アイテム/【カタパルト】

Last-modified: 2023-04-01 (土) 04:43:14

原語は「Catapult」。
投石機もしくは投石器と訳される。
カタパルトは、大掛かりな機械仕掛けにより石などを投射して敵兵や城砦などの建造物を攻撃する兵器のこと。
石を投射するための機構によって種類が分かれているが、大型の物でも射程距離は数百メートル程度しかない。
威力はあるが移動に手間がかかるため、中世までは城攻めなどで多く活用された。発射体としては石の他に火災発生を目的とした火のついた油入りの壺、疫病発生や士気低下を狙った動物の死体などが使用された。一方で平時には催し物の際にデモンストレーションとして花を発射してみせるなどの事例もあったとされる。
投石機は重火器の発達に伴ってその役割を縮小し、戦場からは徐々に姿を消していった。軍用兵器として活用されたのは第一次世界大戦での塹壕戦が最後とされている。
ファンタジー作品では、攻城戦や野戦の場面で登場することがあるが、世界観によっては大規模な攻撃魔法が使われたり、火薬や魔法を用いた大砲が存在する場合があるため、華々しく活躍できる場面は少ない模様。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

エキスパート・ルール・セット

クラシックD&D第4版のエキスパート・ルール・セットの原語版では「Light catapult」、日本語版では「軽カタパルト」という名前で登場する。
本体の基本価格は150gp。エンカンブランスは1000。
小型の四輪馬車の上に据え付けられ、馬やラバに引かれる。馬車の移動速度は通常の半分になる。
船舶で使う場合は船上に直接設置されることになる。
なお通常弾は5gp、ピッチ(松脂弾)は25gp。いずれもエンカンブランスは30。
戦闘時は5ラウンドに1発の頻度で発射可能で、射程距離は150~300ヤード。150ヤード未満の目標に狙って命中させることはできない。
命中判定は操作する人数と同じレベルのファイターとして行う。ただし最大4人までしか操作できない。また、操作員はカタパルトの訓練を受けておく必要がある。

マスター・ルール・セット

日本語版では「軽カタパルト」から「ライト・カタパルト」へと表記が変更され、射程やエンカンブランスなどもエキスパート・ルール・セットの仕様から変更された。
命中判定は操作員の射撃担当者のレベルを用いる。操作員はカタパルトの訓練を受けておく必要がある。
弾は通常弾、樹脂処理弾(エキスパート・ルール・セットのピッチの事)、特殊弾の3種になった。
特殊弾は人間や動物の死体などを含む。主に防御側の士気を下げたり、疫病を蔓延させることを狙う*1

ライト・カタパルト

本体価格は変わらないが、シージマシンルール上における弾などの消耗品や本体の運用・維持費が設定され、毎週4,000gpを要する。
エンカンブランスは12,000に跳ね上がった。車輪付きの場合、移動射程距離は最短距離150ヤードはそのままだが、普通の飛び道具と同じく短射程/中射程/長射程が設定され、200/250/300となった。射撃速度は1/5ラウンドのままで変更なし。
また本体にACヒットポイントが設定された。操作員の定数は6人。

ヘビー・カタパルト

ライト・カタパルトより大掛かりで強固な投石機。
本体価格250gp。シージマシンでの運用・維持費は毎週6,000gp。
エンカンブランスは18,000。射程距離は最短175で、250/325/400。射撃速度は1/6ラウンド。
操作員の定数は8人。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディアの日本語版では表記が「ライトカタパルト」「ヘビーカタパルト」になった。
一般技能ルールに砲術が追加されたことで、命中判定の基準が砲術技能を習得しているキャラクターになった。砲術技能を習得している者がいない場合、命中判定は一般人のものを使わねばならなくなる。
加えて、動いている目標を狙って攻撃することができないと明記された。船と「非常に大きなモンスター」は例外としてカタパルトで狙い撃つことができるが、クラシックD&Dではルールサイクロペディア版でもサイズLまでしかないため、どのくらいの大きさのモンスターならカタパルトで攻撃できるかがはっきりしない。

関連用語

クラシック・ダンジョンズアンドドラゴンズの攻城戦兵器一覧


*1 D&Dではクレリックによる治療があるため有効とは言い難い。