フロールヴ・クラキ

Last-modified: 2019-03-03 (日) 21:54:43

キャラシート

【クラス】セイバー
【真名】フロールヴ・クラキ
【容姿】流れるような頭髪に細枝の如き痩身、優美なるそれを強靭の意志を示す瞳を以て剛毅と映させる長身の戦士。
【英雄点】35(ステ24点/スキル11点):令呪一画(宝具一画)
【HP】 25 / 25
【筋力】A++:7(8)
【耐久】A  :5
【敏捷】A  :5
【魔力】A  :5
【幸運】E  :1
【合計】24点
 
【スキル1】対魔力 B
5:キャラシート作成時、英雄点5を得る。 魔術防御時、補正値5を得る。
 
【スキル2】心眼(真) B
1:物理攻撃時、補正値3を得る。
 
【スキル3】貧者の見識 C-
5:物理攻撃時、補正値3を得て、相手のスキルによるダイスのプラス補正を無効にする。
 
【宝具1】『黄昏の霹靂(スコヴヌング)』 1/1
【ランク・種別】A:対人宝具
【効果】物理攻撃時、補正値10を得る。
   この時、与えたダメージ分だけ対象の最大HPを削る。
 
【宝具2】『開闢の黎明(ヘルファズル・スコヴヌング)』 1/1
【ランク・種別】A+:対軍宝具
【効果】キャラシート作成時、令呪を一画消費する。
   物理攻撃時、補正値5を得て任意の前衛全てに攻撃できる。
 
【その他】人型/女性/秩序・中庸/地属性
 

【パラメーター】

筋力耐久
敏捷魔力
幸運宝具A+

 
 
【クラス別スキル】
 ○対魔力:B
  魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
  大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
 
 ○騎乗:B
  騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
  魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
 
【保有スキル】
 ○カリスマ:B
  軍団を指揮する天性の才能。 団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
  カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。
  最高の王とも称された彼女はこのスキルを高ランクで保有する。
 
 ○勇猛:A
  威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
  また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
  カリスマと同時、勇猛さも示さなければベルセルクたちはついては来ない。
 
 ○直感:B
  戦闘時、つねに自身にとって最善の展開を“感じ取る”能力。
  視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。
 
 ○心眼(真):B
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
  逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
  ヴァイキング時代の産物。 直感と合わせ、彼女は戦闘時に於いて極めてしぶとい。 往生際が悪いのではなく、戦上手。
 
 ○貧者の見識:C-
  相手の性格・属性を見抜く眼力。
  言葉による弁明、欺瞞に騙されない。
  土地も財も渡されることなくただの一人でヴァイキングに身を窶していた頃の名残。
  この時に彼女は合理を見出した。 多角よりの見識は間違いなく王としての彼女を支えていただろう。
  しかし――スクルダの佞奸だけは、見抜くことができなかった。
 
 ○細枝の容貌:-
  諢名である『クラキ』とは即ち細枝のこと。
  率いる戦士たちに比べその身体は細く、ウォッグという男にまるで枝(クラキ)のようだと比喩されたことから。
  彼女はこれを寛容にも受け入れ寧ろ自ら名乗るようになり、加えて黄金の腕輪まで送って礼をした。
  ウォッグはその人柄に惚れ込んで後に十二人の勇士たちの一人となる。
 
  真名を看破されるまでステータス、スキル、宝具の認識を阻害する。
  ステータスは1ランク下がって表示され、真名に繋がる固有スキルと宝具の表示が無効化される。
  確かな見識を持っていなければ初見でその力強さと本来の性別に気づくことはできない。
 
 ○黄金王よりの餞別:A
  黄金王とも呼ばれたその由来は財宝の数々をただ持っていただけでなく、
  これらを惜しみなく民や臣下たちに分け与えていたことから付けられたものである。
  高ランクの黄金率と、その黄金を分け与えることによる支援効果の複合スキル。
  黄金に頓着しないのではなく、出し惜しみをせず使うべきときに適切と使っている。
 
 ○神性:D
  神霊適性を持つかどうか。
  ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
  大神オーディンの息子であるスッキョルドの血統を有する彼女は微弱ながら神性を帯びている。
  このランクであるならその視点はほぼ人のそれと同じである。
 
【宝具】
『黄昏の霹靂』
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:1人
 
 スコグヌング。
 北欧最高とも謳われる名剣にしてフロールヴ王の象徴。 即ち、友情剣スコヴヌング。
 セイバーが数多のサガにて謳われるように、この剣もまた数多のサガや伝説にて語られる。
 その一説によれば、それはセイバーが率いた十二人の勇士の魂が宿っているのだという。
 派生していったスコヴヌングの伝説はこの勇士たちの魂の発露のようなものであり、
 彼らの王たる彼女が振るえば有用な効果の全てを享受し、そうでないもの――勇士たちが彼女を害することはありえないが――を無視することが出来る。
 主に使用する効果は黄雷放出と回復阻害、それに対応した治癒効果。 特に黄雷の放出は擬似的な魔力放出にもなり得る。
 
