壮絶な野心を持った士が遺した
雅なる銃槍。闇夜に月の光が
瞬く時、獲物は死に至る。
(狐灯槍ウキヨノヤミヲ)
水霧に映る雅なる銃槍の光は、
夜天の月魄の如く骸を照らす。
狐灯槍ウキヨノヤミヲの強化/最終型。
(さばへなす荒槍の水守)
MHXで初登場した、泡狐竜タマミツネの素材を用いたガンランス。
本項ではMHXXで登場した二つ名持ちモンスター・天眼タマミツネ、
並びにMHR:Sで登場した焔狐竜タマミツネ希少種の武器も扱う。
目次
概要
- 四天王こと四大メインモンスターの一角を担うタマミツネの素材から作られたガンランス。水属性。
壮大な野心を持った士が残した雅なる銃槍。…らしい。
- タマミツネの武器は古来より伝わる武器や道具を模した和風な意匠が特徴的。
この武器も例外ではなく「狐灯槍」の名の通り灯籠を模したもの
(厳密には灯籠の頂点に四方の刃を添えた形状)となっている。
ハンマーやヘビィも風変わりであったが、こちらもこちらで思い切ったデザインをしたものである。
狐の前例が火縄銃型の銃剣銃だったことを踏まえると尚更だろう。
もっとも、ブラストダッシュで飛ぶ姿は別のなにかに見えなくもないが。- 竜撃砲使用後の放熱時では灯籠の中心部分がぼんやりと光る。
ガンランスらしい雅な仕掛けだが、流石にたいまつ代わりにはならない。
故に猫も踊りません。というかたいまつは当のクロスでリストラされてしまった。
- 竜撃砲使用後の放熱時では灯籠の中心部分がぼんやりと光る。
- 盾の形状も振り袖衣装を抽象的に象ったもので、なかなか独創的。
シリーズも長く続いたとはいえ、盾の腹に帯を巻いたような武器など滅多になかろう。
その盾には文字のような模様が刻まれているのが分かる。詳細は不明。
- これだけ聞くと相当な色物武器を思い浮かべるかもしれないが、実際は意外とスタイリッシュ。
風変わりなデザインなのは事実だが、それでネタ武器扱いされる事はなく、
なにより灯籠の形に作られたのには深い理由があるのである。詳細は後述。
性能
MHX
- 前述の通り、メインモンスターの武器として堂々初登場。
入手は一発生産限定。派生ルートは独立しており、派生元も派生先も存在しない。
- 生産直後の性能は攻撃力130、水属性15、放射型LV2、
さらに、そこそこの長さの緑ゲージのオマケに1個の武器スロットがついてくる優等生。
しかしながら、初っぱなから破壊が難儀な泡狐竜の爪を4個も要求してくる困ったちゃんでもある。
その後も逆鱗や水玉はもちろん、尻尾なり尖爪なりを求められるので、ソロで作るのは些か骨が折れる。- イベントクエスト経由ならば上位昇格直後でも最終強化が理論上は可能。
しかし、大概は部位破壊素材や獰猛素材で手詰まるのが関の山で割に合わない。
- イベントクエスト経由ならば上位昇格直後でも最終強化が理論上は可能。
- 六回の強化を経て迎える最終形態である
さばへなす荒槍の水守の性能は以下の通り。- 属性武器として順当な攻撃力200
- それを会心率10%がダメージを加速させる
- 属性武器として不足のない28
- 素で青40の斬れ味ゲージ。匠発動分は全て白ゲージ
- 砲撃性能は放射型LV3。1個の武器スロットは据え置き
これだけなら優秀な属性武器なのだが、いかんせん登場した作品が悪かった。
- 匠発動分の白ゲージ量は見事だが、今作の匠は従来の効果を二分割(+25毎)にされた仕様。
斬れ味レベル+1の段階では白25程度なので、これだけでは今までの作品と大差がない。
更に、今作では匠の発動はおろか業物の発動も難儀な環境なもので、
斬れ味の他にガード性能や砲術のスキルポイントを持つ防具には装飾品スロットが存在しない。
無論、匠防具にそんなスキルを持つものはなく、相変わらず匠と斬れ味の装飾品は相反しあっており、
