ゲームについて

Last-modified: 2024-01-24 (水) 11:52:58

ゲーム概要

バウンティ・ソード

  • 販売元 パイオニアLDC
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 1995年9月8日発売
  • 11400円
  • 対応機種 SFC
  • プレイ人数 1人
  • パイオニアLDCが発売したSFC用ゲームソフト。
    パイオニアLDCのゲーム業界参入第一弾タイトル。
  • ゲームの知名度こそ低いものの、『新世紀エヴァンゲリオン』や『ゲートキーパーズ』などの脚本で知られる山口宏氏による31歳の落ちぶれた元英雄を主人公に据えた重厚なシナリオや、『サクラ大戦』シリーズなどの楽曲を手掛けたアニメ・ゲーム音楽業界の第一人者である田中公平氏を作曲に、パイオニアLDCの次作『ごきんじょ冒険隊』やエニックスから発売された『ミスティックアーク』などの楽曲でコアなゲームファンの支持を集めた森彰彦氏をサウンドプログラムに迎えた壮大なBGMは実際に手に取ったプレイヤーから非常に高い評価を受けている。*1
  • シナリオとBGMが高評価を受ける一方、ゲームシステムは練り込み不足なのか大味な部分が目立つ。
    ターン制やヘックスを廃したリアルタイムシミュレーションを掲げているが、誰か一人が攻撃を行っている間は他のキャラは攻撃できない仕様になっており、若干テンポが悪い。
    また、半自動で戦闘を行うAIの精度がいまいちなために、味方キャラがほんのちょっとの障害物に引っかかって先に進めず同じ場所をぐるぐる回っている姿はプレイヤーの間で語り草となった。
  • 戦闘不能になったキャラが死亡しない(次のマップに出撃不能になるだけ)ことに加え、即死攻撃や使用することで攻撃魔法が発動するアイテムがゲームバランスを崩壊させるほど強力なため、難易度はシリーズ中最も低い。
  • シリーズ中唯一、レベルアップ時のパラメータの上昇にランダム要素がある。
  • 後にリメイク作として『バウンティソード・ファースト』が発表されたが、合体攻撃や序盤の一部シナリオなどが削られていたり、仕様の変更があることからSFC版の方を愛好するファンも少なくない。

バウンティソード・ファースト

  • 販売元 パイオニアLDC
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 1997年6月6日発売
  • 6090円
  • 対応機種 PS
  • プレイ人数 1人
  • SFC版『バウンティ・ソード』のリメイク作。プラットフォームはPSへと移行した。
    「バウンティソード・トリロジー」と銘打った3部作の第一弾として発表されたが、本作に続く第二弾の『ダブルエッジ』は発売されたものの、最終作となるべき『バウンティソード・サード』は未だ発売されていない。
  • プラットフォームがPSへと移行したことによるサウンドクオリティの向上や大幅なシナリオの加筆により、シリーズ最高傑作の呼び声が高い。
  • ゲームシステムはハイテンスバトルと呼ばれる。
    大まかな部分はSFC版に準じるが、インターフェースが一新された他、複数のキャラが同時に攻撃可能になったり、範囲攻撃が味方を巻き込むようになるなど変更点は数多い。
  • SFC版で猛威を振るった即死攻撃や攻撃アイテムなどが削除された上に、戦闘不能になったキャラが死亡して復活しなくなったことによって難易度が激増している。
    ヘックスを廃しているために攻撃範囲の境界がファジーなのにも関わらず範囲攻撃が味方も巻き込んで死亡させてしまうという仕様は本作にマッチしていないのではないかとの批判が多いが、その難易度の高さを「やりがいがある」と肯定的に捉える意見もある。

バウンティソード・ファースト(廉価版)

  • 販売元 ハムスター
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 2000年8月31日発売
  • 1575円
  • 対応機種 PS
  • プレイ人数 1人
  • 「Major Wave シリーズ」*2の一つとして発売された廉価版。
    ゲーム起動時にハムスターのロゴが表示される以外にオリジナル版からの変更点はないが、セーブデータの互換性がないためオリジナル版のセーブデータを引き継ぐことは出来ない。

バウンティソード・ファースト(ゲームアーカイブス版)

  • 配信元 ハムスター
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 2011年4月13日配信
  • 617円(税込)
  • 対応機種 PS3・PS Vita・PS Vita TV・PSP
  • プレイ人数 1人
  • 廉価版を発売したハムスターが配信しているゲームアーカイブス版。
    廉価版を元にしているためオリジナル版とのセーブデータの互換性はない。

