ウィリス・オブライエン

Last-modified: 2021-09-22 (水) 13:58:34

キャラシート

【クラス】キャスター
【容姿】スーツを基調とし、手首やベルト等全身に恐竜や怪獣などをあしらったアクセサリをじゃらじゃらと纏う伊達男。
【真名】ウィリス・H・オブライエン
【英雄点】40点:(ステ15点・スキル25点):令呪消費2画
【HP】15 / 15
【筋力】C:3(消費点3)
【耐久】C:3(消費点3)
【敏捷】B:4(消費点4)
【魔力】E:1(消費点1)
【幸運】A-:4(消費点4)
 
【クラススキル】道具作成(技術):A+
10点:移動フェイズ時、味方陣営1体のHPを(耐久値D6)回復する。
   交戦フェイズごとに1回まで、味方陣営の任意の判定に補正値5を与える。
 
【クラススキル2】陣地作成:C
10点:移動フェイズに陣地を作成出来る。陣地内では魔術攻撃と物理・魔術・奇襲防御時、補正値5を得る。
また、遠距離攻撃フェイズで受けるダメージを無効にする。
 
【スキル】専科百般:B
5点:交戦フェイズごとに2回まで、自分の任意の判定のダイスの面数を1増やす。
  
 
【宝具】『W.F.D(ワールド・フェイク・デイドリーマー)』 1/1
【ランク・種別】EX:対人宝具
【効果】交戦フェイズ開始時に発動できる。自身にカウンターを10個置く。任意の判定時、このカウンターを任意の個数取り除くことで取り除いた数だけ補正値を得れる。
また、自身の攻撃時にカウンターを5つ取り除くことで、自身の攻撃を任意の相手前衛全体にすることが出来る。この際、宝具による補正値を得れない。
 
【その他】混沌・善 人属性 性別:男性
 
 

「創作は面白ければ良いんだ! 現実性? ンなもん糞くらえだ」
「楽しく、面白く、素晴らしければ! 空想は現実を凌駕するッ!!」
 

プロフィール

【元ネタ】史実、特撮史
【CLASS】ブラックスミス
【真名】ウィリス・H・オブライエン
【異名・別名・表記揺れ】Obie
【性別】男性
【身長・体重】187cm・81kg
【肌色】白【髪色】茶に近い金【瞳色】黄金
【外見・容姿】スーツを基調とし、手首やベルト等全身に恐竜や怪獣などの様々な、
       現実に存在しないもの"空想"をあしらったアクセサリをじゃらじゃらと纏う伊達男。再臨するごとにアクセサリは増える。
       (恐竜は現実に存在したが、現在時間において存在しないため、本項目においては"空想"として扱う)
【地域】アメリカ合衆国
【年代】20世紀前半
【属性】混沌・善
【天地人属性】人
【その他属性】人型・(超巨大)・(魔性)
 

筋力■■■■■C 耐久■■■■■C 
敏捷■■■■■B 魔力■■■■E 
幸運■■■■■A-宝具■■■■■B 

クラススキル

陣地作成:C
技術者として、自らの拠点となる陣地を作り上げる。
生前に様々な名作を創り出したスタジオを再現することが出来る。
作成したスタジオ内においては、道具作成(技術)や幻術スキルの素早さと精度が跳ね上がる。
 
道具作成(技術):A+
材料さえあれば瞬時に自身の技術による道具を作り出すことが出来る。
オブライエンは主に、生前に作り上げた特撮技術に関連する空想の物や過去の存在を魔力を基にして創り出すことが出来る。
生きている恐竜を現実に創り出したり、自らに翼を生やして(創り出して)空を羽ばたくなど多彩な使い方を可能にする。
生前は基本的に撮影用の人形などしか作成しなかったが、宝具の汎用性が規格外の為非常にランクが高い。
 

固有スキル

専科百般:B
オブライエンは様々な職種を転々とした後に特殊撮影技術者になったという経歴を持つ。
農夫や工場労働者、罠を巧みに用いる猟師、カウボーイ、建築家、果てはボクサーまで幅広い職業を経験した。
これに由来する形で、破壊工作や騎乗など十数の専業スキルについて、習熟度を発揮できる。

