい。主要なパーツを次に挙げる。
- Crankshaft/クランクシャフト
- モジュラーエンジンの核となるパーツ。サイズ違いで3種と3x3サイズでは2種のバリエーションがあり、計4種。
- Cylinder/シリンダ
- 空気と燃料を消費し、動力を発生してCrankshaftを回転する。副産物として排気も出る。
- Manifold/マニホールド
- エンジン外部のパイプから各種流体をエンジンへ出入りさせる。対応する流体により、Air・Fuel・Exhaust・Coolantと分かれている。どのパーツが既製ディーゼルエンジンのどの接続口と対応するかは下に示す。
- Clutch/クラッチ
- エンジンにパイプを接続できるようにし、Crankshaftの回転をエンジン外部へ出力する。
構成方法
モジュラーエンジンを正しく稼働するには、パーツを正しく構成する必要がある。
パーツの構成は以下の図のように行う。ここでは便宜上、パーツが持つ各接続面を丸穴・四角穴・四つ穴・矩形穴と表記する。
- 丸穴
- Crankshaft・Clutch・Drive Belt・Flywheelが有する。CrankshaftとFlywheelは直線状に並べて設置できるが、ClutchとDrive Beltは1面しか接続できないため、並べたCrankshaftの端に設置することとなる。サイズが3種類あり、異なるサイズのパーツを接続するにはCrankshaft Converterを間に設ける。
- 四角穴
- CrankshaftおよびClynderが有する。設置したCrankshaftにサイズが対応するCylinderを接続する。基本的に同じサイズで設置するが、Crankshaft 3x1はCylinder 1x1を使用する。またCrankshaft 1x1と3x1には温度センサーを取り付けられる。Cylinderのコンポジット信号3chから温度情報を得られるが、数値ノードで直接ダイヤルなどへ出力できる。
- 四つ穴
- CylinderおよびManifold各種が有する。この面で接続されたCylinderは、空気・燃料・排気・冷却水を共有する。このため複数のCylinderを設置しても、正しく接続すればManifold類は1つずつの設置でもよい。Cylinderは側面4面がこの接続面であるため、隣接して設置すると自動的に共有が行われる。一方で、1つのCrankshaftに複数のCylinderを設置すると、Cylinder同士の接続は行われない。この場合は接続用のManifold(3種類:Corner/Straight/T)を用いてCylinderの接続面を繋げる。
- 矩形穴
- Drive BeltおよびAlternator、Fluid pump、Starterが有する。Drive BeltによってCrankshaftの回転がベルトに伝えられ、Altenator(発電機)やFluid pump(ポンプ)に動力が伝わる。またStarterから動力を受け取りCrankshaftに始動時の初期回転を与えられる。接続の際には向きに注意が必要であり、矩形穴の位置を合わせて設置することでスポーン時にパーツのベルトとプーリーが正しく噛み合うようになる。
Manifoldの既製ディーゼルエンジンとの対応
Manifold各種は、前述のとおりエンジン駆動に必要な空気・燃料・排気・冷却水の取り入れと取り出しを行う。これらに加えてModular Engine Clutchが既製のディーゼルエンジンのどの配管に対応するか、次に示す。
モジュラーエンジン | ディーゼルエンジン対応先 | 備考 |
Clutch | 動力出力 ×1 | クラッチ圧は0~1 |
Exhaust Manifold | 排気出力 ×1or2 | 接続方向違いで2種類あり |
Air Manifold | 吸気入力 ×1 | スロットル開度は0~1 |
Coolant Manifold | 冷却入出力 ×2 | 別途ポンプが必要 |