頼りにしたい匠と斬れ味を両立する防具も一律で0スロット。どうあがいてもお守り頼みになる。
とにかく白ゲージの発動と維持には犠牲が伴うため、重要スキルの取捨選択は覚悟すること。- 確実な手段ではないが、ブシドースタイルを扱えるならばガード性能の負担を和らげられる。
水属性武器の主たる出番となるウラガンキンやイャンガルルガは
ガード時のノックバックが強い技を積極的に扱ってくるので、無策で挑む訳にはいかない。 - なお、MHXの環境下では素青が長い攻撃力220の属性ガンランスは存在しない。
どこぞの将軍と違って白ゲージを発動させる意義はあるので、そこはご安心を。
- 確実な手段ではないが、ブシドースタイルを扱えるならばガード性能の負担を和らげられる。
- 素の青ゲージを活かし、業物と絶対回避【臨戦】で維持し続ける運用方法もあり、
その場合の対抗馬となるのはソルダートアサルトとディープフィッシャー。
前者は同じ攻撃力と誤差範囲の属性値ながら単発威力に優れた拡散型砲撃を持ち、
後者は水守の会心率を削って属性値を三割増しにしたような性能を持つ。
特に、ディープフィッシャーとは会心率に左右されないだけ属性武器としての安定感に後れを取る。
性能上どうしても比較は免れないので、会心率だけでなく武器スロットでも差別化を狙いたい。
- 性能そのものは優秀なものの、MHXのゲームバランスの影響をモロに受けた武器でもあり、
どうにもプレイヤーごとの好みや評価が割れやすいのが実状といったところ。
時には発想の転換が求められるMHXの環境には些か不向きな性能なのかもしれない。
MHXX(通常種武器&二つ名武器)
- 引き続き登場。G級強化に加え、今作では二つ名武器の“天眼灯槍・無明長夜”系列も追加。
それぞれの究極強化の性能は以下の通り。武器名 攻撃力 水属性値 会心率 スロット 斬れ味(匠) 砲撃 期待値 さばへなす荒神祓灯槍LV9 310 35 10% ◯‐‐ 白40
(紫50)放射型LV4 白:419
紫:441あぢむらの騒鼓鎮守槍LV5 320 30 20% ‐‐‐ 白30
(白10紫40)通常型LV4 白:444
紫:467
- 通常種由来の灯槍は控えめな物理性能ながらも素の白ゲージと追加の紫ゲージに優れており、
天眼由来の守槍は追加分の紫ゲージは短いものの物理性能に優れているのが特徴。
前者は紫ゲージ、後者は白ゲージを想定した運用で長所が活きるように見える。
…MHXXに限れば「白ゲ守槍>紫ゲ灯槍」の関係になるのが現実だが。- こうした力関係になるのは紫ゲージの補正値が“1.39”倍に下方調整されたため。
せっかく匠が発動しやすくなったのに、つくづく環境に恵まれない武器である。
- こうした力関係になるのは紫ゲージの補正値が“1.39”倍に下方調整されたため。
- 騒鼓鎮守槍は平均的な攻撃力にそれなりの会心率を持つ武器であるため、
紫ゲージさえあればほぼ全ての水属性ガンランスを上回る期待値を叩き出す。
紫ゲージ時のウィルギガンキャノンにのみ劣るが、あちらは匠+2でも紫10と持続力の差が大きい。
スロットは無いが、持ち味を活かすためにも匠+2まで発動させての運用が望ましい。
- 作成難易度は特殊クエストの関係で騒鼓鎮守槍の方が難しいものの、
どちらも通常種のタマミツネの素材を使うので強化素材がとにかく被り、
この点でも荒神祓灯槍が介入できる余地は少ない。せめて放射型の砲撃タイプを活かそう。
ヒートゲージの蓄積効率は砲撃タイプ(と狩猟スタイルや運用方法)ごとに違うので、軽視できない。
MHRise
- タマミツネの復活に伴い、本武器も復活。
発売当初はII止まりであったが、
Ver.2.0でオオナズチの素材と泡狐竜の水玉を使い、さばへなす荒槍の水守となる。
性能はというと、- かなり高めの攻撃力210
