死後(そのあとにおこるのは)

Last-modified: 2023-09-01 (金) 19:29:02

R-18G余計な事に首を突っ込むべきではないし、突っ込んだ首の行く末を知るべきでもなかった。











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内容

見ようとするな

異名死後(そのあとにおこるのは)
属性【死後】【保存】
  • 情報
    不死者や、蘇生が横行するこの無限世界で、あらゆる「死後」の魂の行先について1つの結論が出されている。
    それは冥界や地獄へと行くという物ではあるが……「死後」体についての結論は一切出ていない、その理由として、全ての物は「生きている」ことが上げられる、魂のぬけた死体に魂を入れたとしてもそれは「生きている」、死体の状態では死体の主体的な観測が出来ない、スキルや正式な手段では死後の死体に残る記憶はすべて消去される、その為、死後の体に付いて殆ど分かっていないが、これはその「死後」である。
    「幻肢痛」と言われるものも、これに類するものである。
    こちら側(編集者の一人)が作った?いいや違う、(編集者側)と隣から(無限世界)に手を伸ばしただけだ
    現在は特定組織のデータベース上に、常に常にランダムタグ処理とランダムデータウォーク処理を行われ、ほぼ誰にも見られない状態にされている。

知る事も許されない(オリジナルスキル)









  • 感覚保存
    全生命体の感覚機関の機能のみを全て保存する






知ろうとするんじゃない






  • 生者無効


SS・死後30年の供述の報告書
  • 記録

「貴方の自然環境下における死後30年を置いた蘇生実験は成功しました、貴方は死後、冥界や地獄について覚えていることはありますか?」

「ああ、覚えている……」

「では報告をお願いします」

数秒の沈黙

「どうしました?」

「言いたくないんだ……」

「報告を、貴方はそれを理解したうえで志願したはずです」

数秒の沈黙

「報告を」

「聞いて後悔はしないか?」

「私はあらゆる方法により、感情や感覚などを取り払っています」

数秒の沈黙

「分かった、正直今でも、話す勇気が無い。
 最初、そこには深い眠りのような甘い忘却があったのだと思う。でも思い返してみると、そんなことは1日も続かなかった。ゆっくりと、しかし、紛れもなく、俺は自分の死体に夢のような意識を再び充填させた。最初の慈悲深い時間では感覚が無かった。何も見えないし、何も聞こえないし、全く動けない。でも、その後にはすべての神経が再びつながったようで、すべての感覚が分かるようになった。俺の人生で最もそうだった。俺は動かない物体の中に囚われている感覚があった。そして、苦しみの苛烈さは増していった。幽かなものが、激しくなっていき、そして我慢できないほどのものになっていく。俺はこのことを完璧には表現できない。だけど絶するほどの衝動の中で、絶するほどの痛みの中で、絶するほどの絶望の中で息を止めている様を想像してほしい。頭が脈打ち、目が膨れ出る様を。終わることのない窒息する夢を想像してくれ」

数秒の呼吸音と、タイピング音

「俺の皮膚が日光に焼かれ、火ぶくれを起こしてひび割れていった。肉を食らう虫がたちまち襲いかかってきた。虫の卵が孵って蛆が這い回る感覚も、俺の中でガスができて弾けていく感覚もあった。個々の細胞が壊れていき、間質液が腐って黒くなる感覚もだ。どういうわけかこんな感覚を経験し記憶することができるようになっていった。俺の脳がばらばらになり、食らわれていくのを鋭敏に知覚したときでさえ、俺の認識は膨れ上がり、鳥の砂肝の中やファイアアントの巣の奥深くにまで俺の認識は広がっていった。指の爪の一つ一つと髪の毛の房の一つ一つが風にさらわれていくことも知覚していた。そして、爪や髪が海に落ちて何兆もの珪藻の口の中で溶けていくときも、俺の感覚は爪や髪から離れることはなかった」

数秒の沈黙

「俺には理解できない。俺が細かなかけらに分かれていくほど、俺は痛みを知覚できるようになっていった。俺が腐り落ちて生のある神経がどうやっても判別できないくらいに小さなものになったとき、俺が覚えていた不快さの感覚はその形を変えた。人間の言葉に例えられそうな、焼けるような、うずくような、壊れていくような、そういう感覚から、十分に言葉に表せそうもないくらいにもっとひどい感覚に変わったんだ。俺を作る部分すべてが他の部分から気が狂わんばかりにひどく広がっていくんだ。人間はその生涯で慢性的な痛みの感覚が度々無くなるって言うよな。でもな、何年たっても、何ヶ月という時が過ぎても、何秒と時間がかかっても、その感覚は常に激しくなっていくばかりだった。俺はそう断言できる
 俺は前に生きていたときは、天国と地獄について思いを巡らせていた。俺は天国か地獄か、その間にある何かか、どれかを経験することになるだろうということを。俺が経験したものは、俺の想像した天国の無気力さや地獄の責め苦と同じくらいひどく、そしてどちらとも全く違うものだった。地獄には少なくとも確実に苦しみをもたらす者がいるだろう。俺の行いについての何らかの記憶、何らかの正義の観念がある。俺の魂がその論理を拒絶したとしてもだ。俺自身の精神があるから、地獄の中に何らかの快楽があるのも想像できる
 俺はこれが懲罰であるとは思わない。これは原因があるものだとは思わない。俺は、これは俺たちの制約でしかなく、俺たちのあるがままの本質なんじゃないかと真剣に思っている。違うかい。あのときはずっと、俺は間違いなく、絶対に、全くの孤独だった。ほどなく生涯の記憶のすべてが燃えかすのようになっていった。終わることのない苦悶の中に失われていった。再び生を得た今、俺はそのときの中でも最悪なことは全く思い出すことができないんじゃないかと思っている。俺の生のある脳髄はその経験を思い出すにはあまりに小さすぎるんじゃないかと
 監督者として、俺たちは多大な苦難を目撃し、多大な苦難を誰かに負わせ、多大な苦難に耐え忍んでいる。だがな、俺たち全員を待ち受けるのはもっとひどいものだ。耳痛は蜂の一刺しよりもひどいように、凍傷は火傷よりもひどいようにな。30年間俺は死んでいたが、俺の苦痛は説明しきれるものではない。俺たちに昔に死んだ人間の無数の苦悶のすべてを推し量る度胸があるだろうかね
 信じてくれ。俺はあの忌まわしい存在に戻りたくなんてない。今から100年たっても、いや、どんなにたってもだ。比べようがない。何に替えたっていいんだ」

  • 備考
    この後この二名は即時射殺、報告書と二体の死体は同時刻に回収され、死体は即時火葬、ました。
上記報告書を読んだ一部の人間の主張
  • 記録

「我々は、生を進む限り、永遠に「死後」に怯えることになる、我々は確実に「死」を撃滅せねばならない、全ての「死」と「死」の苦痛を取り除かなければならない、全ての生命をその苦しみから解放しなければならない、我々にはそれ以外の何もできない、これに関する全ての情報を秘匿し、その上で「死」を消す必要がある、私は……」

3度の銃声

  • 備考
    記録後、同様の発言をした存在全ての終了処分を行いました、以後全ての情報を秘匿してください。












元ネタ

SCP-2718

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