バウンティソード・ダブルエッジ

  • 販売元 パイオニアLDC
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 1998年7月30日発売
  • 6090円
  • 対応機種 PS
  • プレイ人数 1人
  • 『バウンティソード・ファースト』の100年後を舞台にした続編。
    「バウンティソード・トリロジー」の第二弾として発表された。
  • ゲーム開始時に男性主人公の「ケーン」と女性主人公の「セラ」という二人の主人公からどちらかを選ぶ必要があり、選択しなかった側はライバルキャラとしてゲームに登場する。
    ケーン編は「イージーエッジ」、セラ編は「ハードエッジ」と呼ばれ、ハードエッジは各マップに設定された制限時間以内にクリアしなければゲームオーバーになるなどイージーエッジに比べて難易度が高く、特に戦力が乏しい序盤のマップは『ファースト』をクリア済みのプレイヤーであっても苦戦するだろう。
  • 戦闘システムは基本的に前作までを踏襲したものだが、スキル使用時に消費するSPがマップ開始時は0からスタートして時間経過と共に溜まっていくようになった他に、戦闘に参加する味方キャラが5名から4名に減った代わりに戦闘用ロボットの「ヴォイド」を最大8体まで編成可能になるなどの新要素がある。
  • 『ファースト』で批判が多かったためか極一部のスキルを除いて範囲攻撃が味方を巻き込むことはなくなり、戦闘不能になったキャラもマップ終了後に復活するようになった。
  • 作品の目玉であるヴォイドなどの新要素が取っつきにくいことやロード時間の長さ、使い難くなったインターフェースに見られるシステム面の劣化に加え、キャラ設定と作中の言動が噛み合わない登場人物の存在*3などによってシナリオ面でも『ファースト』ほどの高評価は得られず、セールス的にも振るわなかった模様。

バウンティソード・ダブルエッジ(廉価版)

  • 販売元 ハムスター
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 2000年9月28日発売
  • 1575円
  • 対応機種 PS
  • プレイ人数 1人
  • 『ファースト』と同じく「Major Wave シリーズ」の一つとして発売された廉価版。
    やはりオリジナル版とのセーブデータの互換性はない。

バウンティソード・ダブルエッジ(ゲームアーカイブス版)

  • 配信元 ハムスター
  • 開発元 ヘッドクォーターズ
  • 2011年7月6日配信
  • 617円(税込)
  • 対応機種 PS3・PS Vita・PS Vita TV・PSP
  • プレイ人数 1人
  • 『ファースト』と同じく廉価版を発売したハムスターが配信しているゲームアーカイブス版。
    廉価版と同じくオリジナル版とのセーブデータの互換性はない。
    また、オリジナル版に起因するバグ*4は修正されていないことが取扱説明書やソフトウェアカタログでアナウンスされている。

攻略本

バウンティ・ソード

  • SFC版の攻略本は4冊が出版されているが、4冊の攻略本全てがファウストの質問に対する正解を掲載していない。*5
  • SFC版に限らずシリーズ全ての攻略本に共通することだが、各種データの数値が実際のゲームと異なっていることが非常に多い。
    これはゲーム制作側から提供されたデータが製作途中のものであり、その後の仕様変更や設定ミスによって生じたデータの齟齬を検証しないまま攻略本が刊行されたことに原因があると思われる。

バウンティ・ソード 公式攻略ガイドブック

  • 講談社
  • 1995年9月25日初版発行
  • 854円
  • 敵の配置が詳細に記載されており、各マップの攻略情報が分かりやすい。
  • 味方キャラのレベルと職業ごとのパラメータの成長限界に触れているのはこの攻略本だけ。
  • サブキャラクターを含めた全味方キャラの成長率や敵キャラのレベルごとのステータスやドロップアイテムといったデータ面が4冊の攻略本の中で最も充実しているが、実際には1レベルあたり0~1しか上昇しない「しかいせん」のSP上昇値が8と記載されているなど、上記の通りデータの誤りが多いことに注意が必要(この点は他の攻略本でも同様)。

スーパーファミコン必勝法スペシャル バウンティ・ソード

  • ケイブンシャ
  • 1995年9月25日初版発行
  • 854円
  • シュタイアの妹や初代反乱軍のリーダーの設定など、ゲーム中では語られなかった裏設定が紹介されているのが他の攻略本にない大きな特徴。
  • 各マップの攻略情報は敵の配置が載っていないためいまいち。
    また、キャラクターの成長率の記述があるものの、真実の仲間とコルツやヘンメリーなどのスポット参戦キャラの情報しかなく、サブキャラクターの成長率は分からない。

