ヴァンデラー

Last-modified: 2023-11-06 (月) 21:57:33

概要

放浪者(ヴァンデラー)、"古き闇(トゥタ・ニャムカ)"、"鵺"、"∀A(総てを始原へ帰すもの)"、"Ω(終焉)"など、顕現する世界や時代において数多の名前で語られる、可能性の終わり。
「世界を捕食する」「情報に寄生し伝播する」という一線を画す共通性質を持っており、文明の天敵とされる存在。
もともとは、ある多元世界の1つ(平行世界、とは異なる。型月世界的に言うならば、型月世界よりも遠くにある世界。既存設定で言えばクトゥルフ神性組が来ている場所が近い)にあった文明が到達した涯て。
物質的な概念(熱量・分子原子など)に加え形而上的概念(神秘・魂・時間)といった、『宇宙にある全て』を掌握した文明が、全多元宇宙を飲み干しリソースにするため自らの生まれた宇宙そのものを1つの"捕食影"に変貌させることで生み出した。
即ち彼らは宇宙そのものと言って過言ではない。
 

捕食影、"影"

この"捕食影"の大本となった存在、仮称『零』は動かない。
発生元となった宇宙から動かず、4体の"影"を他宇宙(この宇宙とは、分岐した平行世界もすべて含むものとして扱うひとまとまりの宇宙を指す)へと投影し、それらの影を通じて世界そのものをリソースへと転換。自らと一体化する。
この身体より分岐しているもの1つ1つが、『零』の影が捕食し続けた宇宙であり、その数は現人類が表現できる数を超える。
 
4つある"影"は、それぞれその投影された宇宙にある文明に寄生する
その全てがセッション中に見せたような「情報と現実の相互転換」を可能とするため、その文明が発生した世界を観測・認知できる知性さえあれば、寄生する文明の発展度合いは問わない。
強いて言えば、その文明が観測できる範囲がそのまま、彼ら影の捕食範囲となる。
本事件は、異聞帯などと言った"現人類の文明レベルならば、本来捕食されないはずの範囲"にまで手を届かせかねない技術であるカルデアスがあったため、それを消し去るためにある人物が動いたことがきっかけとなる。
 
それぞれの影は『頭脳体』と『捕食影』に分かれる。
頭脳は文明生命体の持つ情報に寄生し、その文明が存在する世界を、それぞれの影が持つ属性に応じて吸収、その世界に応じた捕食影を構築する。
これにより、クトゥルフ神性のような依代に封じられることもなく、時間はかかるがその世界に沿った在り方で効率的に世界を捕食できるのだ。
以下が、それぞれの影の特性と、この世界における姿である
 

Ⅰ『開闢』

文明が抱く「この世界を作り出した超越存在への信仰・畏敬」に寄生。
それら文明が考える"上の存在"という情報を再現するため、必然的に誰もが「敵わない」力を持てる。影の中でも"窮極"に位置する。
同時に、影の中で唯一、世界を渡る際に捕食影も持ち込めるため、非常に速い速度で世界を捕食できる。
だが、この世界に来る以前にその今までため込んでいた『信仰』を全て簒奪されるという異常事態が発生したため、この型月世界で信仰を集めていた。
……のだが、寄生した人類が神々を多様に描き過ぎていたため、その力は霧散。20世紀に黄金の夜明けが各国の魔術体系をまとめ上げ、『隠されし首領』と俗に呼称される概念にまとめ上げられたことでようやく顕現体を得ることができた。

Ⅱ『発展』

文明が世界を解析し、調査し、得た知識に寄生する。それにより、その文明が知りえるあらゆる概念で構築された捕食影を構築できる。
この世界では降臨するのが早すぎたため、原始文明が知る動植物のみで構築された、一種のキメラのような姿になった。
(ちなみに負けイベントで見たあの黒い存在は、この1つ前の段階。それぞれ人類が知った知識それぞれをばらばらに再現してた段階である)
もし進んだ文明に寄生していれば、より最悪の結果を生んでいたことだろう。
だが、星の抑止力と、神々と、まだ発生して間もなかった人類の抑止力。総勢力の戦いの結果、顕現体との戦いは拮抗。
その戦いの中で発見された頭脳体は、南米に眠る蜘蛛の渓谷より奇跡的に採取された水晶の加工体『ネオ・フォトニック結晶』に封印され、顕現体は消滅した。
その水晶は後にパチャクティクに宿り、その後ペルー独立戦争を通じて時計塔へ、その後ある少女に宿る事となる。
劇中登場したこれは、その頭脳体のみが再現した、過去のホログラフィックに近いので力も弱い。

Ⅲ『衰退』

文明が衰退した結果、逃避する空想や妄想などに寄生する。言うなれば「推測」や「風評」などを現実へと変える捕食影。
噂をすれば影が差す、とは言うが、まさしくこれはそれと言えるだろう。
初めに病や怪音などと言った"害"として文明を蝕む。すると文明は、その正体を探ろうとする。
そうして暫定的に、「この存在はXXXかもしれない」と『空想』された瞬間、そのXXXと言う概念全てがこの影と置換されるのだ。
分析すればするほどに置換は進み、最終的にその世界全てがこの顕現体と置換。世界を"捕食した"という結果となる。
この世界では日本に顕現したのだが、不完全体であったために討伐される。その後は消滅こそしなかったものの、討伐の結果深刻なエラーが発生。頭脳体は人間間を転生し続け、その後1人の特撮技術監督となった。
彼が英霊となり「特撮を現実とする」という、近代英霊にありえない超常技術を操れるのはそのためである。
その日本に顕現した存在、仮称『鵺』と、その特技監督が融和した時、再びⅢは降臨する

Ⅳ『終焉』

文明、もっと言えば、知性体ならば必ず持つ「終わりへの恐怖」に寄生する存在。そのまま『終わり』を再現するため、開闢と並び抗いようがない。捕食影最強の存在。
だが、顕現した地域がパトモス島、つまり「キリスト教」という統一された教えにして人類の発展教本を信じている人間が多かったことが致命的だった。
ある1人の少女が、その島に蔓延る終末論を1つずつ招集し、編纂。影の抵抗に抗いながらも、彼女が信じる教えと沿うように、『終焉』を『最後に希望のある教え』へと諦めずにまとめ上げ、4体の中で唯一完全に消滅させることができた。
だがその代償として、その少女はこの世界から完全に消失。唯一彼女を看取った使徒ヨハネだけが、彼女の存在をおぼろげながらも記憶する形となった──────筈だった。
その消え去ったはずの終焉は、西暦3000年代のムーンセルにて、再び蘇ることとなる。