幻術(偽):D+
人を惑わす魔術。精神への介入、現実世界への虚像投影などを指す。
特殊効果クリエイターとして、現実である実写に空想である恐竜や怪物を混ぜ合わせ、多くの人を魅了したことに由来する。
オブライエンは正真正銘、生まれも育ちも人間なので、妖精や魔術師が行うような高度な精神世界への介入や現実への虚像投影はできない。
だが数多くの人々を魅了したその特殊撮影の技術は、英霊へと昇華された事で疑似的な幻術としてスキルとなった。

巨怪蹂躙(偽):B
大いなる巨躯による蹂躙、その再現。特撮技術により虚像を現実へと投影してそれにより大規模な破壊を行う。
実際にオブライエンが巨躯を持つわけではないが、彼の映画は世界中に"怪獣"という概念を広げ、そしてキングコングなどと言った空想のスターも生み出した。
そういった存在の力を借り受ける事で、疑似的な巨大怪獣を再現してその攻撃力・攻撃範囲を借り受ける。スキル適用時には超巨大や魔性と言った属性が付与される。
 
 

宝具

W. (ワールド・)F. (フェイク・)D(デイドリーマー)
ランク:EX 種別:対現宝具 レンジ:不明 最大捕捉:不明
特殊効果クリエイターとして、現実世界を偽って神にも等しき巨大な怪獣や過去の恐竜を実写に割り込ませ模倣したことに由来する宝具。
魔力を素材としてその手で加工し、様々な形で自身の周囲にある現実へ"割り込ませ"ることで、現実を凌駕する空想という名の特撮を現実へと反映する。
巨大な実在しない空想のモンスターを召喚したり、何もしていないのにビルが崩れ落ちるなど、映画撮影においては今や無二の技術『特撮』を現実のものとする。
だが、映画に出てくるような超巨大な怪物や大規模の破壊となると、聖杯やカルデアスが生み出せるような多大な魔力無くしては実現は不可能。効率だけで言えば、通常の英霊に比べ魔力効率は悪い。
この宝具の真骨頂は、怪物を召喚したり大規模な破壊をするだけではなく、怪物や恐竜の一部を自分の身体に反映して空を飛んだり近接戦を行ったりなど、多種多様な応用が可能な点である。
この場合、そのまま怪物を作成するよりも魔力コストが削減される。用途に応じて魔力の使用を抑えることが出来る上に出来る事も多々ある為、汎用性が高い。
怪物の一部以外にも重火器なども作成できなくはないが、その場合は神秘の宿らない通常兵器となりサーヴァント相手にはダメージを与えられない。
(彼はそういった、対サーヴァント用途以外のものは"小道具"と呼ぶ)
 
弱点としては、あくまで彼が作成・撮影する『特撮』を現実に反映する宝具であるという事。
それは即ち、彼の発想や構想、想像力を超える力を持つ物を創り出すことが出来ない事に尽きる。
彼は様々な英霊と異なり、重火器が主武器となる近現代に生まれ育った英霊であるため、魔術や超常技術を以てして戦闘を行う英霊達の戦い方を知らない。
故に召喚された時点では彼が彼の想像力内でしか思い描けない怪物や恐竜、現象しか作り出せないため、並みの英霊ならば易々と突破されてしまう。
そのため、召喚されてしばらくは情報収集に徹し、敵対する英霊が"どのようなことが出来るか"そもそも英霊とは"どういう存在なのか"を学ばせることが肝要となる。
そういった知識をオブライエンに蓄えさせることで、無限に宝具によって作り出せる力を高めることが出来る。知識によって創り出す物が力になるのは、ブラックスミスたる所以と言えるだろう。
 
逆に、近現代の英霊……科学者や技術者を相手取る場合は、彼の想像力の範囲内に収まる為非常に強い相性を得れる。
成した功績や発見した原理などを拡大解釈して宝具としたタイプの英霊であろうと、それが彼の知っている概念ならばそれを取り込み『特撮(さくひん)』の一部とする。
故に近現代の英霊相手ならばその相性はかなりの物。特に生前交流が深かったエジソンの宝具『W.F.D(ワールド・フェイス・ドミネーション)』には抜群の相性を誇る。
向こうは神秘を駆逐し陳腐化させる宝具だが、オブライエンの宝具は『特撮を現実に投影し侵食する』と真逆の性質を持っており、加えてその技法は神秘でも何でもない"技術"故に無力化されない。
その性質は彼自身も非常に分かっている。そんなエジソンの宝具名と自身の宝具名を似通わせたのは、彼なりのジョークのつもりなのかもしれない。
 