バウンティ・ソード ゲームガイドブック

  • 徳間書店
  • 1995年10月20日初版発行
  • 1068円
  • 全ページカラー。
  • サブキャラクターを含めた全キャラの紹介や欄外コラムなどが充実しており、読み物としての面白さがある。
  • 他の攻略本にない大きな特徴は「魔法・必殺技 決めゼリフ大全集」。
    中でも合体技の決めゼリフはゲームには収録されていない没セリフであり、この攻略本でしか確認できない貴重なもの。

バウンティ・ソード 必勝攻略法

  • 双葉社
  • 1995年10月25日初版発行
  • 825円
  • 全ページカラー。
  • 敵の配置が記載されているためマップの攻略情報は理解しやすいが、他の攻略本と比較するとデータ面がやや貧弱。

バウンティソード・ファースト

バウンティソード・ファースト 公式ガイドブック

  • アスペクト
  • 1997年7月4日初版発行
  • 1300円
  • 『ファースト』唯一の攻略本。
    SFC版の攻略本と違い、ファウストの質問に対する正解がきちんと記載されている。
  • 主人公の騎士時代を描いた外伝小説や機神の設定資料、開発スタッフ座談会など、読み物としての面白さが充実している。
    その一方でクラスやスキルの解説が分かり難い上に間違いが多かったり、ドロップアイテムなどの敵のデータがほとんど記載されていないのでデータ面は貧弱。

バウンティソード・ダブルエッジ

  • 『ダブルエッジ』の攻略本は2冊が刊行されているが、2冊とも隠しキャラのテティスの加入条件である日数制限に触れていない。
    また、会話イベントでの選択肢ごとの関係値の上下が記載されているが、攻略本通りに選択肢を選んでもエンディングで表示される関係値に誤差が生じる。

バウンティソード・ダブルエッジ 公式攻略ガイド

  • メディアワークス
  • 1998年8月20日初版発行
  • 950円
  • 他の攻略本と同様に細かいデータの間違いが散見されるため全てを鵜呑みには出来ないが、各マップの敵の配置やスキルの効果、経験値稼ぎマップを含めた敵のドロップアイテムが載っており、光栄版と比べてデータ面が充実している。
  • 「エリアルートチェック表」に相当する機能がない点や、読み物としての面白さでは光栄版に劣る。

バウンティソード・ダブルエッジ 真正シークレットガイド

  • 光栄
  • 1998年8月21日初版発行
  • 1400円
  • 巻末のエリアルートチェック表が進行ルートを考える際に非常に便利。
  • 開発スタッフ座談会などがあるため読み物としての面白さはメディアワークス版よりもこちらが上。
    一方で、各マップの敵の配置やドロップアイテムが記載されていないなどデータ面は貧弱。
  • マップごとに「開発者Nの助言」*6と題した攻略メモがあるのも特徴だが、実際のゲームでは習得不能なトリュウの「真空斬り」を使用することを勧めてくるなど信用性はいまひとつ。
    また、セラ編を「理想ルート」通りに進めると日数制限を超えてしまい、絶対にテティスを加入させることが出来ないという致命的な欠陥がある。

音楽

バウンティ・ソード音楽編

  • パイオニアLDC
  • 1995年11月22日発売
  • 2913円
  • SFC版『バウンティ・ソード』の全BGMと、ラジオドラマ『鋼鉄の龍』のボーカル曲『BATTLE WIND ~男に吹く風~』と『遠い記憶』の計31曲を収録したサウンドトラックCD。
    SFC版音源なので、『ファースト』のPS版音源と比較すると若干チープに感じられてしまう点が残念。

オーケストラによるゲーム音楽コンサート5 ― ライブ・ベスト・セレクション ―

  • ソニー・ミュージックレコーズ
  • 1996年1月21日発売
  • 2718円
  • 1995年10月29日に渋谷公会堂で開催された同名のフルオーケストラ演奏によるコンサートのライブ盤。
    Track 9に『バウンティソード』から『不敗の聖騎士』~『見上げる夜空』~『戦場の風』の三曲のメドレーが収録されている。*7

BOUNTY SWORD BGM SPECIAL

  • パイオニアLDC
  • 非売品
  • 『ダブルエッジ』のゲーム発売時にキャンペーンで配布された非売品CD。
    『ダブルエッジ』で使用された全BGMが収録されている。
  • 『ダブルエッジ』のBGMの中には『戦場の風』等の『ファースト』でも使用された楽曲が何曲か含まれており、それらをPS版音源で聴くことのできる貴重なCDとなっている。

