マリー・ルクレール・マーナガルム

Last-modified: 2018-06-30 (土) 14:51:03

キャラシート

欧州聖杯奇譚(NPC)

【名前】マリー・ルクレール・マーナガルム
【容姿】深海の生物のような、奇矯な可愛らしさと共にグロテスクな雰囲気を感じさせる異形。
【願い事】永遠無限に続く繁栄を!
【バッドエンド】あれが最後のマーナガルムだったとは思えない…
【グッドエンド】都市焼却END
【令呪】0 /0
【HP】5 /5
【筋力】E:1
【耐久】E:1
【敏捷】E:1
【魔力】E:1
【幸運】E:1
【スキル1】特権召喚:英雄点5を得る。エクストラクラスの召喚が可能となる。
【スキル2】食物連鎖:自身のHPを0にすることで次の効果から一つ選び使用できる。
          1.自身のサーヴァントの任意の判定時、補正値1を与える。
          2.遭遇フェイズと交戦フェイズ中の自身の手番に自身のサーヴァントのHPを5回復する。
          (「食物連鎖」は同じ判定・タイミングで3回までしか使用できない)
【奥義】『湖月浸蝕・終末餓狼』(マーナガルム・エクリプスバイト) 1/1
【効果】キャラシート作成時、英雄点10を消費する。セッション開始時に使用できる。
    乗騎であり、マスターではないことを除いて、自身と同一の能力を持つ乗騎を(5D6)体召喚する。
    ただし、この効果で召喚した乗騎は前衛に配置できない。
    (『湖面浸蝕・終末餓狼』はセッション中1度しか使用できない)
【その他】混沌・悪 猛獣

 

名前:マリー・ルクレール・マーナガルム
性別:無性(女性型)
血液型:AB型
好きなもの:自分、群れ
嫌いなもの:外れ者
特技:合唱
起源:『増える』
属性:混沌・悪
魔術属性:『増える』
魔術系統:-
魔術特性:-
魔術回路・質:E / 魔術回路・量:E / 魔術回路・編成:異常

 

『増える』起源に目覚めた起源覚醒者。
魔性、獣性に回帰した人面獣心の『狼』達の中ですら畏れられる、美しいまでの純真と醜悪極まる悪意を備えた真正の凶獣。
人獣の群れにおける最古参の一角として、数世紀に渡り絶大な暴悪を振るって来た大災害。
水面に浮かぶ月さえ呑み込む、その悪業の銘をマーナガルム。
歴代に於いて最も多くを喰らい貪って尚も止まらぬ飽食の鮫歯。無限増殖海魔ジェリーフィッシュ。

 

生態

形状としては概ね真っ白い体色の人型をしている。
体長は触手部分を含めずおよそ1.3メートルから1.4メートルほど。体重は大きさに比して軽い傾向がある。
二本一対の腕と脚を持ち、それぞれ五本ずつの指が揃っている。手の握力は強く、ものを掴むことができるが、繊細な作業は出来ない。
代わりに体躯に相当する大きさの触手を複数備えており、器用に動かして泳力を得たり、獲物を捕らえて捕食するのに用いる。
触手の先は口のように開く構造になっており、捕らえた獲物はここから取り入れる。
消化器系に当たる機能は主としてこの触手に備わっており、頭部にある口からはあまり多くのものを呑み込むことが出来ない。
体躯は人間的な見方をすると女性型で、胸部や臀部は丸みを帯びているが、生殖器は存在せず雌雄の別を持たない。生殖の方法からしても無性とするのが正しい。

 

社会性が発達しており、海中で大規模な群(コロニー)を形成し、海流に沿って緩やかに回遊し餌を探す。
コロニー内でのコミュニケーション手段はシャチやイルカのようなエコーロケーションを用いるほか、触手同士を触れ合わせることで直接的に情報を共有する。
他方では表情や口の動きやジェスチャーで状況を伝えたり、じゃれあい、踊りや歌うような動きをするなど多彩である。
こうした多様な手段を用いて外敵や餌場の情報を共有していると思しく、高い認識能力と知能を持っていることがわかる。
一方で、外敵の固体差を識別する能力を持ちながらも、同種間で個体差を意識するような挙動は一切見られない。
また発声器官が発達しており、複雑な言葉(音)を発音出来る能力が確認されているが、海中での生活で用いることはほとんどない。

 

食性は雑食。非常に食欲旺盛かつ好奇心が強く、動植物は極端に毒性の強いものでなければなんでも捕食する。
クジラのような大型の動物に対しても集団で狩りを行う。餌が不足していると貝殻や鉱物も口にする姿が見られる。
基本的に自然界に天敵は居ないが、シャチには返り討ちに遭うことが度々あるので敬遠しがち。

 