 
『開闢の黎明』
 ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
 
 ヘルファズル・スコグヌング。
 ヘルファズルとは『戦死者の父』という意味であり、即ち彼の祖であるオーディンの別名である。
 フロールヴ・クラキのサガに於いてこの剣は北欧の地に於いて最高の剣とも語られるが、
 かの星の聖剣に比類するとも言われる魔剣グラムや、神造兵装の亜種たるエッケザックス等に並ぶとは些かに思い難い。
 ――そしてその通り。 本来のスコヴヌングはどう高く見積もってもBランクの、人が作り出した名剣の域を出ない。
 ならばどうして、スコグヌングは最高の剣と謳われるのか――?
 
 それは剣に宿った十二人の勇士たちがためだ。
 王の象徴である剣の元に集い、剣を通して王を支える彼らの魂が剣の神秘を後押しした結果、
 スコヴヌングは文字通りグラムやエッケザックスに並び得る最高峰の名剣と化したのである。
 彼女のサガに於いて謳われる北欧に於いて最高の剣という賛美は、彼女と十二人の勇士たちの途切れぬ友情を指していたのであった。
 
 そしてこの宝具はそのスコグヌングの全力解放。
 剣に宿る十二の勇士たちに呼びかけ承認を得ることによって初めて発揮し得る北欧最高の一撃。
 一国の強大に匹敵して余りある勇士たちが黄雷を借りて顕現し、王の前に立ち塞がる敵の尽くを殲滅する。
 十分な魔力があれば勇士たちを維持することも可能だが、燃費は極めて悪化する。
 
 
『終末を超えて耀け、人理の剣』
 ランク:EX 種別:対理宝具 レンジ:1~∞ 最大捕捉:1人
 
 オーバーカウント・ラグナロク。
 『グロッディの歌』の一節にはこうある。
 
  「さぁ、もっとひき続けよう。
    ユルサの子はハールヴダナルと一緒にフロージに復讐するだろう。
    ユルサの子で、彼は弟とも呼ばれるだろう。 わしら二人はそれを知っている」
 
 ユルサの子とは即ちフロールヴ・クラキ――彼女自身であり、
 自らが生まれる前から、その波乱の運命を予期されていということになる。
 フロージ王とは豊穣神フレイが人間へと変わった存在であるとも言われ、
 グロッディと呼ばれる石臼は回した者の願いを叶える聖杯にも類似した願望機でもあり、そして同時に『フロージの平和』の象徴でもあるという。
 それを叩き斬り、原初の巨人ユミルの血であった海に塩を齎したことは現代の基本である塩辛い海というテクスチャの起点となった
 そんな彼女は宿業的に、『神々の時代から人々の時代へと移行するための架け橋』としての側面を持つ。
 ――彼女が滅びを定められるのは当然だ。 それは予言された終末を予感させる者であったから。
 
 それは原初の否定にして現在を生きる生命の肯定。
 神代の一部を緩やかにも衰退させた新しき織物(テクスチャ)の理。
 既に過ぎ去ったものに対するカウンターファンタズム。 旅立ちの歌を唄う人類の安全装置。
 
 人類規模の危機に対してのみ起動する願いと祈りの剣であり、
 古きを下敷きとして新しきを作る、終わりを迎えてなおも人々が『続く』ことを示す人理の強さが具現。
 世界から現実の一部を剥ぎ取り、神代よりの真エーテルを吸収、スコグヌングを核として凝固し巨大化。
 塩の如き白色の刀身が攻撃対象を叩き斬れるサイズまでに肥大した後、神々をも脅かす斬撃を放つ。
 
 海に塩がなくして現在の生命はありえないという強靭強固の当たり前(ワールドルール)の叩き付け。
 それ故に現在の生命系統樹より外れている者に対して強力な特攻を有する。
 たとえ彼女自身が終わりを超えられなかったとしても――彼女たちが残してきたものは、この現在を支えている。
 
 なお、通常の聖杯戦争に於いては所有権自体が剥奪される。
 
 
【略歴】
 デンマークの王ハールヴダナルとその娘ユルサとの間に生まれた子。
 つまりは近親相姦による生まれであり、叔父であるアディルスとの仲も良いとは言えなかった。
 それが決定的になったのはアディルスが父を殺し、王位を継いだ時であった。
 王の血筋に生まれたはずの彼女はしかし、財の全てと土地の一切の継承を許されなかったのである。
 しかしそこで諦めることなく彼女はたった一人で旅に出る。 自らの王国を手に入れるため力と名声を求めたのだ。
 合理を良しとするのはその経験からであり、理想のみでは人は歩むことはできないと理解したからである。
 