ドラマCD

バウンティ・ソード外伝 鋼鉄の龍

  • パイオニアLDC
  • 1995年9月21日発売
  • 3146円
  • 声優の三石琴乃氏がパーソナリティを務めたラジオ番組『部活しよっ!』中の1コーナーとして、1995年8月4日~9月15日までオンエアされたミニドラマを再編集した完全版。
    当初ゲーム中に収録されるはずだったが容量の都合でカットされた没エピソード「フュリスとクレイオ」をラジオドラマとして復活させた作品。
  • 原作ゲームのシナリオを担当した山口宏氏自らが脚本を手掛けた上に出演した声優陣も実力派揃いとあって非常に完成度が高く、原作ゲームのプレイヤーから絶賛されている。
    スタッフ・出演声優(敬称略)
    • 脚本 山口宏
    • 音楽 田中公平
    • 演出 三間雅文

    • ソード 石塚運昇
    • テティス 三石琴乃
    • フュリス 鈴木真仁
    • ロジャー 三木眞一郎
    • シュタイア 関智一
    • クレイオ 池澤春菜
    • ミランダ 篠原恵美
    • ファウスト 石井博嗣
    • ラグガドル 柴田秀勝
    • ルナリア 西村ちなみ
    • フリージア 今井由香
    • ロベリア 並木のり子

    • OPテーマ 『BATTLE WIND ~男に吹く風~』(歌:関智一)
    • EDテーマ 『遠い記憶』(歌:鈴木真仁)

漫画

バウンティソード ラインメタル異本

  • 徳間書店・少年キャプテンコミックススペシャル
  • 原作:塩崎有吾 作画:斉藤和衛
  • 1996年12月20日 上下巻同時発売
  • 上下巻各544円
  • 『月刊少年キャプテン』にて1995年11月号~1996年8月号まで連載された漫画作品。
  • 原作スタッフが関わっておらず、内容も世界観・キャラ設定・デザインの全てがゲームと異なる「名前だけ貸した別作品」状態になっているため原作プレイヤーからの評価は低い。

BOUNTY SWORD DOUBLE EDGE

  • エニックス・Gファンタジーコミックス
  • 作画:大武ユキ
  • 1999年10月27日初版発行
  • 762円
  • 原作ゲームのキャラクターデザインを担当した大武ユキ氏が執筆した『ダブルエッジ』のコミカライズ作品。
    『月刊Gファンタジー』の1999年3月号~9月号まで連載され、原作シナリオの前半部分に当たるエリア4までの内容を主にケーンの視点で描いている。
  • 大武ユキ氏自ら手掛けた原作ファン必見の作品となっており、特にケーンとイクシオンの関係にスポットを当てることで彼らの確執とケーンの内面の変化が原作ゲーム以上に丁寧に描かれている点が高く評価されている。*8
    それだけにストーリーが前半部分までで終了していることが惜しまれる作品であり、読者からは続編の出版が熱望されている。

小説

バウンティソード・ファースト 聖剣の墓標

  • アスキー・ファミ通文庫
  • 著:石田祐一 絵:中村淳一
  • 1997年9月3日初版発行
  • 580円
  • 『ファースト』の内容を元にした小説作品。
  • 完全なる別物と化している『ラインメタル異本』ほど顕著ではないが、この作品も独自の設定やストーリーが展開されるために原作プレイヤーからの評価はあまり高くない。

*1 田中氏と森氏はアスミックから発売された『レナス』シリーズでも本作と同じく作曲とサウンドプログラムを担当している
*2 ハムスターがパイオニアLDC等からソフト販売権を引き継いで販売しているプレイステーション用廉価版ソフトのシリーズ
*3 セラの「亡き夫の遺志を継ぐために戦地に赴く未亡人」という設定と、凛とした立ち絵の印象からはかけ離れた「~ですぅ」という珍妙な口調は多くのプレイヤーを困惑させた
*4 エリア9のアンに出撃させたアリスがレベルアップするとフリーズする
*5 攻略本を購入したプレイヤーの多くが最も求めていた情報のはずなのだが
*6 Nは戦闘システム担当の西部英晃氏を指すと思われる
*7 曲目は『不敗の聖騎士』のみになっているが、実際には『見上げる夜空』と『戦場の風』を含んだ三曲のメドレー
*8 原作ゲームではケーンの内面が変化するに至った経緯が詳しく描かれておらず、シナリオ後半に仲間たちに対する態度が軟化するケーンの姿が唐突に感じられる