大蛇〔組織〕

Last-modified: 2018-07-12 (木) 00:17:41

大蛇(おろち)

南北朝時代に誕生した日本の対怪異守護組織。
葛葉、羅生門、崇徳院、両面宿儺によって構成される四天王が存在し、それぞれが様々な怪異に対応するプロフェッショナルで、四天王をそれぞれ「大蛇四家」とも呼ぶ。
頭領は襲名制で、それぞれ歴史上の有名な怪異の名前とその関連人物を模している。
大蛇全体の頭領の名前は大蛇須佐之男(おろち すさのお)。
須佐之男の祖は南北朝時代に現れた怪異「以津真天」を討伐した真弓広有と同じ一族の真弓広宣(まゆみ ひろのぶ)。

 
四天王

葛葉

主に霊的な怪異を担当している。
地脈保護をしている。
代々続く葛葉の頭領の名前は葛葉保名(くずは やすな)。
祖は安倍氏の一人、安倍泰明。成立は鎌倉時代後期。羅城門とはライバル関係であった。

構成員

 

羅城門

主に物理的な怪異を担当。若干脳筋。
代々続く羅城門の頭領の名前は羅城門綱(らじょうもん つな)。
祖は源氏の一人、源頼秀。成立は鎌倉時代後期。葛葉とはライバル関係であった。

構成員

羅城門和樹

 

崇徳院

主に祟りを担当している。
宗教関係にも強く結界術を得意とし、擬似的な空間転移を収めているものも多い。
代々続く崇徳院の頭領の名前は崇徳院頼之(すとくいん よりゆき)。
祖は細川氏の一人である細川頼之その人……だが別に細川氏は退魔とは無関係で初代は全く関係ない人物。
崇徳院は江戸時代で再結成された際に新たに作られた部門。
初代崇徳院頼之は新興退魔師であり、隠れキリシタンの辻元治(つじ げんじ)。

構成員

 

両面宿儺

主に都市伝説、カバーストーリーを担当している。
普段は情報関係。
代々続く両面宿儺の頭領の名前は両面宿儺武振熊(りょうめんすくな たけふるくま)

構成員

 
大蛇の歴史

室町時代の南北朝時代、足利義満が南北朝を統一した際(西暦1392年)に南側と北側の主要武家、公家を主に活躍していた退魔師一族三家を大蛇という一つの組織として初代須佐之男、真弓氏の一人である真弓広宣が束ねた。
大蛇の名前、各組織名が祖となる一族とは無関係である理由は、あえて直接姓名を使わずかつその家と縁のある怪異及び怪異と関わりにある人物の名を冠することで退魔師としての自覚を促し、更には権威をあえて薄くすることで組織の驕りをなくすため。
その後、戦国時代に入ると仕えるべき主を失った三家は再び分裂し各々異なる主君に仕えた。
江戸時代、日本各地に様々な妖怪変化が現れた事件(西暦1749年・妣國現出事件(ははのくにげんしゅつじけん))を期に稲生正令(いのう まさよし)、当時稲生平太郎が各地に分裂したかつての大蛇三家と新たに誕生した退魔一族である辻一族を崇徳院として加えた大蛇四家として再結成した。
江戸時代末期、妣國より現れた大怪異……強大な死徒「紗婆穫」により引き起こされたミーム汚染「ええじゃないか」に介入したヨーロッパの巨大退魔機関「ヒュペルボレイオス」と対立。抗争が巻き起こり事態は一層混迷なものとなるが両陣営の若き勇士により紗婆穫は無事討伐される。この時点ではまだお互い反目する組織であった。
大正時代、1923年9月16日に発生した甘粕事件、ここでも大蛇とヒュペルボレイオスは事件に関わることになった。
大杉栄殺害事件の犯人である甘粕正彦を調査するうちに陸軍内秘密結社「銀華騎士団」にたどり着いた大蛇だが、銀華騎士団は日本にとどまらずヨーロッパにも広がる反社会的魔術結社「S∴R∴K∴」であった。
銀華騎士団は甘粕正彦の正体から騎士団の存在に気づいた大杉栄を抹殺しただった。
銀華騎士団の目的は満州事変の大義名分である「柳条湖事件」を関東軍に起こさせることであった。
そのために日本国内からは民衆の不満を煽り、関東軍と接触した際は煽動を行っていた。
S∴R∴K∴側も日本支部である銀華騎士団を経済、情報面で支援して騒動を煽る。
S∴R∴K∴にも日本に満州事変を起こしてほしい理由があったのである。
それは中国本土にあるとされる概念武装である宝貝、「瘟コウ傘(おんこうさん)」を発掘するためであった。
S∴R∴K∴は瘟コウ傘を用いてヨーロッパ内で紅砂の霧を発生、飢饉の人為的発生により黙示録の再現を行い、神の子の再臨を計画していた。
計画を知った大蛇とヒュペルボレイオスは過去の反目を棚上げして合同で事件を未然に防ぐために動くが、努力は虚しく柳条湖事件が発生。満州事変も起きてS∴R∴K∴は瘟コウ傘を手に入れてしまう。
そこで大蛇はヨーロッパへ渡り、直接現地で活動し、ヒュペルボレイオスと共に無事S∴R∴K∴を壊滅。未だS∴R∴K∴の残党は残っているが大きな事件は起きていない。
この合同計画を気に2つの組織は急接近し、大蛇はヒュペルボレイオスの下部機関であるジェミニ……双児宮の一員となる。
第二次世界大戦ではヒュペルボレイオスは(主にヒトラーのロンギヌス関係を防ぐために)連合側として戦ったため協力は途切れたが、この間はお互い不可侵であることを契約した。

用語

用語
紗婆穫
サバト。17世紀後半、オーストリア、ウンターベルグのムーシャム城周辺で活動していた死徒。
当時はまだ力が弱く現地の聖堂教会に滅ぼされた……かと思われたが、偶然にも妣國現出事件の余波で発生した穴に落ち延びる。
根の国で力を付けたサバトは紗婆穫と名を変えて日本へと現れる。後述の固有結界はここで身につけた。
寄生型固有結界「Good will(ええじゃないか)」を操る強大な女死徒。
Good willは紗婆穫の体内から霧状に散布される微弱な真エーテルにより感染した人間に同名の体内展開型固有結界Good willを発現させる。
感染することで発現した固有結界は全てをポジティブに捉えさせるという妄想を宿主に与えるが、大量の感染者の共通幻想により認識は塗り替えられ、感染者の妄想が真実となる。
紗婆穫はこの固有結界を世界中に散布することで全てを幸福だと思わせて人間の行動を封じ、死徒による千年王国を築こうとしていた。

 

妣國現出事件(ははのくにげんしゅつじけん)
1749年7月に発生した事件。
突如として世界各地に妣國……根の国と繋がる「穴」が出現。この穴は霊的な存在であるため普通の人間には見えないが、様々な悪鬼羅刹、妖怪がこの穴を通じて世界の裏側より現れた事件。日本以外でも発生したがそちらは現地の退魔組織や聖堂教会、魔術協会に対処された。
怪異を寄せ付ける体質であった稲生平太郎の元に特に大量に現れたが、平太郎を勇者であると認めた魔王、山ン本五郎左衛門が人間側へと離反し平太郎を中心に各地の退魔師が協力して事態の沈静化を図る。
これを契機に日本各地の穴を塞ぐことに成功し、以降の怪異事件の対処を容易にするための組織として大蛇を再結成した。