Pz.Bef. ⅠⅤ (P)

Last-modified: 2024-06-13 (木) 07:26:27

ドイツ RankIV 重戦車 Panzerbefehlswagen VI (P) / ポルシェティーガー

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概要

イベント【RAPID FIRE】の軍票ガチャ限定車両。愛称はポルシェティーガー、P虎など。
同じガチャ報酬のVK 45.01 (P)とは別物なので少しややこしい。こちらは実戦配備された指揮戦車仕様で、六角アンテナがついており(ゲーム的な効果はない)、車体前面に102mmの追加装甲が施されている。

車両情報(v.1.49.8.22)

報酬

SL倍率3.9

車両性能

項目数値
砲塔旋回速度(°/s)12.0
俯角/仰角(°)-8/16
リロード速度(秒)
7.4
スタビライザー/維持速度(km/h)無し / -
車体装甲厚
(前/側/後)(mm)
204 / 82 / 82
砲塔装甲厚
(前/側/後)(mm)
120 / 82 / 82
船体崩壊
重量(t)60.0
エンジン出力(hp)1,192
2,500rpm
最高速度(km/h)34
実測前進~後退速度(km/h)*** ~ -***
視界(%)108
乗員数(人)5

武装

名称搭載数弾薬数
主砲8.8 cm KwK 36 L/56 cannon180
機銃7.92 mm MG34 machine gun11,800

弾薬*1

名称砲弾名弾種弾頭
重量
(kg)
爆薬量
(g)
初速
(m/s)
貫徹力(mm)
10m100m500m1000m1500m2000m
88 mm
KwK 36
PzGr 39APCBC10.2108.8773165162151139127117
Pzgr 40APCR7.3930211207191172155140
Pzgr.APCBC9.5215.04810153151140128116106
Hl.Gr 39HEAT7.641100600110
Sprgr. L/4,5HE9.090081011

装備

設置場所装備名説明
車体外部装甲正面に102mmの均質圧延鋼装甲
機銃部に26mmの均質圧延鋼装甲
砲塔外部装甲後部に20mmの履帯装甲
後部に5mmの構造用鋼

車両改良

武器庫

Level名称
15迫撃砲
曳光弾ベルト
リロードシステム
20大口径
装甲貫通ベルト
濃煙
25発煙弾
ステルスベルト

迷彩

砂漠
[添付]
条件ナシ
森林
[添付]
条件VIPパス

小隊ツリー

前車両-
次車両VK 3002(M)

解説

長砲身ジャンボ現象第二弾*2
具体的な解説はVK 45.01 (P)を参照。

特徴

ポルシェティーガーに100mmの追加装甲を装着させた物だと思っていい。

主砲は変わらず8.8cm砲を装備し、新たにAPCRが使用可能となっている。装甲は車体100mmに追加装甲が100mm貼られており垂直ながら実質200mm+の装甲圧。これにより格上戦車のパンターD型IS-2の攻撃も弾けるようになった。しかし残念ながら砲塔は無強化。そして相変わらず車体左右に目立つ切り欠きがあり、この部位は格下にも容易に貫通される他昼飯の角度をとると高確率でここに突き刺さる。また正面装甲の弱点としては車載機銃と車体正面端の僅かに追加装甲が施されていない部分、そしてクソデカキューポラが弱点となっている。

また100mmの追加装甲が施されたものの駆動系統に変更はなく、それで重量が3t程増加した為、もともと良く無かった機動力が更に悪化し最高速度が4km/h遅くなっている。しかし前進後進同じ速度出ることには代わり無いため、飛び出し撃ちやエンジンガードは有効である。

史実

クリックで解説

VK4501(P)、通称ポルシェティーガーは、ドイツの鬼才フェルディナント・ポルシェ博士が設計した戦車である。
元々、1937年に、重防御陣地突破用の重装甲戦車の開発が構想され、ヘンシェル社に開発が依頼されていた。ヘンシェル社はこれに応えて突破戦車DW1/DW2を試作するがその性能に軍が満足せず、やがて30t級戦車のVK3001(H)へと発展する。この試作戦車は後に更なる拡大発展を経て、VI号戦車ティーガーとして採用されることになる。 
さて、1939年、この重戦車開発にポルシェ社も加わることになった。ポルシェ社はヘンシェル社とは別口で重戦車を開発することになったが、実はこの当時のポルシェ社は小さな会社で、戦車を開発・製造するほどの能力を持たなかった。そのため、シュタイアー・ダイムラー・プッフ社傘下のニーベルンゲンヴェルケ(ヴェルケは製作所、即ちニーベルンゲン製作所)がポルシェ博士の采配に任せられることとなった。 
こうして、ドイツの重戦車開発は、ヘンシェル社のVK3001(H)、ポルシェ社のVK3001(P)という並行開発の状態になったのである。これらの開発状況は総統アドルフ・ヒトラーにも肯定的に受け止められたが、同時に、より強力な武装と装甲が求められた。特に主砲は7.5cm漸減砲か8.8cm砲の搭載が求められた。そのため、それぞれに更なる拡大発展が指示され、ヘンシェル社は7.5cm漸減砲を搭載した36t級のVK3601(H)、ポルシェ社は8.8cm砲を搭載した45t級のVK4501(P)へと、自らの戦車を発展させることになった。どちらも基本的には車体の開発であり、両者の砲塔の開発はクルップ社が担当した。
 