- 会心率15%がそれを後押しする
- まずまずの水属性24
- 斬れ味は青40、匠追加分は全て白
- 砲撃タイプは放射型Lv4
- レベル1スロットが1つ
- 百竜強化は「攻撃力強化III」「会心率強化II」「属性強化【水】II」
- 物理性能に秀でており、そしておまけに水属性も付いている優秀なガンランスである。
ランスが微妙な分のツケが回ってきたのだろうか
突きと砲撃をバランス良く使う、ガンランスの基本に従った戦い方が向いているだろう。
今作は水属性の需要に乏しいのは内緒
MHR:S
荒ぶる神すら退け、愛し君の
平穏を護らん。薄紅の灯槍よ
願わくは不朽不滅であれ。
(さばへなす荒神祓灯槍)
- 続編である本作でもしっかりと強化先が追加された。
一発生産にも対応しているが剛爪を6個,紫靭尾を2個も要求してくるため案外面倒。
素直に強化派生して作るのがいいだろう。一発生産の段階で天鱗を要求されないだけマシではあるが - 最終強化は「さばへなす荒神祓灯槍改」となる。
Riseの時とは異なり、発売初期から最終強化が可能なので安心してほしい。- 攻撃力310
- 斬れ味は素で紫,延長可能
- 水属性40
- 会心率15%
- 武器スロットはLv2が1個
- 百竜装飾品スロットLv2
- 放射型レベル7
水属性ガンランスの中では一番攻撃力が低いが、会心率が高く素で紫ゲージも出ているため
物理性能での期待値はそれなりに高い。
水属性弱点のモンスターも増えたためふるいやすくなったのは追い風といえる。
- ただし、上位でしのぎを削っていたライバルも強力になっている。
- 最終強化時期が早いながらも標準的な攻撃力に高い水属性、豊富なスロットを兼ね備えており、
百竜スロットLv3なので様々な百竜スキルを装備可能ととてもバランスのいい「水砲ドロスロメオ改」。 - 標準的な攻撃力を備えながら、水属性ガンランストップの水属性値75に加え百竜スロットLv3…
つまり、属痛竜珠と組み合わせれば水属性弱点のモンスターに抜群の破壊力を誇る「D=レドゥフ」。
幸いどちらも匠3以上がないと紫ゲージが出ないといった点があるため、その点を火力スキルへ回せるのは
この上ないメリットといえる。会心率も水属性ガンランスの中で唯一プラスに寄っているため、
物理寄りの水属性ガンランスを求めている場合は十分選択肢に入る。 - 最終強化時期が早いながらも標準的な攻撃力に高い水属性、豊富なスロットを兼ね備えており、
- アップデート第1弾からは傀異錬成の登場により、百竜スロットをLv3にする事が可能になった。
さらに、Ver.13では砲撃LVを最大まで引き上げられるようになった。
この為、水属性ガンランス唯一の放射型という事も相まって、
FBFの威力を最大限にぶっ放せるという無二の立場を手に入れる事となった。
- Ver.15.00で同じ水属性放射型ガンスである凶銃槍【瑞雨】が実装、ライバルが増えることとなった。
あちらはなんと鉄蟲糸技強化の効果が付随しており、高威力のフルバレットファイアを叩き込むことができるため、
鉄蟲糸技(フルバレットファイア)を主軸に置いた運用はあちらが勝ることとなる。
ただし、あちらは攻撃力こそ高いもののマイナス会心に加えスロットなしと癖が非常に強いため、
合気リバースブラスト運用の際はこちら側に分があるだろう。
破邪之灯槍イヅナトウカ
悪霊満つる闇夜照らす退魔具を
象った銃槍。灯せよ、放たれた
白光は昏冥を照らし邪を祓う。
MHR:S
- MHR:Sの大型アップデート第2弾でタマミツネ希少種が登場。
これに伴い、新たに登場したガンランスである。
- 一発生産かさばへなす荒槍の水守改からの派生で手に入る。
一発生産だと天鱗が必要な為、派生の方が楽かもしれない。