 

解説

ウィリス・H・オブライエン。19世紀~20世記前半を生きた、アメリカの特殊撮影クリエイター。
人形を用いたストップ・モーション・アニメーションの先駆者であり、彼が特撮を担当した『キングコング』が今も尚映画史に煌々と輝き続けている。
彼のストップ・モーション・アニメーションは弟子のレイ・ハリーハウゼンや日本の円谷英二に影響を与え、そして以降の『怪獣映画』の基礎を作り上げた。
現在世界中に広がった『特撮』というジャンルの根幹に位置すると言っても過言ではない、特撮技術史の巨匠である。
 
カリフォルニア州オークランドに生まれ、11歳という若さで家を出奔。13歳まで牧場で働いていた。
その後、農夫、工場労働者、毛皮のわな猟師、カウボーイ、バーテンダーなどのさまざまな仕事を転々としつつ、クレーターレイク地域でカウボーイとして古生物学者を案内していた。
この際にその眼でまざまざと見せつけられた巨大生物────────恐竜の化石に心を打たれ、彼は『今この世界で生きている姿を見る事の出来ない存在』に魅了される。
それ以降、彼は余暇を彫刻やイラストなど創作活動に費やすなど、クリエイターとしての片鱗を見せ始めていた。恐竜との出会いが、彼の人生の転機であったのだろう。
ちなみに同時期、スポーツ漫画家*1兼プロボクサーも営んでおり、ブラックスミスというクラスに似合わず身体の動かし方や肉弾戦に対しても非常に造詣が深い。
 
プロボクサーを引退した後に、鉄道で測量の仕事をしながら、同時期にサンフランシスコ万博で造形物を作る仕事にも参加した。
「恐竜」をテーマにした人形や映像を作成し出展することになり、自分がそういった『現実に存在しないもの』に惹かれている事を自覚。特殊撮影クリエイターの道を目指す。
万博にむけた製作の中で彼は粘土で作成した恐竜を24コマで1コマずつ撮影する事で、まるで現実で生きているかのように見せるストップ・モーション・アニメーションの技法に目を付ける。
それにより作り出したモデルアニメーションと実写のライブアクションを合成するという独自の手法を確立し、その後綿々と続く特撮映画の基礎の基礎として歴史に名を残した。
彼が作成した恐竜と原始人の映像に出資者が目を付け5000ドルを出資。特殊撮影クリエイターとして本格的に動き出し、「恐竜とミッシング・リンク」や「眠れる山の幽霊」等を撮影。
完成度が非常に高く、これを見たエジソンはとても感動しそれらの映画の配給を全面担当。加えてウィリス本人をエジソン社で抱えこむという非常に好待遇を受けるという上々の出だしとなった。
その後7年がかりで、かのアーサー・コナン・ドイルの小説『失われた世界』を実写映画化。造り物である恐竜と実写の人間を組み合わせた完成度の高い映像に称賛の嵐が吹き荒れた。
 
『失われた世界』の成功を受け、次回作として恐竜を題材とした映画『Creation』の製作にとりかかったが、資金不足から製作は中止となった。
だがその没フィルムを見た映画監督メリアン・C・クーパーがオブライエンの才能に魅了され、特殊撮影クリエイターとして採用。生み出された映画こそ、モンスター映画の原点にして頂点『キングコング』である。
キングコングを実際の存在と信じてしまう観客が大勢出る程にレベルの高い特撮は大ヒットを記録し、「世界で最も有名なモンスター映画」「本格的モンスタームービーの原点」とまで言われるようになった。
このように、今も尚続くモンスター映画の起源に位置するが故に、彼は空想という名の特殊撮影を現実へと侵食させるという類稀なる宝具を有するブラックスミスとして英霊へと昇華された。
 