Fuel Manifold | 燃料入力 ×1 | スロットル開度は0~1 |
以上のように各Manifoldに対応した配管を行うことでエンジンを駆動できる。
パーツをうまく組むと、Manifoldの配管口を既製ディーゼルエンジンと同じ位置に設けることができる。これによりエンジンの置き換えが簡単にできる場合がある。しかし、そうでない場合がほとんどであり、エンジンを置き換える際には配管の見直しも考慮されたし。
※冷却水の循環ポンプについて
既製ディーゼルエンジンでは、冷却入出力からパイプを伸ばし、ラジエータなどの冷却機器へ接続するだけで冷却水循環が行われる。これはエンジンにポンプ機能が内包されているためであり、対してモジュラーエンジンでは、Coolant Manifoldはポンプ機能を持っていない。したがって冷却水経路にポンプを設置する必要がある。以下にポンプの一覧とメリット・デメリットを記載する。
- Modular Engine Fluid Pump
- Drive Beltに設置する動力駆動ポンプ。
- メリット :クラッチ機能を内蔵しており、クラッチ圧の変化により連続した流量調整が可能。1x1x1サイズと小型。
- デメリット:設置場所がDrive Beltに限られ、また配管方向が独特でパーツ構成に制限がかかる場合がある。Crankshaftから動力を得るため、エンジン出力に影響がある。動力入力に変速機を設けられないため流量に限りがある。
- Drive Beltに設置する動力駆動ポンプ。
- 電動ポンプ
- 従来よりある電気駆動のポンプ。サイズは大小の2種。
- メリット :安定した流量を得られる。消費電力は控えめであり、エンジンの動力出力に影響がない。
- デメリット:オン/オフでの制御であり、細かい流量調整ができない。
- 従来よりある電気駆動のポンプ。サイズは大小の2種。
- インペラポンプ
- 動力を入力とし圧力を発生する。こちらもサイズは2種類。
- メリット :入力の動力を調整して連続した流量調整が可能。動力入力にはエンジン出力やモーターが利用でき変速機の設置も可。
- デメリット:エンジン動力から駆動する場合はエンジン出力に影響がある。モーター入力では(モーターの仕様により)電力消費が大きくなる。
- 動力を入力とし圧力を発生する。こちらもサイズは2種類。
空燃比
元々は現実のガソリンエンジンにある理論である。ディーゼルエンジンじゃないの?と思ったあなたは自分で調べてみよう。
この比はシリンダ内の空気と燃料の比であり、AFRやA/Fともいう。
モジュラーエンジンにおいては各Cylinderのツールチップから確認できるほか、コンポジット信号から内部の空気体積(ch1)と燃料体積(ch2)から空気/燃料と計算して求めることができる。
エンジンの運転に際しては空燃比は12~16程度の範囲でよいが、運転可能域の端に近いと出力が低下し逸脱するとエンストする。空燃比が大きい際は、燃料量に対し空気量が多い状態であり燃料消費が抑えられる燃費重視の運転となる。一方で空燃比が小さい際は燃料量に対し空気量が少なく、燃料を多く消費する高出力運転となる。
空燃比が14.6程度でCylinderのツールチップでStoichiometricが0.0となる。したがって空燃比の理想値がこの近辺であると考えられる。(現実のガソリンでは理想的な値は14.7である。)
空燃比を深く考慮しない、制御を行わないといった場合には、Air Manifoldへのスロットル入力量の半分をFuel Manifoldへ入力すれば運転可能域の空燃比となる。
過給
モジュラーエンジンの運転には、空気と燃料の2つのスロットルを操作する。このときManifoldのスロットル開度は0~1の範囲であるが、空気は全開であっても燃料はその半分程度の開度となる。エンジン構成をそのままに燃料スロットルをこれより大きい値にすると空燃比が運転下限値を下回りエンジンは停止してしまう。
