FCM 36

Last-modified: 2018-06-09 (土) 00:49:13

F50_FCM36_20t.png

Tier 2 フランス 軽戦車

公式紹介ページ

スペック

HP140
車体装甲厚(mm)40/20/20
最高速度(km/h)24
重量/最大積載量(t)12.35/12.8
本体価格(シルバー)3,900

パッケージ

AMX 38
(/41,000)
FCM 36
(/3,900)
Char léger
Modèle 1936 FCM
(170/)
FCM 36 bis
(275/)
FCM 36 (25)
(350/)

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
FCM 36Berliet MDP37 mm APX SA18FCM 36Tracteur RN.3140290
91AP
APCR
HE
29
46
18
30
30
36
1020
2G
6
23.08
2.0
0.5
3940/40/4031280
Char léger Modèle 1936 FCMBerliet ACRO37 mm SA38FCM 36Tracteur RN.3140290
95AP
APCR
HE
34
67
24
40
40
45
10214
2G
8
21.43
2.0
0.48
3940/40/4031280
FCM 36 bisBerliet Ricardo37 mm SA38FCM 36 bisTracteur RN.3140290
105AP
APCR
HE
34
67
24
40
40
45
10214
2G
8
21.43
2.0
0.48
4240/40/4031280
FCM 36 (25)Berliet Ricardo25 mm Raccourci mle. 1934FCM 36 bisTracteur RN.3140290
105AP
APCR
46
68
27
27
1505
2G
26.09
1.8
0.43
4240/40/4031280

解説


  • 兄弟分ともいえるH35、R35と同じ砲を装備できる。
    ただし、DPMでみるとH35>R35=FCM36である。
    一方、俯角はR35同様かなり深くとることができるが、仰角は10度しかとれない。
  • 装甲
    本車のみ40/20/20で均一でない。
    側背面ともに傾斜装甲ではあるが、同僚よりやや劣る。
    一方、正面装甲は幾つかあるスリットが弱点となっているものの、十分な厚みがある。
  • 機動性
    実用出力比でみると、H35>FCM36>R35となっている。
    この3種にあっては比較的マシなほうだが、このTier帯にあっては非常に鈍重である。
    また、砲塔旋回速度も鈍いため、快速軽戦車との接近戦闘は厳しい。
  • 総論
    このように、本車は、大戦初期仏軽戦車3種の中間的な存在であり、この3種のなかでもやや欠点が目立つ。
    傾斜装甲を活かすためにも、高所から撃ち下ろされるシチュエーションは回避すべきである。
    特に、側面を高所から撃たれると、機銃すら貫通してしまう。
     
    優秀な俯角を活かし稜線上に陣取ることで、正面装甲の傾斜をアップさせることができる。
    (他2種に比べて)側背面の意外な弱さを考えると、装甲を過信せずじっくり戦うスタイルが望ましい。

参考資料
http://ja.wikipedia.org/wiki/FCM36
http://combat1.sakura.ne.jp/FCM36.htm

史実

1932年にルノーで試作された6t戦車をFCM(Forges et Chantiers de la Mediterranee(メディテラネ鉄工造船所)の略。フランスの造船会社)が1934年6月の陸軍総司令部要求に基づいて、データを元に発展させた軽戦車が制式名称Char leger Modele 1936 Forges et Chantiers de la Mediterranee、FCM36です。
歩兵支援用の軽戦車として1935年4月には試作車両が完成し、翌36年にFCM 36の名称が与えられて正式化され100両が発注されました。 
大量生産可能で安価な軽戦車というコンセプトで募集され、選考に残ったオチキス H35ルノー R35C、FCM36の中で1両の生産コストが前者2種よりも高い45万フランでしたが、90万フランでないと赤字になるとFCM社が発表したために、100両で生産を打ち切ることになってしまいました。
コスト高の要因となっているのは、それまでのリベット接合をやめて溶接接合にした事、91馬力のベルリエV-4ディーゼルエンジンを採用したことにあるといわれ、どちらもフランス戦車初となるものでした。
砲塔は装甲板を電気溶接した、未来的なピラミッド状の多面構造で、主砲の21口径37mmSA18砲と7.5mm同軸機銃が装備されていましたが、短砲身のため火力不足といわれていました。
エンジンデッキのみは、整備の容易性を考慮してボルト接合されていました。
91馬力のベルリエV-4ディーゼルエンジンは、イギリスのリカード社がライセンス生産したベルリエMDPのライセンス版で、91馬力のガソリンエンジンと同出力なので、大差が無く採用する理由が無いのではないかといわれました、12.8tの重さに対して最高速度では時速24kmしか出せませんでしたが、火災を起こしにくいことから採用されました。
それに伴い、サスペンションは片側8つの転輪を2本の垂直コイルスプリングで支え、ボギー4組が片側に配するという、単純な構成でスプリングを防御する装甲を装備、履帯との接触を避ける為に、前部誘導輪の後ろに独立して転輪が1つ設けられていました。
同車は2mの超壕能力、70cmの対障害物、80%の登坂能力を持っていました、サスペンション部や履帯の上側をジグザグ断面の傾斜装甲によって保護されていて、接触を避けるために車体前部の誘導輪のすぐ後ろに独立した転輪1個が設けられていました。 
1939年に生産終了し、数両が地雷などのテストに使用され、1両がテスト車両としてメーカーに戻された以外は、実戦投入されました。

オチキス H35、ルノー R35Cは、搭載する37mm砲を短砲身のSA18から、長砲身で貫徹力に優れたSA38に換装されましたが、FCM36では発砲の衝撃に弱く、溶接した砲塔が耐えられないことから、搭載は見送られてしまいました。
これが要因というわけでもないのですが、1940年5月に2個大隊に配備された本車はセダン近郊に配置されています。
ハインツ・グデーリアン率いるドイツ軍機甲部隊と鉢合わせしたFCM36とルノーR35Cなどは、非力な武装や薄い装甲などで太刀打ちできず、もっと致命的だったのは無線機が搭載されていないため、連携が取れずに武装では劣るドイツ軍の戦術で翻弄されてしまいます。 また、軍司令は戦車の機動有用性より歩兵の援護が戦車の役割と対戦車戦闘より、歩兵の援護を優先するように厳命した事で機甲部隊が身動き取れずにいた事も原因の一つでした。 その後、フランス軍退却の殿軍(しんがり)を担いますが、その殆どが撃破されてしまいました。
フランス降服後、ドイツ軍によって他の戦車と共に鹵獲され使用されますが、本車は砲塔を撤去し戦闘室を設け、7.5cmPak40を搭載されてマルダーIとして10両が改造されました。 10.5cm leFH16自走榴弾砲(10.5cm leFH16/18(Sf)auf Geschuetzwagen FCM(f))として残り12台も改造されています。

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