気になるその性能は、- 火ガンランスでは3位タイの攻撃力320
- 会心率10%
- 火ガンランスではワーストの火属性18
- 斬れ味は素で紫ゲージ、匠でさらに延長
- スロットはLv2が3つ
- 百竜装飾品スロットLv1
- 拡散型レベル7
なのでチクボン運用をするならこれまで通り冥淵銃槍クラティスか波動砲モロコシを担ぐことになるだろう。
爆杭砲での殴り運用に関しても蛮炎銃槍ロギンハスタ改があるし。
- Ver.13で傀異錬成で砲撃Lvアップが可能になり使い勝手が大幅に改善。
長い紫ゲージと優秀な武器スロットが評価され、
拡散型ガンランスの選択肢に挙がるようになった。- それよりも、最大の懸念は低すぎる火属性と百竜スロットLv1だろう。
低すぎる属性値はどこにでも持っていけると割り切れればいいとして、
傀異錬成を4枠駆使しないと百竜スロットLv2にできない。
これはつまり、素では〇〇特効が詰めないことを意味し、
物理のみならず砲撃の威力もそのままでは他に抜かれてしまう。
その上、2枠で砲撃Lv+1を積むとなると、残り錬成枠は4枠(傀異スロットを最大まで拡張している場合)。
攻撃力強化ならLv2(+10)まで、属性強化ならLv4(+12)までと、他に対して強化の選択肢が狭い。
ただ、斬れ味とスキル自由度は折り紙付きなので、盤石な狩りをしたいならば検討するといいだろう。
- それよりも、最大の懸念は低すぎる火属性と百竜スロットLv1だろう。
- Ver.16では原初メル・ゼナ武器の刻銀の撃槍が
通常スロットLv4×3と百竜装飾品Lv3を引っ提げてやってきてしまったが、
こちらとは砲撃タイプが違い、紫はイヅナトウカの方がかなり長いので
他の希ツネ武器に比べれば差別化はできている方である。
余談
- 他のミツネ武器の例に漏れず、武器銘に実在した人物の辞世の句の一部を引用しており、
この武器を由来は独眼竜“伊達政宗”が残した句と伝わる。
「 曇りなき 心の月を さき立てて 浮世の闇を 照らしぞ行く 」
(曇りのない月の光のように、自分の信念を貫いて、世の中の闇を照らすようにひたすら歩んだ人生だ。)
と思われる。
ある意味存在そのものが野心作であるガンランスに相応しい言葉といえよう。
武器が灯籠の形をしているのも、この一句から影響を受けたからかもしれない。
こう言われると、なんだか奥州の暴れん坊が悪ノリで作らせたような気がしてくるから不思議である。
- 強化後の「さばへなす」は梅雨入りの初夏に群がり騒ぐハエを差し、
転じて「騒ぐ」や「荒ぶる」といった意味を持つ枕詞になる。なるほど。
- 希少種武器の銘「イヅナトウカ」の由来は、“管狐”の呼び名の一つ「飯綱」と、
“稲荷”を音読みした名前「トウカ」からだと思われる。- 管狐(くだぎつね)とは、人間に取り憑き精気を喰らったり精神異常を引き起こしたりする妖狐のこと。
竹筒にすっぽり入ってしまう程の小ささであることから管狐と呼ばれている(諸説あり)。
地方によって様々な呼び方が存在しており、中でも「飯綱(いづな)」は
主に東北・北陸地方で伝えられている名である。 - 稲荷神は五穀豊穣・商売繁盛の神として現代でも崇拝されているが、
一部地域では「いなり」と呼ばずに音読みして「とうか」と呼んでいる。
広島県広島市にある「とうかさん」などが有名。- また、ガンランスの方は灯籠のようなデザインであることから、
「稲荷」の他に「灯火」も掛かっているのだろう。
- また、ガンランスの方は灯籠のようなデザインであることから、
- 管狐(くだぎつね)とは、人間に取り憑き精気を喰らったり精神異常を引き起こしたりする妖狐のこと。
- 他に灯籠を模したガンランスはMHFに登場する月々灯【新月】が該当する。
しかし、彼方は灯籠よりも“ぼんぼり”に近い形状なので、似てそうで案外似ていないが。