空燃比を崩さずにより大きい燃料スロットル開度を得るには、Cylinderに入る空気量を多くすればよい。これには吸気経路にポンプを設け、吸気を加圧することで可能になる。また、空気の取り入れにAir Scoop Intakeを用いることで速度に応じた加圧がされる。ポンプについては上記の冷却水の循環ポンプの項を参照。
吸気流量が増加することでCylinderの空気体積が増加し、同一空燃比のまま燃料スロットルをより大きくでき、より多量の燃料投入が可能となる。これによって出力動力を高めることが可能となる。
始動方法
既製ディーゼルエンジンではスターターセルは内蔵されているが、モジュラーエンジンではModular Engine Starterというパーツで独立している。このパーツをDrive Beltへ設置し、電力ノードおよびロジック信号ノードを接続する。スロットルを適度に開き、Starterを回すことでエンジン始動が可能となる。
また、Modular Engine Clutchを接続し外部から動力を入力して始動のための初期回転を得ることもできる。この場合は始動したいエンジンの他に動力を発生するパーツを接続しておく必要があり、モーター各種や手回しクランクを使うことができる。
蒸気機関
ボイラーで生成した蒸気でタービンを回す動力。
熱源には石炭火力と原子力が使用できる。
ビークルのセーブデータ一覧から「Presets」タブを見ると「Example Firebox」「Example Reactor」があるので、組み方がわからなければ見てみよう。
主な使用パーツの説明はクラフトアイテム解説/INDUSTRYを参照。
機関の概要
お湯を沸かしてタービンを回す。蒸気機関ではボイラーにて蒸気を発生し、その蒸気から動力を得る。主なパーツは次のようになる。
- Steam Boiler/ボイラー
- 蒸気機関の核となるパーツ。冷媒を介して熱を入力し、温度が100度を超えると真水(Fresh Watar)を蒸気へ変換する。真水の入力および蒸気の出力は、配管の向きが非常に分かりにくいためよく確認して配管するように。
- 熱源
- ボイラーで真水を加熱するための熱を発生するもの。こちらに使用するものによって構成の呼び名が変わる。
- 動力変換部品
- 蒸気を入力して動力を出力する。実装当初はタービンのみであったが、アップデートによりピストンと鉄道台車パーツが追加された。
機関全体の構成
蒸気機関では各種パーツを組み合わせて配管していくことで稼働できる。構成の概略図は次のようになる。
機関の中では以下のように段階に分けて考えることができる。
- 1.蒸気発生
- 構成した機関を流れる蒸気を発生する。ボイラーと熱源が必要であり、また任意で真水のタンクを設ける。
- 2.動力発生
- 蒸気から動力を発生し、ビークルの駆動力や発電機などに接続する。Steam TurbineやSteam PistonおよびTrain Wheel Assembly Steamが該当する。
- 3.放出
- 使用した蒸気をFluid Port等のパーツにより大気放出する。またSteam Whistle(ホイッスル)を使用すると蒸気の通過時に汽笛を鳴らせる。蒸気を真水へと戻さないため機構を小さくできる反面、長い航続距離を求める場合は相当量の真水が必要となる。
- 4.復水
- 使用した蒸気を冷却し、真水に戻す。これにはSteam Condenserを用いる。戻した真水は再度ボイラーへ投入できるため、航続距離を長くできる。一方で、復水速度を求めると系統を並列化する必要があり、機関の大型化に繋がる。
熱源の種類
蒸気機関の実装当初は、熱源にはFireboxによる石炭火力と原子炉系パーツを組み合わせた原子力が使用できた。アップデートにより使用できる熱源が増えた。
熱源パーツは基本的に冷媒の入出力ポートを有し、ここからボイラーの冷媒口へ配管する。原子炉はプレイヤー自身で密閉空間(カスタムタンク)を作成、ポートを設置する。
- Firebox/Firebox Large