ヘンシェル社のVK3601(H)は、やがて7.5cm漸減砲が量産不可と判明。そのため、クルップ社は、ポルシェ社VK4501(P)向けに作っていた砲塔を流用することを提案。結果、VK3601(H)は、45t級のVK4501(H)に発展することとなった。このVK4501(H)は、今までのドイツ戦車の構造に近く、総じて手堅いものであった。
だが、保守的で手堅いからこその問題もあった。この当時の自動車技術というのは未熟で、特に機械式のギアはよく壊れた。特に戦車は重いため、「走行装置を壊しながら走っている」ようなものであった。信頼性の塊のように言われるIV号戦車ですらそうである。そんな状況で保守的な設計をそのまま40t以上の大重量戦車に適用して、信頼性は大丈夫か、稼働率は確保できるのか、という不安があった。
 
一方、ポルシェ社のVK4501(P)は、その点をクリアするための新機軸を採用していた。それが、本車の最大の特長でもある駆動方式である。ガソリンエンジンで発電機を回し、その電気で駆動用モーターを回すのだ。従来の機械式ではなく電動モーターを採用すれば、複雑な変速ギアもステアリング装置も要らず、電力を制御するだけで無段階変速や操向が可能となるのである。 
また、通常床下に横向きで配置するトーションバーを車体側面に縦向きで配置したことも大きな特徴だった。これにより車体全高を低く抑え、床下にハッチを設けることができ、また普通の横置きトーションバーよりも製造や整備を省力化できた。だが、新機軸の採用は大失敗に終わるのではないかという不安も、当然付きまとった。
 
何せ、大重量戦車の開発はドイツ始まって以来初めてのことである。ヘンシェル社のVK4501(H)は保守的ゆえの大重量化への不安が、ポルシェ社のVK4501(P)は新機軸ゆえの不安が付きまとい、これが、重戦車開発をどちらかに一本化せず、並行開発を続ける理由の一端となった。また、ヒトラーが両車を並行して量産することを提案していたのも、理由の一つである。一般に、ヒトラーはVK4501(P)に、陸軍兵器局はVK4501(H)に好感を抱いていた。
 
並行開発は続き、両車のプロトタイプ完成後、検分が行われた。かつては、VK4501(P)はこの競合テストにおいて走行中炎上するという醜態を晒し、理想に技術が追い付いていないことを暴露したとされていた。結果、VK4501(H)が採用されてティーガーとなり、VK4501(P)は結局、独裁者ヒトラーがお気に入りの技術者に作らせた、実用性皆無のトンデモ兵器、イロモノでありゲテモノでしかなかった…というように説明されていた。
 
歯に引っかかるような言い方をしたのは、最近の研究で、そこまでひどいものでもなかったらしいと分かってきたからである。1942年4月20日、即ちヒトラーの誕生日に、オストプロイセンの総統大本営ヴォルフスシャンツェにおいて、両車のプロトタイプの発表と検分が行われたのだが…この検分の直後、どちらかを破棄しどちらかを採用するというような決定は出ていない。そこまでするほどの欠陥は、どちらにも見当たらなかったのだ。
 
実際のところ、よく悪く言われる走行装置は実戦で大きな不具合を起こしていない。後にも述べるが、1943年夏以降、VK4501(P)を改造した重駆逐戦車フェルディナントが実戦投入されている。このフェルディナントの報告書を読むと、走行装置、特にポルシェ博士肝煎りの電動モーターについては、故障の悪評どころか好意的な評価が下されている。
 
実際のところ、問題視されていたのは、搭載予定のエンジンがいまだ量産に至っていないこと、燃料搭載量の問題で航続距離が短いこと、走行装置の生産には戦略物資の銅が大量に必要なこと、などであった。新機軸である電動モーターへの不安も、もちろんあるにはあったが…
さて、そんな状況であったから、1942年4月の発表と検分の後もしばらく、両車の開発は並行して続けられた。最終的な決定が下されたのは、同年6月23日の会議においてである。ヒトラーはこの会議の席上で、以前と同様両車を並行生産し実戦配備することを主張し、目標として1943年5月12日までに、合わせて285輌を配備するというものを挙げた。
 