最も特徴的なのは繁殖の方法で、十分な栄養・肉質を得ると触手から身体が裂けるように分裂し、自身と同一の形質を持つ個体(クローン)を形成する。
分裂した後は短期間のうちに再生し、元の大きさの個体が二体発生する。再生を終えるとすぐに活動を再開し、運動機能にも変化が見られない。
無性的にのみ数を増やすことを含め、このサイズの複雑な機構を持つ動物がこうした繁殖の戦略を取るのは他に例を見ない。

 

海水棲であるが、淡水環境で生育した例がある。また稀にコロニーから逸れた個体が沿岸に上がってくることがある。
その際は触手で体躯を支えながらではあるが二足歩行が可能である。呼吸などの面でも支障なく活動を行えるが、体表が乾くと衰弱してしまう。
このため陸上で長期間に渡り活動を行うことは少なく、余程好奇心の刺激される何かがなければ、自然と海に戻ろうとする。

 

人物

色が抜けて白く濁った半透明。
無邪気で人懐こい少女の愛らしさと、深海魚のようなグロテスクさが同居した、異形の人獣。

 

その身に根差した起源は『増える』こと。
"数を増やす"という、地球上の凡そ全ての生命体に当然に備わる原初的な本能であり、故にその欲求の強さは論ずるまでもない。
その衝動に純化した体構造は既に人類とは決定的に違うものへと変化しており、複雑な構造を備えながらも原始的な生物の色を強く反映している。
即ち――分裂し、再生し、自身と完全に同一の個体を複製する。
さながら単為生殖を繰り返す微生物の如く。しかしその体格は人間と同等以上なのだから、悪夢的な光景と評する他にない。

 

起源に覚醒し、己の存在を再定義し、自己を発揮するフィールドとして海を選び、深くに潜って数世紀。
それだけの時間を経て、万を超えて増え続けた群体にしかし、原種(オリジナル)からの劣化は微塵もない。
長い時間の中で幾度となく代替わりもしているだろうが、自他の区別のない彼女らにとっては死んだ己も生まれた己も等しく我だ。
完全に同一である故に保たれる不変性であり連続性。奇矯とも言える異形のメンタリティを根幹に、海月は水底を揺蕩っている。

 

元は数世紀前のフランスの片田舎、海辺の小さな漁村で産まれたアルビノの少女。
そこは当時の世相からしても迷信深い村で、色のない少女の扱いは腫物を触るようなもの。
陽の差さない部屋に押し込められ、肉親との接触すら殆どなく育った結果、物心つく前からその精神は自己の内面に沈んでいった。
そして少女が産まれて数年の後、この家族は異端として密告されることになる。

 

審問の結果がどうなろうと、言葉すら碌に口に出来ない少女が独り生き残る未来もない。
といっても、少女は自分の置かれている状況をまるで理解していなかったし、そもそも自分が不当に虐げられていることすら正しく認識はしていなかったのだが。
ただ、縄で引かれて、初めて薄曇りの空の下に引き出されたその時に――本物の"異端"というものを、少女は見た。

 

それは偶然に居合わせた、群れを成して間もない頃の『狼』の一団だった。
彼らによって少女が生まれ育った村は全滅し、しかし少女だけは資質を見出されたことで、結果的に命を拾う。
少女は流血の中で行われた儀式を洗礼と思い、死体を前にして掛けられた言葉の一つ一つを祝福と信じた。
それまで己の内のみしか見たことがなかった少女にとっては、彼らが初めて認識する他人であり、同族だったから。
――故に、必然。
少女こそが、人獣達の最初の"仔"となった。

 

学もなければ人と碌に接したこともない白痴であり、情動は幼いとさえ言えない動物的、思考力は精々犬位のもの。
その狂猛さ、運動能力は文字通り野生の猛獣に等しいが、それ故に行動論理は非常に単純。
餌を与えれば懐きもするし、矛先を逸らしてやれば一時の対処は容易い部類に入るだろう。
長い海中生活で陸での記憶はすっかり忘れてしまっており、自分が何だったのかさえはっきり覚えてはいない。

 

――けれど、獣の祝福だけは今も尚、起源に純化した存在の奥底に眠っている。
高揚、歓喜、至福――自分が一体何を誇り、何を信じてこの牙を得たか、喪うことなく刻まれている。
ならば、もしも仮に。
今一度、その矜持を問われることがあったなら。

 

そこに在るのは、最も多くを喰らい貪って尚も止まらぬ飽食の鮫歯――無限数の獣の顎であることだろう。

 

関連人物

真竜院レト:おねえちゃん。なついた。

 

ミシェル・リュカ・フォウ:殺す。

 

ハイドランジア:もうひとりの自分。その自覚は特にない。

 

・■■■■■・ヴォルフハルト:何も知らなかった自分に祝福を授けてくれた、大好きだったお姉ちゃん。故人。