- ファイヤボックス、火室。石炭を使用し発熱する。吸排気の配管と初期点火のロジック信号入力を持ち、吸気経路にバルブを設けて吸気量を制御すると温度管理ができる。始動は吸気のうえでロジック入力を行い、停止は石炭の枯渇か吸気の遮断による。鉱石ダクトを接続すると石炭の自動投入が可能。こちらはいわゆる石炭火力。
- Industrial Diesel Furnace
- 産業用ディーゼル炉。ディーゼル燃料を使用し発熱する。配管や始動・停止はFireboxと同様のほか、燃料入力の配管が必要。
- Electric Furnace
- 電気炉。電力によって発熱する。冷媒の入出力と稼働のロジック信号および電力入力ノードを持つ。制御が最もシンプル。
- 原子炉
- Nuclear Fuel Rod(核燃料棒)を消費し発熱する。いわゆる原子力。構築・制御の複雑さ、燃料の入手難度、危険性を代償として数千度といった高い温度で発熱できる。構築方法が複雑なため別記
(の予定)
- Nuclear Fuel Rod(核燃料棒)を消費し発熱する。いわゆる原子力。構築・制御の複雑さ、燃料の入手難度、危険性を代償として数千度といった高い温度で発熱できる。構築方法が複雑なため別記
ボイラーの保安
ボイラーで蒸気を生成していくと、ボイラー内の圧力が上昇していく。(ビークルダメージがオンの場合)この圧力が10を超えると、ボイラーは破裂し蒸気発生ができなくなる。
こうしたボイラーの破裂を防ぐためには、ボイラー温度の管理による蒸気発生速度の調整や安全弁による蒸気経路のバイパス・蒸気放出といったことが対策として講じられる。
蒸気機関がある程度の時間の運転で急に停止するようであれば、ツールチップを用いて蒸気の流量を確認するとよい。
(追記)流体圧力関係のアップデートよりボイラーの圧力が2.5ほどまでしか上がらなくなり、ボイラーが破裂することがなくなりました。また、v1.10.5ではボイラーからPressure(圧力)のロジックノードが削除されました。
これによって蒸気のバイパスなどの保安装置は不要となり、蒸気機関が扱いやすくなりました。
動力出力パーツの特徴
蒸気から動力を得るには、前述の通りTurbine・Piston・Train Wheelの3種類のパーツを用いる。それぞれの特徴は次のようになる。求めるビークルの形態により1つまたは複数のパーツを使用できる。
- Steam Turbine/蒸気タービン
- 構造がシンプル。これといった制御は必要なく、蒸気の流量によって出力が決まる。[詳細な数値は要検証] パーツの体積や重量がそこそこあり、小型ビークルには向かない。「タービン」とだけ言うとジェットエンジンのパーツと混同する場合があるので注意。
- Steam Piston/蒸気ピストン
- サイズ違いで3種あり、かなり高いトルクの動力が得られる。ただし回転数は1 rps程度とかなり低く、ギヤボックスを介して増速することである程度使いやすくなる。また出力回転数は不安定であり、安定化には位相をずらしたピストンを複数設置するなどの対策が必要。1つのピストンには必要な蒸気配管が4つもあるうえ、効率的な動作にはバルブを設置し制御する必要がある[要検証]こともあり、配管が大変である。
- Train Wheel Assembly Steam/蒸気台車
- パーツとしては、実際に蒸気を受けるTrain Wheel Drive Pistonとそのピストンから運動を受け回転するTrain Wheel Assembly Steamの2種類からなる。またサイズ違いで3種類ある。Drive Pistonには同じサイズのTrain Wheelを複数接続でき、現実のSLよろしく蒸気からそのまま車両の駆動力を得られる。一方で、パイプに動力を出力できないため必要によりビークルに他の発電装置を載せることになる。またこの台車では速い速度を出すのが難しい。
真水の入手方法
蒸気を発生するには海水(Sea Watar)ではなく真水(Fresh Watar)が必要である。そこらじゅうにある海や川へホースを垂らし給水しようとしても、採れる水は海水であるため、蒸気機関には用いることができない。川から海水が採れるのはおかしい。それはそう。
