武器/ハンマー/余談-関連項目

Last-modified: 2023-11-09 (木) 12:51:38

余談

  • ハンマーは道具としてみれば石器時代から現代に至るまで存在し続けるメジャーな代物だが、
    武器としての史実の戦闘用ハンマーはマイナーなものである。
    刃物を通さない頑丈な鎧に対して
    衝撃力で相手を殺傷する鈍器(打撃武器)は極めて有効なため、
    兵士の重装化が進んだ中世代のヨーロッパや中国、早期から兵の重装化が進んでいた中東地域では
    ハンマーのような打撃武器もよく使用されたが、
    メイス(戦闘用に強化した棍棒)やウォーピック(戦闘用ツルハシ)、
    フレイル(鎖で繋いだ打撃部を振り回す棍棒)等といった打撃武器も併存しており、
    ハンマーはあくまで鈍器のバリエーションの一つの扱いだった。
    なお、戦闘用のハンマーは「戦鎚・ウォーハンマー」などと呼ばれる。
    • 日本では古くから「掛矢(かけや)」という巨大な木槌が戦道具として長い間(江戸時代含む)用いられたが、
      これは武器としてよりも戦場における工具や破壊工作の為に使われたものである。
      鎌倉時代から室町の南北朝時代は、戦が基本的に武士による一騎打ちであったともに重装化が進んだため、
      打撃武器や重量級武器が注目されて、全て鉄製の「金砕棒(いわゆる金棒)」なども生み出されていたが、
      大太刀や長巻などの巨大刀剣、大薙刀や大身槍などの巨大長柄武器とも並存していたため打撃武器が主力にはならず、
      ほどなくして戦国時代となって戦争が集団戦に変化すると共に銃が伝来したため、
      長巻や大身槍などの一部を除いての重量級武器は廃れていった。
      日本古武術は江戸時代以降の発祥が主であると共に、
      江戸時代は過剰に威力を持つ武器が武士階級であっても所持制限された為、打撃武器の武術は少数派であり、
      打撃武器の武術も「棒」や「杖」、「乳切木(ちぎりぎ。鎖分銅を繋いだ棒)」など比較的軽量な武器のもので、
      「鎚術」や「戦棍(メイス)術」、「金棒術」などは存在しない。
    • 歴史を見ると、打撃武器としては上述のメイスの方が一般的でウォーハンマーは少数派であり、
      (のページにもあるが、先端部に重量が極端に集中しているという構造は
      遠心力やてこの原理で破壊力が得られやすい一方、同様の理由で力学的に扱いにくかった。
      先端部に重量を寄せたのはメイスも同様だが、メイスは戦闘専用のものゆえに携帯性や扱いやすさを考えて
      ハンマーよりも重心や重量バランスを考えて構造を設計されたり、コンパクトにしたものが多い*1)
      ハンマーの戦場における需要は、陣地設営や城門等障害物の破壊など、工具としてのものである。
      静止物に用いるのが前提のため、城門などを打ち破るために取り回しを犠牲にして威力を高めたのものもあった。
      • その使用法と同じく文字通り「潰し」がきき、大工・鍛冶から兵器まで多岐に渡り広く用いられる他、
        現代でも破壊用途で火事の際の打ち壊し、警察や軍によるドア・門の強行突破などにも使われる*2
        なお最近の欧米で軍や警察が使うものは「バッテリング・ラム*3」などと呼ばれており、
        日本人が想像するハンマーとやや異なる、
        太く頑丈な円柱に取っ手を付けたものを振り回す類のものも普及している*4
        実際に原初の打ちこわし棒は
        丸太を複数人で抱えて城門に特攻するようなものだったと思われるので、ある意味では原点回帰と言えようか。
      • またソビエト連邦や中国共産党なども使用する共産主義のマーク「鎌と鎚」でも、
        鎚は工業労働者の象徴であるとされ、「農民の象徴=鎌」とともに標榜されている。
    • なお重量的に当然だが、ウォーハンマーも鎚頭はそこまで大きくなく、
      むしろリーチを伸ばし馬上でも使えるよう柄を伸ばしたタイプが多かった模様。
      (これは、てこの原理によって軽量化したまま打撃の威力を高める為というのもあった)
      巨大生物が相手のハンターと違って相手が人間であるために、過剰な破壊力は必要なかったのだ。
      更に言うと、史実におけるウォーハンマーやメイスは兵士の持てる重量の限界や、扱いやすさの考慮、
      そして剣の場合と同様に盾と併用することが多かったことから、もっぱら片手持ちの武器であった。
      日本の金砕棒のような両手持ちの打撃武器は少数派である。
      • ちなみに、創作のハンマーでは最も有名とされる北欧神話の雷神トールの武器「ミョルニル」も
        片手持ちのウォーハンマーである。
  • 極稀に「トンカチ」とよぶハンターもいるが、モンハンでトンカチといえばこれが存在するため区別した方がいいだろう。
  • ハンマーを作成or強化する際、モンスターの頭部の素材を要求されることが多い。
    角や頭殻、クチバシといったものが必ずと言っていいほど必要になるため、
    ハンマー使いの人は普段から意識して集めておくといいだろう。
    とはいえ、ハンマーの立ち回りの関係上、頭部の部位破壊は容易なため、
    そこまで神経質にならなくてもいいかもしれないが。
  • 巨大な打撃武器だからか、かなり個性的なデザインの武器も多い。
    レッドビートなどモンスターの頭を使ったハンマーは、化身と一緒に狩りをするみたいでかっこいい。
    他にもサボテンぬいぐるみの形をしたハンマーがあったりと、
    ネタ武器の数が他と比べてかなり多くなっている。
  • いくつかは「斧」「アックス」という名前で呼ばれているが、
    デザインは違えど武器の性質はこれらも打撃武器であり、切断武器ではない。
    • 作品にもよるが、ゲームによっては「斧」と「ハンマー」は同じ武器種として扱われている作品もチラホラある。
      恐らく、このような作品の類例に従って斧型の武器もハンマーとして使われているのだろう。
  • モーション値の比較的高い攻撃を溜めのおかげで移動しながら自由に放てるために、
    武器倍率も斬れ味も似たり寄ったりな最序盤でのザコ狩りには結構重宝する。
    とくにMH2~P2G時代は骨シリーズの存在が更にそれを後押ししていた。
  • MHXのOPではついにトリを飾ることができた。
    ディノバルドがライトボウガンの攻撃で背中を爆破され注意を逸らしたところで
    女性ハンターが渾身の一撃を叩き込むという構図になっている。
    あの向きや距離では頭に当たるどころか空振りしているようにも見えるが
    • 一見すると直接アッパースウィングを出しているかのようだが、
      少し前をよく見ると溜めを開始しているところが映っている。
      次に彼女が映るのは得物を大きく振っているらしい一瞬で、最後に煙の中からホームラン。
      総合的に考えると、彼女は画面外でひとりグルングルン回っていたのだろうか…。
  • あまり知られていないが、実は「ハンマー」という楽器が存在する。
    楽器といっても、ただホームセンターなどで買える木槌や金槌で木の板を叩くだけである。
    また、木の板を箱にして、よく響かせるパターンもある。
    楽器としては、主にマーラーの交響曲第6番や、
    ワーグナーの『ニーベルングの指環』などに用いられている。
    • この「ハンマー」を中に大量に組み込んで弦を叩くように配置したものが「ピアノ」である。
  • プロデューサーの辻本良三氏が愛用していることで知られている。
    がしかし、MH4以降のハンマーの相対的・絶対的な弱体化のひどさ、
    その時期に目立った数々の所業や、
    そのテのプレイを行うのには逆にハンマーがうってつけ過ぎることから、
    ハンマー使いとしてロクな評価がされているとは到底言い難い。
  • MHP2GからMHXXまでのギルドカードでは、ハンマーの棒グラフは紫色で表示される。
    MHWorld以降のギルドカードでは濃いめのになった。