だが、その輝かしい経歴に比べ、その晩年は余りにも不遇な末路を辿ることになる。
彼は誰にも教わらずに特撮の技術をその手で確立させた。その技術の流出を恐れた彼は弟子を取らなかった。唯一撮影助手として雇った人物こそ、かのレイ・ハリーハウゼンである。
その後ハリーハウゼンは独立し、「原子怪獣現る」「アルゴ探検隊の大冒険」などのヒット作を連発するが、オブライエンはキングコングの成功以降鳴かず飛ばずの日々を送ることになる。
理由としてはオブライエンの撮影手法はコストパフォーマンスが高い事に由来し、映画監督たちは彼よりも安い値段で特撮を可能にするハリーハウゼンらに流れていった。
それでも彼は決して自分を曲げずその自らの手法を続けた。何度も企画を立ち上げては持ち込みを続けたがどれも採用はされず、1962年にその生涯を閉じた。
 
そのような末路であったオブライエンだが、サーヴァントとしての彼はそのことを全くと言っていい程気にしていない。
むしろ「理解されなかっただけだ。俺の特撮には、高いコストを払うだけの価値がある」と、時代が悪かったとまで言い放つほどである。
基本的に自分の創り出す物の面白さを疑わない人間である。故に新たなる生である『英霊としての召喚』は最高のチャンスだと捉えており、最高の面白い映画を作るために全力を賭す。
「今度こそ俺の最高の映画を創り出す。目指すは全世界の映画賞総なめだ!!」と意気込むその姿は、彼が求道者の極致に立つ英霊であると見る人に思わせるだろう。
その余りの求道の精神ゆえに、思わぬ事件や特異点の原因になる事が多い。
 

性格

上述の通り、何処まで行っても求道者気質。特殊撮影クリエイターになる以前から暇さえあれば絵画や彫刻を嗜んでいた事からもわかる通り、根っからのクリエイターである。
故に自分の作品に取り込めるものは何でも取り込み、出来る事ならばどのような物でもとりあえず挑戦するし手を伸ばす。これだけ聞くと優れたクリエイターだが、その根幹にある感情はそうもいかない。
非常に高い自分の作品への自信を持っており、良く言えば自信家、悪く言えば自意識過剰、傲慢な程に自分の才能と創り出す物を評価している。例え面白い物を見ても「だが俺が作ればもっと面白い」というほど。
自分の作ったものが受けなければそれは悪いのは自分ではなく扱った題材、あるいは見た観客が悪かっただけであると切り捨て、基本的に自分が悪かったとは考えない。傲慢不遜な男。
しかしそれはそれとして彼自身も高みへ行くことを目指しており、傲慢だからと言って慢心はしない。決して今の自分のままで妥協したり、才能に胡坐をかくような真似はしない。
彼は何処までも自分が出来る精一杯の完成度の作品を目指し、完成させたならば次はそれを超える物を創り出すために、他の作品や題材の吸収に乗り出す。
彼にとって『最高』は常に『最新』であり、故に何処までも自分を高めるために自分の周囲にある存在を無尽蔵に喰らって作品へと活かしていくのだ。
現実を材料として自身の創り出す空想を補強するその様は、まさしく表現者の極地と言っていいだろう。

だが、彼の場合その思考が行き過ぎて、自分以外の存在は全て観客、あるいは創作に役立てるための素材としか見ていない節がある。
確かに彼は求道者にして表現者ではあるが、それ以上に自分(と彼が創り出す創作物)こそが最高という、天上天下唯我独尊を地で行く性格をしている。
それがある故に英霊として宝具という力を得てからは「自分が創り出す空想は、現実をも凌駕する」と人目も憚らず公言するほどに尊大な性格に増長している。
故に自分以外の"現実"は、自分の描き創り出す"空想"の素材であるという理論を展開し、インスピレーションを得るために様々なトラブルを起こす事もしょっちゅうある。
基本的に観客にウケる"空想"を描くことに注力するため、"現実"の再現性や裏取りを無視して創作の素材にする事が多い。指摘されても「だがこっちの方が面白いだろう?」と聞く耳を持たない。


*1 この場合の漫画とは、新聞などに掲載される短編ものを指す。サンフランシスコ日刊新聞に掲載していたらしい