真水の入手方法は、ワークベンチでの任意のタンクへの設定とスポーンが主となる。したがって、蒸気機関を搭載するビークルには給水ポートを設け、他に給水用ビークルを作成し給水できるようにしておくと便利である。
また、アップデートにより脱塩器/Desalinatorが追加された。これにより海水から真水を得ることができるようになったが、脱塩器1つあたりでは変換スピードがかなり遅い。
脱塩器を大量に並列設置して生成量を稼いで真水の補給を不要としたり、非常用と割り切ってしまって真水の主たる補給は給水ビークルで行ったりと、ビークルの作製方針によって選ぶこととなる。
カスタムタンクの作り方
デフォルトの流体用タンクは大・中・小の3種類しかない。
カスタムタンクなら自分の好きなサイズ、形状のタンクを作れる。たとえば飛行機の翼に燃料を詰めるといったことも可能だ。
基本のカスタムタンク
まずはブロックで密閉空間を作ろう。
そうしたら2ヵ所、ブロックを消す。
ブロックを消したところにFLUID SPAWNERとFLUID PORT*3を設置する。
カスタムタンクの内側の様子
これで基本のカスタムタンクは完成だ。
スポナーはデフォルトでディーゼル燃料に設定されており、スポーン時にタンク内がディーゼル燃料で満たされる*4。
カスタムタンク内の残量を見る場合はFLUID METERを設置しよう。
カスタムタンクの外壁
スポナーは密閉空間さえ作れていれば機能する。
密閉判定のあるギアボックスやデフォルトタンクなどでもこんな風に。
また、三角ブロックや窓ブロックを使えば容積が少し増える*5。
マイコンブロックなら体積を持たないので、三角ブロックなどよりもさらに容積を増やせる。
ただしマイコンブロックの重心は設置する際の始点に偏っているので、設置の仕方によってはビークル全体のバランスが悪くなる。気を付けよう。
tips
- エンストするrps
種類 rps ディーゼルエンジン 2 ジェットエンジン 0.5 モジュラーエンジン 2
- カスタム水冷の水
「FLUID SPAWNER」は「Auto Refuel」の設定がオンの時に指定の液体で密閉空間を満たす。
しかし水は設定に関わらずスポーン時に満たされるので給水の必要がなく、安定した冷却が図れる。
- エンジンの温度は外気温にも影響を受ける
エンジン温度は回転数だけでなく外気温の影響も受ける。ヒーターも外気温を上げるので注意しよう。
- ジェットをPID制御してるけどボンボンうるさい
PID制御は目標値と現在値の偏差があると、目標値に近づくように値を出力する。
そして「現在値が目標値を超えた場合」だと、目標値に近づくように出力される値は0以下だ。
つまり「目標値を超えるとチャンバーへの入力が瞬間的に0以下になってジェットが切れ、出力が目標値を下回るので上昇させようとチャンバーへの入力があってジェットが動き出し、また目標値を超えるとチャンバーへの入力が0以下になってジェットが切れ…」ということが繰り返されるのが原因。
解消するためには、スロットルのPID制御の出力にクランプブロックを挟んで最小値にストッパーをかけ、0以下が入力されないようにしておくとよい。
- ジェットのパワーは分けると増える
ジェットエンジンはダクト系パーツを使って枝分かれさせることができるが、分けても動力が半減するわけではない。
そのため、ひとつのジェットエンジンから徹底的に枝分かれさせるのが得。
燃料有限の場合、ひとつのエンジン当たりの負荷量を増やしすぎると、燃費が急激に悪化するので注意。
- ジェットの起動時間を短縮する
タービンの動力ポートにモーターやディーゼルエンジンで動力を入力するとジェットの起動時間を短縮できる。
チャンバーのスロットルを入れながら補助動力を動かすとコンプレッサーを回すより早くジェットのRPSが上がってタービンが動き出す。
なお、この場合でもコンプレッサーは設置しなければいけないが、オン信号を入れて動かさなくてもよい。