関連項目

武器/ハンマー一覧
武器/ハンマー/派生作品
武器/狩猟笛 - ハンマーから派生した武器。
アクション/横殴り
アクション/アッパースウィング
アクション/溜め攻撃
アクション/スタンプ
アクション/ムロフシ

 
 
 

*1 重量バランスもさることながら、ハンマーとメイスの最大の違いは「最大威力を発揮するための向きの制約」である。刀剣類が「刃筋を立てる」ように適切な角度で対象に当たるよう振らなければならないのと同様の制約がハンマーには存在するが、メイスは形状の工夫で重量あたりの威力と引き換えにこの制約を大幅に緩和している
*2 ただしこちらも例に漏れず、斧やショットガン・爆薬など複数ある選択肢のひとつなので必ずしも採用されている訳ではない。取り分け後述のバッテリング・ラムは競合装備の最たるもの
*3 ラム/ramは衝角・破城槌などと訳される、柄のない大きなハンマーの頭だけを叩きつけるような兵器。城門を破壊したり、船の船首に取り付けて敵船に体当たり攻撃をするためなどに用いられた
*4 一般の丁字型をしたスレッジハンマーなどと比較すると、殆ど棒に近いことから重心配分が均等に近く背負っても邪魔になりにくいのと、丁字型と違い突入後の閉所で引っ掛かりづらい形状である点で有利だと思われる。この形状は「横槌」と呼ばれ、日本でも古くは単に「槌」と言えばこの形状を指すものだった。有名な未確認生物「ツチノコ」は、形状がこの道具に似ることからつけられた名称である。