一方、時の軍需大臣アルベルト・シュペーアは、ドイツの工業生産力を考えれば並行量産は不可能で、どちらか一機種のみに絞る必要があることを指摘した。また、どちらか一方に絞るのであればヘンシェル社のVK4501(H)にすべきであることも主張、陸軍兵器局もこれに同意したためヒトラーもこれを認めるところとなる。結果、VK4501(H)はVI号戦車ティーガーとして制式化され、VK4501(P)は廃案となったのである。
ところが、である。両車プロトタイプの発表以前、1942年3月19日。ヒトラーは、VK4501(H)及びVK4501(P)の両車は、開発完了を待たず量産を開始するよう提案していた。要するに、「試作型完成→生産ライン整備→生産開始」というような形をとらず、「試作型開発→同時並行で生産ラインを整備して、開発と並行して量産」という形にしようという事である。
 
1942年3月と言えば、IV号戦車F2型の生産がようやく始まったところ。東部戦線ではT-34やKV-1/2、北アフリカ戦線ではマチルダやチャーチルに真正面から対抗できる強力な戦車が必要とされており、とにかく強力な兵器を急いで揃えたかったのである。この当時はまだVK4501(H)もVK4501(P)も並行して量産するつもりでもあったというのもまた、この提案に繋がっただろう。
その結果、6月にVK4501(P)の開発・量産中止とVK4501(H)の制式採用が決まった段階で、どちらも数十輌の車体が完成していた。VK4501(H)の方は採用されたから、そのまま砲塔を載せて実戦配備すればよいが、問題はVK4501(P)の方である。結局車体のみ完成していた90輌は紆余曲折を経て、8.8cm Pak43/2 L71砲(ティーガーIIに搭載されたのと同系の長砲身8.8cm砲)を搭載した重駆逐戦車、フェルディナントに改造され、実戦投入された。 
その一方で、砲塔付で完成していたVK4501(P)も存在していた。6月初頭の時点で、シャーシ番号15001、15002、15006の3輌が完成していたとされる。これらの車輛の行方についての資料は乏しく、ドーラースハイム演習場で教習車輛として使用されたのが知られている一方で、第502重戦車大隊(ティーガーIを装備する部隊)に1輌送られたという未確認情報もある。
 
確実に言えるのは、ティーガーIの量産型砲塔を装備した車輛が、エレファント(フェルディナントを更に改造し改称したもの)を装備する第653重戦車駆逐大隊の指揮戦車として配備されたということである。この車両には、車体前面への増加装甲装着、エンジンの換装、指揮戦車向けの通信装置(六角アンテナなど)の装備といった改造が施されたという。おそらく、本作のPanzerbefehlswagen VI Tiger (P)の元ネタはこの車輛であろう。
 
1944年5月の末に大隊へ到着したこの戦車は、大隊本部車輛として運用された。当時大隊は北ウクライナ軍集団に所属し、その軍集団が位置する東部戦線ではやがて、ソ連の一大反攻作戦『バグラチオン作戦』が開始された。7月13日から始まったソ連第1ウクライナ方面軍の攻勢に対し、北ウクライナ軍集団は激戦を繰り広げつつ西方へ後退。第653重戦車駆逐大隊もまた、7月13日から8月1日までの間に保有車輛の60%を喪失するほどの大損害を被った。この激戦の中で、指揮戦車仕様のポルシェティーガーもまた、失われたのである。

小ネタ

ゲームの利点

史実では操縦手窓や車体の機銃口は大きな弱点となるので、本車では操縦手窓と機銃口の装甲が強化された。しかし、ゲーム内では装甲の強化なんてしなくても「基本的に抜けないカチカチ装甲」として機能している。ティーガー系列の車両と戦ったことのあるプレイヤーなら、よく分かるはずだ。

外部リンク

 

WarThunder公式英語Wiki

 

公式Devログ

 

インターネット百科事典ウィキペディア

 

コメント

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  • こいつの場合、逆豚か正面向けて運用するかで迷うなぁ -- 2024-04-11 (木) 21:51:54
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  • 普通にティーガーE型の方が好き。 -- 2024-04-14 (日) 08:39:42
  • 名前が「Pz.Bef. IV (P)」と表示されるせいでE虎の方のポルシェティーガーと勘違いされる事もなく切り欠きを狙われて無情にも即爆散する -- 2024-04-26 (金) 05:17:15
  • 砲旋回が遅すぎィ! -- 2024-06-13 (木) 07:26:27

*1 爆薬量はTNT換算
*2 同じランクに既存車両の強化版が来る現象