三峰院胡蝶

Last-modified: 2018-02-15 (木) 03:05:41

キャラシート

日帰り聖杯戦争

【名前】三峰院胡蝶
【容姿】見る人が自然と畏まってしまうような、不思議な雰囲気の少女。
【願い事】人探し。
【バッドエンド】略
【グッドエンド】略
【令呪】 3 / 3
【HP】10 /10
【筋力】E:1
【耐久】D:2
【敏捷】E:1
【魔力】E:1
【幸運】A:5
【スキル1】フェロモン:自身のサーヴァントの奇襲攻撃時、補正値3を与える。
【スキル2】完勝への布石:自身のサーヴァントの先手判定時、補正値3を与える。
【その他】

 

名前:三峰院・胡蝶
性別:女性
血液型:AB型
好きなもの:蝶・甘いもの(蜂蜜)
嫌いなもの:一切ない
特技:鍵盤楽器・虫の飼育
起源:『支配』
属性:中立・中庸(混沌・悪)
魔術属性:『支配』
魔術系統:-
魔術特性:使い魔
魔術回路・質:E / 魔術回路・量:C/ 魔術回路・編成:異常

 

『支配』の起源に目覚めた起源覚醒者。
そこに在るだけで自然と衆目を集める、不可思議な艶美が香る美しい少女。魔性、獣性に回帰した人面獣心の『狼』達の中の一人。
蝶のように優雅に笑み、花のように可憐に微笑む――天性の女王蜂。

 

三峰院家は元は日本土着の魔術師の一族で、既に魔道の継承は失われて久しいものの、その血の旧さから歴史の表舞台においても名家の貴族として扱われてきた。
胡蝶は当代の当主であり、若くして両親から家督を継いだ彼女は、学業の傍に家が経営している事業に手を伸ばしている。

 

「人探し」を口にし、夜の街を歩いているが……?

人物詳細

美しい容姿。澄んだ声音。見る人を和ませる柔らかな雰囲気に、おっとりとして優しく落ち着いた語り口。
言動の裏にも表にも、他者に対する悪感情というものを感じさせず、事実そうしたものを一切持たないが故の穏やかさ。
何気ない所作の一つ一つにまで博愛的な慈愛が染みついて、人の眼を惹き付ける自然体での美しさがある。
世俗的な意味において言えば、“理想的な”と形容しても差し支えない少女像。

 

裏返して――穿った見方をすれば、“愛されること”に極めて秀でた少女。
愛されるために愛するという論理は人として正常であり、社会における営みとしてなんら恥ずべきものではないが、しかし少女は人獣である。
その起源は『支配』であり、少女はどのような振る舞いが他者を従えるか、身体に根差した本能で識っているからそう育った。
誰かに愛されるためには(支配欲を満たすには)優しい心を持つのが一番だと(相手を愛でてやるのが効率的だと)

 

愛によって他者を誘引し、愛されることで上下関係は確立され、飴玉を舐め転がすように愛でながら支配は深まる。
良薬も過ぎれば毒に変わる。過度に煽られた慕情は依存に変わるが、そうなった者らは鎖で繋がれることにさえ至福を感じる。
さながら、絹を絞られる蚕のように。支配者なしには生きられないちっぽけな蛾にとって、愛玩は喜びであり飽き捨てられることは死に等しい。
結果として破滅する者も少なくない数現れるが、しかし少女の心に波は立たない。
可愛らしいと思うからこそ愛でている以上、その死に幾許かの憐れみを抱くことはあるが――しかし、そもそもの話。
蛾の生き死になどそんなものだろうと、笑みのまま受け入れているからだ。

 

生来の歪みであったのか、それともそうした世界に投げ出された故に歪みを得たのか。
それを論ずる意味は最早ないが――物心ついた時、少女が見て、聞き、感じる限りにおいて、生きとし生けるものは全て"虫"だった。
人間と虫の区別がつかない――姿形も生態も異なるのだと理解はできるが、感覚の前提として異なる系統樹を同列に見てしまう。
言葉も通じない虫けらと何故同じく思えるのかと問えば、身も蓋もない言葉が返るだけだ。
この少女は生まれついて、虫とでも話ができる(・・・・・・・・・)のだから。
起源に寄り過ぎたことで発現した異能なのだろうが……同じように言葉が通じて愛が通じるなら、幼い思考は両者を当然に混同する。
その癖指で押せば容易く潰れ死ぬことは理解しており――そうした"ズレ"の数々の自覚すら碌に持たないまま、目の前のモノを愛でることだけ覚えて育った結果として。
愛しくて無意味であり、かわいらしくて無価値であり、好ましくて無関心。
遍く命を博愛しながら、遍く命を虫と断じるから何一つ響かない、人獣の精神性は成立する。

 

故に……愛でる相手が等しく虫に過ぎないのだから。
それらに愛される自分もまた虫なのだろうという、無感動な悟りがある。
女王蜂は、つまり、虫なのだから。

 

そして――にこやかに笑みだけを浮かべて日々を過ごし、本能の衝動に従って支配欲を満たしながら、なんとはなしにふと思いついた。
人間を探してみようか、と。
虫ではなく、虫に見えるものでもなく、人間にしか見えない人間を探そう、と。
無意味で無価値な虫を愛でて愛される己は無意味で無価値な虫であり――逆説的に。
意味があって価値がある人間を愛でて愛されれば……?

 

不感の繭に閉じたまま。
揺り篭に揺蕩う(少女)は、未だ羽化()を知らない。

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