 ところでこのアディルスという男は武にも長け魔術をも扱えたが、
 それに反比例するかのように黄金や財宝に執着を見せ、これを手放そうとしなかった。
 自らの為に働いた戦士たちに対してですら、報酬を支払わなかった程である。
 
 アディルスの悪名が広まっていく情勢で彼女は勇猛さを示して名声を高めていった。
 その内に、彼の下にはアディルスに従っていた戦士たちまでが集まって彼の代わりに王位を継いでくれるように頼む者が集まってきたのである。
 それに対する彼女の返事は――。
 
 「――いいだろう」
 
 そうして彼女は瞬く間にアディルス王との決着を付けた。
 様々な佞悪を重ねられこそしたが、それは今までの年月と労苦を思えばあまりにもあっけなく。
 そこで彼女は更に理解した。 合理のみでは人は切り捨ててしまうものが多すぎる。
 
 そうしてできあがったのが後世にも語り継がれる最高の王――フロールヴ・クラキ、彼女である。
 その名は北方の国々に知れ渡り、理想を解しながら合理を追求し最善の道を選び続ける彼女の下には、
 いつしか優秀な戦士たちや知恵者たちが集まり、その中でも最上の十二人がかの王を側で支えた続けた。
 
 だが、そんな盤石で強固な国が崩壊するのは往々にして内部からであり、
 大きくなってゆく王国の統治に追われていたためか、いつしかその道は最善ではなくなっていた。
 否、語弊がある。 それさえ起こらなければ、たとえ幾ら大きくなっても彼女は統治しきっただろう。
 彼女の見落としはただ一つ。 自らの異母妹であるスクルダのその佞智であった。
 
 人々は口々にそれは野心からであり、妬みからであるという。
 事実としては些か異なるのだが――どちらにしろ、彼女がフロールヴ王の凋落に大きく関与したのは間違いない。
 そう、凋落したのだ。 彼女は命を落とし、それを守り支えていた勇士たちも残らずに。
 彼の王の墓には北欧最高と謳われるフロールヴ王の象徴の名剣・スコヴヌングが添えられた。
 
 
【人物】
 一人称はオレ。 二人称は貴様あるいは貴方。 親しい者に対してはオマエ。
 流れるような頭髪に細枝の如き痩身、優美なるそれを強靭の意志を示す瞳を以て剛毅と映させる長身の戦士。
 初見ではまさに氷のような印象を受ける人物。
 
 一言でその性格を表してしまえば『理想を解するリアリスト』。
 王として合理を良しとするが、戦士としての理想を否定するわけではない。
 冷酷ではあるが残酷ではない。 氷のようでありながら、決して情に疎いというわけでもない。
 
 常に冷静であり、常に厳しく、常に強い。 そして常に迷わない。
 しかしこれは正しく常に王として己を客観視しながら律しているからであり、友と語らう時には密かにも顔を綻ばせたり、
 本人も気づいていない可能性もあるが意外と世話焼きで、過去である自身より続く現在の人のために召喚に応じたり等、
 公正さに加えた情熱的な一面を同居させる、不可思議の魅力を持つ王。
 
 サガに於いては男性として語られているがその実、女性であった。
 クラキという諢名はそのためであり、しかしながらその気高さは伝説に語られる通り誰にも負けぬモノであり、
 ただの一人でヴァイキングをしていた頃に培った経験と不屈さ、仲間と共に歩み育んだ友情と理想、
 最高の王として突き進んだその視点。 多くのことを様々に考え、それよりから最善を選ぶことのできる彼女は、
 たとえ本当の性別を知っていた者からであっても軽んじられることはなかった。
 
 彼女が率いた十二人の勇士たちに関しては何よりも信を置く。
 彼らを語る時の彼女は少しだけ饒舌に、そして少しだけ感情の色が言葉に乗る。
 そんな彼らの魂が宿っているスコヴヌングは王の証明であると同時に尊き友情の証でもあり、何よりも大切なものとして携えている。
 黄金王よりの餞別を持つ彼女が最後まで――否、最後を通り過ぎ、死して英霊になった今でさえ――手放さぬものがあるとするのならば、
 友情剣スコヴヌングただ一つだけであるだろう。
 
 己の人生については然程後悔を残していない。
 恨み辛みもなく、あるとすれば自身の異母妹であるスクルダに対する複雑な感情だけである。
 経験上裏切りを苦手とするが、これは単なる裏切りではなく一度信頼した相手からの裏切りを指す。
 
 聖杯にかける願いはなく、上記の通り現在に必要とされればそれを支えるために過去である彼女は行く。
 そも生前、聖杯と類似する万能の願望機を目の前にしながら、過ぎたものとしてこれを叩き切っている。
 サーヴァントとしての彼女は自身を『既に終わったもの』として認識しており、
 現世に興味がない訳ではないが、役目を終えれば執着を見せることなく――多少、ほんの一言二言をマスターとなったものに残しながら――去っていくことだろう。